ボイス

【ボイス:8月25日】馬場賢治選手の声


始まった時には、長いと思ったシーズンも、
夏の終わりには、あと十数試合を残すのみというあっけなさ。
ところが、今季のJ2リーグは、簡単に入れ替われそうな
勝ち点差10以内のチームを数えても、9チームがひしめく混戦ぶり。
どのチームも狙っているのは、上位2つの椅子。
どんなに悪くても6位以内に入らなければ、今シーズンの夢が潰える。
残った試合で積める勝ち点は、36。
状況は、まだまだ予断を許さない。
1戦必勝のサバイバルに突入したリーグで、何があれば勝ち抜けるのか?
気持ちの熱さでゴールを呼び込む馬場賢治選手も、ひとつ、鍵を握っていそうだ。

湘南らしさが活きる
攻撃的なチームに成長

 キックオフから先頭を切って走り出す。湘南スタイルの基本のフォーメーション、3-4-3の、“前の3”の一角が定位置。馬場選手が最前線で仕掛けるアグレッシブなアプローチは、チームの戦闘態勢を象徴するかのようだ。

「今シーズンのスタートはボランチから入ったんですよ。使えなかったのか、前の方が良かったのかはわからないけど、気づいたらフォワードに回ってました。
 フォワードの役割というのは、自分としては、何が他の選手と違う特徴かというと、ボールの扱いだったり、前でタメを作ったり、攻撃に変化をつけられることだと思う。それは、先頭でやってもシャドーでやっても変わらない。去年までいた豊さん(田原選手・現横浜FC)みたいに背が高いわけでもなく、薫(高山)みたいに足が速いわけでもないし。
 ワントップになると、潰れることが多かったり、周りを活かさなきゃいけない、活かすのがベストっていうシーンが多くて、シャドーだと結構前を向いたり、サイドハーフと形が作れる。細かい部分で仕事の違いはあるけど、自分の特徴を出すことに変わりはないですね。
 得点力があるとは思ってないんですけど、シュートの質とか相手ゴールキーパーとの駆け引きっていうのは、自分としてもすごく考えてやってきたので、得点というのも特徴かなと思います。
 あとは、わかりやすくファーストディフェンダーの役目が一番大きいかなと思いますね」

 曺監督が指揮を執る初めてのシーズンのサッカー。それは、前指揮官から積み重ねてきた湘南スタイルに、戦術やコンセプトの変化が加わってアグレッシブさを増したもの。

「前半は勝ちは多かったですけど、なんとなく危なっかしいっていうか。よく攻めるけど、失点もよくするし。そういう部分では、湘南らしいスタイルは残しつつも、後半戦に向けて少しずつ安定感も出てきたと思う。現に失点も複数失点してないですし。少しずつですけど、目に見えてチームは前進して成長しているなっていうのは、やっていても見ていても思いますね」

 3トップに加え、サイドハーフの攻撃参加は必須。サッカーは、点を取り合うゲームという本質に沿った湘南スタイルは、攻撃の時こそ、その迫力を増す仕掛けが施されている。

「わかりやすくいえば、気づけば3バックの両サイドの選手もゴール前まで攻め込んでるっていう。一見危なっかしく見えますけど、いざ“行ける”って思ったら3バックのどの選手でも攻撃参加してくるし、そういう時の迫力はすごいと思う。実際、航(遠藤)がチームでも得点者の上位にいたり。前の選手だけじゃなく、全員攻撃、全員守備、そういうのがはっきりしていて、やっていても前への力っていうのは、みんなすごく迫力あるのを感じる。今までもずっと言われてますけど、“湘南の暴れん坊”っていうフレーズを体現できているのが、今年のチームじゃないかと思います」

 危なっかしさも併せ持っての湘南らしさ。2012年バージョンの“湘南の暴れん坊”の個性なのかもしれない。

「最近は減ってきましたけど、この間の試合も、みんな上がりすぎて、気づけばディフェンスラインと相手のフォワードの選手の人数が同数で。僕はその時ベンチから見てたんですけど、『あそこ、突かれたら危ねぇな』ってとこもあったし。そういう部分では、前ほどじゃないにしてもまだまだ、“そこをうまく突かれたら危ない”っていうシーンはやっぱりあると思います。でも、それも今年のうちの“らしさ”かなって思います」

 また、“守備も攻撃もできるだけ敵陣で”というコンセプトは、コンパクトフィールドを実現し、ゴールへの距離をできるだけ短くするためのもの。3バックの攻撃参加と同じくらい、最前線のディフェンスは大切なミッションだ。

「前からいくっていうのは、チームとしての狙い。距離は僕の判断で、行けるなら行っていいよって言われてます。僕が行けば後ろも連動してくれるので、後ろのことはあんまり気にしないで行く。それが大胆に前から行ってボールをカットできてゴールまで繋がったっていう結果になることもあるし。ゴールできなくても相手ディフェンスのボールを引っ掛けられる回数はあるので、チームとしての狙いはできていると思います。
 でも最近は、ボランチの選手とかが、今ここで前から行ってもそんなに良い守備ができないって判断したら、『賢治、待て』って言われる。そういう時は行かないようにして、例えば真ん中にボールがあったらサイドに追い込んでそこから行こうとか。
 試合中は、そこまで細かくはしゃべらないですけど、何かこう、今までやってきた雰囲気とか、自分たちの流れで、最初の頃よりは使い分けられるようになってきたなと。
 何も言われない時は基本、自分は絶対行きますね。むしろ、前から引っぱって行ってやろう、行くからついてこいよくらいの感じ」

 守備のアプローチの変化を語る言葉から伺えるのは、ただがむしゃらにタスクを全うすることだけに全力を注いでいたシーズン当初からの成長だ。戦術の浸透によってチームは熟成されてきている。選手個人も、自分たちのサッカーに自信と確信を深め、自分のタスクに責任とやりがいを感じている。

「現代サッカーはフォワードもディフェンスをするのが当たり前とはいえ、やっぱり前にいる以上、ある程度のところで攻撃のためにパワーを残しておくっていう選手が多いと思うんですけど、そういう考えじゃ、やっていけない。
 ソリさん(前反町監督・現松本山雅FC監督)の時も1トップをやったり、神戸の時にも2トップで起用してもらったことはあって守備もしていた。正直に言うと、その時は守備をやるとパワーが残ってないなって感じだったんですよ。自分の中で前向きじゃないメンタリティがあったのかもしれないけど。もちろん、その頃も攻撃のための守備だということはわかっていました。でも、今の方が走ってる量はずっと多いんだけど、攻撃のための守備だという意識がより高いせいか、走って守備したあとボールを取ってまた攻撃に行ける力がある。今は、そのパワーがすごくあって、何度でもまた出て行けるなっていう感じがある」

 なぜ走れるのか? その理由のひとつに、曺監督から発信される一貫したメッセージがある。

「試合の時に3枠交代を使うのを見ていると、例え守備の選手が入っても攻撃のための交代。1対0で勝っていても、それでOKという雰囲気はまったくない。1対0で終わった試合の次の週のミーティングでは、勝ったにもかかわらず『どうやって2点目を取りに行くか』が話される。そういう話をした時に、曺さんが好きなドルトムントの映像とか見せてもらって、『1対0で勝ってる時でも、これだけ前から行ってるんだよ』って説明されると、1対0で勝ってるから、あと10分走らないで引いてサッカーしようっていうのは、『できないな』ってなる。全員が『2点目を取らなきゃ』という意識の分、前の仕事も増える。勝ってても前から走り続けて、『ああ、終わった!』っていうイメージの試合が多いですね」

 監督も選手も、向かう先は同じ。馬場選手は、タスクへの責任感を持って、時間帯を問わず、次の1点を追い続けている。

熾烈を極めるスタメン争い
練習で100%の力を出してこそ

 30節を終えて、スタメンで出場した試合が23試合、途中出場が4試合、出場していない試合が3試合となった。曺監督は、常々全員が戦力と語り、実際、どの選手にも約束されたポジションはない。それでも、とりわけ攻撃に重心を置くチームだけあって3トップは、ほぼ毎試合メンバーが変わり、スタメン争いの熾烈さを感じさせる。

「試合に出ていても出ていなくても、みんな同じ練習をしている。試合に出たからといっても調整という調整は、夏場にちょっとリカバリーがあるくらいで、あとはほぼみんなやっていることは一緒。最初は、戸惑いもありましたけど、毎回毎回『練習で良かった選手が試合に出られるんだ』って言われているから、今はもうそういうものだと思ってる。
 僕も選手なので、試合に出られないのはめっちゃ悔しい。でも、曺さんのもとでやるなら、試合に出る出ないで自分の気持ちを一喜一憂させている方がもったいない。出られなかったら、その悔しさをプラスに変えるのが一番良い。例えば、スタメンじゃないなら、途中から出るためにいかに良い準備をするかとか。出られないことで気持ちを切らすと、曺さんはそういうところも見ている。逆にそういう時にちゃんとやっていれば、曺さんは絶対にチャンスをくれるというか、頑張っているところを見ていてくれる。
 どこのタイミングかは、分からないんですけど、『曺さんは見ていてくれるから、自分はプレーをすれば良いんだ』って思ってやるのが一番良いんだって気づきましたね」

 今季、出場していないのは3試合。初めてベンチを温めることになったのは、7月8日に行なわれた第23節アウェイの水戸戦だった。

「その試合まで、自分だけが全試合に出ていたから、プレーについては全然満足はしてないけど、試合に出続けているっていうことでは多少なりとも自分の中で自信になっていた。1年間このペースで行きたいなって思っていたけど、甘くなかったですね」

 悔しさをパワーに変えた次の大分戦はスタメンで出場し、先制点とだめ押しの4点目を決めている。しかし、

「悔しさを試合にぶつけたというよりは、大分戦に向かう週の初めから、もう1回、自分はこれだけ試合に出たいと思っているし、自分はこれだけやれるんだっていうことを示さなきゃいけないと思って練習から取り組んだ。オフ明けから立ち上げの1週間が大事なんです。その1週間の取り組みが良かったのか、そういう部分が試合に現れたのかなって思います。
 毎週そうですけど、特にその週は試合に出られなかった分、自分をもっとアピールして、それを曺さんが見てくれたのが大分戦の出場に繋がったと思う。だからこそ、実際に2得点できたのは良かったと思います」

 何よりも大切なのは練習。それは、公平ではあるけれど、選手にとっても,また選ぶ側の指導者にとっても、一瞬たりとも気が抜けない日が続くということ。
 
「みんな練習は日々、100%以上の力でやっている。でも、ちょっとでも手を抜いたら試合に出られないっていう危機感とか、良い緊張感で毎日過ごせるって言うのは、すごいプラスだなと思いますね」

 アウェイ松本山雅戦後の悔し涙をはじめ、気持ちの表現が人一倍正直で激しいのは誰もが知るところ。この心境にたどり着くまでに、紆余曲折あったこともまた隠さない。

「上辺で言うことができないタイプだから、思ったことを結構口にしちゃって、それが悪いほうに行っちゃうこともある。
 曺さんの前で、試合に出られない悔しさをあからさまに出してしまったこともあった。それで曺さんから、『年齢的にも、チームの中での自分の今の立ち位置としても、もう少し、チームのことを考えなきゃいけない』っていう話をされました。自分は、そういう部分は良くも悪くもメンタルコントロールしなくちゃいけないって反省した。良い意味で大人になっていかなきゃいけない」

 チームについても、自分のことも、あふれる思いを正直な言葉で表現する馬場選手。ブログにも、その時々の率直な思いが綴られている。

「素直に書いちゃってますね。溜め込んじゃうタイプなので、誰に見てもらいたいというより、言葉にしちゃえば落ち着いて、あとは引っぱらないでじゃあ次行こうってなれるから。
 もちろん、悔しい思いっていうのを表立って出すのはあまり良くないと思うけど、自分が持っているもので、素直な気持ちを知ってもらうのも大事だと思うから」

 ピッチに立って隠し事ができる選手はいない。中でも特に馬場選手は、思いの強さをプレーで表現するタイプ。

「戦術とか、技術とかも大事だけど、結局最後はそういう気持ちの部分。僅差になればなるほど、苦しければ苦しい時ほど、そういうメンタリティが大事だと思っている。ベルマーレには、あまりそういう選手がいないから目立つだけ(笑)」

 ここ数試合を振り返っても、わずかの差を制したチームが勝ち上がることは明白。今こそ、そのメンタリティに期待したい。

シュートは正確性と駆け引き
よりゴールにこだわりたい

 現在、チームのトップスコアラー。自己評価としては、

「今までの試合で万遍なく取れていての9点だったら、自分はそれくらいなんだろうと思うけど、3試合連続でのゴールもあるので、それを考えると満足できるものではないっていう感じ。
 今年の目標は、得点とアシストを合わせて17個以上。17が多いのか少ないのかは、自分にもわからないけど、とりあえずやってみようと思ったんです」

 ボランチからスタートしたこともあって、最初の目標は得点に重きを置いたものではなかったが、実際にゴールに近いエリアでプレーをする今は、意識は当然得点に絡んでくる。

「このペースなら17という目標は、クリアしなくちゃいけないもの。だから、11試合連続で得点できなかったっていう経験は、もうしたくない。やっぱりコンスタントに力を発揮していくのが一番だと思います。J2でも僕より点を取っている選手は何人もいるし」

 そのために、自分自身のプレーを振り返り、整理するようになった。課題と考えているのは、フォワードとしての動き方。

「毎試合、『ここが良かった、ここが悪かった』っていうのを自分でも整理して、個人的にはそういったところも少し意識して一週間を過ごすようにしています。
 コバショウ(古林)がJ2で一番クロスの数が多くて、すごく良いボールも来るけど、悪い時もある。それでもクロスへの入り方、例えば、佐藤寿人選手(サンフレッチェ広島)とかは、すごくうまい。佐藤寿人選手もたぶん同じような動きを何度も続けて、10回に1回が点に繋がる、そういう感じだと思うんですけど、僕はそういうクロスへの入り方もまだまだ甘い。
 アウェイの山雅戦でソリさんと話をした時に、『お前はシュートの形がないから、こっちとしても捉えづらいんだよ』って言われたんですけど、その時は6点取っていて、その後に自分で確認したら、全部違う形で取っていたんです。形が無いから捉えにくいっていう考えもあれば、逆にこのパターンに行けば絶対にシュートに持っていける、このコースならアイツはゴールに近い、そういうシュートの形とかっていうのも作っていかなきゃとは思ってます」

 馬場選手というと、技ありのループなど、テクニックやタイミングが印象に残るシュートが多い。

「キーパーとの駆け引きは大介(菊池)よりはうまいです(笑)。冗談ですけど、うちは、キーパーと駆け引きしないで『ここに蹴る!』って決めている選手が多いと思う。神戸の時にシュート練習していて感じたのは、やっぱりJ1で活躍していたり、日本代表に入る選手は、良いシュートを決めるというより、キーパーとの駆け引きに勝ってシュートを決めているっていうシーンがすごく多いといいうこと。決してきれいなゴールじゃないけど、キーパーの逆を突いているから入る。
 僕がずっと憧れている吉田孝行選手とか、大久保嘉人選手(ともにヴィッセル神戸)にしてもそうですけど、みんな相手のキーパーとすごい駆け引きをしている。一緒にやってそれを感じて、自分も駆け引きするようになってから、ちょっと掴んだものがある」

 キーパーと正面切っての駆け引きを制して決めた得点といえば、5月6日に行なわれた第13節アウェイの松本山雅戦のゴールが印象的だ。

「自分は、『シュートは正確性と駆け引き』だと思ってる。フルさん(古橋)とか、そういうのうまいですね。シュートには、ファーストタッチと駆け引きが絶対に大事。
 うちの選手もみんなシュート力はあるんですよ、大介も良いシュート持ってるし。練習を見ていても去年より良くなってるし。
 でも、意識してやってきた部分だから、そこは負けられない」

覚悟を持って加入を決めた
2度目のベルマーレ

 2010年以来、2年ぶりの復帰は完全移籍での加入となった。

「雄三さん(田村・前強化部)の『最近どうなの?』っていう電話から始まって、『来てくれないか』って結構、早い段階で言ってくれたんです。ただ単純に、ベルマーレを断る理由がなかったです。素直にうれしかったし、『社長(眞壁)も「帰って来い」って言ってるよ』って教えてくれて」

 ヴィッセル神戸を契約満了となって、次のチームを探すことになった時、真っ先にオファーがあったのはベルマーレだった。

「去年も京都戦とかは、現地まで観に行ったり。僕はずっとベルマーレのサポーターですからね。決して悪いサッカーをしているっていう印象はなかった。ただ、客観的に見て、なんかこのチームには足りないものがあるなっていうのは思ってました。だから何かが変われば、すごく良くなるんじゃないかなって。そんな話をしているうちに、自分も何かチームの力になれるんじゃないかと思った」

 小学校から中学校時代は、下部組織に籍を置いた地元のチーム。2010年の期限付き移籍の時から公言してはばからなかったが、馬場選手にとってベルマーレは特別なチームだ。

「2010年は、“行きたいから行く”で来て、あまり力になれなくて1年が終わってしまったから、そういう部分でちょっと慎重になりました。自分の中でベルマーレが特別な分、今回は簡単には決めずに、『自分はベルマーレに行って貢献できるのか?』と考えた。去年まったく試合に出られていない自分が行って、大丈夫かなということもあるし。でも、それを考えたらどこに行っても同じだし、それなら『選手生命をかけてでも!』というくらいの気持ちで行かないと多分ダメになるなと思った。
 返事をするまでに時間をかけて、自分の中で気持ちを整理して決めました。まぁ、行くっていうのは、決めていたんですけど」

 “背水の陣”とまでいうのは、大げさかもしれない。しかし、そのプレーからは言葉以上の思いが伝わってくる。

「2年しか経ってないけど、2010年の時は、『みんなについていけば良いや』って思ってましたね。もちろん、J1のチームから来てるんだから引っぱらなきゃいけない部分はあったけど、自分が率先してという気持ちが積極的ではなかった。
 今は、俺が意識しなくても、手本は言い過ぎですけど、少なからずチームの中で見られる存在。曺さんや大倉さん(強化部長)にも、『周りを引っぱっていかなきゃいけない立ち位置にいるんだよ』と言われているので、自分としても意識していかなきゃいけない。
 実際にできているかっていうと、『やろうとはしています』というところ(笑)。ただ僕は、年齢は上のほうだけど、上からではなく、みんなと同じ目線でいながら、自分で“ここ”って思った時にやるようにしています。『今は、チーム的に自分が声を出して締めなきゃ』と感じた時とか。タイムを競う走りは、絶対みんなに勝てないですけど、ランニングするくらいの時だったら、極力先頭に行って走るようにしたり。絶対に意識は変わったと思いますね」

 実際にコーチングスタッフから「賢治の元気さは若手にとっても刺激になる」といった声も聞こえる。
 試合も練習も全力で。シーズンの終わりまで、走り続ける覚悟はできている。

取材・文 小西なおみ
協力 森朝美、藤井聡行