馬入日記

【馬入日記:7月10日】待望の復帰!根本凌選手インタビュー

先週末、終了間際の劇的な逆転で勝利した浦和戦、全員で掴んだ大きな一勝でした。
前半に先制しながらも後半に2失点し1-2で推移してた時間、85分にピッチに投入されたのは根本凌選手でした。

昨年の8月26日、期限付き移籍をしていた栃木SCで試合中、左膝前十字靭帯断裂の大けがを負いました。
手術後のリハビリはベルマーレに戻って行い、そこから約10カ月間復帰に向けたトレーニングを続けてきました。

待望の復帰戦となった浦和戦ではアディショナルタイムも含め約10分間プレーしました。
90分の石井久継選手の同点弾では、キーパーへのプレス、さらに石井選手がシュートを打つシーンで相手DFをおさえシュートコースを空けるなどチームを助ける働きをしました。

試合から数日経ち、根本選手に話を聞きました。

「試合の翌日から、みんなスイッチを切り替えてトレーニングしているという感じです。練習の入りからコーチ陣含め、雰囲気はバチバチなので集中してやれていますし、アピールを続けないといけないなと思っています。僕自身は、今日も練習が終わった後に古賀さんに手伝ってもらって、守備のトレーニングをしましたけど、守備のファーストプレスは1年目からずっと自分の課題だと思っています。大橋くんとかタリクはファーストプレスが上手でしたが、自分にはそこが足りないということも自覚していましたし、そこをもっと磨かなければいけないというのは常々思っています」

試合直後も、自分が11カ月ぶりに復帰したことよりも「得点が奪えず悔しい」と話す姿が印象的でした。

「やるべき役割はある程度できたかもしれないですけど、やはり点を取りたかった。そこはまだまだ課題です。そのためには、もっと出てる選手とコミュニケーションをとって自分の強みをどうやったら出せるか、どんなボールを出してもらえれば自分が活きるかということをもっと要求しないと生き残っていけないと感じています」

ピッチに立ったからこそ感じられることも。

「自分のストロングのところは、外国人センターバックの選手でも通用するなということは感じました。そこは自信を持てる反面、終盤の時間帯だったので通用したというところもあると思う。相手がもっとフレッシュな状態だったらまたもっとガツガツ来ると思うので、相手がフレッシュな状態でやった時でもできるようにしたい。もっともっとハードだと思うので突き詰めないといけないと思います」

根本選手は2021年は特別指定選手、2022年にプロとしての1年目を迎え、半年間を湘南で過ごし6月に栃木へ期限付き移籍。2023年も期間延長をしケガをするまでの1年強を栃木で過ごしました。
2022年の半年で5得点、2023年の8月までに6得点を挙げました。

「チームスタイル的にはトキさん(時崎悠元監督)のやり方は前からプレッシャーかけて、フォワードの間を締めて、チャレンジ&カバーをしてという形でに大きく変わるところがなかったので、自分に足りないものを習得できた期間でしたし、得点を取れたというところも大きかった。プレーの場面場面、様々な試合の流れの中で通用するという手ごたえを感じられた期間でした。本当に行ってよかったなと思います」

湘南でのプロ1年目、半年間はなかなか試合に絡むことができず苦しいところもあったはずです。

「戦術的なところというより、なかなか自分のストロングを出せなかった。守備の強度だったり意識とか頭を働かせるというところは、自分でも足りないなと思っていました。でも投げ出さずに、自分にできないことに向き合いながら試行錯誤していた期間でした。ちょっとトンネルに入っていた感はあったんですけど、でも智さん(山口監督)の練習をやっていたらコンディションも良かったし、頭も整理できていました。栃木に行った時にうまくできたことで、これまでやっていたことは間違っていなかったんだなと感じられました」

ケガをしたのは、ちょうど3合連続ゴールをしていた時。その日も先制点を決めていました。

「ルーズボールを収めようとして、ちょっと引っ張られながら着地した時にゴリってなって。痛いのもそうですけど全然立てなくてなんかやばい感じだな、と。ただ、チームも残留が懸かってましたし、痛いとかよりも申し訳ないなという感じの方が強かったですね。その日は腫れていて画像には写らないので翌日に検査をして、前十字は切れているし、半月板も傷ついていると言われて。ショックでしたけど、調子のいい時にケガするよな…みたいな感じでした。治らないケガではないので」

とはいえ、診断で全治は8か月。その間サッカーから離れ、できることが限られる地道なリハビリが続きます。

「リハビリでは慎重に進めてもらったので9ヶ月経って対人までいきました。いま思えば長かったですけど、でもあっという間と言えばあっという間でした。頑張ってリハビリをやってきてよかったなぁと思います。ケガをした直後は、その時の栃木の選手たちも、今までお世話になった方たちもみんな“大丈夫だから、強くなって帰ってこい”っていうメッセージをたくさんもらって。本当にそうやって支えてくれる人たちのために頑張ろうと思えた。それがなかったら病んでたかもしれません(笑)。本当に周りに恵まれてると思います」

たくさんの人のサポートを受け、それに感謝して一歩一歩進んできました。
ここからがまた新たなスタートです。
改めて、どんなところを見せたいでしょうか。

「自分の強みは前線で収めて起点になるところだと思いますし、そこは練習の中でも出せてきてるので、あとは自分が活きるための要求をもっともっと出していきたい。今課題だと思う守備のところは、よりタフにもっと自分で自分を追い込みながらやっていかなければいけない。もっとやらなければ試合で出せないと思うので、そういうとこは突き詰めていきたいと思います。普段の練習で、ミンテさんやカズくん(大野選手)、岩ちゃん(大岩選手)など一流のセンターバックと対峙できるので、練習の中で勝てれば怖いものはないと思います」

チームとしては、今日天皇杯3回戦を戦い、さらに週末にはリーグ戦で磐田戦を戦います。

「まだまだ後半戦は始まったばかりですし、ここから連勝を重ねていかなければいけないと思っています。自分の置かれてる状況、チームの置かれてる状況はありますが、結局は試合で結果を出せないとダメだと思うので、チームが勝つために自分ができることを全力でやっていこうと思っています」

まずは今日の天皇杯 東京ヴェルディとの一戦、全員で勝利を。