ボイス
【ボイス:2021年11月11日】古林将太選手
1試合1試合を戦って。
今は、ベルマーレをJ1の舞台に残すことが使命
コロナ禍2年目、4チームが降格する
2021シーズンも残すところ3試合となった。
現在順位は、15位。
勝点に大きな開きはなく、
最後まで気の抜けない戦いが続くことが予想される。
しかし、9月に迎えた新しい指揮官と選手の信頼は厚い。
そしてベルマーレへの思い入れが人一倍強い選手が
最前線で戦っている。
今、古林将太選手は
ベルマーレをJ1に残すことを使命と考えている。
これからは移籍の経験を還元したい
小学生の頃からベルマーレのアカデミーで育ち、ユースからそのままトップチームへ昇格してプロ選手としてのスタートを切った古林将太選手。昇格後2シーズン目に当時J2のザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)に期限付きでの移籍を経験しているが、これは若手の武者修行的要素が多分にあった。しかし、経験を重ねて中堅選手となった7シーズン目に果たした名古屋グランパスへの移籍は、本来、戻る道はない完全移籍。この移籍を振り返ったときの言葉の一つがこれだった。
「難しいですけど、ベルマーレで育っているから、いつか帰って還元したいというか。選手としてじゃなくても、いつか絶対に帰ってくると自分の中で決めていました」
移籍は選手にとって大きな決断だ。プラスの面もマイナスの面もある。所属チームで結果を出していれば、リスクの方が大きいかもしれない。しかし、新しい環境に身を置くことは、これまでと違う刺激があり、どんな状況が待っているかはわからなくても、いろいろな意味での成長が期待できることも確かだ。
「僕はジュニアからベルマーレにお世話になってて、感謝の気持ちしかないんですけど、やっぱり1回外を見てみたいっていうのはありましたし、自分の成長に繋げるにはどうしたらいいかとかも考えて。両親や家族と話し合ったり、他にもいろんな人とも話して、決断しました。草津も行ってますけど、ずっとベルマーレにいるのと、外を経験しているのでは違うと思った。サッカー面でも、人間的にも成長できたと思いますし、これをどんどん還元できればいいと思います」
今、移籍の経験を振り返って、その決断に後悔はない。
「選手としてもそうですけど、人間としてひとつふたつ、みっつよっつくらい成長できたと思います(笑)。結果として、自分は間違ってなかったと思うし、間違ってなかったと思わせるのはこれからの行動だったり、人との付き合いだったりすると思う。間違いなく人間関係は広がったし、今後につながっていくのかなと思います」
とはいえこんなふうに移籍を振り返ることができるのも、選手としての立場で帰ってくることができたからこそ。
「仙台にいたときにベルマーレから話があって。仙台とはちょうど契約が切れるタイミングで、残ってほしいと言われたんですが、ベルマーレに戻りたいって思って、そこには揺るがない決断がありました(笑)。戻ってこいって言ってもらえるなら絶対戻ってきたかったし。仙台ではナオさん(石原直樹選手)も一緒にやっていて、『ベルマーレに戻ります』って言ったら、『いいな』って。『お前早いな、決断』って言われました。みんな古巣に戻るというか、最初に育ったチームに戻りたいっていう気持ちを持ってると思います」
どんな形でも、いつかは戻ってくるつもりだった愛着のあるクラブ。しかし、2019シーズン、いざ戻って感じたのは想像以上のプレッシャーだった。
「やっぱり帰ってきたからには活躍しなきゃダメですから。戻った最初の1年目はなかなか難しかった。無駄なプレッシャーを勝手に自分でかけて、前半は特にギアが上がらなかった。一つのプレーにビクビクするというか。期待感も感じるし、すごく苦しかったですね。夏ぐらいからメンタルと体が合ってくる感じがあって、少しずつ動けるようになっていった」
さすがに戻って3年目となった現在は、「そういうプレッシャーはない」。それよりも今は、外で得た経験を選手としてチームに還元することを考えている。
「出身も地元中の地元なので。絶対何らかの形で還元したいなって思ってたので、こうやって選手として帰ってこれたのは幸せですし、選手生活が終わっても還元し続けたいなと思いますね」