ボイス

【ボイス:2024年11月1日】福田翔生選手


チームメイトはみんなライバル。
認め合う関係がチームを強くする

昨シーズンの途中に加入した福田翔生選手。
攻守に渡って惜しみなく走り、
試合の最終盤まで運動量を落とさない。
チームを活性化するその全力プレーに
スタジアムの期待が熱くなる。
そのプレーに込められた想いと
残り試合にかける覚悟に注目を。

わずかな出場時間のなかでも
J1で「やれる」手応えを体感
 シンデレラボーイ。これは2023シーズン途中に加入した福田選手を形容する言葉の一つ。J3からJ1へ、一足飛びに駆け上がった夢にあふれたストーリーが由来だ。
 移籍直後から短い時間ながら出場機会を得ると、得点など目に見える結果はなかったものの、全力プレーでチームに貢献する姿を披露。試合の終盤、疲れが見えるチームのなか、最前線で戦う姿勢を示して存在感を放った。

「残留がかかっていたので、今、湘南に一番必要なものは何かって考えたときに、残留するためのことを徹底しようと思ってプレーしました。当時の僕は試合のクローズ、試合を締める形が多かったので、得点も考えましたけど、攻める場合でも仕掛けるというよりは常にマイボールにしようとイメージしていました」

 J1初出場となった第25節の頃のチームは最下位。しかし、そこから流れを掴んで勝点を積み上げられるようになり、降格圏を脱出する。最終的にチームは、15位でフィニッシュし、残留を勝ち取った。

「智さん(山口智監督)のやりたいサッカーはすぐ理解できたと思います。チームとしてよく言われたのは守備に対しての細部にもっとこだわれということ。言われたことをとにかくしっかりやろうと思っていました。それと出るタイミングを考えて。残留争いは初めてでしたけど、そんなことも言ってられないですし、このチームに入ったからには今やれる最大のことをやろうって、常に言い聞かせながらやりました」

 夏に加入してからシーズン終盤までを駆け抜け、チームとして残留という結果を手にし、チームメイトからも評価された。しかし、自分自身を振り返れば手放しで喜んではいられない現状を感じていた。

「正直ホッとした部分はありましたけど、もっとレベルアップしたいなと思いましたし、もっとやれることを増やしたいと思いました。得点に関してもそうですし」

 途中投入される選手としての役割として優先すべきプレーと、フォワードとして第一に求められる結果と。限られた時間のなかで全てを表現するのは難しく、常に試合の状況に応じたプレーを優先して選択したが、そのなかでもJ3とトップカテゴリーとの質の差も感じていた。

「組織力もあるし、シンプルに個が強いなと思いました。スピード、強度、止める、蹴るといった技術もすべてにおいて『ああ、これがJ1なんだ』と思いました。でも、これに慣れれば『絶対にやれるな』とも思えました」

 J1の舞台でも通用するという手応えを十分に感じられた2023シーズン。初ゴールは2024シーズンへとお預けとなったが、それでもたくさんのものを手にする時間となった。

新たな未来を切り開いたフォワードへのコンバート >