馬入日記

【馬入日記:9月5日】「チーム力で守る」安藤選手インタビュー

今週末はホームで天皇杯2回戦(vsFC琉球戦)が行われ、リーグ戦は1週、間が空きます。
9月のリーグ戦は九州アウェイ2連戦とホームでの浦和戦。リーグ戦は残すところ10試合となりました。

前節の仙台戦でゴールマウスを守った安藤選手。
磐田戦での途中出場はありましたが、先発出場は7試合ぶり。最後尾からチームを支え続けた90分でした。

「連戦だったのであまり練習時間は割けなかったけど、意識という部分でもう1回原点に戻ろうという話をしていました。先制できて、自分たちのリズムで試合を進められたかなと思います。先にとれればたとえ失点してもまだ引分けの状態だから、後半また0-0のイメージでやれた。走れるうちのチームからしたらチャンスは広がるかなと思っていました。とにかくチームとしての結果がひとつ出たことで、いい自信になったと思うし、勝てて本当によかったです」

GKというポジションであっても決して固定されることはなく、4人が常に切磋琢磨している毎日。
安藤選手にとって仙台戦は当然気合いの入る試合だったはずです。

「自分自身、先発は7試合ぶりだったし、仙台戦で自分にチャンスをもらうことができたので、非常に気合いが入るところでした。でも、うちのチームでは絶対に自分勝手なことはできないと思ってるし、とにかくチームのベクトルに合わせて自分の全力を注いでいくということを考えていました。チャンスをモノにするという気持ちもあったし、落ち着いて役割を見失わないようにやることを意識しました」と安藤選手。

“自分勝手なことはできない”と言った、その意味を聞くと…

「絶対にゴールを入れさせたくないとか、自分が最後の砦として絶対に止めてやるっていう気持ちは第一に持ってるけど、DFと連携して守るというところは大事にしていかないといけないと思っています。例えば、DFがファーを切ってくれてるのに、自分がニアをやられたら、それはおかしい。一緒になって守っているから。象徴的だと思ったのは、アウェイの仙台戦の時、前半にウイルソンが抜け出してきて、翔雅くん(鎌田選手)が追ってスライディングでニアに外れたというシーン。翔雅くんがファーをきって僕がニアにきたら守れるよっていう体勢をとっていた。ああいうのはチームとしてとか、DFと連携して守ってるという手ごたえがあった。そういうプレーを増やしていければと思います。やっぱり、ベルマーレほどチームワークというか一体感をもってやるチームもないと思うから。常にDFと一緒に守ってるので、オーソドックスなポジションだけとってればいいよっていうことじゃないと思っています」

また、ホームでの仙台戦では…
「残り時間があまりない時にファールして、佐々木選手にチョンって出された時、3人くらいがバッといったんですけど、ああいうのがすごく大事で、3人で圧力をかければシュートは枠を外れることが多いし、3人がいってくれたらファーに打たれることはないので僕はニアだけ集中していればよかった。そういうところがチームとして守るということだと思う。あそこで自分勝手に、僕が前に出てしまったらフィールドの選手が死んでしまう。そういう連携を大事にしながらやっていきたいと思います」と。

仙台戦の終了間際といえば、本当に手に汗握る時間でした。

「84分のPKは止めたかった。PKを止めていたら最後にあんなにサンドバック状態にならなかったと思うから。終盤、攻め立てられた時は、絶対にミスをしてはいけないと思っていました。一度ボールを触った時に、汗と湿気でつるつるだったから、これはキャッチできないなと思ったし出ないほうがいいなと思った。あとは中原選手のヘディングですね。1本打たれたのを止められたのはよかったです。ベルマーレを昔から知ってる方は、中原選手のヘディングはかなり警戒してたみたいですね(笑)。なんとか守り切っての勝利は本当に大きかった。一番の薬になったと思います」

改めて、激しいポジション争いについて、どんな想いなのかを聞いてみると…

「誰が出ても変わらないレベルになってきてると思います。でもそこでひとつ抜きん出なければいけないと思っています。1週間2週間で変わるということではないと思うので、今はとにかくコンディションを落とさず、ケガをしないこと。そして長期的に見てしっかり成長していくということが大事だと思っています。もちろん難しい部分はあるけど、ハートは鍛えられますね」と。

印象的だったシーンがありました。
それは第18節の川崎戦。古巣を相手に、絶対に試合に出たかったであろう安藤選手。しかし先発は新加入のアレックス サンターナ選手でした。
それでも、安藤選手はベンチからチームをサポートし続け、終盤に相手のPKが外れた時には誰よりも一番にベンチを飛び出して喜び、勝利の時には本当に嬉しそうに仲間と抱き合っていました。

「単純にメンバーに入ってるとか入ってないとか関係なく、自分のチームが勝つことは一番だから、実際に勝ったら嬉しい。もちろん自分が出て勝ったら一番嬉しいんだけど。どこのチームにも勝ちたいけど、今季川崎とは決着がついてなくて、引分けが続いて3試合目でようやく勝てたから、あの試合は本当に嬉しかったですね。それに、キーパーが活躍して勝つっていうのも嬉しいものです。同じ練習して勝てば自分にも自信がつくし、もちろん競争は激しくなるけど、僕はそっちのほうの考え方です」

この考えはなかなか持てないものでは?と言うと…

「キーパーはキーパーのひとつのチームなので。毎日同じ練習をやってるし、能力の違いはあっても自分もそれくらいできると思えるし、自信にもなるんです」と安藤選手。

さて、今後に向けては…。
「もっと失点を減らさなければと思います。減らせると思うし。やっぱり2点失点するというのはよくない。3点とるというのは大変だと思うので。仙台戦も、3点もとってもらって、負けとか引分けは絶対にナシだと思っていたから、絶対に守り切ろうという感じでした。リーグ戦は残り10試合。本当にあっという間ですね。アウェイ6試合、ホーム4試合ですけど、勝点を積み重ねるしかないと思います。まずは次のアウェイ2連戦でもちろん勝点6をとること。それしかないと思っています」と力強く語っていました。

チーム力で10試合を駆け抜けます。もちろん、天皇杯も!

※天皇杯2回戦の試合情報はこちら(通常のリーグ戦とは異なりますのでご注意を)
http://www.bellmare.co.jp/89691