馬入日記

【馬入日記:9月19日】大分戦に向けて。ハングギョン選手インタビュー&久光選手インタビュー

早くも、明後日は大分戦。明日の練習後には大分へ移動します。
鳥栖戦での気迫あふれるプレーで存在感を発揮していたハングギョン選手。
練習後に話を聞きました。

「何よりも結果を求められた試合だったので、その結果が出なかったことに関してすごく残念に思っています。事前の分析で、鳥栖というチームは守備の時にとても激しく、球際も強いということ、またロングボールを多用してくるというのが言われていました。実際にやってみてその通りだったし、その対応が悪かったとは思わないですが、でも決してよくはなかったと思います」

守備はやるべきことは全てやったと言えるような試合でしたが、グギョン選手の表情は非常に厳しいものでした。

「3バックの守備ラインやキーパーを含めた連携というのは、とてもうまく守っていたと思うんですけど、リバウンドというところで、自分と亮太(永木選手)が中盤で抑えきれなかったというか、自分たちのボールにできなかった。中盤での戦いにおいて遅れをとったんじゃないかと反省しています」と。

しかし、両者の気持ちが前面に出た試合。
とりわけ、グギョン選手の気迫や球際の激しさには心動かされるものがありました。

「試合が始まって10分くらいに足を痛めてしまって、その後それがすごく気になってしまってプレーに影響してしまったと思う。プレーに支障が出てしまったことが自分としてはすごく残念。もっとできたんじゃないかと思うところがあったけれどできなくて悔しかった。最後までやり切りたかった」

負傷により72分に途中交代となりましたが、足を痛めてることは感じさせないプレーぶりでした。しかし本人としては、悔しさが募っています。

さて、明後日21日は大分トリニータとの対戦。
言わずもがな、重要な一戦です。

「次の大分戦こそ、まさに内容よりも結果が大事試合だと思うので、自分が出たら、とにかくいい結果を持って帰ってこれるように頑張りたい。そして、残りの9試合すべてが決勝戦のような大事な試合が続くので、大分戦だけじゃなくて、大分戦が終わったらまたすぐに次の試合の準備をするという姿勢が大事だと思っています」

鳥栖、大分の九州2連戦が終わると、次は浦和、名古屋とのホーム2連戦。
「本気で27(ポイント)をとりにいく」という全員の決意のもと、9試合を戦います。

 
ところで。
先日リリースしましたが、9月21日(土)・22日(日)に横浜の山下公園で行われます、がん征圧チャリティウォークイベント「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2013 山下公園」にフットサルクラブの久光選手が参加します!

既報のとおり、久光選手は右上葉肺腺癌と診断され、現在復帰に向けて治療に励んでいます。
久光選手に、今回のイベントに参加する想いなどを聞きました。
まずは、現在の自身の状態について。

「現状としては薬を使い始めて2ヵ月が経ちますが、当初薬が適用するかが一番の問題だったんですけど、結果的に適用してくれています。それは癌の進行を遅らせる薬なんですけど、進行を止めたうえで、癌細胞も小さくなっている状態。半分まで小さくなっていて、それは主治医の先生もびっくりしてるくらいです。ただ、薬が効いている反面、薬の副作用も出てきていて、最初の1ヵ月くらいは体重が一気にガクンと落ちて5キロくらい痩せてしまいました。でも、ここ2週間くらいで一気に太れたんですけど、それはお昼をmoto Rossoで食べさせてもらっていて、野菜を中心に食べるようになってからは、太れるようになりました。今は、すごく元気で、20分くらい走ったりという運動もできるようになりました」と嬉しい報告が。

一時、入院していましたが、今は退院し、薬を飲み通院をしながらですが、馬入グラウンドでの仕事も再開しています。
ただ、もちろん様々な問題と闘っている日々でもあります。

「2つ目の問題で、薬を飲み続けると肝機能が悪くなってしまうということで、肝臓の数値が上がってしまう。上がりすぎてしまうと、薬をやめないといけないけれど、薬をやめると今まで抑えていたものが一気に広がってしまう可能性がある。そこはなかなか難しいですね。半永久的に薬を使わなければいけない状態ではあります。でも、本当にいろいろな人に支えられて、元気に一歩ずつ踏み出してるかなという感じです」

いつも本当に心優しく、そしてポジティブなオーラが出ている久光選手。
苦労を顔に出さずに頑張る姿は、周りが勇気をもらうほどです。

「近場の目標でいうと、練習に合流したいと思っています。合流というか、10月末に一般レベルの体力をつけて、そこから競技レベルまで徐々に上げていければ。先生も、今までそういう人はいなかったから、やってくれればすごい希望を与えられると言ってくれていて。でも、もちろん無理をしてはいけない。先生からは同時に“お前は病人なんだということを頭に入れておくように、無理をしすぎたら先が見えなくなる”とも言われています。身体が疲労してしまうと風邪をひきやすくなったり、肺炎を起こしてしまうと致命傷になってしまうという話なので、そこはちょっと慎重になりながら、チャレンジしたいと思います。でもやっぱり、1試合でも出ないといけないと思っていて。それはいろんな人の支えだったり、いろんな人に声をかけてもらって、もう一度ピッチに戻らなければいけないと感じているんです。無理はできない身体ということは承知で、そこに向けて、頑張りたい」

そして、本当に様々なことを感じるという日々。

「がんになって、いろいろ感じるところが大きかった。生きてるということが重いものであること。今まではそうは感じずに生きてきたけど、死ぬかもしれないということを考えながら生活すると、じゃあ何ができるのかなと、やれることをやっておかないと、と思うようになったんです」

その「やれること」とは。

「病院の入院生活でも、最初は個室に入ってくれって言われたんですけど、無理やり大部屋に入れてもらったんです。その時に感じたのは、癌と闘う人と触れ合うのはこのタイミングしかないと。僕にできることってなんだろうって考えた時に、皆さんと接して、一緒に頑張りましょうっていうことなんだろうなって思って、このタイミングでこの方たちと触れ合わなかったら、もう声をかけることもできないと思ったので“いや6人部屋でお願いします”って言いました。発表した次の日に入院だったので、新聞とか出していただいたのもあって、そのお陰で子どもがいるお母さんやサッカーが好きなおじさんなどいろんな人が話しかけてきてくれた。“必ず復帰して下さい”っていう言葉をもらいながら、その言葉がすごく自分の中で大きいモチベーションになっていきました
」と。

決して「大変だから支えてください」ではなく、今の自分に何ができるかを、しかも自分に対してではなく周りの人に対して何ができるかを考えるとは、久光選手の人間性が表れています。
そして21日に参加するイベントについても、同じ考えなのです。

「このイベントに参加しようって思ったのは、病院の婦長さんと話をしていて、“何かできることはないですかね”と聞いたところ、“こういうのがあります”というのを教えてもらったんです。一番に思ったのは、僕がいろんな方に声をかけてもらったり、募金をしていただいたりと支援をしてもらった時に、全員の方に僕がお返しをすることはできないと思うんです。その方たちは“ピッチに立ってくれることが恩返しだ”って言ってくれるんですけど、それだと僕が頑張ってピッチに立ちました、で終わってしまうと思う。でも、これだけの人たちが助けてくれているし、助けてほしい人たちは他にもたくさんいる。僕はたまたまフットサルをやっていて、たまたまベルマーレに所属しているから、助けてもらえているけれど、一般の30歳の人が同じような苦しみを持った時に、多分助けてもらえないと思う。だから、そういう方たちのためにもやりたいなと思った」

今回のイベントの目的は、社会へがんとの闘いを呼びかけること、そして寄付を得てがん征圧のために効果的に使うこと。

「僕を助けてくれた人たちの中に、必ずしもこの先がんにならないという保証はないし、新しい医療や、治療法がすでに出ていれば、その方は助かる可能性が広がる。もらったチラシを読んで、そういう先進医療のためのお金になると聞いて、同じ立場で苦しむ人たちが誰かに助けてくれって言えないけど、その先で助ける準備ができればいいのかなと。そう思った時に、もう事務局に電話をしていました(笑)」

頼まれたのではなく、自ら動いて参加を決めました。

「代表の方が平塚まで来てくださって話をしました。このイベントのボランティアの団体の方々もがんを克服した方々によって運営されているということです」と。

会場となる山下公園を、たくさんのチームが交代で24時間トラックを歩き続けます。歩きながら音楽やゲーム、ステージ上のイベントなどを楽しむことができるというもの。

久光選手は21日の参加で夜までいる予定ということ。

「一緒に歩いてもいいし、ブースが出ていて癌のことを知ってもらうイベントでもあるので、癌は怖くないんだよということを知ってもらいたい。会いにきて声をかけてもらうだけでも、すごく嬉しいし、周りの方のことも見てもらえたらと思います」

ぜひサポーターの皆さんもご参加を!
詳細は下記をご覧ください。
http://www.bellmare.co.jp/89934