監督・選手コメント

J2第10節 湘南vs京都戦 試合後監督・選手コメント

【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
今日は祝日のナイトゲームということで、明日から多分お子さんが学校に行くと思うんですけど、なかなそういう時間も難しい中で、 たくさんのサポーターに来てもらって勝てたことは良かったと思います。
ただ、前半は守備とかトランジションの部分で、我々が大事にしていることはほぼパーフェクトにできていたんですけど、アタックが独奏になってしまって、オーケストラにならなかったという風に思っています。
その話を選手たちにもハーフタイムにしました。ハーフタイムが明けたワンプレー目がそれがオーケストラでつながってコーナーを取って、遠藤の得点を引き出したと。やっぱり彼らの良い所というのは、組織の中の一人の選手としてプレーすることではなくて、個人と個人がチームを忘れないで、ワンタッチでボールをつなげるとか、ファーストディフェンダーのプレッシャーで後ろが奪うとか、それしかやってないので、そのことで開始1分で点を取れる実力があるのに、それを 前半45分、それこそ最後の2点目は前半初めて出たパターンだったんですけれども、2回のシーンで2点取れる力があるんだったら、それを10回も20回も続けてくれたほうが僕の中では良いと思っています。

選手も、今日は勝ちましたけれども、僕が言う前にそういう思いを持っているなと感じたので、あえてここで言うようなことではないんですけれども、10連勝したことは本当に彼らを讃えたいし、本当に真摯にサッカーに取り組む中で、よく成長してくれているなと思います。ただその反面、我々は何を目指すのかと、どうなるのかと、目の前の試合に勝てばそれでいいのかという話じゃまったくないので、そういう所ではまた課題も残りましたし、次に向けてエネルギーを充電して、本当にいい試合をしたいと思います。僕はやったことないですけれども、オーケストラは、一人が目立とうと思ったら、多分良い音楽にならないと思っていて、指揮者がいて、その指揮者の言うとおりに楽器を弾いたって多分良くなくて、やっぱり自分がそのパートを担う上で本当にみんなと協調しながらハーモニーを奏でないと良いコンサートには多分ならないと思うんですよね。

前半は守備の部分は良いコンサートだったかもしれないですけど、攻撃の部分は非常にそういう所が多かったかな、もちろんピッチの状態とか、相手の陣形とかありますけども、彼らの力であれば、もうちょっとハーモニーを見たかったなという風に思いますが、まぁ勝ってそういう風に言うのも贅沢な所もありますし、勝とうが引き分けようが負けようが同じような気持ちだったんですけど、そういう風に今は正直に思います。負けた後の会見みたいになってしまいましたけど…すみません。

●曹監督 質疑応答
–前節の前半もそうだったがそんなによくない内容でも点が取れている。我慢して取り返す。逆に言えば、よくない中でよく我慢してゲームを進めているという受け取り方もあると思うが?

監督1年目ならそういうコメントになると思うんですけど、彼らの力、やれることは僕のなかでいちばん分かっているつもりなので。もちろん全部悪いわけじゃないですよ。2点目の形とか祐市(丸山)の1点目のフリーキックとか練習の賜物なんですが、どっちをフォーカスするかというだけで、点が入ればそれでいいのかという話でもないし。
ただ今日はディフェンスと切り替えのことはほぼ相手のストロングは抑えました。それが土台にあるから0失点で点が入ったということだと思います。そこは3トップのファーストディフェンスも悪くなかったし、ボランチとサイドハーフ、3バック、GKの連動は、ちょっと最後、なんていうかもうちょっと行きたいみたいな感じが出ちゃって前と後ろが分離したようなところがありましたが、ゲームのなかで抑えなければいけないところは抑えていたと思います。
特に大黒選手に対するケアはどのチームもやると思いますが、それについてもチャレンジとカバーを繰り返すことは、冷静さを失わないでやってくれたかなと思いますが、我々は守備を第一に考えているチームでは間違いなくないので、それが攻撃の第一歩でやはりハーモニーを奏でられないといけないなとは思っています。

–終盤とくに選手交代が終わったあとの試合の流れは京都のほうに行ったかと思うが、この試合に勝つことだけを考えたわけではない采配だったのか?

いえ、もちろん勝つために采配のカードを切ったつもりです。前を2枚、アウトサイドを1枚代えたんですけど、いつも言いますが、僕は本当に、どの選手がいないとこのサッカーができないとか、この選手がいないと無理だと思っているわけじゃないので、リーグ戦を通じていろんな形があってよくて。今日はカジ(梶川)と祐也(中村)とちゃみ(宇佐美)が入りましたが、そのなかでたしかに噛み合わせとしてディフェンスに回る時間が長くなり、彼らのコンビネーションはすこし見られなかったかなというのはありますが、この試合に勝つということと次の試合に向けて一辺倒にならないコンビネーションはチームのなかにあったほうがよくて。
ウェリントンにカジのプレーをしろといっても無理だしカジにウェリントンのプレーをしろと言っても無理なので、そこは次節に向けても含めていちばんいいカードを僕のなかで切ったつもりです。とくに悪かったとは思っていません。

–オーケストラについて、ハーモニーを奏でられなかったいちばんの原因は?

ボールを取られたら取り返すエネルギーが、自分たちがパッと切り替えて1回で奪ってしまったら簡単に奪えると思って次のプレーも簡単に奪えたからもっといいことしてやろうという空気が残るというか。
逆にボールを奪われたあとにJ1だと返ってこないので、返ってこないなかでプレスしてもう1回奪い返すと、せっかく奪ったんだから、AからB、BからC、CからDと流れる空気ってグラウンドのなかに落ちている。だからその意味では、決してサボってたとか緩かったとかやる気がないとかそういう話では全然なくて、ピッチの状態はもちろんありましたが、簡単にボールを奪い返せたことが逆に攻撃のスムーズさを失くしたというか、ビデオを見てみないと分からないが、そんなふうに思います。
決して難しくしようとかチームと違うことをしようとかそんなんじゃないですよ。でも一人ひとりの意識のなかで、ワンテンポ、0.5テンポ遅いから繋がらないとか、0.5テンポ速くプレーしないからAからBの、Cの飛び出しが活きないとか、そういう場面がたくさんありましたよね。

 ●バドゥ監督 総括
今日のことに関して、監督のキャリアのなかではもちろんこういう負け方はあると思うが、今日も残念ながら結果は出ず負けてしまいました。こういうときに何というべきか考えるが、負けたんですが、いま湘南さんはJ2のなかで首位を走っていらっしゃる素晴らしい成績を出しているチームとやって今回負けたということで、残念な部分もあるが、やはりさすが相手は素晴らしいチームだったと言えるところもあると思います。湘南の監督さんにも今日はもちろんおめでとうと言わなければいけないと思いますし、このまま湘南さんがこのペースでいけばJ1が一番近くにあるチームということは変わりません。私がJ2でここまで戦ってきたなかでもより完成されたチームのひとつだと思います。
今日我々は3失点したが、2点目3点目、前半終了間際と後半開始直後に入れられてしまった。しかもセットプレーから両方入れられてしまいました。
もちろんその2点でゲームは難しくなったが、言い訳するつもりはないが、25分、相手に点を取られるまではうちも悪い戦いは決してしていなかったと思います。25分にセットプレーから点を取られてしまったが、そこから流れが向こうに傾いたと思いますし、よりいい状況をつくらせてしまったと思います。我々の作戦としては、前半0―0で終わればOKというところはあったと思います。1点取られ2点目が前半ラストプレーで入ってしまいました。どのチームでもそうだと思うが、前半終了直前に2点目を入れられて0-2で折り返すことはゲームとしては非常に難しくなってしまいます。そして折り返して直後に3点目が入ってしまいました。
私がまず言えることは、セットプレーをモノにした湘南さんが素晴らしかったということです。だから現在もJ2の首位を走っているのだと思います。しかし我々のチームも1点目を取られるまでの25分間、そして3点目を取られてからも残りの25分間は非常にいいプレーをして湘南さんのゴールに迫るプレーをしたと思うし、その部分に関しては我々のチームにもおめでとうと言いたい。後半6本ぐらいシュートがあったがもうすこしというシーンもありました。しかしながら結果としては試合に負けてしまったので、スタジアムを後にするときに残念な気持ちはあります。しかし皆さんに分かっていただきたいのは、我々の選手は最後までしっかり走ってプレーしてくれたと私は思っているので、そういう理解をしていただきたいと思っています。サポーターの皆さんにも、我々の選手はよく頑張ってくれたということを理解していただければと思います。
次の試合もサポーターの皆さんとともにしっかりやっていきたいと思っています。もちろんサポーターの皆さんもフラストレーションが溜まっていることだと思うので。必ず次はそれを少しでも解放できるようにいい戦いをしていきたいと思っています。今日は敗北したが、J2で素晴らしいチームとの敗北だったので、それをしっかり糧に戦っていきたい。
そして次の試合に向けてですが、我々の問題としてはホームでまだ勝てていないので、ホーム5試合目なので、しっかり勝てるようにしていきたいと思います。次は讃岐戦になるが、今日もうすこしで入らなかった我々のシュートや湘南さんに取られた失点などをすべて返せるような試合をして、しっかりゴールを決めて、ホームゲームで初勝利するための準備をこれからしていきたいと思っています。ここからあと32試合ありますので、これから我々の順位や色々なものをまだまだ変えられる可能性を十分に秘めている試合数だと思います。現在のところ湘南さんがJ1にいちばん近いところにいます。しかしそれはもちろん変えられる試合数が残っていると私は思っています。今日からまた試合数をこなしていくが、我々のチームも昇格する候補のなかにもちろん入って行く、そう信じてやっていきます。

●バドゥ監督 質疑応答
–後半フォーメーションを変えたと思うが横谷選手を真ん中に置いた理由は?

理由としてはもちろん攻めに行くためですね。負けていたのでそうするのは当然だと思いますし、それ以外は何もないです。
今日我々が25分と前半終了間際に失点したが、もしまったく逆にそれが湘南さんに起こったとしたら湘南さんも同じことをしたと思います。もちろん攻めなければいけないので。その瞬間、プライオリティとして考えるべきことは、2-0からまず2-1にしたい、であれば早くシステム等々をよりオフェンシブなものにしたい。そして2-1になったらその時間が早ければ早いほど相手は困るし自分たちもそこから巻き返すチャンスも出てくるので。横谷は今日の最初の開き目のポジションでもボランチでも前でもプレーできる、そういう器用なところを見せてくれたと思います。我々の最初のゴールチャンスも、おそらく10分、15分ぐらいだったが、横谷のところから生まれていた。そういうシーンはあったので、残念ながら我々も予期していなかったゴールで先制され、2点目を取られ、試合が難しくなってしまった。そこで行なったシステム変更でした。

–いいボールの奪い方がなかなか見られなかったと思うが?

今日湘南さんからボールをリカバリングすることは難しかったと思います。湘南さんがこの順位にいられる、しっかりしたサッカーができるチームという証明を彼らはしたのではないかと思います。湘南さんはJ1でもなかなかいないような、スピーディーなもの、素早さを持っているチームだと思います。そしてボールに行けるチーム。そういうなかからコンパクトな守備をできるチームだった。10人がしっかり引いてそこから前がかりのディフェンスができるチーム。そのなかから湘南さんはボールを取って前に出るときも速さがあるので、そこから前にどんどん解き放たれていく彼らから簡単にボールをリカバーするのは難しい展開になったと思います。彼らのいまの順位が物語っていると思います。

 【選手コメント】
●遠藤航
ディフェンスについては悪くはなかったと思います。最後は3点入っていたのもあって下がりながらスペースを埋める守備をしていましたけど、そこで崩されることもなかった。
攻撃については、京都が同サイドで人数をかけてボールを動かしてきた中でもう少しサイドチェンジのボールを入れてもよかったなと思うし、密集した中にどんどん縦につけすぎてボールを失うシーンも多かった。もちろん縦にいくのは湘南のスタイルだし優先順位が高いけど、もう少し展開したほうがボールを動かせるかなというシーンもありました。ミスも多かったと思うし、チームとしても課題が残るかなと思います。
そんなに個人的に身体が動かないということもなかったんですけど、ピッチが濡れているのもあったし、そういうところでミスが多かったのかなと思います。
(得点は?)セットプレーは自分でも狙っていたのもあったし、うまくマークを外していけばフリーになると思ったので、いいボールがきたのでマークを外して、しっかり当てられてよかったと思います。
(自身の得点力については?)いま4点とれていますけど、個人というよりは湘南スタイルがあってこその自分の得点だと思っています。湘南らしさがチームで出しているからこそ、ディフェンスの僕にもチャンスがまわってくる回数が多いと思うし、チャンスは必ずくるという気持ちで準備もしているので、それが今は決められているのはよかったと思います。

●丸山祐市
(得点については?)得点の3割はセットプレーと言われますし、過密日程できつい時にセットプレーで点がとれるとチームの助けになると思っていました。
両サイドの二人が点をとっていたので、自分もそういうチャンスがきたら絶対に決めなければいけないと思っていました。練習でもやっているのでイメージどおりに入ったんですけど、でもそれは本当にいつも練習に付き合ってくれるキーパーのみんなに感謝しなければいけないですし、亮太さん(永木)や征也さん(藤田)が譲ってくれたので、二人にも感謝をして、責任を持って蹴った結果がああいう風になってよかったと思います。
ただ全体としては、今日はミスが多かったと思うし、攻撃に関して言えばもっと全員で走ってやらなければいけないと感じています。
今年、「継続と深化」というテーマでやっていて、スコアもそうですし、内容も圧倒して勝つということを目指しているので、結果は3-0で勝ちましたけど、もっともっとできたと思います。攻撃のバリエーションも他の試合に比べたら全然ダメでしたし、シュート数も相手より少なかった。まだまだたくさん課題はあると思っています。

●武富孝介
右サイドの二人なら絶対に崩せると分かっていたので、自分が一番ニアに近い位置だったので、センターバックに走り負けないように前に入りました。
ただ今日は、要所要所でゴールが入ってよかったという試合だったというか、ポジティブな内容はそこだけだったのかなと思います。ディフェンスに関してはみんなで頑張れていたと思うんですけど、攻撃に関しては全然納得のいく内容ではなかったと思います。相手に攻められているのは全部自分たちのロストからだったと思う。失い方と連動性、今までチームとしてやってきた追い越すところやコンビネーションが全然なかったと思います。個人としても運動量は全然少なかった。しっかり走れるように次の試合までにしっかりコンディションを上げていきたいと思います。

●三竿雄斗
全体的にパスミスが多かったし、守備で押し込まれる時間帯も多く、誰も満足していないと思います。それでも勝ち切れたことは大きいので、しっかり課題を修正しなければいけないと思っています。
守備のところと切り替えのところは、普段どおりやれていたと思いますし、後半押し込まれる時間が多い中でもしっかり4分の1のエリアで我慢できたことはよかったと思いますけど、侵入されることも多かったし、もっと一人ひとりバラバラにならないで、全体で意思統一してやらなければいけないなと思います。

●永木亮太
前半からボールが足に付かない状態で、少しズレがあった。うまく攻撃のリズムを掴めなかったことは自分たちの課題です。後半に入ってからすこし相手も間延びして、あまり面白くないゲームになってしまったと思う。今日の反省はすぐに試合があるので活かすしかないです。
(それでも勝ち切れたことについては)今日はたまたまだと思う。相手も同じような感じでボールを失っていたし、そこでうまくセットプレーなどで自分たちがモノにして点を取れたことが勝ちに繋がっただけで、試合内容からするとまったくよくなかったですし、攻撃のテンポが全然よくなかった。
(克服するために必要なこと)今日はスリッピーで難しかった。それを言い訳にしたくはないが、いつもと少し違う状態でやっていたので、次アウェイですが、芝も違うと思いますし、そういうなかでも今日みたいなミスをしているといつかは勢いが止まってしまって連敗する可能性は十分あるので、ここでしっかり修正したい。今日は本当に悪いところがたくさん出たので、みんながそういう意識を持って次の試合に挑めば大丈夫だと思います。