監督・選手コメント
J1第13節 湘南vs広島戦 試合後 監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
ホームゲームはなかなか天候がすぐれない中での試合が続いていたんですけど、今日は本当に初夏の天気で、デーゲームということもあり小さいお子さんたちもたくさん見かけました。その中で最後まで声援をくれたサポーターの皆さんを含め、勝点3が取れなかったことが非常に残念です。
ゲームの感想としては、前半相手に、広島さんのボール回しというのはそれこそJ1の中でも、どう対処しても動かさるというところがあったので、できるだけあの時間を自分たちのリズムにもっていくために、慣れる時間が必要だったかなという感じがします。
その慣れかけた時に1点くらってしまって、一番やられちゃいけないところでもう1点くらってしまったのが、ゲームを難しくしてしまったなと思います。
おおむねゲームの進め方としては、広島さんが主導権を握ってはいたんですけども、危険なプレーというのはそんなになかったので、自分の中では失点が本当に痛かったな思っています。後半ちょっと形を変えて、あの形を最後使おうかなと思っていたものを早く使うことになりました。良かったか悪かったかは分かりませんが、そこでも決められるチャンスを決められなかった。相手のシュートはクロスの精度だったり、ワンタッチシュートが枠に来るんだけど、それがやっぱり枠を捉えられないというところは、まだまだ点を取りきれない原因だと思います。
ただ、前半の13試合の中で、選手たちが一番J1でやること、やらなければいけないことを一番感じてくれたと思うので、それは選手にとっては大きな財産になると思います。
この中断期にもう一度J1のスタンダードというところを選手に意識させ、競争意識を持たせてやらなければいけない。我々のスタイルというのは、今からこういう風にした方が良いとかああいう風にした方が良いというように、変えようがないと僕自身思っていますので、ただその結果が出せないということに関しては、非常に強い責任を感じていますし、それをこの中断期で整理して、もっともっと強いチームになって、中断明けの試合に臨んでいきたいと思います。
●曺監督 質疑応答
–立ち上がりから古林選手と高山選手の両サイドがやや低く、5バック気味だった印象だが、広島への対処だったのか?
低く下がれと言っているわけではなく、相手とマッチアップしていくことが大事で、どうしても相手がボールを持つと、キックオフからそうだったんですけど、1対1のところで見なければいけない状況だった。うちと広島は同じシステムで、そうせざるを得ない。逆にボールを奪ったあとに、そこに速く高山と古林が入り込めれば何回かチャンスを掴める印象でした。前半の最後1回だけあったと思いますけど、そういうチャンスを何回もつくりたかったというのが本音のところです。
–6月の中断期間はどのように使うか?
ケガをしている選手が戻ってくるという前提で言うと、いま試合に出られるコンディションの選手のパイが増えるのは間違いないです。この選手がレギュラーでこの選手がレギュラーじゃないと決めてやってるわけでは全然ないので、プレシーズンと同様の準備ができると思います。もう一度やるべきことをしっかり伝えていきたいと思います。当たり前ですがその期間、選手が成長しなければいけないと思うので、そのアプローチはしていきたいと思います。
–13試合を終えて、ここまでの勝点9をどう捉えているか
初めてJ1でプレーする選手、僕も初めて指揮を執らせてもらうなかで、13試合終わっていくつと勝点の計算はしていませんでした。ただ自分たちの経験のなさ…という言い方が正しいかは分からないですが、自分たちの不足で勝点を取れなかった試合が3~4試合あったかなと、記憶をたどると感じます。
なので、その僕の記憶が、後半戦を終わったあとに、自分たちがいいリズムになったときにすべて勝点が取れたという試合をしていかないとこのステージには残っていけないと思う。その意味で、勝点9に決して満足しているわけではなく、満足する数字がいくつかと聞かれても困るんですけど。ただ、いま自分の気持ちとしてその3~4試合というところはあります。
–交代した荒堀選手と亀川選手の評価は?
お互いよくやってくれたと思います。戦術的な変更もあって代えただけなので、悪くてという話ではなく後半やり方を変えたところが大きな理由です。
–1週間休んだあとにキャンプなどは
いまちょっとクラブと相談していて、そんなにたくさんキャンプ地が空いてるわけではないので、できればそういうことも含めてもう一度チームを強化するという意味では考えています。
●森保監督 総括
まずは勝点3という結果を手に入れることができて、非常によかったと思っています。試合は前半の入りのところから相手がしっかりと我々の攻撃に対処してきたのに対して、ボールを焦れずに動かしながら、練習でやってるような形からコンビネーションで得点を奪うことができました。いい時間帯にまた追加点を奪うことができて、いい流れで前半を終えることができたと思う。
後半、相手がシステムを変えて、よりアグレッシブに来たりするなかで、選手たちは状況に合わせて慌てずに対処して、相手の攻撃を0に抑えて2-0で勝つことができたことは非常によかったと思っています。
選手も、もちろんこのゲームのなかで、受ける時間帯もあるなかで、焦れずに慌てずにプレーを続けてくれて最後まで試合を終えてくれた、勝利に結びつけてくれたのはよかったと思います。
今日もこのアウェイの苦しいタフな戦いでしたが、非常に多くのサンフレッチェのサポーターの皆さんがここまで応援に駆け付けてくれて後押ししてくれたことが、選手が最後まで走り抜けた、集中して戦えたことに繋がったと思います。サポーターの皆さんに感謝したいと思います。
●森保監督 質疑応答
–湘南との対戦にあたって、どのように点を取っていくことを意識したか
我々がボールを握った時に湘南が前からプレスをかけてくるのか、リトリートしてくるのかというところは、どちらに来たとしてもしっかりとボールを繋ぎながら相手を崩していこうと。ボールを動かすことによってコンビネーションで必ず相手を崩すチャンスがあるということでやっていました。結果、先制点は落ち着いて我々がビルドアップして、前線の3枚のコンビネーションで得点を奪えたことは、練習で準備していたかたちが出せたのかなと思います。
–まだ1試合ありますが、中断期間はどのように利用するか?
個人としてもチームとしても、この中断期間でさらにレベルアップできるように、我々のコンセプトに沿ったレベルアップができるようにやっていきたい。
–今季全試合にフル出場している塩谷選手について成長を含めて評価は?
すべてがうまくいってるというわけではないと思いますが、彼は練習のときから非常にトライしてくれてチームの戦術に彼のよさを活かすことをしてくれている。試合を追うごとにチームの戦術のなかにもフィットしてきていると思うし、彼のもともと持っている守備の強さプラス攻撃の部分での成長は毎試合ごとにあると思います。いいかたちで伸びていってくれていると思っています。
–ACLを経て最近パク選手をスタメン起用しているが、彼の評価は?
非常に運動量多く、彼のよさは左からのクロスと攻撃参加ということで、現時点で彼の持ってる力はチームのなかで非常に出してくれていると思っています。ただ、まだ攻撃も守備ももっともっと彼には成長してもらわないといけないと思う。ヒョンジンと山岸、あるいは清水もケガから復帰し、そのポジションだけでなくすべてのポジションが競争だと思っていますから、調子のいい選手を使って戦っていきたいと思います。
–昨季12試合までの勝点が22、今日の勝利によって同じ12試合で勝点23、ここまでの手応えは?
これまでの勝点の積み上げは悪くないと思います。ACLとJリーグを並行して戦ってきて、シーズン序盤は多くのケガ人が出たなかでいまの勝点を積み上げられてるということは、ベストではないにせよ悪くないと思います。その意味では、選手がどんな状況になってもチームとしての戦い方を誰が出ても発揮してくれて我慢強くしぶとくここまで勝点を積み上げてこられたのはよかった。これからさらに上位に近づいていけるように、勝点をしっかりと積み上げていきたいと思っています。
【選手コメント】
●高山薫
前半、2失点目は自分のところでやられてしまった。前半は自分にも大きなチャンスがあったので、やられた分、そこで取り返さなければいけないと試合中も思っていました。後半もみんながパスを出してくれてチャンスがあったけれど、決め切ることができず悔しい。実際にやられたのは自分なので、自分がその分、決めなければいけなかったと強く思っています。
前半は守備をする時間が多くて、後半はカメ(亀川)が入ってきて、二人を見てくれたことで前から全体的にいけて攻撃に出られるようになった。前半よりもチャンスは増えたと思う。
(相手が後ろでボールをまわす時間も長かったが?)自分たちがミスしないで攻撃を繋げていたら、相手は体力的にきつくなってあんなに余裕は持てなかったと思う。そういう風にできなかったのは自分たちに責任がある。
(前半を振り返って)個人的にはダメなところから入って慣れてきて、鹿島戦でみんながいいサッカーをしてそこから目が覚めたというか、よくなってきた。大宮でJ1の洗礼を浴びる形になって、今日も絶対にやられてはいけないと思っていたんですけど、やはり一発でやられてしまった。中断期間は経験を活かして、そういうところで強くなれるように頑張りたい。
●大野和成
前半は少し相手に合わせすぎた感じがしています。後半はもう割り切ってやろうというスタンスでやったら、いい攻撃もできたので、後半のように自分たちからアクションを起こして、守備を進めればよかったと思っています。
前半は少し押し込まれて、ズルズル下がってしまった。ブロックはできていたんですけど、取った後の前へのパワーが足りなかった。逆に後半は少しでもリスクを冒してみんなで連動して前からいくというふうにしたら、取った後もいい形でチャンスも作れたし、そういうところを最初からやれればよかった。攻撃のための守備なので、守るだけではダメだったと思っています。
(後半システムを変えたが?)負けてたのでやるしかなかった。前が追ってくれた分、後ろはやりやすかった。数的同数とか不利な時もあったけど、みんなでいった結果ボールも取れていたと思う。
勝ててないので、勝ちに繋げるために一人ひとりがレベルアップしなければいけないし、中断期間は自分を見つめ直す機会になると思うので、中断明けの試合で内容と共に勝つ試合ができるように、また頑張ります。
●古林将太
自分たちのいいところをなかなか出せなくて、相手に主導権を握られて2点入れられてしまい、そこから、点をとれればなんとか流れも変わると思ったんですけど、1点が決められなかった。悔しいです。
失点しても、チームとして切れないでやろうということで、前を向いてプレーできたんですけど、やっぱり得点しなければ勝てないし、そういう時に自分がアシストなり得点できればよかったのですが。
前半、広島が高い位置をとってきたので引かなければいけない状況になり、自分たちの攻撃になると5バックで守ってきたりと、考えてやっているなという印象です。学ぶところもありました。僕自身も高い位置をとりたかったんですけど、低い位置をとらざるを得ない運び方をしてくる。そういうところは難しかった。
後半、相手が疲れてきたところもあって、自分たちの攻撃ができた場面も多かったんですけど、それが前半からできなければいけなかった。相手が疲れてきたからできるということじゃダメだと思っています。
カットインで裏を狙ったり、祐三くん(岩上)を右で高い位置をとらせて、自分は中というイメージでした。そういうところはうまくできたと思います。
(前半が終わって手応えは?)手応えがないわけではないですけど、足りないところをもっと伸ばしていかなければと感じています。センタリングの精度だったり、センタリングだけじゃなくて、中に入って行ってカットインでシュートとか、縦だけだと読まれてしまうのでそういうバリエーションを増やさないといけない。
●岩上祐三
0-2で負けていたこともあって、前に前にということは意識していました。みんなが僕の特長を分かってくれているので、前へということは意識できたんじゃないかと思います。
どこで出てもやることは特に変わらないので、曺さんからここだと言われれればその場所に応じてプレーするし、そのために、日頃いろんな準備をしています。
試合になかなか出られない中でも、コンディションはいい状態を保っているので、下を向くことはないと思っていたし、出られたら自分のよさを出すことが仕事だと思っていました。
広島は一人ひとりがうまい。でもうまいで終わらせたらそこで終わってしまうので、もっと自分たちからアクションを起こせればもっと相手を苦しめられたんじゃないかと思っています。
コバショウ(古林)とはお互いの特徴をよく分かっているので、しっかりコミュニケーションをとって試合中もできたとは思います。
●亀川諒史
(後半からの出場だったが意識したことは?)0-2で負けているということで点をとりにいかなければいけないと思っていました。前半、薫くん(高山)とコバくん(古林)が守備的になっていたところあるので、薫くんを前に出してということがあったので、2点差はあったけどまだ45分あるということで前へ前へという意識が強かったです。
ここ2試合でシュートという形まで持ち込めるシーンもあって、今までなかった形を作れた部分もあるんですけど、本当にもっと練習しなければいけないなということを感じています。ここで中断に入ってしまうんですけど、そういうことを中断前に感じられたことはよかったと思います。
(守備については?)薫くんを前に上げるということで、僕が2枚を一人で見ている状態だったんですけど、何度かインターセプトできてそこからいい形でいけた時もあったけど、外に出てしまうところもあって、そこをなんとかマイボールにできるようにということも課題だと思っています。
後半、ラインを高く保って前からいってということができたので、あとは本当に最後のところを決め切ることが大事だと思っています。