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新たな教育プログラム「サステナトレセンProject.」始動!「茅ヶ崎市×湘南ベルマーレ」連携協定 締結会見

湘南ベルマーレ 代表取締役社長 坂本紘司


皆さんこんにちは。本当にお忙しい中、たくさんの方にお集まりいただきありがとうございます。スタジアムでの記者会見では、過去一番ぐらいお集まりいただいているんじゃないかというくらいですが、世の中の大きな関心ごとであり、世界中で考えられている課題に取り組むプロジェクトということで、まずはたくさんの興味を持っていただいて嬉しく思っています。

この度、ベルマーレではクラブのミッションである「夢づくり、人づくり」に基づいて、持続可能な地域を支える次世代の人材を育てるというプログラムを立ち上げました。それが「サステナトレセン」プロジェクトでございます。
その我々のビジョンに共感していただいて、一緒にホームタウンの茅ヶ崎市様と持続可能な地域づくりに関する連携協定を結ばせていただくことになりました。

サステナトレセンプロジェクトは「世界はたのしく変えられる。」という言葉を合言葉に、次世代の子どもたち、サステナビリティ人材をいかに育てていくかというようなプログラムになります。
我々ベルマーレならではの、これまでたくさんいろんな地域活動をやってきましたけれども、そういったものから得た知見を活かしてエンタメ性であったり、我々と一緒に協働していただいている多くのパートナーの皆様、それからSDGsの有識者の方々の協力を得て実現できる実践性のあるもの、そしてそれら2つをもってして継続性を持って行う。その3つを柱にしてプログラムを組み立ててまいりたいと思っています。

それと同時にこのプログラムでも、我々のクラブスローガンである「たのしめてるか。」というところを大事にしたいと思っています。
これはただ楽しむというだけではなくて、無我夢中に、我を忘れるぐらい夢中になって取り組むというプログラムになるように、そういった形で子どもたちが取り組んでくれるようなものにしていきたいと思っております。

我々が次世代により良い地域を受け継いでいきたいという思いを実践できる第一弾として、こうして茅ヶ崎市様と連携協定を結び、一緒に取り組めることを本当に嬉しく思っております。ホームタウンの子どもたちにとってより良いプログラムになるように、クラブを上げてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
皆様もぜひ応援していただけますと幸いでございます。

茅ヶ崎市長 佐藤光 様


茅ヶ崎市長の佐藤でございます。本日はベルマーレさん、関係団体の皆さんにこういった場を設けていただきまして、本当にありがとうございます。
持続可能なまちづくり、持続可能な地域づくり、サステナビリティ、SDGs。そういった言葉がございます。誤解を生むかもしれませんが、それを恐れず言わせていただくと、5年後10年後に「サステナビリティ」とか「SDGs」という言葉が死語になっている、「持続可能な地域づくりってあたりまえじゃん」と、そういったまちづくりを茅ヶ崎は目指しております。
特に湘南ベルマーレさんはひとつの都市に固執することなく、湘南という幅広い地域で活動しているクラブです。一方私どもはいち自治体であります。では、これから持続可能な世の中をつくっていくためには、いち自治体でやるのがいいのか、広域的に自治体も考えていかなければいけない時代じゃないのか。こういう、今、節目の時代に来ていると思います。
茅ヶ崎も藤沢さんとか、ご当地平塚さんとか、小田原さんとか鎌倉さんなどど様々な連携を取りながら、持続可能なまちを茅ヶ崎としてつくっていく。それを先駆的にやっていくのが湘南ベルマーレさんだと思っております。
今回ベルマーレさんとこういった持続可能な協定を結ばせていただいたことは大変意義のあることだと思っております。これがまさにキックオフですから、しっかりと取り組んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

取締役副社長 大多和亮介


ベルマーレの大多和でございます。
私のほうからクラブとしての今回の背景をお話させていただければと思います。今日も11,000人を超えるお客様がスタジアムに詰めかけてくださって、本当にありがたい限りなんですけども、昨年、クラブ30周年の記念で国立競技場で開催した試合は54,000人を超える、クラブ史上最高のお客様に集まっていただきました。
その試合において、我々のホームタウン9市11町の子どもたちを招待しようという企画を実施したのですが、本当に多くのご応募をいただきました。もちろん我々は平塚の土地が生まれたところですし、スタジアムもあるということですけれども、9市11町のホームタウン、全部合わせると200万人の方々が暮らしているんですけども、この200万人の方々がクラブとどう関わっていけるのかということを、昨年の9月からずっと考え続けてきました。
この200万人の9市11町からより新しいお客様、もしくは将来クラブと一緒に育っていくような、とくに若い世代の人たちとの接点をどう今後つくっていくかということがひとつの課題でした。
一方で教育現場のほうに目を向けるとですね、非認知能力みたいな言葉に代表されますけど、答えのない問題にどうやって立ち向かっていくのかみたいなことがこれからの子どもたちに求められています。また、子どもたちと日々向き合っている先生方にも突きつけられているような状況の中で、なかなか教育現場としては、今後地域とどう連携していくか、もしくは地域との共創の中で子どもたちにそういう環境を用意していくかということに悩まれているところがすごく多いと伺っていました。
そうした2件のところ、その接点のところで今回の企画にたどり着いたということでございます。

サッカークラブと教育現場というのは、たとえば1日だけサッカーのコーチが行って、みんなでサッカーをやったりとか、そういうことはこれまでも多々、日本全国であったかと思います。今回は本当に授業の中で、クラブと、クラブを支えていただいているパートナー企業様と一緒になって、子どもたちのチャレンジを一緒につくっていこうというということなので、なかなか日本の中でもない事例なのかなと思っています。
そういう意味でもぜひ成功につなげることで広めていきたいなというふうに考えています。具体的なプログラムの話は上井さんからお願いします。

株式会社shikakeru 上井雄太様


私、今回サステナトレセンの企画プログラムを企画・運営させていただいてるshikakeruの代表の上井と申します。よろしくお願いします。
坂本社長からもお話いただいていますが、クラブのスローガンである「たのしめてるか。」。このスローガンが実は教育業界でもすごく大事だという話を、専門家の方との対話で気づかせていただきました。
というのも、探究学習というのが今、教育界、学校現場であるんですけれど、子どもたちが我を忘れるぐらい「これだ」といったところを見つけるのが非常に大事だと言われています。
その「たのしめてるか。」というのが、今回ベルマーレさんとやることによって自然と教育現場でできる。そういったところを大事にしながら、今、プログラムを開発しております。

具体的な進め方のところなんですけど、お手元の資料にもありますが、現在こちらの実施モデル校として決まっています学校の先生方と、SDGs教育の専門の先生の皆さんともお話しながら作っている流れになっております。
本格的な始動は夏休み明けの2学期にスタートしようと思っております。資料に「サスイレ企業」とありますが、ベルマーレのパートナー企業の方々が動画で見ていただきましたように(※最下段に動画を掲載しています)、子どもたち、大人たちが一緒になって楽しみながら地域のことを考えようというような、そんな未来を考えるセッションから始まります。この学校でどんなテーマをやっていこうかというのを決めた上で、学校の授業でいわゆる調べ学習といわれる、そのテーマについて子どもたちが学校の授業でどんどんどんどん深掘っていく。
そんなことを先生にリードしていただこうと思っています。そのテーマについてある程度子どもたちが理解した上で、アイデアセッションというものを11月に予定しています。
ここにまた企業の方が一緒に参加して、そのテーマに対してどういうことをやっていこうかというようなアイデアを考えるセッションがあり、その中で出てきたアイデアをまた子どもたちが今度は表現するということで、学内でいろんなプレゼンを作って、12月ごろに学校内でプレゼン大会を行います。
もちろん全部のアイデアを実装したいところなんですが、なかなか全部は難しいので、学校で子どもたちと一緒に「じゃあ、この例えば3つをやってみよう」ということで選んで、そのあたりからですね、年明けに企業の皆様と連携して3つのアイデアを地域で実装する。
最後にそれを分かち合って振り返るというような、そんな学習プログラムを今検討しております。

今年度は学校の授業でしっかり先生たちと一緒にやってみて、それを改善して次年度以降、これを広く展開していきたいなというふうに思っております。
今回茅ヶ崎市内の公立小学校2校で、小学校5年生を対象にモデル校を定めて実施しようと考えています。このプログラムの開発に専門家の先生も入っていただきながら精緻化していこうというふうに計画しております。




質疑応答

実際に動いていく中で選手も関わってくることはあるのか?また、実際の小学校2校、モデル校はどこなのか?

●大多和亮介
子どもたちが主体的に取り組むなかで、生まれてくるアイデアや想いを全ての起点にして大切にしたいと思っています。それらを本気で実装、実現していくために、パートナー企業のサポートはもちろん、クラブのあらゆるアセットを活用してもらいたいと考えていて、そのアセットのひとつにはもちろん選手たちもいます。
練習時間等の関係もあるので、何でもできるということではないですが、選手たちの力が必要なときには、ぜひ全力で調整をしていきたいと思います。

●株式会社shikakeru 上井雄太様
ありがとうございます。モデル校は今、茅ヶ崎市さんの教育委員会と連携させていただきながら、市内の学校の先生方とコミュニケーションを取っています。現時点ではまだ学校名を公表できないのですが、前向きな学校さんもいらっしゃる状況です。またどこかで発表できたらと思っています。

ホームタウン9市11町の中で、茅ヶ崎さんからスタートした経緯は?

●茅ヶ崎市 企画政策部長 三浦克之様
茅ヶ崎市からスタートしたということにつきましては、これはベルマーレさんからお話をいただいたということになるんですけども、市としては非常に光栄に思っております。少しでもプログラムの中の、相互に協力して地域を盛り上げていこうというベルマーレさんの考えは非常に共感するところですし、またこのプログラムの内容が、本市で今一番力を入れている、子どもたち自身の成長支援というところもありますので、これをスタートできるということは非常に嬉しく思っていますし、しっかりと一緒に取り組んでいきたいと思います。

今回のベルマーレさんとのESD(※Education for Sustainable Development「持続可能な開発のための教育」)に関する取り組みというのは茅ヶ崎市においてはどれくらいの重要度があるのか?

●茅ヶ崎市 市長 佐藤光様
ありがとうございます。もちろん、湘南ベルマーレのホームタウンの中で茅ヶ崎が一番最初にやらせていただくというのは、その責任というものを大変大きく感じています。茅ヶ崎が成功すれば、他の市や町にも波及する、そういった効果もあると思います。
うちの町だけにかかわらず、そういった責任があるということを重要に感じておりますし、それは教育現場ともしっかりと共有しながら進めていきたいと思います。

茅ヶ崎市の企業さんや市民の方も今後参加されていくのでしょうか?

●茅ヶ崎市 市長 佐藤光様
これを機会に、サポーターやスポンサーになっていただければ大変ありがたいですし、そういったことを市内の企業に僕らもどんどん発信していきたい。こういったことをベルマーレさんがやってくれてるんですよということを、僕らが発信して企業の共感を募っていく、そういった努力をしないといけないと思います。