監督・選手コメント

天皇杯準々決勝 湘南ベルマーレvs京都サンガF.C. 監督・選手コメント

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【監督コメント】
●反町監督 総括
前半、なんとかゼロで抑えなければいけない、ゼロで終わりたいと15分過ぎから思ってました。ひとつひとつのボールに対する執着心とかそういったところが一歩遅れたりとか、自分から能動的に動き出していないような感じでしたね。
ハーフタイムに、これが最後の試合になってしまうのは寂しいだろうという話をして、少し目が覚めたのか、攻撃にかなりリズムとかできたんですけど、フィニッシュの精度とかそういうことは監督の常套文句なので言いたくはないですけど、そこはやっぱりドゥトラとか宮吉とか久保とかいる京都さんのほうが上なんでしょうね。
それは来季に向けては僕が考えることではないので、湘南のこれからに期待をしたいなと思います。
もうひとつ上のステージまでいきたかったですけどね。実力相応の結果でチームのために貢献できなかったことは残念です。
皆さんも僕のコメントを書いて時間を使うのであれば、クリスマスイブですので早く帰って家族団らんを過ごしたほうがいいかなと思いますが(笑)、ずっと湘南からもメディアの皆さんが応援して下さって、寒い時や風が吹いても夜真っ暗になっても、ペンを持って私のつまらないぼやきに付き合っていただいて、メディアの皆さんにも感謝しています。本当にありがとうございました。

●反町監督 質疑応答
–京都と3試合やって勝てそうだが結局1点も取れなかったが?

サッカーの世界で1-0は野球と違って普通の結果なんですけどが、でも普通に見てどちらが実力的に上かって、個人技術や視野の広さ、ボールのもらい方とか、それはやはり京都のほうが上ですよね。それは日々のトレーニングで色々話しても残念ながらプロの門を叩いて入った時にはちょっと遅いのかもしれないですね。それは幼少の頃から、もしくはゴールデンエイジの時からそういうものを身に付けて、強いプレッシャーのなかでやって初めてモノになる。このまえのバルサの試合も全部見ましたけど、イニエスタが15、16歳の頃に僕はちょうどバルセロナに住んでいてバルサの下部組織についていたので見ましたけども、やはりそういう練習を常々やっている。それがああいうプレッシャーのなかでも、狭いエリアでも前を向いたりボールを動かしたりできる技術が身に付くものであると。湘南もこれからは下部の組織から、今日も鎌田、遠藤、菊池、臼井は下部から出てきた人間なので、そういう湘南ナイズされた選手をこれからもっと輩出して、我々が輩出するのと同じように他のチームも、京都などもたくさん出てきていますよね。それで競争し合って逆転する、この1点差を逆転するのは相当大変な作業だということも側面にはある。結局どこで勝敗を分けたかというと、2つとも実はセットプレー。うちはセットプレーの失点が今年これで14点目か15点目、それではやはり1ケタの順位にはいかない。うちはずっとトレーニングしているが、たぶん京都さんはトレーニングしてないですね。悔しい。

–コーナーキックが10本もあって決まらなかったが?

そうですね。入り方のトレーニングもしているが、結局セットプレーも取る選手と取らない選手がいる。背が高い低いはあまり関係ない。例えばジウシーニョ。コーナーとかでも取る。低いがやはり入り方がうまい。うちはそういうのをやっているがやはりできない。ボールの精度も、京都のチョン(ウヨン)の精度はベッカム並みのいいキックをするので、それもあると思うんですけど、そういうところからコツコツとやっていかなければいけないということですよね。

–この1年は心残りばかりか?

監督なんてほとんど心残りでシーズン終わっているものですよ。

–京都にはいい選手が揃ってはいるが、いかに最後まで基本に忠実にできるかどうか、そのあたりにも差があったのでは?

このシステムは突貫のところもあったので、ディティールのところまではやらせなかったことと、僕は個人の判断を大事にしています。どちらかというと大木さんは色が強いので、こうじゃなければダメだというところから入っているから、もしかしたら選手のよさがスポイルされているかもしれない。そこはなんとも言えないんですけど、僕は選手の力が最大限に出せるような、例えばポジションとか、良さをなくさないようにチームを作っていきたいと思っているので、そうすると細かいことでプレーの幅を抑圧することはできないというのも正直あると思います。それは難しいところだと思います。ただチームプレーなので、チームとして同じベクトルに向いているか、今大木さんのチームは非常に向いていると思います。それも分かって相手の分析をして話をして、最初のほうが分析通りなのにできなくて、後半20分過ぎから慣れてきてやっと目が覚めたような感じだった。それを最初からできなかったのが悔い。適材適所で、外国人選手もたくさん帰ったりして、ベンチにFWの選手がひとりもいないような背水の陣だったんですけど、途中から出た選手もみんな意に感じてやってくれたので、そこは感謝しています。質問と答えがちょっと違いますが。

–前の試合から3バックに変えたがある程度バルサの影響があるのか。また、結局個の問題に行きつくというふうにも見えますが。

どちらかというとバルサというよりもCLで決勝ラウンドに上がったナポリやセリエAで上を走っているウディネーゼのイメージのほうが強い。ただうちはカバーニもハムシクもラベッシもいないわけであって、その3人だけに頼るのではなくサイドでもう1人2人、相手が4バックだとすると5対4みたいな形で圧力をかけて攻撃したいと常々考えてやってきました。ボールをポゼッションして局面で数的優位をつくって崩すところまでのポゼッション能力は、個人能力からいくと、どうしてもそこまで行きつかない。やはり相手の最終ラインと勝負する機会を増やしていかなければいけない、というかたちでここ2~3週間トレーニングしてやってきた。そういうイメージでやりました。

–それを決断した理由は?

既にチームを出てしまった選手もいるので、それでベストパフォーマンスを出せるようにと、強豪との対決なので、2トップの力に対してうちの真ん中2人だとちょっと対応できないかなと。やはり3人をペナルティエリア幅に置いておかないと難しいかなという相互関係というか、相手を見据えたなかで戦略的にやっていくということですね。

●大木監督 総括
応援に来てくださった皆さんと選手たちにまずおめでとうと言いたいですね。ゲームは苦しいゲームだったと思う。守るというよりも点を取りたかった。取れるチャンスはあったが、いい流れが続かない。やはりそこは湘南さんも頑張ってなかなかチャンスをつくらせてもらえなかった。特に前半の頭、それから後半20分ぐらいの時にドゥトラのシュートがあったと思いますが、あのあたりは非常によかったと思います。だからああいうところで取るか取らないか、そこが勝負の分かれ目になると思う。次はマリノスに決まったようですが、ぜひマリノスに勝てるようにしっかり準備したいと思います。

●大木監督 質疑応答
–湘南と3回やって全部1-0、点を取られなかったことについて

3試合ともいつ取られてもおかしくなかった。1試合目はオウンゴール、2試合目は宮吉がギリギリのところで取った。でも2試合ともいいゲームでした。今日もセットプレーから、逆にセットプレーで取られてしまうんじゃないかという状況だったがうまく取れて、もう1点なんとかほしかった。湘南もうちもリーグ戦は不本意な成績だったのかもしれないが、お互い全力を尽くして3試合ともいいゲームができたと思っている。そこは湘南さんにも感謝したいと思います。

–宮吉選手について。今日は点を取れなかったが、今日の評価は。

素晴らしいですね。後半の30分ぐらいかな、うちの右サイドを攻められた時にディフェンスをしたのは宮吉だった。彼は点を取ることもできる、フォアザチームに徹することもできる。常にサッカーを90分間プレーする能力を持った選手だと思う。点は取れなかったが素晴らしかったと思います。

–ここ何試合か安藤選手をサイドで起用している意図は?

見ての通りですね。ディフェンスもいい、攻撃もいい、ということです。

–キックオフ直前に選手に急いで指示を送っていたが?

湘南さんが川崎戦で3バックで来ていた。フォーメーションはスタートの位置だけなので問題にならないところもあるが一応大事なところだと思うので、それが3なのか4なのかどちらでもよかったが、そこだけハッキリさせようというところが始めからあった。3バックだったので、メンバー表には4バックで書いてあったと思うので、間違いなく3バックだということを選手に伝えました。4枚でも問題ありませんでした。

–湘南がサイドを使って広い展開をしてきたが、それに対して一番気を付けたことは?

サイドを変えさせないことがまず一番。さすがにパーフェクトはないので、サイドチェンジされてもやられなければ問題ない。やられたあとにもう一度誰が行くのか、2番目、3番目は誰が戻すのか、戻すときにどこに戻すのか、そこだけは常に練習している。

–GKの水谷選手のチームにおける存在価値は?

常に声を出してくれて、年齢的なこともあるでしょうが、例えば連敗を喫している時、なかなかリーグ戦で勝てなかった時でも、例えば今日の練習は午後からだといっても彼はアダウトGKコーチと2人で午前中からトレーニングしている。私が止めろと言うぐらいやるわけです。ああいう選手がやったら若い選手はやらないわけにいかない。それをどう感じているか分からないが、フィールドプレイヤーじゃないわけで、ただそのところでチームを支えている、素晴らしい選手だと思う。そういうところがゲームのなか、練習のなかでチームに伝わっているんじゃないかと思います。

–最近ほとんど負けていないが、チーム力が上がっている背景にある一番大事なものは?

練習です。いくら机上でやっても、作戦ボードでやって負ける人はいません、絶対負けない。じゃあそれをグラウンドでどうやるのか。今負けてないから言っているわけではなく、ゲームになったら違う。磁石では動かせないような動きがある。それをピッチの中でできるように練習するということ。練習だけじゃなく、もうひとつは考えるということ。でも考えていても追いつかない。考えて決断してプレーしていく。合っているか間違ってるか分からないが決断する。決断したなら一人が決断したことを尊重する。その考え方はだんだん出来てきている気がします。

【選手コメント】
●臼井幸平
出し切りたいと思って頑張ったんですけど結果が出なくて残念です。
オープンプレーでは京都が繋いでくるのは分かってたので対応できていたと思うんですけど、前回と同じセットプレーでやられてしまった。分かっていただけに本当に悔しい。難しいですね。今年を表すような試合になってしまった。
もっと体が動けばよかったんですけど、とにかくサポーターの声援に応えたいという一心で、絶対に点をとりたかった。1本チャンスがあったんですけどトラップが大きくなってしまった。
自分自身、準々決勝までこれたことはなかったのでいい経験ができた。今後に生かせるように、続けていけるように頑張りたいと思います。
(途中からキャプテンマークを巻いたが?)紘司さんの粋な計らいでやってくれたことだと思います。嬉しかったし、試合が終わった後も声をかけてくれて感動しました。
(サポーターに向けて)長い間お世話になりました。感極まってしまったけど…。気づいたらみんなの声援のお陰で感情が出るようになったので、本当に嬉しいし、これからもそういう感情をサポーターの皆さんに逆に感じてもらえるように頑張りたいと思います。

●鎌田翔雅
もったいなかったというのが一番の気持ちです。後半、特に自分たちのリズムで試合ができたところもあったのですが、シュートシーンで焦ったり無理な体勢で打ったりしていたこともあってシュートがなかなか枠にいかなかった。落ち着いて可能性のある選択する必要もあったと思います。
相手のポゼッションがうまかったですが、やられた場面というのはほとんどなかったと思う。ボールは動かされたけど最後のところで守れていたと思います。セットプレーでやられてしまったことももったいなかった。僕自身はもう少し前に出ていって攻撃に貢献したかった。
リーグ戦の最後のほうもいいサッカーができていた中で結果を出すことができなかったし、今日で最後になってしまう選手もいる中、どうしても国立にいきたいという気持ちが強かった。

●松尾直人
ピッチに入る時は同点に追いつくことだけを考えて、やるしかないという感じでした。
もっとボールにさわったり前にパスを出すというプレーを出したかったけど、みんなも点をとらないといけないから前に前にいっていたし、自分が自分がという感じになってしまって冷静さがあまりなかったと思う。そういうところで冷静さとか落ち着きとかを僕が出していい流れにもっていければよかったかなと思います。
でも若い選手たちにとってもいい経験になった試合だったと思うし、僕にとってもいい経験になった。
頑張ってほしいし、僕もサッカーを続けるからまだまだ頑張ります。