ボイス
【ボイス】町野修斗選手 海外移籍に伴う記者会見
町野修斗選手 挨拶
本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。ついにこの日が、というか、お別れの日が来ました。
今日、リカバリーのトレーニングでチームメイトに最後に挨拶をして、寂しさが余計に出てきたんですけど、切り替えて、ヨーロッパで挑戦してこようと思っています。
時間の許す限り、質問に全力で答えたいと思っています。今日はよろしくお願いします。
質疑応答
–2年半在籍した湘南ベルマーレというクラブはどういったクラブでしたか。
そうですね、J2の北九州時代にオファーをいただいて、まずJ1でプレーする機会をいただいたことに本当に感謝しています。
1年目、なかなか活躍できない中でも、我慢してというか、使っていただいて。2年目にゴール数を重ねられたことは湘南に関わるすべての人に感謝したいと思っています。そのおかげで日本代表に選んでいただき、ワールドカップまで連れていってもらえたので、本当に感謝していますし、湘南がなければここまで来れてないですし、海外からのオファーもなかったと思うので、本当に感謝しています。
–海外移籍の決め手となった一番のきっかけはどういったところですか。
きっかけはやっぱり日本代表に招集された際に出場したアメリカ戦です。また、ワールドカップは出場できてないんですけど、一緒にワールドカップを戦ってみて、このレベルで常に戦っていかないとワールドカップでは活躍できないと感じました。ヨーロッパでプレーしている選手が多くて、その選手たちに”お前もヨーロッパに出たほうがいいよ”と言ってもらえたこともありました。
ただ一番はやっぱり、アメリカ戦に出場した際にレベルの差を感じたときに、すぐにでも挑戦したほうがいいんじゃないかというふうに気持ちが固まりました。
–そのアメリカ戦のレベルの差というのは、どういったことでしょうか。
やっぱり身長も高くて体もがっしりしていて、日本だったらちょっとボールを受ける位置を下げて、下がったりしたらついてこないところをがっつり足ごと持ってかれたり、ちょっとトラップミスした瞬間にボランチの選手がプレスバックに来たり、という強度の高さであったり、インテンシティの高さに違いを感じました。
–キールはフィジカルの強い選手が多いということですが、そのあたりの挑戦という部分もありますか?
それが一番大きいと思いますし、それが自分にまだまだ足りない部分だと思っています。ですけど、やっぱり結果が求められる世界なので、結果を出しながら成長していかないといけないので、まずは結果にこだわって、そういったポストプレーの部分であったりフィジカルの部分も、ともに成長していきたいなと思っています。
–ドイツへの出発準備は済んでいますか?
はい。もうキャリーケースぱんぱんで。持っていけるものは持っていって。あとは…炊飯器ですね。
–炊飯器ですか?
はい、”I like rice.” ってことで。米が大好きですし、伊賀米で育ってるので。ただ、伊賀米をドイツに送るのに超お金がかかるので、そこは苦しい点です。重さによって値段が変わってくるんで、米は一番送りにくいという情報は聞きました。
–そんな伊賀の中瀬の人からの日の丸のメッセージを送られたと思うんですけど、その時の気持ちは?
はい、ただ受け取るはずが、お父さんちょっと忘れてしまって、受け取れてないんですけど、写真は見させてもらって、さっき後援会の会長に電話を入れたんですけど、体に気をつけて頑張ってきてほしいっていう優しいメッセージをいただきました。
なかなかテレビやDAZNで放送されるわけではないので、情報を届けるのは相当な結果が伴わないと厳しいと思うんですけど、皆さんに元気と勇気を届けられるように頑張っていきたいです。
–去年のオフから移籍先に関してはいろいろ模索されたと思うんですけど、ドイツ2部での挑戦ということに関して、そこに決めた理由は?
そうですね、やっぱりフィジカルの面でかなり成長できるなと思いましたし、何よりキールの監督であったり、僕をスカウトしてくれた方がオンラインを通じてですけど、かなりの熱量で僕に期待してくれていることを感じましたし、まずは試合に出ることが大事なので、キールを選びました。
–キールというクラブは他に何か街の印象やクラブの印象としてどういったことをお持ちでしょうか。
総合型スポーツクラブで、違うスポーツが強いみたいで。それに劣らずサッカーも盛り上げられるようにしたいです。
–ゴールパフォーマンスは忍者ポーズを継続ですか?まだ考え中ですか?
先ほど日本忍者協議会の方からアンバサダーの認定状をいただきました。伊賀市の観光大使ですし、継続したいなと思ってます。
–改めて湘南ベルマーレに在籍した2年半を振り返っていかがですか。
1年目は決定機を外す場面がかなり多くて、チームメイトからの信頼であったり、自分の自信というか、そういうものもあまりつかめなかったんですけど、2年目からは、まずはチームメイトに信頼してもらえるように、キャンプからゴールを重ねることを意識していました。
そのおかげで2年目は、少ないですけど、13ゴールを挙げることができて、ワールドカップまで、チームのおかげで連れていってもらいました。
ただ、今シーズンは本当に苦しい状況での移籍となって本当に申し訳ない気持ちです。でも本当にいい選手が揃ってるので、やってくれると信じていますし、チームは変わりますけど、湘南を応援したいですし、信じたいと思っています。
–この2年半で一番の思い出、いい思い出っていうのは何かありますか?
やっぱり、ワールドカップの追加招集の電話が坂本さんからきたことは本当に忘れられない、2年半の中での瞬間でした。
–今回の移籍にあたって、山口監督や坂本社長からはどういう言葉をかけられましたか?
今日、最後に挨拶したんですけど、湘南のことは気にしなくていいから思い切って戦ってこい、と。期待してるっていう言葉もいただきましたし、オフシーズンだったり来年の夏だったり、休みのときに帰ってこれる場所として、帰ってきていいよということも、紘司さん(坂本社長)から言っていただきました。かなり応援してもらえているので嬉しいです。
–今日、選手や監督の皆さんに挨拶をされた時はどういう言葉をかけましたか?
こういう苦しい状況の中で移籍をすることになって、この状況を変えられずに本当に申し訳ないっていう言葉と、あとはみんななら絶対できる、信じてますということを伝えました。
–改めてサポーターの皆さんにメッセージをお願いします。
2年半という短い間でしたけど、点を重ねるごとに18番のユニフォームが増えていくスタジアムを楽しみに、毎試合プレーしていました。本当にチャントができて、何度も何度も僕のゴールを期待してくれる雰囲気を常に作り出していただいたおかげで、少ないですけど、得点を重ねることができたのもサポーターの皆さんのおかげです。本当に、2年半ありがとうございました。
–キールに行ってからの目標みたいなもの、今考えてる数字的なものがあったら教えてください。
そうですね、まずはゴールの数字は20ゴールを目標にしてます。ただ、挑戦の1年目っていうのは言語もなかなか伝わりにくい環境ではありますし、まず開幕戦にスタメンで出場するというのが、まずは一番の目標です。
–今回決断されるのに、不安みたいなものはあったりしたんでしょうか。
いや、キールの方々からかなり熱量と期待感というのを僕自身感じ取れたので、あまり不安は感じなかったです。
–ドイツ2部のスタートということで、今後描くキャリアプランは?
ドイツ2部がゴールだとは思ってないですし、通過点だと思っています。なるべく早く、チームが昇格できればベストですけど、自分としては、ブンデス1部であったりプレミアリーグのビッグクラブで活躍するのが目標なので、なるべく早く得点を重ねて、世界に注目してもらう活躍をするという目標はあります。
–日本代表の海外組の選手からはチームに打ち解けることの大事さみたいな話もあったんですか?
代表の海外組の選手はコミュニケーション能力も高いですし、自分の考えを発信する能力も高いので、そういうところはやっぱり海外で鍛えられてるんじゃないかなと思います。
–湘南の1年目に2年目や今季のベースを培ったと思いますが1年目で得たものは?
今振り返ると「町野に出しておけば点を取ってくれる」っていう期待感であったり信頼感っていうのは、1年目はかなり少なかったと思います。
決定機は何度もあったんですけど、そこで多少慌ててしまう自分がいたので、それに気づけたのがよかった。そのおかげでもあるので、あの苦しい時間がマイナスなことだけではないなということは改めて感じました。
–そういうところも今の糧になってると思うんですけど、湘南での一番悔しかった出来事は?
今の状況が一番、やっぱ悔しいですね。ただ、そういう時間があってこそ、未来でいい結果が、僕はついてきたという経験があるので、大丈夫だと思っています。
–キールの監督とのオンラインでの対話で印象に残ってることはありますか?
湘南の映像と、キールのチームの試合の映像を照らし合わせて、僕のいいところと、よくないところも指摘してもらいました。
僕がもしキールでプレーしたらこういうプレーがチームを助けるよねとか、そんな感じで熱くプレゼンしていただきました。
–ワールドカップメンバーに選ばれて大会を戦った時間というのはどういう時間になったと思いますか?
悔しさのほうが大きかったです。出場もできていなければ、チームとして目標を達成できたわけでもないので。この悔しさを次の北中米で結果として出せるようにしたいです。
–チームが厳しい状況にありますが、ベルマーレにはどんなチームでい続けてほしいとか、忘れないでほしいと思いますか?
やっぱり湘南らしさというか、湘南スタイルという言葉があるぐらい、湘南は熱いサッカーであったり、球際であったり切り替えであったりゴールに向かう姿勢といったところは見せ続けてほしいと思っています。今のメンバーなら必ずできると思いますし、信じていますし、応援したいです。
–サポーターの皆さんにどういう成長を見せたいですか?
さっきも言いましたけど、DAZNだったりテレビで放送されるわけではないので、結果が伴わなければ湘南のサポーターであったり、僕を応援してくれる人たちには届かないので、まずは結果を一番に考えたいと思います。
その中で、課題であるポストプレーであったりフィジカルの部分も鍛えながら、代表に招集された際には、テレビなどさまざまなところで見てもらえると思うので、そこでしっかり示したいなと思っています。
–今回の海外移籍が代表につながって、ワールドカップにつながっていく部分もあると思います。改めて、そこにどうつなげたいかという思いを。
前回のワールドカップではいきなりぽっと出で入って、監督からの信頼であったり選手からの信頼はまったくと言っていいほどなかった。
その理由はやっぱり予選を戦っていなかったり、常に代表に呼ばれてなかったことだと思うので、北中米ではそれまでの活動の中で常に代表に呼ばれるような選手になって、信頼を勝ち取って、本大会に臨めるように準備したいと思っています。
–どんなストライカーになって代表に戻りたい、入っていきたいと思いますか。
今ポストプレーというか、中盤をうまくつなげる選手があまり多くないと思っているので、僕はその役割というか、そこで活躍するチャンスがあると思っています。フィジカルの面だったりポストプレーの部分を磨きながら。
ただ、一番先頭でゴールをする確率が高い選手が一番先頭で出るべきだと思っているので、結果の部分もこだわっていきたいです。
–昨日の最終ゲーム、PKを決めて最後のホイッスルが鳴った瞬間も含め、昨日の試合をどんなふうに振り返りますか。
やっぱ最後の1試合というのは分かっていた中で、悪い流れを断ち切ってからドイツに行きたかったんですけど、なかなか自分の力不足もあって。決定機も何度かあったので、そこで決め切れなくて本当に申し訳なく思っています。
PKの場面は康介くん(小野瀬選手)がうまくPKを取ってくれて、蹴っていいよっていう話をいただいたので、しっかりチームのために決められて良かったんですけど、結果が1-4になってしまったので、悔しい最終戦になりました。
–今回の移籍が発表されたあと、チームメイトで一番寂しがっていた選手は。
ええー……、みんな、みんな泣いてました。冗談です(笑)
–仲良しの池田昌生選手はなにか言っていましたか。
ケガをしているので「お前とサッカーできんかったわー」って言ってましたね。
–町野選手も、できなかった心残りが?
いや。また一緒にやれると信じてます。
–ヨーロッパで経験豊富なタリク選手は、移籍について町野選手にアドバイスしたことはありますか?
「自分を信じて行ってこい」と言ってくれましたし、キールはノルウェーにも近くて、何度かタリクも行ったことがあると言ってたんで、ヨーロッパで会えれば最高かなと思います。
–背番号は13になりました。13という数字について、感じていることがあれば教えてください。
初めてつける番号ですけど、いい番号ですし、18にもちょっと似てるんで、いいかなって思います。
–今までと環境がガラッと変わります。その点に対する不安だったりはありますか?
英語であったり、ほかの言語をしゃべるというのはめっちゃ楽しみですし、しゃべれるように早くなりたいと思ってます。
食事の面は、米があれば大丈夫なんですけど。あとソーセージが有名なのでそれも楽しみですね。
–溶け込むという面ではピッチの中で認めてもらわないとならないが、そういうことも含めて信頼を勝ち取っていくには。
プライベートでどれだけ溶け込んでも、ピッチで結果であったりプレーで示さないと、本当の信頼というのはなかなか勝ち取れないと思っています。ピッチ内外の両方で溶け込んでいきたいなと思います。
–今回の移籍、おばあさまからはどのようなお話がありましたか。
LINEか電話かで両親に伝えたのが、多分おばあちゃんに伝わったんですけど、会うたびに「寂しい」って言って涙してます。
–湘南に入った最初はあまり話さなかったということでしたけど、この2年半でご自身の内面的な成長みたいなことをどう感じていますか?
そうですね、広報の方であったりスタッフの方に本当に成長させてもらいました。どんなときも真摯に、記者さんであったり、ファン、サポーターの皆さんに応えるっていう面は、本当に湘南に来てたたき込まれたというか、教えていただいた面も大きいので、感謝してます。
–最後に記者の皆さんに挨拶を。
本日はありがとうございました。
本当に何度も言いましたけど、ドイツに行って、DAZNで放送されるわけでもないのでなかなか情報が少なくなるかもしれないですけど、結果であったりプレーで示していくので、また取り上げていただけると本当に嬉しいです。
これからもぜひよろしくお願いします。今日はありがとうございました。