馬入日記
【馬入日記:12月20日】「自分たちを信じて」馬場選手インタビュー
練習はオフに入っていますが、リハビリ選手たちは馬入で元気にトレーニング中です。
9月に右足の第5中足骨を骨折し、リハビリに励んでいた馬場選手。
オフに入る直前にリハビリが終わり、全体練習に合流しました。(でもまだ練習に来ています)
「ゲームでもフリーマンをやる程度だったので、本合流というわけではなかったから“復帰した!”っていう感覚ではなかったけど、最後に“やっぱりサッカーは楽しいな”という感覚を味わって終われたことはよかった。ボールを蹴るのは楽しいな、そしてしんどいな、と(笑)」
しんどいな、というのは…
「もう、肺が破裂するんじゃないかと思った。サッカー的な部分でちょっと踏ん張ってボールが蹴れないだろうなとか、そういうことは分かっていたけど、肺がこんなにも苦しくなるとは。あんなにリハビリで走ってたのに、やっぱり違うんだなと思いました」と。
ケガをしたのは9月20日。まさにここから昇格に向けての正念場を迎えるという時。
リーグ戦は今季絶望という診断に、「なぜ、今なんだ」と誰もが感じましたが、思い出されるのは馬場選手の気丈に振る舞う姿です。
「実感があまりなかったんだと思う。初めての手術だったし、サッカーで入院するのも初めてだったからそんなに考える余裕がなかった。ただ、手術が終わって試合を見るようになってからは、後悔というか“なんで”っていう想いが湧いてきた。そして、もう二度と経験することはないであろう、あの“昇格争い”という緊迫した戦いを経験できなかったことは本当に残念です。ああいう場面でプレーできれば、選手としても成長すると思うし、そういう意味では、大事な経験の場をひとつケガで失ってしまったとも思います」
最終戦の町田戦。
試合前からものすごい迫力で応援するサポーターの姿を、遠くから眺めていた馬場選手が一言、「いいなぁ」と漏らしました。
「本当に羨ましいなと思った。あんな雰囲気の中で試合ができるみんなが。正直、嫉妬していたと思います。(足の骨が)折れたままでも、やらせてくれるならやりたいと思った。それくらい、冷静さを失うくらい、いいなと思った」
そして。
「昇格が決まって、喜んでいる時にふと冷静になる自分がいました。すごく嬉しかったんだけど、でも冷静になると“でも出てないんだよな”って。嬉しくないんじゃなくて、物足りないという感じ。でもそれは仕方がない。ケガは誰だってするし、それがちょうどその時だっただけだと考えなければ。起きたことを、マイナスには考えたくない」
周囲から「でも、馬場選手の活躍がなければ」という声をたくさんかけてもらっても…
「そう言ってもらえるんだけど…。最初も大事だったし、一年を通して大事じゃない時はないけど、でも最後の5試合くらいのみんなを見ると、最後、あそこでみんなが頑張ったから上がれたっていうのが一番大きいと思うんです。でも、ある意味、昇格して不完全燃焼っていうのは来季に向けていいモチベーションなのかもしれない」と。
ケガが完治し、来年の始動からはいい状態でスタートすることができます。
「みんな、やってやるぜって思ってると思うけど、そういう想いの強さは一番でいたいなとも思う。今年以上に、ギラギラしてやっていかなければと思っています」
改めて、来年はどんなシーズンにしたいか、と聞きました。
「どんな時も自信を失わないで、自分たちのスタイルを貫く一年にしたい。今年よりも難しいシーズンになるとは思うけど、どんなことがあっても、自分たちのスタイルと自分たちを信じて一年間やっていきたいし、やらなければと思う。今年、みんな本当に100%でやっていたと思うし、そこは何も変える必要はないけど、さらにみんなが質を上げて、もっと100%に近い100%でみんながサッカーに取り組むことができるようにしたい。繰り返しになるけど、とにかくチームのスタイルと自分たちを信じること。それが、2010年を経験しての反省でもあると思うから。曺さんがブレないから大丈夫だと思うけど、みんなで一体感をもってやっていきたいと思います」
信じて戦うのみ。自分を仲間を、チームを。