ボイス

【ボイス:2021年7月30日】池田昌生選手

一瞬の隙を与えない
勝ち切る力を大事にしたい
 中断期間までに22節を戦い、4勝9敗9分で14位。ここまでの戦いぶりを振り返ると、特に中断前に重ねた複数失点での黒星に目がいく。

「でも、その1試合1試合でやることは変わらないし、試合に向けての準備も変わってないし。ただ、その試合で今まで準備してきたものを、うまく発揮するかしないかで結果は変わってくると思う。発揮できたときは勝てるだろうし、うまく発揮できなかったときは柏戦(6月27日開催27節)やルヴァンのFC東京戦みたいな結果になるのかなと思います」

 中盤戦は、引き分けが多かったが失点が少なく、堅守とも言われていた。そこからの変化は気になるところだが、選手たちはいかに自分たちの力をうまく発揮するかに重きを置いている。

「僕、個人的に思うのは、堅守といってもやられるときはやられると思うんですよ。それを引きずらないことが自分の中では一番大事なんじゃないかなって思いますね。今、ずっと首位を独走している(川崎)フロンターレに対して、1対0で終盤までもつれこんで、最後に追いつかれましたけど、僕たちはああいう試合もできるので。やっぱり準備したことを試合でうまく発揮するしかないっていうところ、そこが大事なんじゃないかなと思います」

 うまく発揮できないこともあるが、それよりもここまで積み重ねてきたことに自信を持っている。

「今シーズン、新しい選手が半分くらい入って、キャンプから敏さん(浮嶋監督)がいろいろなことを落とし込んでチャレンジして。リーグが開幕して、もう7月に入りますけど、選手全員が理解できていると思います。どういうサッカーをしたい、こういうときはこういう攻め方をする、こういうときはこの守り方で、とか。それをさらに選手同士ですり合わせることをもっとうまくできれば、敏さんが思い描いているサッカーはより体現できるんじゃないかなと思います。より細かくする合わせるとか、近いポジション同士でより話すとか。『こういうときはこうだよね』とか。連戦で試合に出るメンバーが変わりますけど、だからより日頃の練習でそういうことをすることが大事なのかなと思います」

 池田選手が考える、今の課題とは。

「引き続き得点力っていうのは課題だと思います。でも、なんていうんですかね、勝ち切る力というか。柏戦も80何分まで2対1で勝ってて…。守り切る力じゃなくて、勝ち切る力っていうのが大事なのかなっていうのは思いますね。勝ち切るっていうのは、得点もそうだけど、最後のところでみんなで体を張るところだったり、一瞬の隙を与えないっていうのも勝ち切るにつながっていくと思うので。勝ち切る力っていうのが大事だし、課題なんじゃないかなって思いますね。難しいっすね、今の課題。難しいな」

 勝ち切る力の後押しは、ファン・サポーターの力を借りたいところ。ちなみに池田選手にとってコロナ禍で一番辛いのがスタジアムの感染対策のための人数制限や応援の制限だという。

「せっかくJ1に来たのに満員のスタジアムでサッカーできないっていうのがすごく悔しいというか、悲しいですね。声も出せないし。声援のある中でサッカーやりたかったなっていうのは、一番に思います。でも、J3に比べたら、人数制限があっても多いし、それだけでもモチベーションが上がるし、気持ちは昂りますね」

 声は出せなくても、手拍子や拍手は選手たちの耳に届いている。

「コロナで難しい状況ですけど、制限がある中でも満員にしてくれて、来てくださるファンやサポーターのおかげで自分たちはプレーできていると思っています。声はなくても力が出るし、後押しされている感覚があるので、本当に感謝しています。その分自分たちは、やっぱりピッチで表現して、結果を出さないといけないと思う。最後、シーズンが終わったときに、僕たちもそうですけど、いつも応援してくださってる皆さんと笑ってシーズンが終われるよう頑張りたいと思います」

取材・文 小西尚美
協力 森朝美