試合情報

6月22日(土)FC東京戦「Bfesday」スペシャルOB対談 第2回

6月22日(土)ホーム FC東京戦は、肉とビールをテーマにした「Bfesday」として開催。
この対戦を盛り上げるべく、OBによる熱き前哨戦?!湘南ベルマーレOB 菊池大介、FC東京OB 石川直宏さんによる全3回に渡る対談の第2回をお送りします。
現役時代の話からお互いのサポーターの話、フードパークやビールの話まで盛りだくさん。当日が楽しみになること間違いなしです!

第2回 仕事を通じて深まるサポーターとの関係性

──現役を引退され、サポーターの見え方が変わったり、新たな気付きはありますか?

石川 僕は現役のときからサポーターとの距離は誰よりも近かったと思います。怪我が多かったぶん対話する機会も多かったし、毎年シーズン後に開いていたファンミーティングでもサポーターの皆さんの想いを近くで感じていました。ただ、コミュニティジェネレーターといういまの立場であらためて思うのは、そのお一人おひとりをどれだけ意識して仕事ができるかということ。うちはいま平均3万人近くのサポーターがホームゲームに来てくださいますが、そこにはたとえば福祉の仕事をされている方もいれば、システムエンジニアの方や個人で事業をされている方など、人数分のいろんな人生がある。そうした方々が集まってFC東京ファミリーができているわけで、3万人とひと括りに捉えるのではなく、一人ひとりにもっと寄り添い、大事にして、形にしたい。その想いが自分のなかにあって僕はいまの立場に就いたので、サポーターの皆さんとの距離をグッと縮めるきっかけをつくり、一体感を生み出したい。それが僕のいまのテーマです。

菊池 そうなんですね。

石川 うん。だからもちろんサッカーを応援してほしいんだけど、週末の応援だけでなく、たとえばクラブと一緒に地域でアクションを起こすとか、人生の豊かさを感じたり、感情が揺れ動いたりするような、「FC東京とだからエモーショナルな瞬間をつくれた」とサポーターに思ってもらえる場をどれだけ僕がつくれるかだと思ってる。そういう意味では、サポーターとの関係性は現役のとき以上に深いし、より身近に感じていますね。

菊池 僕も石川さんと同じで、現役時代からサポーターの方々との距離は近かったと思います。当時はコロナ前だったこともありますし、もともとベルマーレはサポーターとの距離が近いクラブなので、たくさんの方に練習場に来ていただいて、グラウンドからクラブハウスまでの道でいろんな話をしたりして(笑)。僕はそれがすごくうれしかったし、そこで感じた皆さんの期待や想いを力に変えてプレーしていました。引退してからも、こうやってベルマーレに帰って来て、皆さんに「おかえり」「頑張ってね」と声をかけていただくことがいまの自分のやりがいでもありますし、イベントや試合会場などでいろんな話をするなかで、サポーターがいまどんな想いを抱えているのか、悔しい結果が続いているときにどう受け止めているのか、選手のときより感じられるようになった。それはすごく変わった部分かなと思います。

──サポーター自慢をそれぞれ聞かせてください。

菊池 ベルマーレのサポーターはほんとに優しいなと感じます。結果が出ないときも応援に来てくださるし、だからこそ僕らはクラブに関わる皆さんを笑顔にしたい。昔から応援してくださっている年配の方も多いですし、僕のことを知らない若い方も増えている。これからも老若男女問わずコミュニティが広がっていくといいなと思います。

石川 僕はマリノスにいた頃から感じていたんですけど、FC東京のサポーターはユニークですよね。サッカーをよく知っているし、相手のこともうまくいじる(笑)。

菊池 そうなんですね。

石川 たとえばうちから移籍した選手が相手チームにいるときに、ただブーイングするのではなく、盛大に拍手してからブーイングするとか(笑)。ユニークな引き出しをいろいろ持ってる。

菊池 へぇ、おもしろいですね。

石川 そうそう(笑)このあいだも新潟とのアウェイゲームのときに、新潟のサポーターのひとたちがみんなで、「さあ行くぞ!エイエイオー!」って応援していたら、うちのサポーターが相手よりも大きな声で「エイエイオー!」ってやり始めて(笑)。僕は現地に行ってなかったので、SNSで知ったんだけどね。

菊池 おもしろいですね(笑)。

石川 そう、おもしろいの(笑)。相手に対して愛もあるし、リスペクトもある。あと、Jリーグ60クラブのなかでうちのサポーターがいちばんと言えるのは、僕は「食」だと思うんですよ。イナゴが群がるように食べ尽くす、通称「蝗活(いなかつ)」って呼ばれているとおり、めちゃくちゃ食べるし、めちゃくちゃ飲むんです。

菊池 そうなんですね。

石川 うん。たとえばアウェイの試合のときには前日から入って、その土地の物を食べ、現地でスタグルを堪能する。だから湘南のビールも……あれ知ってる? アウェイのサポーターが1試合でどれだけビールを飲んだかっていう数値。

菊池 知らないです。

石川 うちは歴代1位なの。

菊池 そうなんだ!

石川 そう、めちゃくちゃ飲む。何リットルでしたっけ。600?

──840リットルだそうです。

菊池 マジですか?!

石川 そう(笑)。そうやってうちのサポーターはアウェイのビールを飲み干すし、湘南さんからしても売り上げが立つでしょ。だからみんな喜んでくれる(笑)。

菊池 たしかに(笑)。

──2019年のJ1参入プレーオフ徳島戦の際、FC東京のサポーターの皆さんが、「ベルマーレが降格したらビールが飲めなくなる」と言って足を運んで飲んでくださったそうです。

石川 あはははは(爆笑)。

菊池 すごいな(笑)。

──しかも自分たちの記録を毎年更新しているそうです。今年の対戦は夏なので、また新記録に期待できそうですね。

石川 間違いないですね。

菊池 それはもう更新しますね。

石川 うちのサポーターはそういう面でも気合いが入っているんですよ。宣伝もするし。

菊池 すごいなあ。いいですね。

石川 そう。だから、そういうのも含めてユニークだし、愛に溢れてる。僕はそう思っていますね。

取材・文 隈元大吾

対談は第3回に続きます。お楽しみに!

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