ボイス

【ボイス:2022年7月1日】大岩一貴選手


もう一度、その目標を言える位置に。今は一歩ずつ進んでいく

今シーズン、最も多くの試合に出場している大岩一貴選手。
最終ラインからチームを支える、キャプテンだ。
プロ生活は11シーズン目を迎えるが
ルーキー時代のチームメイトには、現役選手だった山口智監督がいる。
選手時代の山口監督から受けた影響と、
その監督の元で過ごすベルマーレでの日々を振り返った。

チームとして成長するために
いい循環を目指したい
 ベルマーレに移籍してきて3年目のシーズンを迎えた大岩選手。プロ生活は11シーズンを重ね、在籍したチームはベルマーレで3チーム目となる。ここまでのプロサッカー選手生活を振り返って、あるのはどんな思いだろうか。

「まだまだだなと思いますよね。J1で何試合に出たとか、タイトルを取ったことがあるのかとか、そういうことを含めて物足りない。そういう意味でまだまだだなと思います」

 「まだまだ」という思いの先にベルマーレへの移籍があった。

「湘南は、練習がきついとか、若い選手が多いとか、たくさん走るイメージがすごくあって、そういうキツさを求めている自分がいました。若い選手が多いのもわかっていたし、そういう選手たちとギラギラしてやりたいというのは思ってましたね」

 加入して感じたのはイメージ通りのチームだったこと。

「練習は想像よりはきつくはなかったですけど、全然簡単ではなかったです。一つ一つのスピード感とか強度とか、今風に言うとインテンシティというのはすごくあるなと思いました。あとは準備、練習前の準備は一人ひとりの意識がすごい。来て良かったなと思いました」

 実際に対戦相手として何度も戦ってきたチーム。移籍後2年の間にそのスタイルを身につけ、今シーズンは、リーダーとして体現する立場にある。

「ボールを奪いに行くだったり、まず矢印が前というのが僕が一番に思い浮かぶ湘南スタイル。今は、智さん(山口監督)が、敏さん(浮嶋前監督)のときからですけど、プラスアルファのことを要求している。それは、ボールを大事にしてボールを動かす時間を作るだったり、ショートカウンター以外でも点を取れるようにというところ。選手たちもいまそこに挑戦しています」

 ステップアップを目指し、チーム全体で挑戦している。そんな中で大岩選手は、キャプテンとしてチーム全体の姿勢をサポートしている。

「まずしっかりチャレンジすること。やろうとすること、やってみようとすること。パッとできればいいんですけどね、なかなか難しい部分もあるし。できるようにチャレンジしていくことが大切だと思います」

 サッカーはチームスポーツ。チーム全体で向上していくことが必要だ。だから全員でチャレンジする。その積み重ねた結果として、勝ち星が少しずつ増えてきた。

「結果がすべてなので、結果が出てないときは言いづらいですよね。でも、手応えはみんなあると思います。守備でいえば奪いどころ、奪える形も増えてきたし、逆に行かずにメリハリもつけられるようになってきている。行くときのパワーもみんな出せるようになったし、逆に引き込む、少し下がってブロックを組むところもみんなで組めるようになっていると思う。守備の部分は手応えを感じます」

 一方、第15節川崎フロンターレ戦で爆発したかに見えた攻撃力については、まだ課題を感じている。

「もう少しみんなで点が取れれば。今日も練習で智さんに言われましたけど、後ろから始まっているから、後ろももっといい組み立てをしないといけない。あとは個人としては、セットプレーでも点が取れればと思いますけど」

 それでも、形になれば強烈な攻撃力を見せられることも証明している。この後は、コンスタントにその状況を作り出せるようにしたいところだ。

「監督もやり続けるってずっと言ってるんで。ブレないですし。やり続けることで良くなることも多いと思うし、一つ勝つことでうまくいく部分も増えると思います。その循環。そういう意味では、もう少し早めに1個勝っていれば、という思いはありますけど」

 11年目のシーズンは、そのキャリアに相応な重い役割が託された。しかし、その分、やりがいも感じている。今は、山口監督が目指すサッカーをチームで表現するために、全力でチャレンジしている。

>もう一度、その目標を言うために 巻き返すのはここからだ