監督・選手コメント

J2リーグ第36節 湘南ベルマーレvsロアッソ熊本 監督・選手コメント

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【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れさまでした。
昨日、天気の関係で、今日1日順延できたのは、ここにいる競技場を管理している皆さんやクラブ、それから熊本さんの理解があってのことだと思うので、そういう意味ではあまりテンションを下げることがなく今日が迎えられたことは周りのサポートがあったからだと思っています。
サポーターの今日の応援を含めて、まず最初に感謝したいと思います。
言葉がうまく見つからないですが、言えるのは、全てこれもサッカーだということ。やっぱり僕の選手へのやらせかたとか、チームメネジメントのどこかに欠落しているとこがあるので、こういう試合になってしまうと強く自分を戒めてます。
やっているサッカーの内容や、相手に対するゲームプランや、後半2人代えてチャレンジしてみましたけど、そのことも含めて、選手たちがやろうとするエネルギーは監督として非常に強く感じました。ただこの状況で勝点3を失う、もしくは今日でいうと1を最低、失ってしまったというのは、昨日の試合でもアディショナルタイムにドラマが起きていましたが、こういう自分たちが何とか出来るようで何とか出来ないような状況を、選手たちが、ただ切り替えるということではなくて、しっかり胸の奥底に刻んで、もしくは頭の中に刻んで次に向かわないといけない。
そうでなければ、我々はシーズン当初に言われていたように、若くて、波があって、勢いがあるだけだというような風評を覆すことはできないかなというふうに感じてます。
ただ、やるサッカーのスタイルとか、自分たちの良さとか、残り6試合になりましたけども最後のところの自分たちが突き詰めてきたことは継続してやろうと思っていますし、そういうことをもっともっと、選手たちにこれでいいんだと思わせるために、決して下を向くことなく、上を向いてやっていかなければいけないと思っています。
今年はじめて3連敗しましたけども、我々は開幕当初3連敗でスタートするかもしれないというところから始まったチームなので、別に負けたことでああだこうだ言うつもりもないです。
ただ、僕とスタッフと選手たちの胸に刻まなきゃいけないことは、今日の試合は多かったと思うので、そこを僕自身が強く感じて、選手たちと一緒にまた次に向かっていきたいと思います。

●曺監督 質疑応答
–3バックの配置について、鎌田選手を中央に置いた理由は?

真ん中やるのは今日が初めてではなく富山戦でもやっています。今日はコンパクトフィールドが大事だよという話をしていて、ほぼ上手くいってたんですけど、前半のひとつのピンチであそこで競り勝てなかったということが、鎌田は一番うちで出場している選手なので、そこは乗り越えてもらいたいという形も含めて交代しました。
彼が今後そういうことをどう感じてくれるかとていうところにも期待したいし、それは三原の配置も含めて、鎌田を真ん中にしたことは今後のことも含めてやったつもりです。
ラインをコンパクトにするという意図の中で彼を真ん中にしました。

–この状況は選手もかなり堪えていると思うが、ロッカールームではどのような話をしたのか?

最初は何も言わなくて締めようかと思ったんですけども、明日休みなのでそれも良くないなと思って。
こういう試合で勝点ゼロで終わってしまうというのは、自分たちの力だし、誰も助けてくれないし、誰もせいでもない。僕だったら僕の責任だと思う。
ただ「切り替える」っていう言葉だけじゃなくて、切り替えるためにはやっぱり考えないといけないし反省しないといけない。そういう時間は絶対に人間としてあるべきだと思っているし、負けたから「こういうこともあるよ。すぐに切り替えろ」っていう言葉はこの今日の試合に関してはふさわしくないと思いました。
そういうことを選手たちに伝えて、そうしたら選手のほうからやっぱり上に向かうためには、この試合はやっぱり次に繋げていかないといけないっていう話を選手同士でしていたので、そこはもう何も言わずに部屋を出てきました。

–二人が出場停止だったことの影響はあるか?

いえ、全くありません。

–前半、入り方としては悪くないし、相手の攻めも完全に止めていたしチャンスも作っていた。それが20分くらいで止まってしまった原因は何なのか?

ラインをコンパクトにしながらボールは蹴るんですけど、攻撃になった時に少し安全安全な所にボールを動かしすぎてしまって、前半は相手が帰る時間を与えてしまったかなと思います。
連敗できてしまっているので、選手の心理的にちょっとそういうところが出るかもしれないなと、後半に勝負しようっていうところが-最初から後半だけでやればいいってことではないんですけども-この展開を全体的に伸ばしていって自分たちのリズムにしていくには90分+アディショナルタイムの中で考えなければいけないなと思っていました。
僕はあの20分は相手にリズムがいってこちらにリズムがなかったとは捉えていないです。ただ、あそこの1点の取られ方とか、最後の時間の所ももちろんあるんですけど、その辺のところはさっきも言いましたけれども反省しないといけない。
その得点を取り返すために後半、あれだけのリズムができたということをポジティブに捉える部分もありますけども、やっぱりまだまだです。こういう言い方をしたら情けないですけど、経験不足というかもっともっとやってはいけないミスを減らして、得点を取るっていう形を突き詰めなきゃいけないなと思いました。

–永木選手をキャプテンにした理由は?

うちはキャプテンが坂本で副キャプテンがが航(遠藤)と猪狩がやってるんですけども、今日のゲームを考えたら猪狩もリーグ戦でここで先発するのは初めてなので、プレーに集中させたかった。そういう意味では亮太は最近プレーの中で責任感がすごく出てきたので、やっぱりキャプテンマーク巻かせることでよりそれを発揮してもらいたいと思いました。
みんながキャプテンのつもりでやってくれという話をしているので、特にそんなに大きな意味はなかったんですけども、この試合に関しては彼が相応しいかなと思って指名しました。

—この前も2連敗になってから引き分けの連続でなかなか勝てなかった。あの時と同じ状況か?

僕は全く違うと思っています。あの時は怖いもの知らずで坂をずっと上がっていったら、いきなりその坂が上に上がれなくなって、平坦な道になった時にその次に見たら今度は下に転がり落ちたみたいな状況だと思います。
今、僕は坂の上の道自体は見えているとは思います。だから、この敗戦をしたことがネガティブになる要素は一切無いと思っています。
逆に、こういう状況を選手と一緒に見えてる道に対してしっかりまっすぐ入っていくということが僕は大事だと思っています。自分たちのスタイルややり方やその部分を疑って、右に逸れたり左に逸れたりする必要は全くないと思っています。
自分たちのやるサッカーとか立ち位置を変えることなく、この3連敗というのが後になって絶対に良かったなっていうふうにしなければといけないと思っています。
それは、僕の責任として絶対にそうしようと思っているし、それを苦しみながらも選手たちと見えている坂をしっかり上って、下に転がり落ちないようにみんなで支え合いながらやっていきたいなと思っています。

–今日はPKを岩上選手が蹴ったが最初から決定だったのか?

練習見て決めました。よく決めたと思います、あそこを。

–高木監督から「もう少し湘南の最終ラインが攻撃で絡んでくるんじゃないかというところに注意をしていた」という話があったがそこについては?

熊本さんはツートップが残って、逆にインサイドハーフがちょっと攻め残りみたいなポジションを取りながらいい形で取ったときに早く攻めるというのが狙いだったと思うんですけども、うちは今日は三原と島村と大野がやってたんですけども、チャンスがあったら行けという話はしました。
ただ、前半から状況的に我々の3バックと相手の4バックのミスマッチで、パス自体がうまく崩せている場面がたくさんあったので、そういう意味では彼らが行かなかったというよりはそんなに行く必要が無かったのかなというふうに僕自身は感じています。
ただ、チャンスがあったら行けとは言っています。熊本さん相手に行くなと言ったわけではありません。

–監督としては、そこまで行かなくても何とかなる状況だったということか?

何回か行ってもいい場面はあると思いますけど、相手のツートップが絶対残っているので、ボランチがそこの前にいない状況は3バックの左右はちょっと出づらいと思うんですよね。
取られたことを考えなくてもいいって言うのなら出られるんですけど、リスクマネジメントっていうのはリスクをチャレンジした中でその裏返しをしっかりケアしておきましょうって話なので。
リスクを冒せ、冒せ、冒せって言っていて、何でもいいから3バックの選手が攻撃参加していたら、それこそ判断が全く無いと思うし、その辺のことはシーズン最初から言っていたので、それに関しての不満は無いです。

●高木監督 総括
試合が順延したことで我々も湘南さんも非常にたいへんだったと思いますが、無事にできたなかで、サポーターの方々もわずかな方しか来れなかったという状況だったと思いますが、大きな力になりました。その結果が勝利に結びついたこと、選手とサポーターの方々に感謝したいと思います。ゲームに関しては、一言で湘南さんのサッカーを表すと、スピードとパワー――ランニングパワーだったり――が非常に際立つチーム。そこに対してどれだけスピードと切り替えの部分で対応できるかという印象はあったが、前半からなかなか、競り勝っていてもセカンドボールを取れる時間帯、取れない時間帯もあったが、基本的には自由にやらせてもらえなかったというのが正直なところです。ただそういうなかでも泥臭く点を取れたことが今日の大きな勝因かなと思っています。後半、湘南さんも選手を代えてかなりスピードアップするようなシーンがあったが、そこに対してはほんとうによく耐えたことが2点目に繋がった。今日のミーティングでも、選手たちは今日の試合でどういうことを注意しなければいけないこともよく分かってるなかで、猛攻、下がってしまった時間帯を乗り越えてくれたんだと思います。残り試合がホームはもちろん全体を通しても少ないが、我々はまた次のゲームに向かっていい準備をして、こういうゲームをもっともっと続けていけるようにしたい。

●高木監督 質疑応答
–途中交代の五領選手と市村選手が決勝点に絡んだが、どのように送り出したのか?

最初に入った五領に関しては、彼はボールを持てる選手なので、できるだけはたかずに自分でボールを持って行ってくれと。ボールを保持したなかで時間をつくることをやってほしいと。なぜならそのまえにかなり押し込まれて後ろから出ていく時間もなかったので、彼がボールを持つことによってすこしその時間を稼げればなということと、相手も前がかりになっていたので、どこかしら薄いところを突いていける可能性もあった。市村に関しては、とにかく前が空いたら仕掛ける、細かいパスよりもフィニッシュで終わったり前にどんどん出ていこうと。時間もなかったし、そういう仕事を彼ら二人はよくやってくれた。とくに五領が入った時間帯は押し込まれていたので、できれば相手の3バックに対してはボールに行こうという話をしました。

–齊藤選手の得点シーンについては?

彼らしい得点かなと思います。やはりFWはああやって競り合いながらいろんなことを覚えていくと思うし、けっしてスルーパスを受けた状況ではなく、シュートを決めることはもちろん必要だが、彼が課題としているルーズボールから、そしてフィフティフィフティのボールからマイボールにする形ができたと思うので、今後ずっと忘れないでやってほしいと思います。

–今季2度目の3連勝ということで、好調の要因は?

諦めずに最後まで頑張ってくれたことが逆転に繋がったと思うし、相手を見てみれば分かると思うが、負けてるときに必死にボールに対して出てくる、ゴールに向かってくる、それが我々にはあったということだと思います。

–順延はゲームに影響があったか?

まずグラウンドを確保することが非常に大変でしたが、幸い僕の後輩が御殿場の時の栖にいて、彼に電話してすぐにグラウンドを押さえてもらったということ。それがよかったかなと。リラックスして選手もトレーニングできたので。田舎から出てきた人間は、今日は富士山は見えなかったですけど、ああいう雰囲気でできたことはひょっとしたらよかったのかもしれない(笑)。

–前半戦の湘南と今日と、違いはあったか?

基本的にはシステムは我々のほうが変わっているのですべて同じ条件ではないが、たとえばボールを追い越す動きのなかで、本来たとえばワイドプレイヤーがボールを持ったときには外を回る選手はあまりいない、いるとすればセンターバックのサイドの選手だと思うが、きょうは永木選手や中盤のボランチの選手が追い越す動きをして数的優位をつくるというのは前回の対戦のなかではなかった。個人のスキルだと思うが、湘南さんはチームとしてもその部分にすこし変化はあったかなと。あと逆にちょっと足りないなと思ったのは、後ろの選手の攻撃の関わり方が本来ならもっとあったんじゃないかなという印象はありました。でも今回は少ないかなと。三原選手がセンターバックに入っているのは分かっていましたし、やったことも実際あって見てますが、彼はもっと上がっていきたいんじゃないかなという印象はあります。そこは僕はかなりケアしなくてはいけない部分だったが、逆に助かったかなというのはあります。

【選手コメント】
●坂本紘司
(入る時は)1点負けてたけど、うちはゼロで終わるようなチームではないし、前への推進力とボランチとしてしっかりバランスをとることを考えて入りました。
後半、勢いが出て、逆転できるチャンスもあった。その中で最後の最後までゲームをコントロールできなかったのは自分の責任でもあると思っています。
結果に偶然というのはないと思うし、今日うちが少し最後に隙があったと思うので、今度はうちが相手の隙を突いていく戦いをしなければいけない。そこはひとつ教訓になると思っています。
自分の経験上、ありきたりかもしれないけど、気持ちの強いチームが本当に上にいくと思うし、本当にJ1に絶対行きたいっていうチームが勝てると思う。
せっかくここまでみんなで積み上げてきたので、そこをもう一度、絶対に上にいくんだということをみんなでひとつになってやることだと思う。
サッカー自体については、心配することじゃないと思うし、ギリギリのところでみんなの気持ちをひとつにするのが自分の役目だと思うので、そういうところを今週また1週間、しっかりやっていきたい。また次もホームなので、いい形で試合に臨めるように準備したいと思います。

●岩上祐三
負けてしまったので「惜しい」とかではダメだと思っています。
後半はいい形が作れたけど、それを前半から出せなかったのは反省点です。ただ前半を引きずることなく切り替えて後半に入りました。
後半は逆転するチャンスがあったと思う。そこで決め切るか決め切れないかで、今日のようにアディショナルタイムで決められてこういう悔しい結果になってしまうということを感じています。
(PKについては?)PKは1回置いた後に薫さん(高山)が倒されたりしましたけど、僕はそっちのほうは見ないで集中を切らさずにやろうと心がけていました。
強くて速いボールを蹴れば、キーパーに読まれて弾かれても入るかなという感じはありました。決められてよかったです。

●永木亮太
(キャプテンマークについて)いつも通りしっかりプレーすることを心掛けました。
相手に蹴られたときにバックラインと僕らのラインがすこし間延びしてセカンドボールを拾われた場面が前半からすこしあったので、そこはもうすこし集中したかった。カ
ウンターもしっかりできていたし全体的に前半は悪くなかった。事故みたいな形で失点してしまったが、悲観する内容ではなかったと思う。
得点は入ってないけれど自分たちの狙い通りの攻撃もできている。ただ、そういうときにもゼロで抑えることをしっかりやっていかないと、この先こういう試合が続いてしまうと思うので、真ん中のポジションの僕らを中心にしっかり守備陣と連携を取って、あと一歩というところなので、そういう失点をなくしていきたい。
ここで踏ん張ってチームがもうひと回り強くなるにはミスや最後のところの緩みをなくしていかなければいけないと思う。改善していきたいと思います。

●高山薫
ホイッスルが鳴った瞬間、今までで一番悔しかったです。
最後に点をとられた時に、自分が股抜きされてしまって失点に絡んでしまった。本当に悔しいです。
周りの状況が把握できていなくて、とれると思って飛び込んでしまったのが結果的によくなかった。たらればだけど、飛び込まずに対応していたらボールをとれたかなと思いますが、その時は周りが見えていなかった。
全体的に内容は悪くなかったと思うけど、結果として最後に失点してしまった。
(攻撃に関しては?)クロスの質が悪くて、人に合わせるボールを考えてしまうところがあった。ゴールに向かってシュートを打つ感じで上げたほうがよかった。
あとはクロスばかりになってしまったから、もっと中に仕掛ければ亮太(永木)がオーバーラップできたり、違う形の攻撃ができたかなと思います。チャンスはあったと思うけど単調になってしまっていたと思う。
全体的に、もっと冷静にならなければいけないところで、みんな少し焦っていたと思う。
(次に向けて)いま連敗しているけど、マイナス+マイナスはプラスにしかならないから、次は絶対にプラスにできるように、頑張るのは当たり前ですけど、頑張って、いいサッカーをしたいと思います。

●三原向平
本当に悔しいの一言です。最後の失点シーンは、北嶋選手を見失ってしまったし、あそこで一歩二歩戻っていればと思うと悔やまれます。
一歩の詰めの甘さが出てしまったと思う。
武富選手が速いということだったので、絶対にやらせないということを意識して入りました。競り合いでも絶対に負けないということを考えていました。
攻撃参加のタイミングはちょっと遅かったと思う。もっと出ていけたと思います。FWが強烈だったのと裏にぼんぼん蹴ってきたので、そこの対応を考えました。
今日の負けを反省して、前に進んでいくしかないと思っています。