監督・選手コメント

J2リーグ第8節 湘南ベルマーレvs横浜FC 監督・選手コメント

試合結果詳細はこちら
>>試合結果詳細

【監督コメント】
●曺監督 総括
今日はありがとうございました。毎度になりますけども、神奈川ダービーということでたくさんのお客さんがこの競技場に来ていただいて感謝しています。
90分全体で言うと、いい時間、悪い時間帯が交互に訪れるような、ジェットコースターみたいな展開でしたけど、最後までサポーターから声援していただいたことが、今日の勝ち点3につながったのかなと思います。
今日の試合に臨むにあたって、ホームゲームを連続でできるので、この前以上に自分たちらしさを見せなければいけないという話をしたんですけども、彼ららしさというのはグラウンドの中、ピッチで見せてはいるんですけども、彼ららしくないところも「らしい」というふうにしていかなければ今後いけないなと思っています。やっぱり試合の展開とか流れとか、そういうところを含めて考えられるようになってもらいたいんですけど、僕の指導力不足でなかなかそうはいかず…。
何と言っていいかわからないので、皆さんの質問をお待ちします(笑)

●曺監督 質疑応答
–今日はミスなどもあり最初から最後まで湘南のリズムが掴めてはいなかったようだが?

我々は普段、ボールのポゼッション率を上げるためのトレーニングというのはしていません。ゴールに向かうためにはどうしたらいいかということを考えてやっています。
やっぱり縦パスを入れると当然横パスよりミスの確率は増えていくので、そういう意味でのミスが多かったんですけど、チームを構築する上での方向性としては、それが湘南のスタイルです。
それをやっていこうということなのでそんなには気にならなかったんですけど。
ただ、確かに仰ったように3-1になった後など、ちょっと難しいことをやろうとし過ぎて相手に捕まったりだとかそういうところはあります。
本当にそれは練習のときも口を酸っぱくして言っているんですけども、なかなか言うことを聞いてくれずという感じですね。ご指摘の通りだと思います。

–2009年が7勝1敗で今年が7勝1分でペースがほぼ同じだが?

皆さんがご覧になった印象と僕の印象はたぶんそんなに変わらないと思うんですけども、首位のチームはよく横綱相撲を取って最後15分ボールを動かして相手をきりきり舞いにさせるという力はうちにはまだないので。
そういう意味で1戦1戦、本当戦う姿勢を持ち続けるしか後もないと思っています。
ただ、成功体験を積むためには全力でプレーすることを続けるということは僕はそんなに悪いことだとは思わない。
今からゲームの流れを読んで、こういう時間帯をどうのこうのって話をし過ぎちゃうと彼らのエネルギーを殺ぐようなことにもなるとは思っています。その辺は僕がやるんじゃなくて選手がやると思っていますから。選手によく考えろって話はさっきしてきましたけど。

–高山が決めたので得点者が11人にもなったが、その点は今までと大きく違うところか?

そうですね、いつになったら入れてくれるのやらって感じでしたけど(笑)
まぁヘディングシュートで取るとは思いませんでした。
あの得点は鎌田が良い形でスリーバックで攻撃参加して取った点なので、湘南らしいかなって感じはします。

–開幕当初よりもボールを奪いに行くときにとても落ち着いていて攻撃でも人とボールがより上手く動いているがそのあたりは?

おっしゃるように開幕戦とかその後っていうのは選手も未体験のゾーンでやっていたので、モチベーションもフルだし、正直怖さを知らないっていう部分のところをシンプルに出させたことになります。
当然、今の我々の位置で相手の分析は「湘南のウィークは」とか「湘南のストロングは」って話を相手は絶対にしてくる。
僕はそれをしてくる前に、前から行くなよって言ってしまうのは本末転倒だと思っていたので。
やっぱりボールに対してボール中心にプレッシャーを掛けてそれに対してやられてからやられたのはなぜかということを考えて選手が応用編をやれる方がチームとして、もしくは個人としての成長があるんじゃないかと考えました。
これはちょっと育成的な概念もあると思うんですけど、そういうふうに進めているつもりです。
確かに僕の中ではもうちょっとって思うところもありますけど、特に後ろの3人とかサイドハーフの行き方はやっと大人になってきたかなという感じはします。
ただそれで大人として何も起こせないような、波がないようなサッカーをするつもりはありません。
大人のサッカーに入りながらそういう自分たちの良さを磨いていく形で今後も続けていこうと思います。
いま言われてから思ったんですけど、今日90分間、足が攣ってオールアウトになっていた選手はいたかと思うといなかったと思います。

–さっき山口監督が若い選手が自信を持って戦っていると言っていたが?

そうですね。ただヨーロッパだとこの年はもうみんな主力の年齢ですから。
日本の教育のことも含めてこの年が若いって言われることがもしかしたら今の日本のレベルを表しているんですよ。
今出ている若い選手に僕は元気があるとか勢いがあるとかじゃなくて、お前たちはこういうことが出来て当たり前で逆に言ったらそれ以上、それ以上っていうふうに自分で求めないと「それなりに」で終わっちゃうよって話をよくしています。
僕はヨーロッパのサッカー、特にドイツが好きなので彼らのパフォーマンスとうちのパフォーマンスを比べれば技術うんぬんの問題だけじゃなくて非常にまだ差があるなと。
それは良い意味でも悪い意味でも思います。

–両サイドがほぼ同じ高さで上げ下げの統制が取れている。また鎌田が出て行く場面なども含め監督からのはっきりした指示があるのか。

3バックは古典的なスタイルの3バックというのもあるんですけど、僕は3人で横68mを守らなければいけない時間帯と3人プラス2人、5人で横幅を埋めるっていう形のアプローチの仕方を彼らにしています。
当然3バックには高さだけじゃなくてスピードも求められますから。
そういった選手たちがうちにはたくさんいるので、そういう選手の特徴を活かすために3バックをやっています。
サイドも例えば古林がクロスを上げるときは高山も入っていけって話もしてます。やはりゴール前に人数が多くないと得点の機会が少なくなるので。
それを取られたときのことばかり考えるとうちの良さは消えちゃうし、たぶんそのやり方に反論する選手はうちの中にはいないと思っていますから。
だからそういうエネルギッシュなことも含めて彼らが本気で取り組めるようなやり方を僕の中でアレンジして提示はしているつもりです。

–去年連敗した横浜FCに持ち味を出して勝ったという意味はあるか?

去年2敗しているし、本当にリベンジということも含めて絶対勝とうという話はしましたけど、モト(山口監督)が監督になって横浜FCさんもすごくエネルギッシュになっている印象を受けていました。
僕の本音としては勝ち負けもありますけど、とにかく良いゲームをしたいなと思っていたところがあります。
そういう意味では監督として今日横浜FCさんもクリーンなファイトをされましたし、自分たちもそれを受けないで仕掛けていけたということは、もしかしたらダービーの1勝以上の価値があるのかなと思っています。

–さきほどの話で、駆け引きのことなど言いたけれどそれは経験して覚えなさいという解釈をしたが、言いたいことを我慢するのは大変じゃないか?

僕も一応プロ選手の端くれだったので思うんですけど、選手がグラウンドの中で何を判断するかは重要です。例えば監督がそこで言って「わかりました」だなんてことは多分ほとんどないわけですよね。
だから普段の取り組みがそのプレーに出てくるので、僕が戦術を浸透させるだけで彼らの判断を奪ってしまったらたぶんそれ以上のものは出てこないと思っています。
あくまでも個人の選手の特徴や個人の選手の考えがあって戦術が成り立つと思っています。
戦術を発展的に破ってくれても構わないし、あの鎌田のオーバーラップも俺はしろともするなとも言ってないわけですよ。
そういう場面があれば行ったらいいし、行ったときには「1人カバーしなさい」と言っているだけでこのタイミングは行け、このタイミングは行かないなんてことを1回1回彼らに急異質-脳の話がありますけど、旧皮質、新皮質の脳の話がありますけど-どっちに働きかけるかって話でいうと、やはり旧皮質のほうが体験したものが出ると思います。
僕は監督としての戦略とか戦術とかそういうことよりも、選手が自信を持って判断できるようなやらせ方をするのが1番大事なんじゃないかなというふうに今のところは思っています。

–曺監督が考える3バックとは?選手たちが作っていくものなのか?

選手たちに丸投げってことではないんですけども、やっぱり僕は3バックに動きがないといけないと思っています。
ただ真ん中のペナルティエリアの幅を3人で守るということじゃなくて、時にはサイドバックのように飛び出してボールを奪いに行かないといけない。そこが活きてないと、この3バックは成り立たないと思っています。
そういう意味で彼らの特徴を出すには、スペースがあるのは悪いことじゃない。守備で言うとスペースを潰せというのは普通の概念ですけど、スペースがあるっていうのは織り込み済みというか、そういうリスクも含めて選手の起用をしてやっています。
ですから、僕が考える3バックというのは少し一般的な3バックの感じより、動きがあるもの。そういうふうに守備も攻撃もやろうっていうシステムだと考えています。

●山口監督 総括
首位で好調な湘南相手に落ち着いた入り方が出来たなという感じでしたけど。
そして点も取られましたけどその後も下向かずに粘り強くやって。
その後も2点差付けられましたけど。まあ、執念というかなんとか1点返して、あと1歩及ばなかったなという感じです。

●山口監督 質疑応答
–田原選手を投入したときにディフェンスラインが3枚になったと思うが意図は?

勝ちにいくところと、田原選手は非常に好調だった部分があって、当然前でポイントを作りたかった。
あのまま試合が膠着するのも嫌だったので。こちらから動いた感じだと思います。

–田原を入れたところで永井をサイドに置いて左サイドで八角を外に出して内田を中に変えたのはクロスの質か?

そういう感じでもないですけど、内田選手に関してはボランチの位置に落としてもあそこから飛び出して行けるのでダイナミックさは出るかなという感じで。左サイドは阿部も行きましたので。
確かに右サイドが非常に良いリズムだったのでそこの武岡と永井のところはあまり崩したくなかった部分がありましたね。

–この前の甲府戦よりかなり良くなっていると思うが伸びている実感があるか?また課題で1番大きなものは何か?

当然、ヴァンフォーレの時から緩やかではありますけど、右肩上がりに上がっているという実感はあります。
ただ、そういう実感があるからこそ今日は勝点3を取って選手に自信をつけてほしかった。
そういう意味では残念だったんですけど、課題としては大きなものはポンと言えないかもしれないですけど、確かに最後の部分のサイドは崩しているけどクロスの質だったりそういう部分もありましたけど。
負けておいてこんなことを言うのも何ですけど、だいぶ良くなって今日も非常に落ち着いた入り方をしてくれたと思います。
ある意味こちらの意図として違う感じでやってくれたのは非常に良かったなと。
特に中盤の繋ぎであったりとか落ち着いてボランチを使いながらやったので良かった部分は非常にあったかなという感じです。

–守備の面でも手ごたえはあるか?

ありましたね。多少回されているかのように感じる部分もあるかもしれないですけど、その辺は想定内で。自分らの前でやらせる分には構わない。というのは狙い通りというかそういう感じでしたので。
非常に粘り強くやって選手同士も非常に自分らで判断した部分もありますし。その辺りは良かったんですけど、課題としてはセットプレーやクロスでやられてしまったこと。そういう勿体ない失点はまだありますので、防げる失点ですので。
その辺はもっともっと詰めないといけないといけないって部分はあると思います。

–首位の湘南と対戦して実感はどうか?

もちろん今首位。負けてないというチームなだけあって非常にアグレッシブですし、若い選手が自信を持ってやっているなという印象はあります。
ただ、こちらのスタッフ等含めてのスカウティング通りだったかなと感じはありましたけど、良いチームだなと思いました。

【選手コメント】
●菊池大介
得点した瞬間は何も考えられなかったです。
後ろからダッシュして、爆発力というかそういうものを出してあそこまでいけたことが得点に繋がってよかった。
個人的には去年の反省を生かして得点への意識というものを強く持っています。今日2点目をとれたことはよかったですが、これで満足していてはいけないし、今日の得点をいい機会にしてさらに貪欲にやっていきたいと思います。
相手がどこであっても、常に湘南のサッカーをピッチで表現することを第一に考えてやっているので、今日2失点してしまいましたけど、うちらしい攻撃だったり攻撃的な守備が出てきているので、次からもそういうスタイルで戦っていきたい。
(首位であることは意識するか?)首位や負けなしということは意識していないです。1試合1試合、本当に誰が出るか分からないし、練習からすごくいい雰囲気でできていることが結果に繋がっているのだと思います。

●高山薫
個人的にすごく点が取りたいと思っていて、8節でやっととれたので、その分本当に嬉しかったです。ホームでとれたということもさらに嬉しかった。
ただ、チームが勝っていたこともあって点をとることに焦りはなかったです。
無我夢中でゴール裏に走っていきましたけど、ジャンプした時に多分ダンマク(横断幕)を破ってしまって(笑)、それは本当にすみませんでした。

●馬場賢治
最初からお互い気持ちがこもっていたしきつかったです。負ける気はしなかったですけど、難しい試合でした。
(得点について)ゾーンだったのでファーのほうに合わせようというのがあって、僕はどちらかというとおとりだった。ボールは臨機応変にニアでもファーでもということだった。僕の前に二人がいい走りをしたので、僕も流れに乗って走れた。ボールがドンピシャできたので、僕は走り込めばいけるかなと思った。いいボールだったのと他の選手の走りがよかった。
相手はどんどん動いてきたし、勝負かけてきてるなという感じがした。途中から出てくる選手もみんな強力な選手ばかりだった。
途中、意思統一の部分で、割り切るのか自分たちのスタイルを貫くのかという部分で、もう少し今後は普段の練習からそういうところの話をしていかなければいけないと感じています。
今回守れたのはたまたまではなく自分たちの力だとは思うんですけど、でも意思統一するところはまだまだ足りないのかなと思います。
(運動量について)攣りかけることがあるんですけど、本当にトレーナーの方のお陰で今日はそういう部分でも気持ちよく90分走れた。厳しい練習を重ねて、自分のコンディションも上がってきているのかなと感じます。
(8戦負けなしは意識するか?)本当に意識しないですね。本当に不思議なくらいです。曹さんが意識していないから僕らも意識しないのか…。個人的にも、試合に出続けてはいますけど、毎試合毎試合必死に試合に出るために1週間取り組んで、試合に出られたら100%でやって、また次の試合に切り替えて…という状態なので、正直連勝しているとか、そういうことに意識がいかないくらいです。でもそれが今のいい状態につながっているのかなと思います。

●鎌田翔雅
(アシストについて)Jリーグ初アシストでした。本当にやっとです。今日は自分もボールをもったら前へ前へという意識が自然と出ていました。
アシストに繋がったシーンも前だったらワンタッチでパスを前につけていたかもしれないけど、今日は一歩前にゴールに向かっていけた。そういうちょっとした意識が形になったかなと思います。絶対に引いちゃいけないと思ったし、常に攻撃していかなければいけないと思った。前にいる選手を信じてプレーしました。
失点については正直2点とも防げたと思うのでもったいない失点だったと思います。まだまだ甘いところがあります。結果として勝ててはいるけど全部がいい内容というわけではないので、よけいに引き締まるところもあります。勝ってはいるけど、まだまだやることがあるということをプラスの方向にもっていけていると思う。
毎日の練習からとにかく全力投球だし、試合では90分に全部を出さなければいけない。みんながそういう気持ちでやれているので、チームとしていい雰囲気を生み出していると思う。
スタジアムではサポーターの皆さんが本当に後押ししてくれるので、サポーターもスタッフも選手もみんな含めて本当に“チーム”という感じがしています。もっともっと続けていきたいし、さらに人が集まるように、何か惹きつけられるようなサッカーをやっていきたいと思います。

●古橋達弥
(菊池選手へのアシストのシーンは?)自分でいこうとしていたんですけど、ドリブルでちょっとボールが流れてしまった。でもそこで大介(菊池)がいい形で入ってきてくれたのでよかったです。
(CKのアシストは?)狙い通りでした。最初は大介一人がニアに入る予定だったんですけど、3人入る形に変えて、それがうまく当たったかなと思います。ニアに大きい選手が立っていたので、それを越えるボールを蹴ればチャンスになるだろうと思っていました。
後半最初の失点は防げるものだったと思う。少し無理にとりにいきすぎてしまってかわされるというシーンが後半は多かった。そこをうまく遅らせたり我慢できれば失点も減らせるのかなと思う。そういうところは後ろの選手もよく分かってると思うし、試合ごとに勉強していけばいいと思います。アグレッシブにボールにいくということはやりつつ、相手のいい状態の時は飛び込まないなど、考えてやっていきたい。
1点取られても攻める姿勢を続けられたのはよかったと思います。
(負けなしですが?)あまり考えず次も全力で戦うだけだと思っています。