監督・選手コメント

J2リーグ第21節 ジェフ千葉vs湘南ベルマーレ 監督・選手コメント

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【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。日曜日の夜にもかかわらず、湘南からたくさんの、ほんとうに最後の最後まで、試合が終わっても我々に勇気を与えてくれたサポーターには感謝しています。サポーターだけでなく、きょうメンバーに入ってないバックアップの選手もみんな集まってくれて、彼らも含めて一体となった試合が最後までできたと思います。
勝点3は取れませんでしたが、我々らしさは最後まで出せたのではないかと、思いたいですが、あとでビデオを見たらやはりダメだったというのはよくあるので、冷静になったときにもうすこしコメントしたいと思います。
ジェフさんは後ろからビルドアップする力がJ2でいちばん高いと思って見ていたので、どれだけ我々のコンパクトなプレッシングが相手に脅威を与えられるかがひとつのポイントだったと思います。1点やられましたが前半は非常にいいゲームができた。後半もその形で開始早々にチャンスがあったんですけど、やはり力のあるチームなのでなかなか決めさせてくれず、引き分けという結果は妥当なのかなと思います。
後半、相手も長いボールをどんどん入れてきて、うちはそんなに高さがないので、コンパクトの裏返しのピンチらしきものはあったと思うが、シーズン当初からそのリスクを背負って我々のよさを出そうと選手たちに話してきたことが、ピンチはあったが最後まで全員が体を張ってやってくれたことに関しては非常に満足しています。これで第1クール全部の試合が終わって、来週からホームで2巡目が始まる。腰が引けた戦いをせず、我々らしさを相手に出して、真っ正面からしっかり戦っていきたいと思いますので、時間のあるときはぜひ湘南の試合を見ていただき、ダメなときはそうコメントをいただければと思います。

●曺監督 質疑応答
–前半から千葉が後ろからのロングボールで裏に抜けることが多かったが織り込み済みだったか?

いいプレッシャーがかかっていれば長いボールは出ないが、動かす力のあるチームはヘッドアップする時間がセンターバック2人にあるので多少放りこまれてもしょうがないなと。当初から後ろの3人のスピードは他のチームに劣っているとは思ってないので、そことGKと連携してうまくコンパクトフィールドでなかで処理しようと言っていました。
逆にロングボールで深井などにかわされたシーンはありましたけど、それを恐れていたらずるずる下がるだけ。そこはある程度1回2回あるかなというなかで、阿部が止めてくれたりしっかりスライディングしてシュートをかき出したりというシーンがあったので、本当は0回がいいですけど相手の力ももちろんあるし、そのあたりは予想はしていました。

–前半戦を振り返っての総括と、プレーオフの導入により2位と3位で大きく違うということを見据えた戦いを今後していく必要があると思うが、その点については?

プレーオフや、2位とか3位とか何位とかを考えてやっていなくて、この試合に全精力を投じていて、今日は永木も途中で怪我をしましたが、そういう姿勢がない限りそういうことを語れないと思っています。
2巡目も、10試合で勝点いくつ、5試合でいくつ取ると言いたいんですけど、僕の方法論はそうではないので。目の前の試合に一番いい選手を使って、ハードワークして湘南らしさを出す、また次から準備して、ということをやっていきたい。今も選手に言ってきたんですけど、同じメンバーで2回やるというのが僕はほとんどないと思う。それは、日々の選手の顔つきや表情、取り組む姿勢などを見て決める。ベンチにいる選手はゲームプラン上そうなるということも説明するし、バックアップに回る選手は力が足りないからというケースもあるかもしれないけど、ゲームプラン上外れるところもある。そのマネジメント自体は変えるつもりはないし、その意味では目の前の試合の勝点3を取りに行かないとプレーオフや2位、3位、4位、5位というのは僕自身が本当の言葉として語れない。それは同じようにやっていきたいと思います。

–ラインの裏を突かれて走りっこで負けるシーンがあったがコンパクトに保ちながらもいいタイミングで下がっておくといったイメージトレーニングはこれからの課題だと思うが?

直前の試合を見てもらえば分かると思うんですけど、今日よりもかなり高いと思います。どのタイミングで止めてどのタイミングで下げるかは選手のレベルにもよります。今日で言えば、2トップの裏への動きの質ははやり高い。それに対して一歩出遅れたことが失点にも繋がった。そういうのを選手たちに学んでほしいと思う。それはここまで寄せればいいということじゃない。やはりレベルがあるから、そういう高いレベルの相手に、もっといいタイミングで下げたり、もっといいタイミングで止めたりすることが彼らの成長になると思います。
僕が目指しているのは、ずるずる後ろに下がって相手のミス待ちの守備ではない。自分たちで主導的に守備をすること。おっしゃるとおり今日は稚拙な部分はたしかに出たと思うが、そこを経験しないと強くなれない。それは選手たちに、なぜここで下げたのか、上げたのか、ビデオで検証しながら落としていきたい。今日みたいな2トップの動きは今年いままでほとんどなかったので、そういう意味では経験になったし、もっとやっていかなければいけないと思います。

–前にリスクチャレンジしていくことが大前提で、失敗して彼らが体感したところから学んでいくということか?

失敗を前提につくってるわけではないですが、それをやることによるリスクは当然あるし、そこが我々のよさを出していく部分だと思うから、そのレベルを上げていくしかないと思っています。実際それで引っかけてうちがチャンスをつくってる場合もたくさんある。どちらを取るかという話のなかで、行くことは悪いことではないが、相手のホルダーがどんな状況か、要はリードザプレッシャー、プレッシャーを読むことが選手たちはできなければいけない。ポジションが1m左なのか右なのか、同じタイミングで3バックが下がれているのかどうか。今日の2トップのようにいいタイミングの選手、逆にうちがコンパクトにしてるからジェフさんは最初からそこを狙われたと思うが、その相手に対してもう0.数秒速く下げていたらやられなかったよね、ということを僕は彼らに学んでほしい。といって日本代表やドイツ代表でやってそれが通用するかといえば絶対通用しない。もっと相手のレベルが高いわけだから。そこのトライ&エラーを、僕は彼らに今後のことも含めて求めていきたい。プロ選手は自分の力を上げないと正直メシを食えないですから。ずっとレギュラーポジションを持ってるからこのままでいいんだと思う瞬間に堕落が始まると思っているので、プロ選手として学んでもらいたい。それは僕も含めて。監督として言い方をもっと学ばなければいけないし、やらせ方ももっと突き詰めなければいけない。おっしゃる指摘は間違いなく合ってると思うし、そう思っています。

●木山監督 総括
激しい試合でした。ただ、なんかこうちょっと不思議な感じというか、前節はあんまりプレーした記憶がない試合だったので、そういう意味では勝てなかったことは非常に悔しいんですけど、ちょっと清々しいというか、勝つチャンスも十分あったし、逆にやられる危険もあったし、いろんな意味でお互いにいい部分が出たり、ミスもあったりはしたんですけど、しっかり選手たちは90分戦いきった中での結果なので。そういう意味ではチャンピオンになるためにはこういうゲームを取っていかなきゃいけないんですけど、ただ、それと同時に連敗をしないことは重要ですし、ホームで勝ち切りたかったですけど、次にしっかり進んでいきたいなと思いました。
中身で言うと、いい形で先制ができて、ある程度思った形で攻撃ができてたんですけど、逆に守備のほうが結構狭いスペースを突かれて外に広げられて、クロスからかなり押し込まれた部分もあったので、そういう意味では今年初めて、うちのディフェンスラインがちょっと揺らいだという印象を受けました。ただ、その中でも前半、何とかリードして終わりたかったんですけど、そこが勝負の分かれ目だったかなと。まあ、追加点取れるチャンスもありましたし、逆に失点してもおかしくない場面もあったので、そういう意味では納得をしなきゃいけないのかなと思います。
ただ、後半戦に向けて自分たちの中で高めていかなければいけない部分というのがたくさん見えた試合だったので、ボールを動かしながら間を突いて行った時のプレーの精度だとか、やっぱりもっと高めなきゃいけないなという印象を受けました。それが試合の感想です。
でも、選手たちは今日よくファイトしたので、ここからが本当の昇格戦線だと思うので残り21試合、全力でやっていきたいと思います。

●木山監督 質疑応答
–ディフェンスラインが今年初めて揺らいだということだがどう修正しようしたのか?

揺らいだ理由は僕は2つあったと思っていて、ひとつは相手が本当に運動量豊富にすごく鋭い守備をしてくるので。前へ、前へという守備をしてくる中で、そこで少し判断が遅くなったり、怖がったプレーをした時にボールをロストして鋭いカウンターを食らっていたというところ。そこはもう少し自信を持ってボールを動かしながら、しっかり相手の間を突いていこうという部分がひとつです。
もうひとつは守備になった時に、うちの中盤のオフェンシブのところがサイドをケアする意識がちょっと強いあまりにボランチとの間でストンと気持ちよく入れられるパスで少し揺さぶられて、そこでボールを持たれている間に相手が何人かがこう前に出てきて絡んできて、シュートまで行ったり、シュートまで行かなかったりするけど、ちょっとバイタルのあたりを使われることがあったので、守備のところでは中をしっかり守って、外に追い出そうということと、逆にショートカウンターを食らわないような自信を持ったボールの動かし方をしようということは伝えました。
ただ、逆にそうやって送り出したけど、後半の立ち上がり、自信を持ってボールを運ぼうとした時に引っ掛けられてピンチになった場面もあるので。そこはやっぱり質だと思う。そういうところをチームの意識として高めていかなきゃいけないのかなという気はしました。

–後半、武田選手から大岩選手に代えた狙いは?

足がつっていたから。本当はもう1枚攻撃のカードを切りたかったんですけど、もう後半の残り15分ぐらいからかなり足を伸ばす仕草があったので。まあ、もうトーレ(オーロイ)までで攻撃の札はやっぱりちょっと置いておかないと、最後、何があるか分からなかった。湘南もかなりきつそうでしたけど、最後までやっぱり前への推進力というか、走るスタンスをなくしていなかったので。やっぱりホームですし、最後勝ちきるためにもう1枚切りたかったですけど、ちょっと切れなかったな。
英二郎(武田)にはもう90分、しっかりやれる体力をもっとつけてほしいなと。彼も本当に上下運動もよくしていたし、1点目のクロスも彼からの得点ですし、そういう部分では攻撃の部分で良さは出せたと思うんですけど。あれだけドリブルで仕掛けられることが今年、やっぱり一番多かったと思うので。風邪から戻ってきたという影響も若干はありますけど、もしも彼がベストのコンディションでもかなり厳しい対応を強いられていたのは事実だと思うので。攻撃のカードをもう1枚切れるように、体力を上げてほしいです。

–今日で前半戦終了だが前半戦の総括と、後半戦に向けて?

すべてがうまくできているわけではないですけど、しっかりとボールを繋ごうという意識は持てるチームになっています。ただ、質に関してはまだまだ。あと、守備に関してはある程度しっかりとした組織で守れるようになっているので、そこから奪ってから速い攻めというのもできますし。その中で決して得点力が低いわけではない。
ただ、チャンピオンになって昇格するということを自分たちの大きな目標として考えた時には、失点はおそらくある程度1年を通して少ないチームであり続けると思うんですけど、そこからやっぱり得点力が1位になるチームであれば、優勝というのが見えてくるのかなと。そのためには取るべきところで取ることと、あとはそのチャンスの数を増やす、その質の部分です。今日はやりたいことの、何ていうんだろうなぁ、トライとかいろんなものはたくさん見えたんですけど、そういうのをもっと決定的な場面につなげていけるような質を追求していきたいなと思います。

【選手コメント】
●高山薫
相手もチャンスがたくさんあったし、自分たちにもあった。お互いにチャンスがあってどっちに転ぶか分からない試合だった。勝ちたかった。悔しいです。
(ゴールシーンは?)紘司さん(坂本)が持った時に顔が上がったので、斜めに走って入っていったらいいボールがきた。ゴールを見る余裕もなかったんですけどヘディングしたらGKに弾かれてしまった。でも左足を伸ばしたらいい形で当たってくれた。どこに当たったか分からなかったくらいでした。
立ち上がりから、受け身ではなくて自分から仕掛けていこうと思っていました。マークミリガン選手がマッチアップだったんですけど、オーストラリア代表選手だしどれだけ自分ができるかという気持ちでプレーしていました。
(混戦のJ2の中でどうやって抜け出していくか?)うちはシーズン前の下馬評では下位に予想されていたと思うけど、みんな走力もあるし爆発力もあるし個性もある。コミュニケーションをとってひとつになって戦い続ければ勝っていけると思います。チーム力で。

●大野和成
深井さんと藤田さんがすごく出足がうまくてやりづらかったですけど、強気のラインというのは大前提としてやっていました。もっとラインの精度を高めるには今日のような相手にもしっかり対応できなければいけないと思うので、本当にいい経験になった。来週からの戦いに活かしたいと思います。
ラインが高ければ、もしこぼれても追う時間があるし、そこでうまくとれたら攻撃にもいきやすいので、キツイ部分もありますけど自分の中ではやりやすいです。
千葉の選手は個の能力が高いし、今までにないぐらいうまい2トップだった。普段だったらとれるような感触のものも身体が入らなくてゴチャゴチャしてしまった。そういう部分を感じられたのはよかったですし、もう一歩二歩、速く準備して対応できるように、今後に生かしていきたいと思います。

●鎌田翔雅
いつもどおりラインは高くしようということは変わらなかったんですけど、前半で何度かかいくぐられてしまいピンチもあったんですけど、後半になってラインを下げるタイミングだとか、3人でしっかり距離を修正できたので後半はそんなに悪くなかったと思います。
今後に向けても、3人の距離のとり方、下げたり上げたりするタイミングをもうちょっと詰めてやっていけたら、もっとよくなると今も話していました。
(失点してもラインが下がらなかったが?)そこは絶対に下げないとみんなで話していたし、逆に点をとりにいかなければいけなかったので、前に前にいこうと。それから、まず気持ちで絶対に負けられなかったので強気でいきました。
千葉は能力の高いチームだし、一瞬でも気を抜いたりちょっとしたミスをしたらピンチになるという試合だったので、最後まで気が抜けなかったし学ぶことの多い試合でした。
(久々のフクアリは?)いいところですね、やっぱり。ただ、自分自身は悔しい気持ちです。もうちょっとできたかなと思っています。
(シーズン前半が終わったが?)自分たちの形が徐々にできるようになってその点は本当に自信をもってやってきたいし、もっともっとよくなると思う。混戦ですが、いい緊張感をもってやれるので順位を気にせず一戦一戦大事にやっていきたいと思います。

●阿部伸行
お互いによさが出て、いいシーンを作り合えたという試合だったと思います。
今日はバタバタしてしまったということが反省点です。もっと他のやり方があったんじゃないかと思っています。能力の高い2トップが出てくると分かっていた中で自分がどういう対応をしたかという点では反省点が多い試合でした。まだまだプレーの質が低いと感じます。もっと突き詰められる場所があると思う。
(ファインセーブも多かったと思うが?)自分ではあまり感じませんが、胸に当たったシーンはよく距離は詰められていたと思いますが…。FKの場面は、壁もよくプレッシャーをかけてくれたので、そういう部分も大きかったと思います。そこは日頃の練習の成果が出たと思います。
守備も攻撃もチーム全体で戦えて、得ることの多い試合だったと思います。

●永木亮太
前半の途中、全然体は動けたんですけどちょっと足が痛くなってしまっていけなくなってしまって不甲斐なかった。ハーフタイムに治療を受けて楽になって動けたんですけど、後半は前半のようにうまく自分のところで引き出せなかった。もう少し自分のところでボールを受けたかったし、受ける準備はしてたんですけど、タイミングがうまく合わなかった。
チーム全体としては、高い位置でボールをとってショートカウンターというところもできていたと思います。ただ、個人的にはもう少し精度を高めたりラストパスを出したり、守備でももう少しボールを奪ったりということをしたかったけど、まだ足りなかったと思います。

●古林将太
曺さんから前にどんどん仕掛けていけと言われていたので、守備をしっかりやりながら前にどんどんいこうと思って入りました。そこはいけていたんですけど、クロスの精度がなく点に繋げることができなかった。そこは課題です。
自分が入って絶対に流れを変えようと思っていました。流れはある程度変わったんですけど、得点がほしかった。
相手はJ1でプレーしていた選手も多いし、そういう意味ではチャレンジしようと思って臨みました。深井さんを止められたシーンもあったので、もっとマッチアップしたかったです。
(途中出場については?)前回途中交代で入った栃木の時は入りがよくなかったんですけど、そこはある程度修正できたと思います。やってやろうという気持ちで入りました。
フルさん(古橋)とも途中交代は難しさもあるけどそういう部分でもしっかり結果を出せるようにしなければという話をしていました。