監督・選手コメント
天皇杯2回戦 湘南vs琉球 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
天皇杯ということで、最初の2回戦はBMWスタジアムでやれることが多いんですけれども、今日来てくれたサポーターの人は、本当に我々を応援してくれるリアルなファンだと思うので、先週に引き続き勝利を届けられたのが良かったと思っています。最後まで応援していただいてありがたいなという気持ちでいっぱいです。
ただ、今日は高温多湿でナイトゲームじゃなかったので、難しいところはあって、両チームとも疲労が出てくるのは予想されました。我々が良い形で2点3点取ったんですが、後半もう少しやっぱり、一つ一つのプレーの精度っていうか、単純なパスだったりとか、動きに対して合わせていくとか、ボールホルダーを越えていくとか、切り替えるっていうことで言うと、時間の経過と共に少しづずつ、こんな感じで良いかなっていうプレーも出てきたので、そこはロッカールームで一瞬喜んで良いけど、来週からまたリーグ戦が始まるので、このまま成長を止めてしまったら間違いなく我々は良い位置に行けないし、一瞬だけ喜んであとは切り替えてやってくれという話をしました。課題も同時に見えた試合だったかなと思います。
前節からメンバーも少し替えて、なかなか試合に出られない、飢えていた選手も含めて、今一番良い状態の選手を出したつもりなんですけど、まだクオリティには問題がありますが、やる姿勢とかやろうとしてた事に関しては、今日出ていた選手も、前節出たメンバーに負けず劣らずしっかりやってくれたと思うし、特に前の方の選手、タケ(武富)が3点取れたりとか、大槻はゴールこそ無かったですけど、献身的な動きをしてましたし、ステボももう少し慣れてくれば良いコンビネーションが出来るんじゃないかと思います。本当に良い意味で競争させてやっていきたいなと思います。
●曺監督 質疑応答
–永木選手を使った狙いは?
うちのチームのキャプテンということもそうですが、単純にチームがこれからリアップするために彼の存在が必要だったというだけです。
–リーグ戦を考えると、クオリティの問題があることについては?
リーグ戦も同じようにクオリティの問題はあります。今日出ていた選手のクオリティに問題があるという意味ではなく、一つひとつのプレーの質にもっとこだわっていかないと――それは今日出た選手だけではなくチーム全体としての話で、今日出た選手の質が低いということではまったくなくて――僕からすると、もっとやれるのに、という想いですよね。ふだん練習でやれていることをシンプルにやってもらいたいというだけで。もちろん公式戦の緊張感とか違うメンバーとのコンビネーションなど色々ありますが、そういうところでやはり今日の試合、勝ったからよかった、で終わってほしくない。勝ったけど同時に課題が残るという感じで終わってほしいと思ってあえて話した。
その意味で強いて挙げれば、17歳の前田はほぼパーフェクトでした。あの15分落ち着いて、ボールをロストすることは1回もないし、単純にターンして前につ
けるプレーもあるし。シュートができれば一番よかったですけど、その中では彼がいつもやっていることを普段通りに出してくれたかなと。ほかの選手が悪いというわけではなく、監督としていま話せるとしたらそういうふうに思います。
–鳥栖戦に向けて
鳥栖さんとはここでもやってるし、尹ちゃん(監督)もすごく厳しくチームを鍛えていることは間違いないので、我々はハードワークで絶対に負けてはいけない。とはいっても、あの時のチームとはお互いに違ったところもあると思うので、明日休みにしてゆっくり精神的にもリフレッシュさせて次に行きたいと思います。飛行機が15分ぐらいで九州に着いたら言うことはないですが、そういうジェットもないので、1時間半ぐらい揺られて前日に入って頑張ってやっていきたいと思います。
●薩川監督 総括
結果は見ての通り完敗。体や技術の違い、しっかりとしたチームができているところとの差をすごく感じさせてもらいました。僕も監督なりに反省しなければいけない部分があるし、選手たちも今日の試合をいい意味でいろんな経験として、J1で戦う選手たちのレベルのなかで自分たちが戦うことを目標に僕たちチーム、選手はやっているので、何かを掴んでくれて来週のリーグ戦に繋げられたらいいと思います。
●薩川監督 質疑応答
–J1が相手ということで、ジャイアントキリングをやってやろうという気概は監督から見て感じられたか?
そうですね、向こうも大事な試合がこのあと入っているのでだいぶメンバーを入れ替えてきたところもあって、選手たちもナニクソという気持ちが入って出て行った。
が、最初のところ、パスミスで5分ぐらいで2点取られて出鼻を挫かれた。逆に言うと、自分たちのミスから2点、ボランチのミスパスから速攻、あとコーナーキックのマークで1点、その2点で出鼻を挫かれ、すこし意気消沈という状態になってしまった。でも後半になって選手のなかでも、ハーフタイムに怒っている選手も相当いたので、そのなかでは僕が怒るよりも今日のところは見守っているという感じで。後半はすこしチャンスも出てきたし積極的に行ったシーンもでてきたので。体力の差、技術の差、チーム力の差を感じて帰りたいと思います。でもよく戦ってくれたとは思います。
–リーグ戦に向けて狙いは?
ディフェンスをもう少し安定させないとダメなのかなと感じています。自分ももう一度、毎試合違う選手たちで行ってるなかでは、自分のなかなか絞り切れないところ、選手たちがそのなかでチャンスを掴み取ってくれていないところが実際あるので、自分もDF出身なので、個人でダメならチームとして守って行かなければいけない。ディフェンスの部分をもう一度リーグ戦のまえにメンバー選考からしっかり立て直したいと思います。
【選手コメント】
●武富孝介
(ハットトリックについて)2点までしかとれていなかったので初めてです。今日とれたことはよかったですけど、今まで入らなかったシュートとか決め切れなかったシュートのほうを意識していかなければいけないと思っています。今日はとれてよかったで、それだけで終わりにしておかなければいけないと思います。
最後のほうは相手に合わせてしまったところがチームとして出てしまったので、もう少しリーグ戦の時のような意識で最後まで戦う姿勢を出していかなければいけないと思っています。
(最近リーグ戦に出られていなかったが?)“なんで出られないんだろう”とは思わなかった。自分が悪いのは分かってたので、自分がいいプレーしていなければ話にならないと思っていました。
(アピールの場という意識も?)アピールという感じじゃないと思う。今日の試合でアピールしようという選手はいなかったと思う。今日はみんな、ただこの試合に勝ちにいっていたと思います。
●宇佐美宏和
もっとボールにかかわる回数を増やさないといけないと思っています。
自分たちがボールを持つ時間が長かったし、翔雅(鎌田)とか僕のところにスペースがあったし前にもスペースがあったので、時間を作りながら、そこを突いていくという部分ではよかったと思います。
よかった部分もあったし、まだまだ精度を高めなければいけないと感じています。チーム全体で高めないと、次の鳥栖では今の精度ではまだまだ足りないと思うので。そういった部分は修正していきたいと思います。
(得点に関しては?)狙ってたところで、ちょうどそこにボールがきたのでよかったです。
●岩尾憲
負けないことが大事だったので、その最低条件をみんなで達成できたのはよかったと思います。
失点はゼロでしたが悪い部分がなかったわけじゃないし、無失点だったことにフォーカスすることはないかなと思います。
僕自身は終盤足が攣ってしまってチームに迷惑をかけてしまったので、しっかり課題として受け止めなければいけないかなと思います。
曺さんから「あまり下がりすぎずに間で受けてターンして前に出るというリズムを大事にしてやっていこう」と言われていて、寛斗(中川)と目を合わせながらうまくいった部分もあったし、前線の選手ともう少し合わせなければいけないところもあった。
(キャプテンマークを巻いたが?)特に意識したことはないですが、寛斗にも試合前に「オレが巻くけどお前も巻いてるからな」という声をかけたんですけど、本当にうちはみんなでやるチームだと思っているので。
仙台戦で亮太(永木)がすごく気持ちの入ったプレーをしているのを上で観ていて、感動したというか刺激を受けたことは間違いないので、僕も本当の意味でプレーに出して、結果も出さなければいけないということを一層思っていました。そういう気持ちを忘れずにまたやりたいです。
●前田尚輝
練習の時から、どんどん前にボールを入れることが自分の持ち味だと思っているので、そこを出せたらいいなと思っていました。
前日の練習でスタートでいくかもしれないと言われていたんですけど、紅白戦で全然縦パスを入れられなくて全部下げてしまった。全然いいところが出ていないと言われて、曺さんからいろいろ話してもらいました。スタートからではなかったですけど、本当に言ってもらってよかったと思います。
昨日の練習より今日のほうが、自分らしくどんどん前にボールを入れられたのでよかった。
(ピッチに立つ時、監督からは?)「15分間、楽しんでこい」と言われました。本当にその通り、実際に試合が終わった時はものすごく楽しかったと感じました。緊張もしていましたけど、やれてよかったと思いました。
(昨年、天皇杯で数分試合に出ただ1年経って感じることは?)今年15分出られたことは、去年と違ったところだし、緊張して何もできないかなと思ったんですけど、15分間自分らしくプレーできたことはよかったと思います。
●中川寛斗
相手のボランチからくるというのは最初の5分で分かったので、そこをなんとか潰せればと思っていました。みんなで中で話して、うまくハマって中でとれるシーンもあったし、ショートカウンターもできればよかったけど、一人ひとりの距離感の問題もあったので、そういうところを追及していければと思います。
(後半相手にチャンスを作られる場面もあったが?)1試合の中ではこちらの流れの時も、相手の流れの時もあるので、そこは守備の意識を高めて無失点でいけて、そこからまた攻撃に繋げていければいいかなと思ったので、ストレスなくできました。
(リーグ戦に向けては?)自分がこのままではメンバーに入れないと思いますし、アピールというより本当にチームのためにやらなければいけないので、もっとチームの流れを見て変えられる選手になれればと思います。練習でできれば試合でもできると思うので、まず練習から集中してやっていきたい。
●下村東美
昨日の試合では番狂わせがなかったので、もし自分たちの試合でそういうことがあったらマズイっていう、そういう気持ちの選手もいたみたいなので、中途半端な気持ちで臨めないなと思っていました。ウォーミングアップから、すごくいいアップができて、立ち上がりのいい時間帯に連続して点がとれたので、そこで自分たちのリズムにすることができた。
後半、相手もこのままでは終われないというのと、前半動けていなかった分前がかりにくるだろうと思っていましたが、そこでもしっかり守ることができたことはよかった。
若い選手や自分も含めて試合にあまり出ていない選手も多かったので細かいところはありますが、まだ10試合あるので、そこに向けてトレーニングを積んでいかなければと思いました。
(DFに関しては?)ワイドの選手やボランチの選手がハードワークしてくれた。相手が縦パスを入れてくることが少なかったんですけど、でもその裏にはボランチがしっかりコースを消して、僕らも後ろから喋って、うまく連携してできたというのがあると思う。細かいポジションどりをしてくれたことは、後ろとしては感謝しています。
個人個人、役割を把握していたと思うので、みんな集中力を持って戦えたということが全てだったと思います。