馬入日記

【馬入日記:12月29日】前進あるのみ。岩尾選手インタビュー

2013年も残すところあとわずかとなりました。
今日は岩尾選手に2013年の一年を振り返ってのインタビューを。
プロ3年目の今年、岩尾選手にとってはどんな一年だったでしょうか。

「ここ3年では一番濃い一年だったと思います。出場試合数を見ると1年目とあまり変わらなかったと思いますけど、大倉さんや曺さんにも言われましたが、本当にちょっとずつちょっとずつだけど、お前は前に進んでいるなと。ウサギと亀じゃないけど、休まず地道にやり続けて確実に進んでいるのは分かるし、それはお前らしいなと(笑)。そういう意味では、まだまだなのはちゃんと分かってるんですけど、濃い一年だったという実感はあります」と。

そんな中でも、一番印象深いことというのは?

「ひとつ分岐点というか、変わったなと思えたのが、ナビスコの2試合でした。4月の磐田戦がケガからの復帰戦で自分にとっては初めてのJ1でした。試合勘も含めて、内容は全然納得いかなかったけど、前半の最後のほうで少しずつ試合に入れたかなという感じでした。自分のことは自分が一番分かっているので、磐田戦はやっぱりネームバリューにも負けていたし、自分にも負けていたと感じます。がむしゃらに一生懸命やるしかなくて、その中でうまくいったプレーもあったし、そういうメンタリティだから出てしまうミスもあった。プロの選手として全然自立していないなということを感じた試合でした」

長いケガから復帰しついに踏んだJ1のピッチ。スタメン出場でしたが自分のよさを存分に出すまでには至りませんでした。

「その後、リーグ戦での出場がないままだったんですけど、ある時曺さんに呼ばれたんです。“このまましっかりやればお前に必ずチャンスがくる。そこでお前に自信を持たせてやるから、今までどおりひたむきにやれ”と言ってもらって。それで5月の清水戦を迎えました。その試合では、心も整っていて気負うことなく、自分で見て自分で判断するということもできた。それがターニングポイントになる試合だったと思います」と。

チームとしても湘南らしいアグレッシブなサッカーを展開し1-0で勝利を手にしました。

「そこから、落ち着いていろんなことが見えるようになったし、自分の頭の中とプレーが一致するようになったと思います。サッカーの仕組みが見えてきたというか…こういう時ここにくるんだよな、と思ってると本当にきたりとか。そういうところで変化を感じました。当然課題はあるけど、自信を持って、もっと強気に攻めていいと思えるようになった。そしてチャレンジしていこうと思ってからは、納得のいくプレーが増えていったと思います」

ナビスコカップだけでなく、リーグ戦でもらしさ溢れるプレーで存在感を発揮するようになっていきました。

「新潟戦も(失点に繋がった)本当に悔しいあのワンプレーはあったんですけど、攻撃面では多少手ごたえがありました。あの試合の後に兄貴からメールがあって、何かのサイトのデータでその節のJ1全体の“チャンスビルディング”のランキングでお前が2位になってるぞ、という連絡をもらったんです(笑)。そういうところも、自分では意識していなかったけど、数字で見せてもらうと自信が生まれたというところもありました」

試合後は常に反省の言葉を述べる謙虚な姿勢。
自らをしっかり分析すると共に、自信を育んだ一年でした。

「みんなそうかもしれないけど、僕は間違いなく充実していました。去年はケガをしていて、J1に上げたのは周りのみんなだと思っているんです。みんなが上げてくれて、成長を実感できるチャンスを曺さんが与えてくれた。本当に有難いと思っています」

そして見据えるはもちろん、来シーズンです。

「シーズンを通して90%くらいは試合に出場したい。多分シーズンを通して戦わなければ見えないものがあると思うので、それをまた経験できたらまた一回りも二回りも大きくなると思う。自分らしい自分でありたいです。課題はたくさんあるんですけど、攻撃も守備も、いろんな人にいろんなものを見せてもらってきた。グギョン(ハン)の守備もずっと目に焼きつけてきたので、そういうところもトライしたいし、その中で自分の持ち味を出していきたい。あとは、もう少しゴールに向かっていってもいいのかなというところもあるので、意識してやっていきたいですね」

ウサギと亀の話がありましたが、まさしくコツコツと足を止めずにやり続けてきた岩尾選手らしいエピソード。
2014年も間違いなく、コツコツと歩み続け、前進する一年を!