ボイス
【ボイス:2018年11月15日】イ・ジョンヒョプ選手
チームとしての成長を感じる今、
僕たちのサッカー観れば、その結果はわかるはず
2月に始まったシーズンもいよいよ終盤に突入した。
混戦のJ1は、数字の上ではまだまだ気が抜けない状況を示している。
しかし、イ ジョンヒョプ選手が語るのは、
今年1年積み上げたチームの成長への信頼。
初めての海外移籍でベルマーレに来たストライカーが
これまでの歩みと現在見えている景色を語る。
その要求は想像以上
今シーズン、韓国からきたストライカーは、ベルマーレに関わる誰にとっても懐かしく、愛着のある選手に後押しをされてベルマーレへの移籍を決めた。
「以前にこのチームにいたハン グギョン選手と話をして。ハン グギョン選手が曺(貴裁)監督と話をして、監督が僕はすごくスタイルも合うし、ジョンヒョプがベルマーレに来たらジョンヒョプ自身も楽しくサッカーができると言ってくれたと後押ししてくれた。それで迷うことなく日本に来ることを決めました」
大学を卒業してから5年間、韓国Kリーグでプロ生活を送ってきたイ ジョンヒョプ選手。そこで日常的に行われていたのは、曰く「フィジカル重視のサッカー」。しかし、ジョンヒョプ選手自身はもっと違うスタイルのサッカーを求めていた。
「韓国は、スピードと身体的な要素をすごく重視したサッカーをしている。細かくパスを繋ぐようなことは要求しない。日本のサッカーは、その逆で短いパスを繋いで、一つひとつのプレーに細かくこだわっているというふうに感じていました。試合では、そういう細かいプレーが勝敗を分けている。そういうサッカーがやりたいと思っていました」
思いを募らせているところへ届いたのがベルマーレからのオファーだった。移籍を決断する前に動画でベルマーレのサッカースタイルを確認し、最終的にはハングギョン選手の後押しもあって心を決めた。
「釜山アイパークとの契約はまだ残っていたんですけど、Jリーグでプレーしたいという気持ちがどんどん強くなっていったので、このタイミングで行こうと決めました」
動画で見たベルマーレの印象は、チーム全員が走るサッカー。
「個人で頑張るチームではなく、全員攻撃、全員守備、そういうイメージを持ちました。サッカー自体も自分にフィットしていると感じたし、ほかの選手たちともうまくやれると思いました」
フォワードの選手が負うべきタスクももちろん確認した。ベルマーレでは、前線の選手が担う守備の役割も軽くはない。
「自分はもともとフォワードでも守備をしなければいけないと思っていました。自分が守備をすることでミッドフィルダーの選手やセンターバックなどのディフェンスやゴールキーパー、みんながちょっと楽になると思いますし。だから、フォワードの選手にとっても守備はすごく大切なものという位置付けをしています。そういう点で、湘南のサッカーと自分の守備への考え方がすごく似ていると思ったのも湘南に決めた理由の1つです」
チームへ貢献する気持ちは、もともと強い選手。動画から見て取れるスタイルを確認し、すべては理解したものと思って移籍を決めた。ところがチームに合流して、何でも見るのとやるのでは違うということを痛感することとなった。
「前線から守備をしないといけないという意識はすごくあったんですけれど、実際にやってみたら、『これくらいやればいい』と自分で思っていた以上に守備を頑張らなければいけなかった(笑)。自分が前線で戦わないとチームとしての連動性が発揮できないし。守備の始まりは自分であり、その重要性を実感しました」
もう1点、必要な走力も想像以上だった。
「最初は、大変で、すぐに疲れてしまっていたんですけど、それは自分だけではないので」
新しいチャレンジをするなかでは、選手の年齢層も刺激となった。ベルマーレには二十歳前後の選手が多く、ほかと比べて若いチームという印象。しかし、若いからこその吸収力に驚かされることとなった。
「すごいなと思うのは、若い選手は学ぶ姿勢がすごくあること。練習中も『やってやろう』という意欲がすごく強いので、自分も気持ちを改めて、1から学ぶ姿勢でやってやろうという思いを持ちました。すごくいい影響を受けています」
こうした日々を積み重ねることで、ベルマーレというチームへの理解を深めている。
「僕自身は、もっと湘南のサッカーについて理解を深めていかなければならないことはたくさんあるけど、ほかのチームとは100%違うところがあって、それは、このチームしか持っていないスタイルだということは理解しています」
また、シーズン当初に比べてチーム全体の成長も感じている。
「運動量が豊富でスピードのある選手が多いので、カウンターの時などもすごく早い。守備も間延びせず、常に一定の距離を保って連動して動くことができている。特にシーズン後半に入ってからは、チームとしてボールを保持できるようになって、選手個々がすごく自信を持ってきている。その結果、失点も自然に少なくなっている。ボールを奪った後に、自分たちでフィニッシュまで持っていける選手がすごく増えています」
あとは、この成長を勝点に結ぶだけ。これからもチーム一丸となって走り続ける。