馬入日記
【馬入日記:10月2日】岩尾選手が入院、手術へ。逞しさ増して復帰を。
岩尾選手が9月3日に行われた練習試合中に負傷し、右股関節関節唇(かんせつしん)の損傷で全治6ヵ月と診断されました。
10月3日に手術を受けます。
今年5月、腰椎椎間板ヘルニアにより手術を受け、約3ヵ月のリハビリ期間を経て復帰を果たしたばかりでした。
岩尾選手が感じている悔しさは計り知れません。
入院する前に、岩尾選手に話を聞きました。
負傷した時の気持ちは、と聞くと。
「試合でケガをした直後はそのままプレーできていたんです。だから翌日にレントゲンを撮りにいってその画像を見た先生から“入院したほうがいい”と言われた時は、こんなに大きなケガだとは思ってなかったので、“それは嘘でしょ”という感じで、現実味がなかった。受け入れたくないという気持ちもあって、でもだんだん重たいものになっていきました」と。
手術すべきかどうか、様々な意見を聞き慎重に決めていきました。
昨年のケガも含め、手術は3回目となります。
「今はもう、むしろ前向きなので、大丈夫です。手術も3回目になってしまったので、去年入団してから、ここまでのことをゆっくり整理しました。僕は、活躍するに値する生活ができていたのかとか、自分が試合に出る存在というものになれていたのか、とかいろいろ考えました。もちろん一生懸命やっていたし、いい準備もしていたつもりだし、練習も手を抜いたことはありません。でも、やってるんですけど、何かが足りない。それが自分の中で整理できて、これだなとしっくりくるものがみつかった。だからあとはやるだけだと思って、今“よっしゃー”という感じになってます」
サッカーに対していつもまっすぐで、どこからどう見ても真剣に向き合っている岩尾選手から、予想外のコメントが出てきて驚かされました。
その“これだなとしっくりくるもの”は、あえて今回は聞かずにおきました。
(気になるけれど、復帰した時に聞きましょう!)
しばらくは入院生活になるため、土曜日の練習後にはチームメイトに挨拶をしました。
「申し訳ない気持ちを伝えて、それと同時に、それぞれの場所で頑張りましょうと言いました。言えてたか分からないけど」
退院した後も、リハビリ期間が続きます。地道なリハビリとなりますが…
「明るい材料がみつかったので大丈夫。それに祐也くん(中村選手)もいるし。祐也くんはやっぱりすごく意識が高いですね。見る機会がなければ気づかないようなことだけど、とにかくやり切るんです。そこまでやるかというくらいストイックです。いい先輩と一緒にできることはすごくよかったと思います」と岩尾選手。
そして、心配をしてくれているサポーターの皆さんへ。
「サポーターの皆さんには…一番なんと言ったらいいか難しいですね。僕自身の状態的には、今までの2回の手術よりも、今回は前向きというか、整理できて明確なものがみつかったので、いつまでもうじうじしていないでやるだけだと思っています。今は、少しでも早く復帰できる努力をするのが仕事だと思っています。そんな日がいつかくると思って頑張ります」
最後に、一番気持ちを理解しているチームメイトに、改めて。
「今季、曺さんが“全員が戦力だ”って言ってくれるところから始まって、ヘルニアの時も
残念だと言ってもらいました。そういう意味も含めて、一緒にピッチレベルで戦えないのはすごく悔しいですけど、みんなには、今までどおり積み上げてきたものをそのまま出してもらいたいです。いつか、“あの時お前、手術してたよな”とかそういうことを笑って話せるような時がくればいいと思います。みんなには、特に頑張れと言う必要もないと思うので、最後までシーズンを楽しんでほしい。オレはリハビリを楽しむから」と。
月曜日の熊本戦、選手たちからの希望で、ベンチには長期離脱となった中村選手、岩尾選手、馬場選手のユニフォームがかけられていました。
言葉にはしなくとも、“一緒に戦ってるよ”という証です。
この苦境をしっかり乗り越え、間違いなく逞しさを増す岩尾選手に、ぜひご期待ください!