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【実施報告】2024年度 湘南ベルマーレ サステナトレセン
湘南ベルマーレ サステナトレセンに参加した茅ヶ崎市の5年生による最終発表イベントが3月5日(水)に行われました。
2024年度のサステナトレセンは持続可能な地域づくりに関する連携協定を結ぶ茅ヶ崎市の浜須賀小学校、東海岸小学校にて実施され、その集大成を発表する場として本イベントが開催されました。会場となった茅ヶ崎市民文化会館 小ホールは主役となった子どもたち そして 子どもたちの発表を楽しみに訪れた大人たちで満席となり、大いに盛り上がりました。
サステナトレセンとは
「世界はたのしく変えられる」を合言葉に、 地域の次世代のサステナビリティ人財を育成する新しい教育プログラムです。「夢づくり 人づくり」をミッションに掲げる湘南ベルマーレと、地域のSDGs/サステナビリティを推進する「サステナイレブン企業」*・行政が連携し、小学校の探究学習の授業の中で、地域の未来を担う「サステナプレイヤー」を育てていきます。
*サステナイレブン企業…湘南ベルマーレの600を越えるパートナー・サポートコーポレーション企業の中で、地域でサステナビリティ活動に積極的な企業
(プロジェクト構想の詳しくはこちら)
サステナトレセン2024 4つのステップ
授業の冒頭に「みんなが、このまちに住み続けたくなるにはどうしたら良いだろうか?」という問いを投げかけ、下記の4つのステップで探究学習を進めました。
まなぶ
2024年度のサステナトレセンは、夏休み前に湘南ベルマーレが各校の総合的な学習の授業に訪問し、サステナビリティやSDGsの考え方や、地域の課題についてインプットをすることから始まりました。
その後夏休みを迎えた子どもたちは、それぞれが興味を持ったサステナブルな取り組みについて調べ、クラスごとに発表し、さまざまな活動についての知識を得ました。
えがく
「みんなが住み続けたくなる茅ヶ崎のまち」について、「まなぶ」で得た知識や、湘南ベルマーレ また 「サステナイレブン企業」の取り組みも参考にしながら、自由にアイデアを描きました。
まざる
同じような課題感やアイデアを持った子ども同士で作ったグループに、湘南ベルマーレのスタッフ そして「サステナイレブン企業」を中心とした大人たちが入って意見やアドバイスを送り、アイデアを磨いていきます。
子どもたちの発想には大人もたくさんの刺激を受け、アイデアを具体化するにはどうしたらよいか、より深い視点を持ってもらうにはどうしたらよいか、大人たちが考える作戦会議も開かれました。
そうしてまとめていった自分たちの考えは、それぞれの学内でプレゼン形式で発表しました。
浜須賀小学校アイデア
5-1
「サステナスポーツショップ in 茅ヶ崎」
「未来を繋ぐサステナカフェ」
「未来を描く浜須賀キッチン」
「発電スポーツの力!」
「サステナブルな移動式商店街」
5-2
「海からの宝物」
「障がい者も楽しめる町」
「ゴミを集めてリサイクル」
「いろいろなものをリサイクル」
5-3
「未来に活かせ!! SDG’s イベント」
「海と SDG’s ミュージアム」
「スタロウー」
「廃棄野菜を減らす SDG’s ショップ」
5-4
「ゴミを「発電」「燃料」に」
「生物が世界を救う!?」
「食べられる○○」
「ゴミをなくそう大作戦」
東海岸小学校アイデア
5-1
「楽しい ワクワク 思い出にのこる どんな世代でも楽しめる 茅ヶ崎イベント」
「フードロスを無くそう 地産地消祭り!!」
「海水くるくる循環リサイクル」
5-2
「お店に出なくなった野菜を売ろう!!不揃い野菜キッチンカー!!」
「作ったものを販売!!子どもたちと野菜の未来と笑顔を作る 野菜作り体験!!」
「エコペイントアート 子ども大人もみんなもワクワク楽しい😊‼️」
「環境にも優しい😊 みーんな笑顔になれる‼️😆 」
5-3
「スタジアムで味わう食の大冒険!!」
「世界初!!移動式点字ブロックと社会への第一歩へ」
「食と環境の未来を目指す!!湘南ベルマーレと小学生の挑戦✊」
「ベルマーレさんと笑顔あふれるインクルーシブ公園へ」
5-4
「再生市場!笑顔あふれるスタジアム」
「子どもにワクワクを!スマイルチャレンジ」
「海をきれいに染めよう」
「みんなで協力 未来を笑顔に ユニフォームリサイクル」
うごく
これまで考えてきた上記のアイデアを中心に、自分たちでできるアクションを起こしていきました。
自分たちでできるアクションを起こしてみた結果 得た気づきや学びをさらに探究しまとめたものを、それまで一緒にアイデアを深めた大人たちや保護者も招いて「サステナトレセン成果発表会」で発表しました。
サステナトレセン成果発表会 当日の模様
各校の5年生全生徒が茅ヶ崎市文化会館 小ホールに集い、プログラムをサポートしたサステナイレブン企業の大人たち、そして保護者を前に2校4組合計8組のアイデアを発表しました。
選手入場
開会の挨拶
サステナトレセンの舞台となった茅ヶ崎市市長から開会のご挨拶をいただきました。
茅ヶ崎市市長 佐藤光 様
(ベルマーレビッグウェーブを歌って登場)
こんなにみんな盛り上がってくれて本当にありがとうございます。
昨日今日、寒かったよね。でも土日、暑かったよね。
なんでこんなに温度が変わっちゃうんだろう?
地球温暖化だよね。去年の夏も暑かったよね。
茅ヶ崎の農家さんでは暑いから南国のフルーツ パパイヤを作ろうかという人もいる。
いろんなものが変わってくる中で、変われる時は変わらなくてはいけない。変わることが時には守ることになります。それが持続可能な世の中なら、そうなのかもしれません。
ただ、なんでこんなに暑くなってしまったんだろう?それは僕たち大人たちの責任なのかもしれません。そういったこともしっかりと責任を持ちながら持続可能な社会を作っていきたいと思っています。
これから次の世代 みんなが茅ヶ崎を作っていくから、みんなに持続可能な社会をきちんとバトンタッチするのも僕たち大人の仕事だと思っています。
今日のプレゼン がんばってください。
そしてベルマーレはサッカーのプロチームです。今シーズン3勝1分、今2位です。みんなもサステナブルな応援をお願いします。
振り返り
サステナトレセンを一緒に進めてきたスタッフと一緒に、2024年のプロジェクトの進行を振り返りました。
サステナトレセン監督 風村ひかる、サステナトレセン・ファシリテーター上井雄太
アイデア発表
アイデアは各組によって、以下の要素・順番で発表されました。
1. タイトル
2. サストレでやってきたこと
3. 動いてみたこと
4. 動いて気づいたこと
5. たのしめたこと
6. サステナプレイヤー宣言
浜須賀小学校 5-4
「ゴミをなくそう大作戦」「食べられる〇〇」「ゴミを「発電」「燃料」に」「生物が世界を救う」
既成の発電機を分解・作り直すことを通じて構造を学び、ゴミから作った発電機で発電を成功させる、ライスペーパーでゴミにならない食べられる容器やストローを制作、発泡スチロールを食べ、ゴミを分解すると言うミルワームを教室で飼育して観察する、ビーチクリーンで拾ったゴミでアートを作るなど、検討した各企画を実施しました。
東海岸小学校 5-1
「アイデアが未来をつくる〜私たちの一歩が茅ヶ崎を変える〜」
魅力的な茅ヶ崎を考え、大人も子供も楽しめるイベント、特産物や地産食材の発信、海水を利用した名産品の開発などを検討。
実際に学校の前の海岸で海水を汲み上げ、濾過・煮詰めて塩を作り、できた塩の活用を模索しました。
浜須賀小学校 5-3
「SDGsショップ」「SDGsミュージアム」「SDGsイベント」「スタロウー!」
さまざまなサステナブル活動の情報を集めたSDGsミュージアム、不要なものをリサイクルしたスノードームやキーホルダーの制作、不要な果物の皮で作ったクレヨンを用いたアートイベント、キッシュやのりで作った食べられる容器の作成、うさぎのフンをリサイクルした紙などを検討し、実践しました。
東海岸小学校 5-2
「協力すれば、辛いことも、楽しくなる!!サステナプロジェクト」
地域の子どもたちが植物を育てる体験、不揃い地産野菜を使った出店、エコペイントアートイベントなどを検討。
東海岸小学校給食の材料となる野菜を作っている農家さんの不揃いで商品として扱われない大根に着目。
不揃い大根を使った給食のメニュー「大根ポテトの味噌がらめ」を考案し、実際に東海岸小学校の全学年で提供されました。
浜須賀小学校 5-2
「廃棄する食材でスムージー(障がい者も住みやすい街)」「海のゴミを宝物へ」「ゴミの永遠リサイクル」「ゴミをゴミ箱へ」「ゴミをリサイクル」
障がい者の方も楽しめるインクルーシブイベントの考案、海で拾った流木やペットボトルのキャップなどをリサイクルしたグッズの制作、ペットボトルのキャップを前項から集め、ゴミ箱を製作するなどしました。制作したグッズ等は発表会後に市役所ホールで販売しました。
東海岸小学校 5-4
「共創しよう 明るい茅ヶ崎」
幅広い方が楽しめるスタジアムづくりや、使えなくなったユニフォームのリサイクルやその活用、間伐材を用いたサウナを検討。
身近な存在である海岸で実際にゴミ拾いを行い、以前に比べゴミが減っていることを発見したり、マイクロプラスチックの害について学びを深めました。
浜須賀小学校 5-1
「サステナスポーツショップ」「未来を繋ぐサステナカフェ」「発電スポーツの力!」「未来を描くはますかキッチン」
アレルギー配慮したおやつ、地産地消スムージー、スポーツの力を活かした発電、スポーツ用品のリユース等を検討。
スムージーを作ったみかんの皮を利用したクッキーのレシピを作る、中古のスポーツ用品を回収し発表会後に市役所ホールで販売し、その収入でスムージーやクッキーの材料を購入するなど、つながるサステナブルを体現しました。
東海岸小学校 5-3
「想像から創造へ」
地域に賑わいを生み出すグルメフェスタや、地域のイベントなどに需要が見込まれる移動式点字ブロックの開発、インクルーシブ公園などを検討。
給食残渣に着目し、湘南ベルマーレの選手食堂で取り組んだ企画(詳しくはこちら)で使用したコンポスターを譲り受け、実際に堆肥作りを実践しました。
情熱が込められた発表に会場の全員が聞き入り、子どもたちは自分たちの発表を控えて緊張しながらも、新たな学びや気づきを得ました。
大人からのメッセージ
すべての発表が終わると、子どもたちのアイデアや気づき、学びに対して、一緒にアイデアを磨いてきた湘南ベルマーレ、サステナイレブン企業の大人からコメントが送られました。
茅ヶ崎市教育委員会
大人では思いつかないようなとても素敵なアイデアがたくさんあって、大人たちもとても驚き、皆さんの発信力にとても感動していました。
サステナトレセンでは普段学校ではできないような勉強ができたかと思います。
今回、普段の授業と大きく違ったことがあります。
それは誰のために学ぶか?ということです。
普段の勉強でも友達と一緒に相談することもあるけれど、
あなたのため、自分のために学ぶことが多いですよね。
今回サステナでは、障害のある人のため。
リサイクルをして次の人に繋げるため。
海の生き物のため。野菜や自然、環境のため。
そして地域や茅ヶ崎のためを考えてアイデアを完成させていきました。
誰かのため。何かのため。そうやって繋げて考えていくことこそがこのサステナのとても大切なところです。
皆さんがこの一年で学んだことをここで終わりにするのではなく、来年でも、中学生 高校生 大人になってからでも良いので、また誰かのために繋げていってくれたらと思います。
そしてその時には今回学んだもう1つの大切なこと「たのしめてるか。」を思い出しながらやっていただけたらと思います。
公縁クロス機構 齊藤珠希 様
投影資料、身振り手振り、話し方。とても工夫がされていて、会場全体が引き込まれる素晴らしい発表だったと思います。
夏休みの頃はSDGsを理解できても茅ヶ崎のためにどんなことができるかはまだ思いついていない人も多かったのではないかと思います。
このプロジェクトはサステナビリティとトレセン制度を掛け合わせた、持続可能な社会の担い手を育てるというプロジェクトですが、実際にミルワームを飼ったり、ゴミアートを作ったり、給食の残りを減らしたという皆さんの活動を聞いていて、学校という小さな社会の中で、持続可能にしていく担い手が生まれたのではないかと感動していました。
学びから行動を起こせたのは素晴らしいことだと思います。私たち大人も、大事だとわかっていても行動に移せていないことも多いので、皆さんの取り組みには心を打たれました。
また、発表の中で私たちと連携したいという提案もあり、とてもワクワクしました。今後、さまざまな形で企業と連携することができると思います。
最後に、皆さんはステージに立ってとても緊張したと思います。小学5年生でこんな発表の機会はなかなか多くないと思いますが、こうした経験が、皆さんの自信になって、今後の学校生活や将来にいきてくると思います。これからもがんばってください。
鈴廣かまぼこ株式会社 常務取締役 鈴木智博 様
トレセンなので、サッカーのコーチっぽく話します。
1つ、みんな約束してほしいと思います。
巻き込む力というものをこれからもサステナプレーヤーとして大切にしてほしいと思います。
12月のプレゼンでは名指しで「鈴廣かまぼこの鈴木さん、一緒に取り組みをやりましょう」と言ってくれたチームがありました。僕は一番にそのチームにフィードバックしにいきました。
今日プレゼンの中にもたくさんありました。ベルマーレの坂本社長どうですか、ブランチさん一緒にやりましょう、栄養士の方に話を聞きに行ったグループもありました。
そんな感じでどんどん自分の友達や大人、周りの人たちを巻き込んでいくと、楽しかったと思います。楽しかったでしょ?だから、これから君たちはサステナプレーヤーとして生きていくと思いますが、これからも巻き込む力を大切にしていってほしいと思います。
株式会社湘南ベルマーレ 代表取締役社長 坂本紘司
まず、自分に拍手してください。
最後まで楽しく、ワクワクしてメモをとりながらみんなの話を聞くことができました。
今 巻き込む力というお話がありましたが、ほとんどのグループがみんなで話し合った、みんなで協力した、という話をしてくれました。そして一人じゃできないことを近くにいる友達や仲間と手を組んでやってみたら、こんなことまでできるんだなということを感じられたと思います。
それから、まずはやってみよう、やってみなきゃわからない、という声もありました。
大人になるとなかなか一歩を踏み出すことが怖くなったりするんです。だけどみんな、失敗を恐れずにまずやってみた。そしてやってみたらこんなことできたな、こんなことできなかった、いろんなことを感じたと思います。そういったことをできる、子どもたちだからこその強みを素晴らしいと思いました。
みんなが助け合ってこんな素晴らしい発表をしてくれた。一歩踏み出していろんなことにトライしてみた。そんなみんなの気持ちや姿勢から、大人たち、僕自身も学ばせてもらいました。ベルマーレにとってもすごく良い時間になりました。ありがとうございます。
今日は大成功の日だったと思います。勝ち負けではないけど、ベルマーレにとっても、小学生のみんなにとっても、協力してくれた先生や企業のみんなにとっても、最高の発表会になったと思います。なので最後に、ベルマーレが試合の終盤、勝ちそうな時にサポーター歌ってくれる、ベルマーレビッグウェーブをみんなで歌いましょう。
閉会
坂本社長の声がけで最後に会場の全員でベルマーレビッグウェーブを歌って、集合写真を撮影して閉会となりました。
サステナトレセン 今後の展望
2025年度においても茅ヶ崎市と協働し、サステナブル人財輩出に向けプロジェクトを推進してまいります。今後のお知らせを楽しみにお待ちください。