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2009Jリーグ ディビジョン2 第51節 試合結果
2009Jリーグ ディビジョン2 第51節
2009年12月5日(土)12:34キックオフ ケーズデンキスタジアム水戸
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2 前半 2 0 後半 1 |
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73 >> 73 | 勝点 | 95 >> 98 |
20分 30 中村 英之 21分 19 森村 昴太 |
得点者 | 30分 34 田原 豊 34分 11 阿部 吉朗 53分 11 阿部 吉朗 |
出場選手
シュート数 | 選手名 | 背番号 | ポジション | 背番号 | 選手名 | シュート数 | |
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0 | 本間 幸司 | 1 | GK | GK | 32 | 野澤 洋輔 | 0 |
2 | 保崎 淳 | 3 | DF | DF | 5 | 臼井 幸平 | 0 |
0 | 鈴木 和裕 | 4 | DF | DF | 3 | ジャーン | 0 |
0 | 大和田 真史 | 32 | DF | DF | 19 | 村松 大輔 | 0 |
1 | 小澤 雄希 | 2 | DF | DF | 30 | 島村 毅 | 1 |
1 | 菊岡 拓朗 | 8 | MF | MF | 2 | 田村 雄三 | 0 |
4 | 中村 英之 | 30 | MF | MF | 7 | 寺川 能人 | 0 |
0 | 村松 潤 | 7 | MF | MF | 8 | 坂本 紘司 | 1 |
1 | 森村 昂太 | 19 | MF | FW | 10 | アジエル | 0 |
4 | 荒田 智之 | 9 | FW | FW | 34 | 田原 豊 | 6 |
5 | 高崎 寛之 | 11 | FW | FW | 11 | 阿部 吉朗 | 3 |
– | 原田 欽庸 | 31 | GK | GK | 16 | 植村 慶 | – |
0 | 加藤 広樹 | 5 | DF | DF | 14 | 阪田 章裕 | 0 |
– | 森 賢一 | 22 | MF | MF | 21 | 永田 亮太 | – |
0 | 島田 祐輝 | 15 | MF | MF | 28 | 猪狩 佑貴 | 0 |
0 | 吉原 宏太 | 13 | FW | FW | 9 | リンコン | 0 |
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得点経過
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[得点経過の記号の意味]~:ドリブル、→:グラウンドパス、↑:浮き球パス、S:シュート
選手交代
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開催データ
[入場者数] 5,500人 [天候] 曇、弱風 [気温] 13.0℃ [湿度] 67% [ピッチ] 全面良芝、乾燥 [試合時間] 90分
[マッチコミッショナー] 臼井 郁夫 [主審] 廣瀬 格 [副審] 手塚 洋 [副審] 抱山 公彦 [第4の審判員] 柳沢 健一 [記録員] 原田 秀人
阿部選手コメント
J1昇格した嬉しさとあのゲームをよく乗り越えたと…。今でも本当かどうか、信じられないくらいです。
ホーム最終戦で勝てなかったり、今日まさか前半で2失点してしまうなど、本当に神様はいるのかと思ったけど、でも、逆にこれをひっくり返せないようではJ1にいけないんだと開き直った。ポジティブに考えたことで結果につながったと思います。
練習でやってきたことは間違いではなかった。今日は一年間やってきたことを全てグラウンドに置いてこよう、出し切ろうという気持ちでした。
無我夢中でした。湘南に来てよかったと本当に思いました。日々、練習も楽しかったし学ぶことも多かった。チームの総合力で上がれたのだと思います。
反さんももちろんだけど、コーチやスタッフ、湘南に携わる人みんなのことを思って、この人のためにやりたいと思える人間の信頼関係だったと思う。
坂本選手コメント
終了間際は冷静だなと感じていたんですけど、笛が鳴った瞬間はもう覚えていない。
それくらいやっぱり嬉しかった。
これでゴールではないし、自分にまた新しい目標ができた。J1で戦えることが目標ではなくて、来年必ずJ1に残るという目標ができた。
自分のためにも、クラブの将来のためにもまた大事な一年になるという実感があります。
ずっと昇格を目指してやってきたから、正直燃え尽きてしまったらどうしようかと思っていたんですけど、ひとしきり涙を流したらまた目標ができてまた頑張ろうと思えた。今年以上の熱い気持ちで来年を迎えたいと思います。
「10年はどうだったか」と本当によく聞かれて、大きなプレッシャーになっていました。この状況まできて昇格を逃したらどうしようとかマイナスなことを考えないこともなかった。でも最後にはそれが原動力になった。力に代えられた。自分にしかない、突き動かしてくれるものだったと思います。
やっぱりこの1カ月はしんどかった。飯が食べれないとか眠れないなんて状況でやったことはなかった。でもこの状況まできていることを幸せに感じ力に変えなければと思った。
本当にみんなのお陰です。それしか言えない。みんなにありがとうという言葉しか出ないです。本当にありがとう。
野澤選手コメント
今シーズンを象徴するような今シーズンの戦いを集結させたような最終戦でした。
ホッとした気持ちもあるし、またスタートラインに立てたという気持ちなので、逆に引き締まる思いです。
今日の試合もそうだし、悪夢の4連敗もあったし、ロスタイムで何度も奇跡を起こしたりと最後まで諦めない気持ちが勝利を引き寄せたと思います。
1試合毎に成長していったと思うしみんなのことを誇りに思う。このチームでやってきてよかったと思います。
みんなの泣いている姿やサポーターの顔を見たら、みんなすごい想いでこの試合を迎えていたんだと感じて、嬉しかったし感動しました。
今日もサポーターがたくさん来てくれて、本当に応援してくれた。みんなで勝ち取ったJ1です。
田村選手コメント
よかった、本当によかったとしか言いようがないです。
勝たなければいけない試合というのは、今だから言えるけど、本当はすごいプレッシャーでした。
2点を先にとられるとは思っていなかった。でも逆に吹っ切れた要因でもあった。本当にこんなこと、なかなかないだろうと思います。みんなの本当に上がりたいという
気持ちが結果を引き寄せたと思います。今日もうちのホームと言っていいくらいの素晴らしい応援だった。10年分の感謝をやっと結果で表すことができた。
反さんも言っていたけど、やっとスタートラインに立ったのだと思う。
長くてきついシーズンだったけど、本当にいいシーズンでした。
乗り越えられたことに少しの間喜んで、また厳しいシーズンに向けて準備して、来年絶対に残留しなければいけない。
改めていろいろな人たちに支えられていることを実感したシーズンでした。
田原選手コメント
負けたくないという気持ちと昇格したい気持ちがなければ0-2は覆せなかったと思います。1点を取られたときよりも、2点目を取られてからのほうがピッチでやるべきこと、点を奪うということが明確になって、チームの緊張感が抜けたかなと思う。3点目を取ったときはもちろんうれしかったけど、まだ時間も残っていたし、最後までもう1点取るつもりでした。J1で暴れたいです。
寺川選手コメント
2点取られたときは、今季最後の試合でこんな状況になるかと正直思いました。でも前半のうちに追いつけたことが大きかった。2点を奪われ、逆に前に繋ぐ感じになった。僕自身は、まだ時間はあるから焦らないよう声を掛けました。何をするために自分は湘南に来たのかを最近思いながらやってきたので、目標を達成することができてよかったです。
臼井選手コメント
(試合後は)何も言えず、自然とこみ上げてきました。ほんとう、涙しか出てこなくて、顔を覆うことで精一杯だった。我慢していたんですが、紘司くん(坂本)や雄三(田村)も泣いていたので、それを見たら余計にこみ上げてきました。でも豊(田原)を見たら平然としていたので醒めた(笑)。とにかくうれしかったです。阿部ちゃんに助けられたし、豊もやっぱり勝負強い。
(前節引き分けて臨んだ最終戦だったが?)あの試合は正直勝ちたかったし、みんな悔しかったと思う。ただ、あの試合があったから今日があったのかもしれない。
(来季に向けて)J1でどこまで通用するか、これから厳しい戦いになると思いますが、上位に食いつけるようなチームにしたいし、なれると思っています。
水戸 木山監督 試合後コメント
総評
まず、湘南ベルマーレの関係者の方におめでとうと申し上げます。勝てなかったですけれど、選手たちは本当に今の力を出してくれたし、非常に素晴らしいゲームをしてくれたと思っています。1年通して本当にファンとサポーターの皆さん、選手の惜しみない努力があって、51試合を戦い切ることができました。もちろん全て満足いくわけではないですが、充実した1年が送れたと思っています。感謝したいと思います。
質疑応答
-湘南に今季3敗したが、その差はどこにあったのか?
細かいことを言うときりがないですが、昇格にふさわしいチームだったと思います。精神的な部分、自分たちのプレーをやり通す部分、それを支える技術、チーム一丸となってひとつの目標に突き進む組織力、クラブ力、すべてにおいて我々とまだまだ差があるのかなと感じました。
-今季8連敗した理由は?
僕のせいでしょう(笑)。経験不足というか。51試合という長丁場ですから、いろんな面での総合力が試されるリーグだと思うんですよ。実際、40試合ぐらいまでは上位を争っていたわけで。そこで少し自分たちのリズムを崩した時に立て直すことができなかったり、今まで経験したことのない勝たないといけないという重圧を感じたりとか、結局はそういうことを最後の第3クールはなかなか跳ね返せなかった。それが8連敗につながってしまった。
-今日は目指してきたサッカーができたと思うが、その要因は?
結果論で話すことは簡単なことなのですが、そういうことを監督として常に引き出せるかどうか、選手は出せるかどうか、チームとして出せるかどうか、いつも結果を求めて不確定なものにトライしているので、それがなぜかと言われるとそれがわかれば絶対に出せるわけで。
でも、出せる力は秘めているんだと。結局、それを出し切れる力があるかどうか。それは監督としての力もそうだし、選手としての力もそうだし、それを支えるクラブ力もそうだし、全てにおいて自分たちのよさを常に出しきれるところまで至ってない。そういうことしか言えないですね。
-2点リードした時の試合の流れをどう見ていたか?
草津戦もそうでしたが、湘南は立ち上がりにプレッシャーに苛まれてプレーしているなというところがあった。その時に2点がセーフティーのリードじゃないと。守備からある程度リズムを作っていこうと意思統一してピッチに送り出したので、あまりにも前がかりにイケイケになりすぎるのは危険だと思いました。
ただ、2点返されて前半終わってしまったんですけど、自分たちが前がかりになってやられたというよりは相手の意地というか、ここで昇格を終わらせないという意地と意地のぶつかり合いみたいなものがあったと思います。決して戦術的にミスをしたとか、技術的なミスをしたとか思ってなくて、僕自身はリードして終われるのがよかったですが、あまりにもゲームのコンセプトを変えないでゲームを進めた方がいいんじゃないかと。リードしたことで何かを変えるよりは前半はこのままの戦いで行こうと。
結果として2点取られてイーブンになりましたが、ゲームの戦い方を考えた時に後半勝負することができれば、いい戦いができると思っていた。指示としては「このままやろう」と。相手が前に出てくる分、守り方というか、守備の意識はより高めないといけないと伝えられる選手には伝えました。ただ、引きすぎるなと。それぐらいしか指示はしませんでした。
湘南 反町監督 試合後コメント
総評
思っていたより取材のより人がいないのを見ると、みんなJ1の方に目が行っているのかな。サッカーというのは面白いもので、1つの戦いが終われば、また次の戦いがはじまる。さっき選手にも言いましたが、次のスタートがはじまっていると。そういうことですね。昇格したら昇格したで、今度は降格しないようにしないといけない。また、胃液が出そうな生活を送らないといけないと思うと、嬉しいんだか悲しいんだか、わかりませんが。
湘南としては、今年本腰を入れてというと変かもしれないけど、中庸のメンタリティーを捨てて、目の色を変えさせて、シーズンの最初からやってきて、その成果が強いメンタリティーになって、こうしたものを勝ち取ったんじゃないかなと思います。普通、みなさん、記者席に座って携帯電話の画面を見ながら、甲府が2-0で水戸が2-0、これはもう湘南やばいな、と思われた方がたくさんいると思います。第3クールの甲府戦の時と同じような展開でした。次の1点を我々が取ったか、甲府が取ったか、まったく同じような展開になってしまいました。そういう強いメンタリティーがあったからこそ、リバウンドも跳ね返すことができたんじゃないかと思います。
選手の喜ぶ顔を見て、私も嬉しく思いましたし、もっともっとチームが強くなれるようにこれからも精進して参りたいと思っています。最終戦だと普通3人ぐらいしか記者がいないのですが、今日はたくさん来ていただいて、いっぱいいい記事書いてください。J1の優勝争いもありますし、ワールドカップの組み合わせも決まりましたんで、5行ぐらいでいいので書いてください。写真も小さくていいので(笑)。
質疑応答
-0-2になった時はどう思い、どういった指示を出したのか?
当然、みんな意識してないといってもプレッシャーはあるんでしょうね。ひとつの足が出て行かない、普段パスが落ち着いてできるのにドーンと蹴ってしまったりだとか、それは私のマネージメントがよくなかったからそういうふうになってしまったと思いますが、まず、冷静さを保つということですね。あそこで高崎とジャーンが競った時にやられていたら、今、ここで敗者の弁を口にしないといけなかった。そのあたりまでが、ある意味パニック状態でした。相手がやってくることもわかっていて、説明もしてインプットさせて、試合でアウトプットするだけなのに、それができないのはプレッシャーがあるんでしょうね。
でも、まず落ち着けと。そう言っているときに点を取れたので、これは非常にいい展開だなと。前半で追いついたのですから、ハーフタイムには甲府の結果を我々は知っていましたが、教える気はありませんでした。この試合を勝つんだということを話しました。点を入れるためにどういうことをするかを簡単に伝えました。向こうのストロングは2トップですよね。その対応をしっかりと。攻撃は伝えたことをゲームで出すと。後半はそれを出すだけでした。
-アウェイにも関わらず、ホームのような雰囲気をつくったサポーターに一言。
アウェイの席がいっぱいになっていて、普通0-2から逆転するのは、我々の力だけでは無理でしょうね。ずっと声を止めないで苦しい時でも応援してくれた。しかも、1人1.5倍ぐらいの音量で応援してくれたことが我々の背中を押してくれたことは間違いないこと。甲府戦ぐらいからそうした勢いがあって、非常に感謝しています。来年は僕が罵声を浴びるようなことになるかもしれませんが、辛抱強く応援していただければと思っています。本当に感謝しています。気をつけて帰ってください。
-就任1年で昇格させることができたが?
甲府の時に同じ質問を受けましたが、私が昇格させたわけではなく、湘南が昇格したんです。つまり、サポーターの話をしましたが、フロントも含め、強化部長、遠藤広報などたくさんの人がチームを少しでもよくさせようと集結した力がこうした結果を生みました。まず、そうした自分の仕事に力に責任を持ってやったことがチーム力が上がったひとつの要因だと思います。
ただ、最終的には選手がピッチで戦うものです。僕は水のみ場に馬を連れて行くだけで、最終的に水のみ場で水を飲むのは馬なんですね。馬という表現はよくないかもしれませんが。だからそこまで連れて行って、あとどうするかです。そういう意味で彼らは今まで以上に自分で考えながらどうにかするということを見つけ出して、それをパフォーマンスで出せるようになった。今日も苦しい逆境で仲間を信じ合ってやったという、そうした気持ちの強さが出ていたと思います。それは日々の練習から厳しくしてきた結果だと思います。練習中、誰かが倒れたら、大丈夫かと一言も言わず、練習中続けろと、そういうことをずっと続けてきた成果だと思います。選手というのはみんな甘やかしてほしいんです。そういう逃げ口を与えないということでやってきたので、それがちょっとずつ、1日0.1ミリかもしれませんが、蓄積して人間として少しずつ成長した。サッカープレーヤーとして成長したんじゃないかなと。質問の答えになっているかわかりませんが、我々みんなが集結して、1年目にも関わらず、私を助けてくれたと思っています。
-開幕の5連勝と第1クールの12勝というスタートダッシュが大きかったように思うが?
おっしゃるとおりですね。貯金が多かったがために、金利が悪くなった最終クールでもなんとか生き延びて来られたというのはあると思います。当然、我々のサッカーも研究されますし、どちらかというとわかりやすいかもしれないですよね。それでも踏ん張りながら自分たちのサッカーを突き詰めてやってきたのはよかったと思ってます。
-来年はどんなチームにしていきたいか?
僕はJ1での経験もあるのでやっぱり大きな差がありますね。コレクティブな戦いはできている。51もの実戦を積んできたわけですから。逆にインディビジュアルでみた場合、まだまだしっかりプレーできてないということはあります。そこを補強するかどうかは、我々は貧乏クラブなので何とも言えませんが、ピンポイントにしっかり選手を入れてチームを強固なものにしていかないといけない。昇格したからといって、功労者のような選手はできない。また0からのスタートで競争の場に立って競争して勝ち上がっていく。それがプロの世界ですから。そうした土壌づくりをやっていかないといけないと感じています。
-1年通して湘南のサッカーを貫けた要因は?
試合前に選手たちに話をしたのは、4連敗している時に平塚の競技場で誰かが横断幕に『自分を信じ、仲間を信じ、最後まで戦う』と書かれたものがあって、今日はその話をしました。ここまで自分たちのやってきたことを信じて、隣にいる仲間を最後まで信じあって、最後の笛が鳴るまで戦う。最後の笛というのは、シーズンの最後の笛であり、J1に行ける笛だと。そういうことですね。自信と信頼感、1年間やってきた集大成として最後まで戦った。その成果がいい方向に向いたんじゃないかなと思います。また、そういうことをいい教訓にして、来年以降もやっていければいいかなと思います。私が来年もやるかはわかりませんが。