ボイス
【ボイス:2021年6月18日】茨田陽生選手
新たなサッカー観を吸収して、
選手としても人としても成長したい
自分の得意なことを集中して伸ばしていくか、
苦手なところも見つめ直すか。
サッカー選手としての選択は人それぞれ。
後者を選んだのは、在籍2年目の茨田陽生選手。
育ったサッカー観とはまったく違うサッカーを体現する
湘南ベルマーレで日々、奮闘している。
その理由は、成長したいという思い。
パスで攻撃を活性化
昨年から続く新型コロナウイルス感染症の影響により、2021シーズンのJ1リーグは例年より2チーム多い20チームで戦っている。必然的に日程は過密になり、選手の負担は大きい。そのためリーグ戦・カップ戦ともに選手交代枠は、今シーズンも5人まで可能というレギュレーションが昨年同様継続されている。浮嶋監督は、ほとんどの試合でこの交代枠を使い切る。なかでも2トップやインサイドハーフ、アウトサイドのポジションは、それぞれに特徴を持つ選手が時間帯に応じて起用され、そのプレーで見どころを演出する。出場する試合の多くでインサイドハーフを担う茨田選手もまた、光る個性の持ち主。その力は攻撃面で、より発揮される。
「フォワード以外、ほとんどの選手よりゴールに近いポジションなので、ゴールに向かっていく姿勢もそうですし、僕自身はパスに特徴を持っているので、パスの部分でフォワードの選手にどうお膳立てできるか、どうやってアシストできるかというところが大切だと思います。フォワードのほかにもウイングの選手が上がってきて、その選手がゴールに近づいていけるようなパスを出せるかっていうところ。こういったところを見て欲しいと思います」
パスで攻撃を活性化する茨田選手。同じポジションを競う名古新太郎選手とは、個性が違うこともあって、それぞれが見せるプレーが楽しめる。
「新太郎は、ゴールに向かっていくプレーというのが非常に上手ですし、そういうところは見習っていかなきゃいけないと思います。僕は、パスのところでチームにリズムを与えられたらなと思いますね」
選手交代が多いポジションの理由は同じ、運動量の多さにある。インサイドハーフであれば、90分間、攻守において前と後ろ、そして横の選手と連携しながら躍動する。
「運動量も求められますし、強度の強い守備も求められるので、非常にインテンシティが高いなと思います」
攻守に渡って卒のないプレーでチームを支える茨田選手がもっとも気を遣っているのがポジショニングだ。
「ボールを持った選手に対していいサポートをできるポジションを取るのもそうですし、フォワードの選手がボールを収めたときにパスを受けるところのポジションも、また守備のところも。ポジショニングは非常に意識してますね」
浮嶋監督から求められるのも良いポジションからのパスで打開していく攻撃力。
「ボールをもっと受けろっていうふうにはよく言われますね。カウンターじゃないとき、遅攻になったときに自分たちがどれだけボールを持って落ち着くことができるかっていうのも、今、湘南ベルマーレにとって課題だと思うので、そういうところで自分の力を発揮できればと僕自身も思ってますし、監督も交代のときにそういった声かけはしてくれます」
リーグ戦は途中から出場することが多いが、そこにもまたゲームの状況に応じた役割がある。試合の目的は勝つこと。多くの場合、得点が求められる。
「まずはしっかりと守備のところで遅れを取らないのもそうですし、強度高くいくことは心がけています。あとは、引き分けの状況だったりっていうのは点を取りにいかなきゃいけないですし、僕も特徴は攻撃のところにあると思うので、シュートチャンスを増やすこと、また僕自身もゴールに向かってプレーしていくっていうことは意識してやってます」
ちなみに、パスの出し手として得点をお膳立てすることを得意としているが、「点を取るのはうれしいですし、点を取りたい気持ちはすごくあります」とのこと。今後は、茨田選手自身が決める得点シーンにも期待したい。