ボイス
【ボイス:2023年5月11日】平岡大陽選手
プレーの引き出しを増やしていく
「今シーズンは、どの試合でもゴールのチャンスがあるし、自分の中でも『決めなあかんやろ』って思ってる。去年のリーグ戦は、0ゴール0アシスト。正直に言えば考え方も、『決めなあかんから決められたらいいな』くらいやった。マインドが変化しているのはポジティブなこと。今も、2点取ってるけど、そろそろ決めなやばいでって思ってるし。そうやって思うのも、結果を残せているからかも。課題は本当に山ほどあるけど、体力も90分間走ることもそうですし、攻撃の最後のクオリティのところ、アイデアとかも。ビルドアップでも前から来られたときの回避の仕方も」
課題は山積みと言いながらも、課題の解決する手段が増えていることに成長を見出している。最近は、先輩選手からもらうアドバイスを具体的に思い描けるようになったという。
「どうしたらいいのかということは、先輩に聞けばいろんなアイデアをくれる。けど、前はそのアドバイスについて、『あ、これですね、わかりました』と理解できなかった。試合の映像も、あとで見返しても意味がわからなかったんです。でも今は、もらったアドバイスから具体的なプレーとか、映像を見れば、『これをやったらよかったのかな』とか、アイデアが浮かぶようになってきた。もちろん一番重要なのは、プレーしているときに、ピッチの上で自分で考えて、どうしたらいいと判断することなんですけど。その力はまだまだかなと思います」
必要なのは、「経験」の積み上げだろう。とはいえ公式戦は週に1回、多くても2回。ピッチに立つ時間は限られているうえに、それを決めるのは監督。成長曲線をより鋭く上げていくために、できることをしたいと考えている。
「試合中によく考えることもそうですけど、映像を振り返って『こうしたら良かったかな』と考えることを繰り返していくうちに、ピッチにもそれが反映されてくると思う。だから後から映像を振り返ったときに、相手がここにいるときにピッチで自分が考えたことを思い出しながら、こうした方がよかったかもということを考えながら見る。それをすり合わせていく。うまい選手は、映像で見返したときに『ここ、空いてるな』と見つけるのと、試合中にピッチで考えたことに、そんなに差がないと思うんですよね」
試合中の判断は一瞬のもの。そこには経験と思考が詰まっている。映像を見ながら思考を重ねることで判断のための引き出しを増やそうという狙いだ。
「時間は解決してくれないんで自分で動く。それが映像を見ること。そこから、相手がこうしてくる、じゃあ僕はこうしたら、こうできる、みたいなことを考える。ただ、映像は見るだけでも得るものがあると思う。感覚的なところと現象を分析するところの両方を追求しようと思ってます」
今シーズン、平岡選手のプレーにワクワクすることが多いのは、こうした積み重ねから生まれた成果かもしれない。