ボイス

【ボイス:2021年11月11日】古林将太選手

監督からの要求はさらにレベル高く
今は90分の戦い方が課題
 J1残留に向けて山口智監督がバトンを引き継ぎ、2カ月以上経った。試合を重ねるごとに選手やチームとしての進化がうかがえ、降格圏を脱出し、山口監督になって初めての勝利も手にした。

「智さんは『やってきたことは間違いない』と言っていますし、その上積みが智さんに要求されているところ。サッカーに多少の変化があってもそこに対するみんなの意欲や一致団結してやっているのは間違いなくある。サポーターの皆さんにとって結果に繋がらないことは心配だと思うけど、そこは選手がしっかり勝てるように。良いサッカーができているので、そこは間違いなく一つ良い方向に向かってできているなっていうのはあります」

 監督交代直後の大分戦は複数失点で負けたものの、その後の試合は敗戦も1点差、引き分けて勝点も積み上げ、残留を争う直接のライバルである横浜FCには勝利した。間違いなく向上していることは見えている。しかし、引き分けが続くとライバルチームの動向に左右されることもある。できれば勝ち切りたいところ。

「前半いい形で入れている中で、最後のところで得点が取れなかったり。そこは突き詰めていかなきゃいけない。点を取らなきゃ勝てないので、そこはしっかりみんなで見つめ直しています」

 ゴール前のシーンが増えているのは確か。だからこそ、期待はより高まり、報われなかったときの落胆も大きくなる。

「簡単に完結して終わるのじゃなくて、しっかり崩すことや、ゴール前の最後の部分で質を高めるということは、智さんからも強調して言われています。選手一人ひとりがアイデアを出すとか。僕だったら簡単にクロスだけで終わるんじゃなくて、しっかり走って相手のゴール前まで仕掛けていくといったことを言われている。そこら辺は自分もやっていて楽しいですし、最後結果につながれば一番いいところかなと思います。そこで入らないのは、最後運もあると思うし、一人ひとりの最後の質だったり、落ち着きだったり。そこはもっと高めていかないといけないと思う」

 役割としては、得点のお膳立て。最後は誰かに託すポジションだ。

「いい精度でクロスを上げても決まらないとアシストにはならないし、結果にも繋がらないけど、そこは信じて。フォワードも入ってきてくれてるから上げ続けます。少なからず運もあると思うし、運はどんどん引き寄せて。日頃から頑張っていればしっかり結果につながってくるのかなと思っています。自分としてもやり続けなきゃいけないし、自分自身ももっと貪欲にゴールを狙える位置までいけたらもっといいのかなと思います。」

 山口監督には、ポジションごとの工夫と判断を要求されている。その一工夫が得点を取り、勝点を積む鍵を握っているのかもしれない。

「フォワードだったら最後のところで簡単に打つんじゃなくてもう一個運んで味方の動きを待って打つとか、そういう駆け引きや落ち着き。僕だったらクロスとドリブルの判断のところだったりとか、最後のクロスの精度とか、飛び出すタイミングとか。そういうことを一人ひとりがもうちょっとずつ上げてかないとJ1でもっと上の順位にはいけないのかなと思います」

 現在のチームが抱える課題は90分の戦い方。前半に先制しても、対戦相手が後半から対応してきたときに、その上をいくことが難しくなっている。

「ダイレクトプレスっていうんですけど、前からどんどんプレスしていっていい場面でボールを取れる場面が多いし、相手が繋いでくるときに引っ掛けたりして、前半からいい取り方をして攻めてる。でも後半、相手がボールを蹴ってきたときに対処し切れなかったり、そこにボランチやフォワードが追いつかないという場面が多い。ボールを受ける選手がいなくて繋ぎきれなくなったり、相手のスピードの方が速くなってボールを持たれるシーンが多くなったり。やっぱり前半だけ良くても90分のゲームなので、しっかり90分間戦いたい」

 降格圏を抜け出した今だからこそ、勝点3への意欲は高い。

「団子状態なわけで、1つでも多く勝てば降格圏からもっと離れることができる。逆に負けるとどんどん下に引きずり込まれてしまうので、そこは1試合1試合戦っていきたい。選手同士でも降格圏を見るんじゃなくて、1試合1試合を積み重ねていこうと言っています。難しいシーズンですけど、目の前の試合を一つずつ勝っていくしかないという感じですね」

 山口監督は、今シーズン始めからコーチとして加わり、それほど長い期間ではないものの、選手から得ている信頼は厚い。

「智さんは本当にサッカーに詳しくて、練習からみんなに指摘したり、指示があって、自分にプラスになるところがすごく多い。智さんのサッカーも、やっていて充実感があるというか。J1で通用すると思うし、あとは結果だけ。しっかりボールを保持していくサッカーは、敏さんのときからやってましたけど、そこの精度がもっと上がりました。ボールをもらう位置だったり、離すタイミングだったり、仕掛けるところ、仕掛けないところとか。ボールを奪われたときの対応、ダイレクトプレスで奪い返す人のいく位置だったり、タイミングだったり、行くスピードだったりも要求される。智さんも選手のことを認めてくれているから要求が高くなると思う。そういう一つひとつが少しずつですけどレベルアップしてますし、やり続ければもっとよくなると思います。監督も選手たちを信頼してくれているんだなというのが伝わってきて、めちゃめちゃいい雰囲気でできていると思います」

 選手と監督、結果が出るのは必然の信頼感。この信頼をより深め、さらに勝点3という果実を収穫する回数をできるだけ多く重ねてほしいと願っている。

>どんな時でも気持ちはブラさず めざすはチームの勝利