監督・選手コメント
ヤマザキナビスコカップ予選第7節 湘南vs川崎 試合後 監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
おつかれさまでした。
今日の結果、どのような結果になっても決勝トーナメントに進出できないということは試合の前から分かっていたんですけども、そういう中でもミッドウィークのこういう忙しい時間帯にたくさんのサポーターに来ていただき、そういう意味では本当に、今日の試合の内容云々を別にして、まずひとりの人間として感謝の気持ちをここで述べたいと思います。
この前のナビスコカップの清水戦同様、少しメンバーを前節から変えてやったんですけども、前半から我々らしい戦いができたかなと思っています。
我々らしい戦いができたときは、指示することっていうのは本当にひとつかふたつで、選手が自発的に、どういう相手の攻撃になろうと大事なポイントを押さえて、逆にうちのチームの良さを出そうとする姿勢に、今日はハーフタイムで「驚いた」という言葉を使ったんですけども、戦術の理解度も含めて非常に全体が上がってきていると思います。そこに満足してはいけないですけども、今日もあと0.0何パーセント足りないところで最後やられてしまいましたけども、チームとしてこれから広島戦に向かって2点目、3点目を取りにいけるチームにならないと、やっぱり1点じゃなかなか逃げ切れないなというのが現実だということを、僕自身も感じていますので、そこは選手たちと協力してやっていかなければと思います。
今日、平塚のピッチに初めて先発で出た選手たち、それまで出られなかったときに悔しい思いをしていたと思うんですけども、非常にファイティングスピリットを見せてやってくれたと思います。
とくにこの場で名前を挙げるのはあまり良くないですけども、今年18歳で、先週清水との試合に先発で90分出て、今日も90分やってくれた中川寛斗に関しては、Jリーグで一番背が小さい選手にもかかわらず、何度もミスはしましたが、切れずにチームのために走ろう、やろうとした姿勢については、僕の18歳のときよりもとっても素敵だなというふうに思いました。
●曺監督 質疑応答
–ハーフタイムに「驚いた」という言葉を使った理由は?
そういう言い方が正しいか分からないですが、このメンバーで公式戦をやったことのないコンビネーションの部分で、もちろんちぐはぐなところがもっと出るかなと思ったが、普段のミーティングや練習に取り組む姿勢が前向きだったことが、ひとつのミスをミスとさせない全体のハードワークとして前半から出ていた。いろいろなトライをしたがそれについても選手たちがきっちりやってくれたことは僕の想像以上だったし、裏を返せばそんなことができるんだと思えなかった自分の指導不足かなと思うぐらい、前後半もいいかたちでやってくれたと思います。勝点3を取れれば一番よかったが、フロンターレさんも決勝トーナメント進出が決まったみたいで、それに関してはおめでとうございますという気持ちです。
–試合直前の武富選手と、試合中の島村選手の故障について今後の見通しは?
まだドクターと話していないので分からないが、そんなに酷い怪我ではないと思う。ただドクターとトレーナーの判断でできないということであればやらせるわけにいかないので。去年はなかったが、長いシーズンそういうこともあると思うので、元気な選手でやっていきたいと思います。
–川崎Fとの前回の対戦も1-1だったが、あの時と比べてどうか。
この前は雨が降って後半水たまりになっていて、1-0から1-1に追いつかれた。今日も同じようなかたちだが、ただ勇気を持ってボールを動かして行こうとか相手のブロックに入って行こうとか飛び出して行こうという場面は前回よりも多かったんじゃないかと思います。後半、大久保選手と中村選手が入ったなかで危ない場面はたくさんありましたが、GKも含めてゴール前でしっかり凌げたことは、失点は反省すべき材料だが、選手たちには自信にしてもらいたい。この前の試合はどちらかというとうちの守備のテイストが少し強かったが、今日は前半からそんなにずっと守備している試合ではなかった。それが勝ちに繋がるかは別だが、違うメンバーも含めて成長してくれたかなと思います。
–島村選手に代わった三竿選手について。
大学がいいですから(会場笑/曹監督は早稲田大出身)。僕のひとつ後輩の古賀くんがいま監督をしているんですが、古賀さんによく鍛えられている選手だと思います。
–決勝トーナメント進出は断たれていたが、何か発破をかけたのか。
今日は発破をかけたというよりも我々のウィークというか今やらなければいけないことを海外の映像を見せたりして整理して、あまり喋らなかった。今足りないことという中で、1点目もそういうかたちで取れたと思っている。戦術的なことは言えないが、偶然ではなく必然で点を取る練習をしたほうが確率は上がる。サッカーは偶然のゴールももちろんあると思うし、そういうゴールが多いのかもしれないが、普段の練習からこういうかたちで崩して行こうと何度も思っていることで神様がプレゼントしてくれるようなゴール――セットプレーとかもそうだと思うが――そういう話を今日は視覚に訴えてやってみたが、それは前半うまくいったなと思いました。
●風間監督 総括
日頃言っている通り、やはりこのハードな2ヶ月間、終盤ですので、走力を上げて戦わなければいけないということで、多少メンバーを代えて出しましたが、ひとつのミスでかなり厳しいゲームになった。ただし後半の選手たち、前半からもそうですが、自分たちでしっかり勝ち切ると、きょうは引き分けでしたが、そこの気持ちは失わなかった、あるいは考え方を失わなかった。もうすこし後半早い時間に点が入っていれば十分我々のゲームになったと思いますが、非常に苦しいゲームでした。ですけども、そこをちゃんと追いついたところは選手の頑張りを讃えたいと思います。
●風間監督 質疑応答
–今日のスタメンは大久保選手や中村選手を外したというのは、コンディション等を考えた時にギリギリの11人だったのか?
ギリギリの11人だけではなく戦術があります。こういう試合ですから後半から彼らを投入することも非常にチームにとっては大きなこと。またもちろん次の試合を考えれば、90分全部出すのはなかなか考えにくいこと。もうひとつは若手の起用、底上げ。3つの狙いはありましたが、その意味ではもし悪くても0-0で帰ってくれば、あるいは0-1で帰ってきてもベンチに十分経験のある選手がいますので、それと戦術を含めてこういう戦い方をしました。
–決勝トーナメント進出については。
もちろん今日の試合は、内容よりも勝点をしっかり取らなければいけないということで、それはすごく選手たちのんかでも大きいこと、また我々にとってもすごくいまチームが自信を持ってサッカーをやっていますので、その意味では楽しみになる決勝トーナメントだと思います。
–前回の湘南戦も1-1の引き分け、先行されて追いつくパターンが多いように思うが?
一番は、この試合は自分たちが突破すればいいというところですから、その目的は達成したのでそれで十分です。
–小林悠選手が5月に入ってゴールを量産していますが、成長はどのあたりにあるのか。
うちはすべての選手たちが伸びていると思います。その中で、いつも言ってる、安定してプレーできるようになること、もちろん悠の場合は彼独特の相手を動きで外すという武器がありますが、安定するというのはどういうことかといえば、悪い時でも必ずチャンスを生み出せる、あるいはその悪いレベルがどこにあるかということで、彼は調子が悪い時でもかなりハイレベルなところで止められるようになれてきたと思う。そのへんの考え方や自信がついてきたと思います。
【選手コメント】
●菊池大介
(ゴールについて)ミサ(三竿)がしっかりボールにいってくれて、僕はうまくミートすることを考えました。ラッキーなゴールでしたけど自分にとっては非常に大きなものだったし、次に繋がると思います。ただ、さらに追加点をとれなければ、上にはいけないのかなと感じています。
(後半の決定機の時にも)かなりの人数がしっかりランニングして上がってくれていて、自分にディフェンスが来れないくらいになっていました。本当にああいうところでみんなが作ってくれたチャンスを決め切れる選手にならなければいけないと改めて思いました。(チームとしてまとまっていた印象だが?)うちのチームの強みというのは、誰が出ても同じスタイルを出せるところだと思います。一人ひとり特徴は違いますが、それぞれが特徴を分かっているし、試合前からよく話もできていました。やっていて楽しかったです。
J1に慣れてきてやるべきことをプレーとして出せるようになってきた。自分としても手ごたえを試合ごとに感じられるようになってきました。充実もしているし、いい感覚も掴めているんですけど、でも勝点3をとるためにはもうひとつクオリティを高めなければいけないと思っています。
●安藤駿介
善戦していたので勝ち切りたかったです。相手は上にいくことが懸かっている試合で、こちらは状況としては難しい立ち位置の試合でしたけど、みんながファイトした試合だった。結果は引分けでしたけど、見に来てくれた方々にはいい試合を見せられたかなと思いますし、次に繋がる試合ができたところはよかったと思います。
前半、いいリズムがあったり、後半いいカウンターもありました。川崎のGKの杉山さんの好セーブに阻まれたというところも大きかったと思います。
(個人としては?)手応えのあるところもありますが、まだまだです。今日はできたけど次はできないではいけないので、また明日の練習からしっかり取り組んでいかなければ、それ以上のパフォーマンスは出せないと思う。また自分に厳しくやっていかなければいけないと思っています。
●中川寛斗
僕と憲さん(岩尾)が相手のボランチにいけないというところが課題があったんですけどそこはひとつ克服できたというか、特に前半はうまくハマっていたと思います。ただ後半で、相手の試合に対する闘争心が見えて、強烈な前線の選手に対してチーム全体的に隙を与えてしまっていれられてしまったゴールだったと思います。
僕自身の悪い面は、自分でよく分かっていますし、悪い面をどう改善できるかが自分の仕事だと思っています。そこをもっと突き詰めて練習していきたいと思っています。
●大槻周平
(急なスタメン出場となったが)本当に急だったので気持ち的には難しいところもあったんですけど、とにかくチームに貢献したいという気持ちで入りました。
まず守備から入ってしっかり耐えようと思っていましたが、大介(菊池)が入れてくれて気持ち的にはかなり落ち着きました。最後、ああやって失点してしまったことは本当に悔しいです。
相手はうまい選手が多かったので、なるべく前に入れさせたくなかったので下げさせて整えてからいこうと思っていた。ディフェンスはうまくハマったかなと思います。ただそこで体力を奪われたところもあります。
(次の試合に向けて)内容自体はずっと悪くないので、最後勝点3をとるという気持ちや追加点をもっと貪欲に狙っていかなければいけないと思います。追加点とるために、クロスだけじゃなく中央突破などいろんなバリエーションを入れながら、最後はゴール前で点をとるという気持ちを見せて戦いたいと思います。
●クォン ハンジン
(ゲームキャプテンについて)キャプテンをやることは予想していなかったので指名されてびっくりしましたが、自分を信じて指名してもらったのでチームを引っ張っていこうという気持ちでゲームに挑みました。
(終盤の相手の猛攻について)チーム全体としてなかをしっかり守ろうという意識でゲームに挑んだのでそこはよかったが、最後になかでクロスを合わされてしまったので責任を感じています。中村選手と大久保選手はいい選手だと思うし、あの選手たちが入ることによって流れが変わったのはたしか。自分たちが前半と同じようにできなかったということもあるが、あの2人が入ったことによってほかの選手たちも自信を持ってプレーし始めたことが押し込まれた理由だと思います。ただ、いい選手が入ってきたとしても十分抑えられたと思うし、とても悔しいです。