馬入日記

【馬入日記:6月10日】富山戦は劇的勝利!中村選手&三原選手インタビュー

ホームに戻って行われた第18節のカターレ富山戦、一体となって戦い抜き、1-0で勝利を収めました!
第9節の東京V戦の勝利の後、5分3敗と勝利から遠ざかっていました。
粘り強く、前向きに戦えてはいたものの、開幕後9戦負けなしの時期とは、対照的な結果が続きました。

富山戦では、立ち上がりからリズムを掴み、幾度となくチャンスを作りました。
しかし、度重なるチャンスになかなか決め切ることができず、0-0で推移。
それでも、やってくれました、我らが狙撃手(スナイパー)・中村選手!

70分に途中交代で入りゴールを狙い続けました。そしてアディショナルタイムに入った91分、古林選手からのクロスをヘディングで叩き込み、ゴール!
この一撃が決勝点となって、1-0で勝利を掴みとりました。

今日のリカバートレーニングの後、中村選手に話を聞きました。
まずは今の心境を聞くと…

「次の試合がすぐにあるので、昨日のうちには切り替えました。またいい状態で臨めるように体と心の準備をしていかなければと思って」

と!!
さすが中村選手です。

昨日の監督会見の時に曺監督が「ピッチを離れた時も、祐也は本当にチームのために、自分の成長のために、どんな時もしっかりした姿勢でやってくれていたのを僕は傍で見ていました。指導者としてではなく、人として彼の姿勢は賞賛に値すると思っていました」と話していました。

開口一番の「昨日のうちには切り替えました」の一言にも、その姿勢が感じられます。

昨年、7月17日の千葉戦で得点をして以来のゴール。その後、ケガがあり長い間リハビリに時間を費やしました。

「ケガをしたらみんな苦しいと思うんです。ありきたりの言葉になってしまうけど、本当にケガをしてる時に何ができるかといことが大事だと思う。そこで初心にかえったり、改めて自分は支えてもらっているんだということを感じて感謝の気持ちを持つことができる。そういうことが積み重なって、昨日は結果に繋がったと思う。そういう意味では、リハビリの時間もいい時間だったと思います」と中村選手。

誰もが待っていた、中村選手のゴール。そして誰もが渇望していた勝利。
そのふたつが重なったということは、実に意味深い得点であり勝利でした。

改めて、そのゴールシーンを振り返ってもらいました。
アシストをした古林選手にボールを送ったのは中村選手でした。

「自分がボールを持った時、前に選手が走ってくれたのでそこに出そうかなと思ったんですけど、ついてきているディフェンスもいたので、縦に入れるのはいい手ではないと思った。サイドを向いたらコバショウ(古林選手)がフリーだったので出しました。ゴール前には人数をかけられていたけど、自分も入ったほうがパワーを与えられると思って入っていって、そこへいいクロスが入ったので決められました」

一瞬の中に、たくさんの判断がありました。決まった後は、チームメイトからもみくちゃにされていましたが…

「ピッチの中も外も、みんながすごい喜んでたから本当によかったと思った。みんなが得点や勝利を望んでいた試合だったし、本当にあの1点がみんなの喜びになってよかったと思った」と。

また、9試合ぶりの勝利となったチームですが、勝てなかった時期の戦いぶりについては…
「誰一人として下を向いてやってる人はいなかったし、むしろやらなきゃという気持ちだったり、湘南らしいサッカーをするんだという思いが強かった。監督からもスタイルは変わらないという話があったので、迷うことはなかったし、やることは変わらないという気持ちだった。練習もずっといい雰囲気でやれていたと思います」と。

次節は、首位・山形との対戦です。
アウェイで今週水曜日に行われるため、試合まであと3日しかありません。
「昨日の勝利が無駄にならないように、次もいい準備をすること。チームとしてしっかり勝ち癖をつけたいですね。流れを途切れさせないように、まずはゲームの入りをしっかりと。先制点は一番大事だと思っています」

頼もしい姿、誰もが待っていたゴール。中村選手への期待がさらに高まります。

 
そして、昨日の富山戦でJリーグデビューを飾った三原選手!
3バックの一角として、90分間フル出場を果たしました。

積極的で堂々としたプレー、右サイドを上がっていく姿が印象に残ったという声も多く聞かれました。

「不思議と試合中は全然緊張がなかった。家にいる時はすごく緊張して、絶対にピッチに立ったらガチガチになるだろうと思ってたんですけど…。今思うと、ファーストプレーがポイントだったのかなと思います。どんなプレーだったかは覚えてないけど、前向きなプレーができたんだと思う。そういうのは大事だなと思いました」

4月の練習試合で負傷してしまい、一度13節の松本山雅戦でメンバー入りを果たすも(出場はなし)、再び同じ場所を負傷してしまうという、悔しい想いを抱えていました。
「悔しさはずっとありました。でも今回またチャンスをもらったので、自分のよさをアピールしたいと思ったし、起用してもらった恩返しをしたいと思っていました」

1週間前の練習試合でも3バックの一人として出場し、らしさを出していました。
「曺さんにも“大丈夫だから自信をもってやれ。できるよ”と言ってもらって送り出してもらった。入る時に意識をしたことは、僕はボールを下げたり、パスが横パスになってしまうことがあるので、今日は絶対に縦に入れようということを強く意識していました。賢治さん(馬場選手)とか、いいところにいてくれるので出しやすかった。ミスはあったけど、縦に入れるということは自体はできていたと思います」

何度かクロスでチャンスを演出したり自らシュートを放つシーンもありました。
でも、終了後のコメントも、1日経った今日も「プレーについては本当にまだまだです」という言葉。

「まずは体力を戻したい。ケガをして復帰してものの体力はまだ全然戻っていないんです。昨日も前半が終わった時点でかなりキツかった。最後にはつっていたけど、でもとにかくやり切ろうと思ってプレーしました」と。

チームにとっても、三原選手にとっても、昨日の勝利は言葉では表せないほど大きなものでした。

「あのピッチにいられたことが嬉しかったです。初めて勝利のダンスも踊れたし。ダンスは、実は途中でよく分からなくなったけど、多分大丈夫だったと思います(笑)。今後、僕は試合に出ても出なくても、自分のやることは変えずに、いい準備をしたい。曺さんはいろんな人にチャンス与えてくれるので、本当に気持ちを高く保つことができます」と三原選手。

選手たちが常にモチベーションを高く保てるのは、個々の意識はもちろんのこと、監督の選手へのアプローチによるところも大きいと言えます。

「曺さんにも直接言ってるんですけど…曺さんは今までにない監督ですって(笑)。“どこがやねん!”って言われるんですけど…何ていうか、選手に近いけど、近すぎない。たくさん話をするけど、締めるところは締めるというか、距離感が絶妙なんです。言ってくれることも明確なので納得ができるし、もし自分が違う考えだったとしたら“僕はこう思ってた”ということも言いやすいしそれを受け入れてくれる。昨日の試合では、アップ前までは何も声をかけられなかったんです。でもアップ直前に呼ばれて、話をしてくれた。多分、あんまり早く言ったら僕の緊張が高まってしまうとか、そういうことも考えてくれたんだと思います」

試合出場を果たしたことで、まずひとつのステップ。見えてくるものも、また変わってくるかもしれません。

「ピッチに立てたことは嬉しかった。でも、本当にこれからです」

満足など微塵もない雰囲気は力強さを感じました。