馬入日記

【馬入日記:11月21日】「想いに応えたい」阿部選手インタビュー

FC東京戦に向けて、チーム皆で切磋琢磨する日々。
変わらずに激しいポジション争いが続くGK陣も、充実のトレーニングをしています。

古巣との対戦となる阿部選手に話を聞きました。
公式戦の出場から少し遠ざかっていますが、現在のコンディションについては…。

「一時期、少し落ちていましたけど最近はいい感触があります。一時期は、やらなきゃという感じで、自分からというより、与えられたことに必死についていくという感覚になったりもしたんですけど、今は“こうしたい”という欲を持って、どうすればもっとよくなるとか、そいうものが自分の前にあるという感じでやれていると思います」と阿部選手。

今季途中にアレックスサンターナ選手が加入し、3人だったゴールキーパーが4人に。さらなる激しいポジション争いとなりました。

「キーパーがシーズンの途中で増える時に、監督からも説明があって、競争をしてもらいたいという話がありました。より激しい競争をチームが望んでいることを感じたし、マイナスにもプラスにも、自分次第でどちらにも捉えられるので、いいほうに捉えてやるようにしていました」

普通に考えれば、ライバルが増える状況に反発を感じてもおかしくはないところ。でも、阿部選手、安藤選手、鈴木選手がオープンマインドにアレックスを受け入れ、4人でより高みを目指そうとする姿勢がありました。

「サッカーをしている人のことは純粋に尊敬していると思うし、ライバルであることは大前提なんだけど、同じポジションということもあってさらに尊敬するところがたくさんあるから」と、その理由を語りました。

フィールドプレーヤー同様に、GKも誰が出るか分からないという状況です。
「去年もそうだったので、そこに関しては何の驚きもないし、バックアップにまわることも、いい意味で落ち込むことはない。でも何かが足りないからそれを自分で掴んでほしいということは監督もずっと言っていることなので、信じてやるのみです」

また、ここ最近意識していることというのは。
「最近、コーチによく言われるのは、“サッカーマンであれ”という言葉。キーパーとして試合に出るんだけど、サッカー選手として試合に出てほしいと。ボールを止めるだけが仕事じゃないし、声を出すだけが仕事じゃない。サッカー選手という広い意味でピッチに立っていなければいけないんだという意味。シュートを止めるためだけに、右にきたボールを右に飛んで止めるとか、そうい練習をするだけじゃなくて、本当だったらボールはどっちにくるか分からないものなので、そういうことを常に考えながらやってほしいと言われて、なるほどと思いながら取り組んでいます」

10人プラスキーパー1人ではなく、11人であること。
ポジションの枠に捉われず、自身にできることの可能性を広げています。

さて、23日は古巣であるFC東京との対戦。
5月の対戦では、先制し一時逆転を許すも、再逆転し競り合いを制して3-2で勝利しました。阿部選手もピッチに立ち、奮闘しました。

「アウェイの味スタといこともあるので、そこは特別な想いもあります。立てるように今は取り組むのみです」と。

鹿島戦からは2週間が空きました。
「もう一回、基本的なことに立ち返って、ポジショニングだったり、そういうことをまずやってたんですけど、今週になってから対FC東京に出せるプレーというのを意識してやってきました。シュートストップと1対1のブロッキングとクロスというのは、特にテーマを持ってやれたと思います。いい意味で的を絞れて、次の可能性に懸けてやる準備は、精神的にも身体的にもできたと思う」

追い込まれた状況ではありますが、そんな中、残された3試合に臨む想いとは。
「今までずっとやってきた精神で臨めばいいんじゃないかと思います。これまでやってきたとおりの精神状態でやられなければいけないと思っています」と。

そして、共に戦うサポーターの皆さんに対しては。

「鹿島戦の時、ロッカーに戻ったあともう一度ゴール裏に行きましたけど、あの時に、ゴール裏の皆さんの顔もよく見えたんですけど、僕は割と先頭のほうを歩いていたのでバックスタンド側も見ていたんです。1周まわった後だったから、けっこう時間が経っていたけど、それでもまだ残ってくれている方たちがいて、その方たちがゴール裏に寄ってきてくれるところがすごく印象に残っています。ゴール裏だけじゃなくて、スタジアム全体でそういう空気があるというか、自分たちのほうに来てくれる、期待してくれる人たちがいる。そう思うと、すごくじんときました。だから、ただ、その想いに応えたいという気持ちです」

「想いに応えたい」
それはとてつもなく大きなエネルギーです。

23日のFC東京戦、ぜひ共に戦って下さい!