馬入日記

【馬入日記:11月27日】「湘南スタイルで暴れたい」永木選手インタビュー

シーズンは終了しましたが、チームは変わらずに毎日練習しています。
今年は12月14日まで練習が行われ、15日から長期オフに入る予定です。

練習は約2時間、みっちり行われています。
練習後、永木選手に話を聞きました。

「完全に来年のことを見据えて練習している、という感じです。J1でやっていくためには今の自分たちのスキルではまったく足りていない。今は技術的な練習が多いんですけど、監督やコーチはそこを伸ばしてくれようとしているので、自分ももっとスキルアップしなければいけないなと思っています。やらされてるという感覚ではなくて、自分自身の技術が高まるように、という気持ちでやっています。シーズンが早く終わったので、こういう時間が持てて、貴重な練習期間になっていると思います」

永木選手自身はどんなことを意識して練習しているのでしょうか。

「細かいんですけど、ゴール前の味方とボールを持っている人との関係性を高めること。ラストパスの出しどころとして、今年なかった形で点がとれるように練習しています。J1の試合を見ていると、特に広島とかすごくうまい。最後はボールを持ってる人とFWの二人の関係で点を取る。動き出しの質とパスの質。そこでゴールを奪えているのがすごい。今、一人と一人の動きの質、パスの質を高める練習をやっているので、すごくいい練習ができていると思います。そういうパスを出せたらとずっと思ってたから、楽しいです」

さて、今年一年を振り返ると、永木選手にとってはどんなシーズンだったでしょうか。
「結果として、昇格ができて本当によかったと思っています。個人としてはいい時、悪い時の差が出てしまったという反省があります。来年はそういうものをなくしていきたい。でもチームとして、最後まで自分たちのスタイルでやり切って昇格できたということはすごくいいことだと思うし、来年にも繋がると思います」

“自分たちのスタイル”と永木選手が言うように、湘南スタイルを貫いて、昇格までたどり着けたことは大きな自信となるものでした。

「J1ではうちのサッカーって今までにないスタイルだと思うので、驚かせることができるかもしれない。J1でどこまでできるかというのはすごく楽しみだし、そこで結果が出せればこのスタイルのよさを感じてもらえると思うし、みんなも認めてくれると思う。他にはない自分たちのスタイルでJ1でのシーズンをチャレンジしたい」

10月に戦った天皇杯3回戦の柏戦では、今季唯一J1チームと戦うことのできた機会でした。

「柏戦では、できなかったところもあるけど、手ごたえを掴めたところもあった。できなかったところはこれから練習してできるようにすればいいし、うちのいいところは練習でさらに質を上げていけばいいと思う。これからもたくさんいい試合、悪い試合があると思うけど、ブレずにやったことで今年ここまでこれたので、来年もそういうチームでありたいと思います」

そして、ベルマーレを語る上で外せないキーワードと言えば「一体感」。

「本当に仲がいいチームだと思う。先輩、後輩関係なく信頼関係が厚くて、なかなかこういうチームには巡りあうことはできないと思うくらいの仲の良さだった。そういう仲間とやるサッカーは楽しいし、もちろん結果にも繋がるものだったと思う。普通、集団になると誰かと誰かがあんまり折り合いよくないな、とか出てくるものだけど、そういうものが本当になかった。先輩もすごく下の面倒を見てくれるし、下もぐいぐいくるし(笑)、僕らもふざけるし。でも、ピッチに入ったらみんなしっかり切り替えられて、しっかりサッカーに取り組める選手たちが揃ってた。本当にチームメイトに恵まれたなと思っているし、やっぱりこういうチームが昇格できるんだなと感じました」

さて、永木選手にとって一番印象深い試合とは、どの試合でしょうか?

「チーム的には開幕戦だと思う。やっぱりあの試合で勢いがついたし、自分たちがこのスタイルでやっていけるんだという自信も生まれた。でも個人的には、アウェイの山形戦(6月13日)。今年初めて得点をとった試合だったし、薫(高山選手)へのアシストもイメージ通りだった。薫のゴールが決勝点となった試合だった。僕は山形戦で、初めてボランチではなくてひとつ前のポジションをやったんですけど、めちゃくちゃ疲れて、初めて走れなくなった試合。死ぬかと思ったっていうくらい。でも、そういう中でも得点に繋がるプレーができたのですごく印象深いです」

ちなみに、高山選手も「ベストシーン」に挙げていたのはこの山形戦でした。(さすが通じ合ってます!)

そして、最後の3試合で巻いたキャプテンマークについて。

「気持ち的にまったく変わらないわけじゃないです。曺さんに“残り3試合はお前で行くぞ”と言われた時に、“プレーに責任感が出てきた”とも言ってもらって素直に嬉しかった。自分にはそういう責任感あるプレーというのが今まではなかったと思うけど、最近になって出てきた。これからは本当にそういう責任感をもったプレーを意識してやっていかなければと思います。シーズン中、一度すごく悪い時期を乗り越えて、だんだんコンディションや自分のプレーのことも分かってきた。経験をして、徐々にそういうプレーが自然に出てくるようになったんだと思います」

最後に。
来季、J1に向けて。

「自分たちらしく戦って、一泡吹かせたいと思っています。他のチームから恐れられるようなチームになりたいし、湘南スタイルで暴れたいと思います。新しい風を吹かせて、上を脅かす存在になりたい」

※永木選手がJ’sGOALの10月・11月の月間MIPに選ばれました!