ボイス
【ボイス】橋本琉選手入団記者会見
【NPO法人Being ALIVE Japan理事長 北野華子氏】
NPO法人Being ALIVE Japan代表の北野と申します。皆様本日は橋本琉(はしもとるい)選手の入団記者会見にご来席いただきましたこと誠にありがとうございます。
6歳児の入団会見に10何社のメディアの皆さんが来ていただき、本当嬉しい限りで素敵な入団式になること、とても楽しみです。
まずはじめに新型コロナ禍にも拘らず、チームの方々も色々新しく状況が変化し困難な中、こうした長期療養のお子さんの入団を受け入れてくださった湘南ベルマーレの皆様に改めて感謝申し上げます。
そして実は昨年の今日、11月11日今回入団する琉くんの病気がわかった日であり、また入院した日になります。
人生で一番苦い記憶になるだろうと考えていた11月11日に、今日新しい最高の子ども時代を、青春を実現できる日になること、また大事な日になること、
そういったことを実現できたことを嬉しく思います。
長期療養の琉くんをはじめ、長期療養のお子さんたちにとって入院治療よりもこの後退院して地域の中で通院治療を続けていく方がずっと長く病気と付き合っていくことになります。
病院の中で病気を一緒に治してくれる医療チームがいるように、治療しながらも色々な経験だったり人に出会って最高の子ども時代を送れる、実現できるそんなチームをまた仲間を作ることが「TEAMMATES」の趣旨になります。
琉選手は本日からベルマーレの一員としてチームの活動に参加していきますが、その中で精神面、身体面、社会面の自立を支援していくと共に、長い療養生活を一緒に支えてくれる存在を作っていくことがこの事業の活動になります。
私たちがこの活動で一番力を入れていることは、病気のことへの配慮も勿論なのですが、それ以上に湘南ベルマーレさんのスローガンにも重なる部分があります。入団したお子さんが「たのしめてるか。」といったことを実現していくなかで、チームと一緒に話し合ったり、またサポーターの方に協力していただいたりしています。
私自身この活動で重要なのは、一緒に考え行動してくれて寄り添う存在を増やしていくということが、長期療養のお子さんにとって貴重な支援だと考えています。
この活動趣旨、またこれからやっていく事業に今回ご賛同いただいたのが、東日本急行様になります。
今回この活動を今日から来年の12月いっぱいまでご支援をいただき、サポートしていただくことになります。改めてこの場を借りて御礼を申し上げます。
最後にメディアの皆様にも琉くんのこれから「TEAMMATES」の活動をはじめ、一緒に寄り添ってくれる存在をいっぱい発信していただくことで一緒に琉くんをはじめ病気のあるお子さんたちに寄り添うコミュニティを作っていけたらと思っています。
スポーツが療養中の子どもたちにとって諦めるものだったり、遠い存在にあるものではなくて、自分を支えてくれる仲間がたくさんできる近い存在になってもらえたらなと思っています。
改めまして、本日は皆さまご列席いただきまして、ありがとうございます。
【湘南ベルマーレ代表取締役社長 水谷尚人】
皆さん、こんばんは。
今日本当にお忙しい中、この会見に参加いただきまして本当にありがとうございます。
また昨年に続き2回目になりますが、今日この場で北野理事長と琉くんと入団の調印式を行えることを本当に嬉しく思っております。
なぜ我々がこの「TEAMMATES」に参加しているかというお話しを少しだけさせていただきますと、2つございます。
ひとつは1999年から2000年にかけて湘南ベルマーレが存続に危機にあったときに、本当に地域の人に助けられて活動を続けることができました。
その時から社員も選手も全員常に何らかの形で地域に恩返しがしたいということを思っています。
そんな中、我々のミッションは「夢づくり 人づくり」です。
人に救われて活動できた我々が夢を提供すること、素敵な地域を構成する、人をつくることというのが、我々のミッションだと常に皆で話し合っています。
北野理事長から、この活動を一緒にやりませんか?と言われた時には、みんな二つ返事で答えたのが昨年のことでございます。
またもうひとつ、皆さんご存じの方も多いと思いますが、我々の仲間であるフットサル選手の久光の存在がございます。
久光が神奈川県のがんセンターで小児病棟の子どもたちを対象にフットサル教室をやっているときに、実は昨年参加いただいた琥太郎くんが参加して、また北野さんと繋げていただいて縁ができています。
もしかしたら久光をご存じない方がいらっしゃるかもしれないので少しだけ紹介させていただくと、7年前の2013年に肺がんを発症して、その肺がんと闘いながら今もプレーを続けたり、地域に元気を与えたりと活動をしています。
そんな彼の存在も我々の大切な財産でございまして、彼と一緒にこの活動も取り組みたいと思っている次第でございます。
昨年一年間琥太郎くんに参加いただいて、うちの選手たちにとっても大変刺激的な瞬間がたくさんあったと思います。
明るく振る舞い一緒に活動したり、ボールを蹴ったりということがありましたけれども、選手たちも色々なことを感じていたんじゃないかと思います。
そのひとつひとつがきっとサッカーに戻ってきますしプレーに戻ってきて、我々が生活をしているこの地域が少しでも明るくなればと思って選手たちも活動しているんじゃないかなと思っています。
先ほど北野理事長からありましたが、今回この活動に東日本急行さんに多大なご支援をいただいています。社長とは何回も話すのですが、やはりお互い大変な人がいたら助け合っていこうよと、利他の精神だねとよく言われています。
そんな気持ちを我々も共感しながら、思うだけじゃなくて体現しながら活動していかなければいけないなと思っている次第です。
今皆さんもそうだと思いますけど、コロナで本当に大変な中ですが、こういう活動を通じて少しでも地域が明るく元気になって笑顔が連鎖していくような空間を作っていきたいなと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。今日はありがとうございます。
【入団選手について】
氏名:橋本 琉(はしもと るい)
年齢:6歳 神奈川県伊勢原市
背番号:61番
橋本琉選手 一問一答
–ユニフォームの背番号61番を選んだ理由はなんですか?
琉:僕の名前の「るい」をみんなに覚えてもらえるように61番にしました。
–選手にはなんて呼ばれたいですか?
琉:「るい」です。
–チームに入って楽しみなことはなんですか?
琉:スタジアムで選手に会えたり、試合を近くで観れたり、一緒にボールを蹴れたら、最高です!
–チームに入ってできるようになりたいこと、目標はなんですか?
琉:リフティングを10回。
–どんなTEAMMATESになりたいですか?
琉:選手たちやスタッフ、サポーターのみんなから元気をたくさんもらえて、僕もみんなに元気をあげられるTEAMMATESになりたいです。
【2019シーズンTEAMMATESの高田琥太郎くんから歓迎のメッセージ】
琉くん入団おめでとうございます!これから楽しいことがいっぱい待っていると思います。
僕はベルマーレの活動を楽しみにながらサッカーのことを色々学びました。
琉くんもいっぱい楽しんで頑張ってください。
これからTEAMMATESの活動を一緒にできることを楽しみにしています。
初代・湘南ベルマーレTEAMMATES 高田琥太郎
【質疑応答】
(水谷社長へ)
–先ほど2つ返事で受け入れて始まったとお伺いしましたが、ご苦労される部分もあったのかと思いましたが、力を入れて体制を作った部分がありましたら、教えてください。
特に何か力を入れたということはないですが、正直言うと選手たちがどういう反応するかなと、心配というより読めなかったんですけど、選手たちが積極的に関わってくれて、選手たちも去年ずっと琥太郎と一緒にボールを蹴ったりしてくれたので、本当心配することや戸惑うことも全然なかったですね。
–社長から見て選手たちも何か元気が移ったように見えたか?
そう思いますし、スポーツ、我々はサッカーですけどサッカーの持つ力というのを改めて選手たちも感じたんじゃないかなと思います。
サッカーを通じて、子どもたちが明るい笑顔に変わっていくのを間近に触れること、そうすると先ほど笑顔の連鎖というお話しをしましたけれど、子どもが笑顔になると親が笑顔になったり、兄弟が笑顔になったり、そういうような連鎖が生まれるというのを少し感じることができたんじゃないかなと思います。
–今後、選手との具体的な交流の日程などは?
日程はこれからですね。特にコロナの件もあるので、慎重にスケジューリングはしなくてはいけないなと思っています。
–今回期間が長いのは、コロナの影響ですか?
はい。実は早い時期にスタートしようと思っていたんですけど、コロナで色々あって遅れてのスタートになってしまったので来シーズンいっぱいになりました。
–ベルマーレがこの事業にトライできた理由、他のチームとの違いはありますか?
先ほどお話しましたけど、地域に生かされて活動できているクラブですので、地域のためになることがあればみんな積極的に取り組もうよという気持ちがあります。
よくJリーグでは地域貢献と言いますけれど、僕らは全然貢献とは思っていなくて、地域の方と一緒に歩んでいくというのが僕らのスタイルですので、自然にそういうマインドがクラブにあるのかもしれないですね。
–今回琉くんを受け入れることについて、改めてどういう気持ちか教えてください。
本当に大切なお子様をお預かりするような形にもなりますし、そのお子さんがベルマーレ、選手に触れることによって少しでも明るく元気になってほしいなと思います。笑顔の回数が増えることをとにかく求めていきたいなと思います。
(北野代表、橋本琉くん、橋本琉のお父さんへ)
–(琉くんへ)琉くんはベルマーレの試合を何回くらい観たことがありますか?
5回くらい。
–(琉くんへ)ベルマーレをきっかけにサッカーが好きになったのかな?
はい。
–(琉くんへ)好きな選手はいますか?
冬一選手。(鈴木冬一選手)
–(お父さんへ)琉くんはどんな感じでこの日を迎えられましたか?
すごく楽しみにしていたんですけど、緊張で全然喋れてないです(笑)
–(お父さんへ)この事業を通して、どんな風になれば良いなと思っていますか?
ベルマーレさんのこの活動に参加させてもらって、心身ともに成長できればと思っています。
–(琉くんへ)今日どんな気持ちで会場に来ましたか?
緊張しました。
–(琉くんへ)一番楽しみなことはなんですか?
選手とボールを蹴れたりすること。
–(琉くんへ)ユニフォームを着てどんな気持ちですか?
嬉しい。
–(琉くんへ)サッカーの中で一番好きなプレーはありますか?
今はわからないので、これから選手に教えてもらいます。
–(お父さんへ)おうちではサッカーに関して、先ほどリフティング10回したいと言っていましたが、実際にサッカーボールに触れる機会はあるのですか?
はい。あります。上の兄が2人ともサッカーをしているので。
–(お父さんへ)琉くんは今何回くらいリフティングができるのですか?
今はリフティング3回くらいですかね。
–(北野代表へ)去年のコタくんは、どれくらいチームに参加する機会があったのですか?
(昨年の)7月14日に入団をして12月8日までの5か月間ですね。
–(北野代表へ)毎月何かしていたのですか?
そうですね。練習に参加は3、4回くらい行っていまして、試合にも同じくらいの回数行きました。またコタくんのグッズがあったら良いなということで、ベルマーレさんが制作して試合の会場などでその販売をさせていただいたり、ベルマーレさんのスポンサーのイベントやフットサルのイベントにも参加させていただいたりなど、色々と練習と試合の活動以外にもチームのサポーターさんとの交流という形で参加させていただいていました。
–(北野代表へ)今後のスケジュールは未定ということですか?
そうですね。今後のスケジュールに関してはコロナの状況をみながら参加をしていく形ではあるんですけど、今シーズン中にはオンラインもオフラインも兼ねてやっていけたらなと思っています。
–(北野代表へ)この活動をなぜベルマーレがやれていると、北野さん自身は思いますか?
まずは始めにこの活動を持っていく際に、水谷代表からお話させていただいたあとにやっぱり運営のスタッフまた実際にチームで選手と関わっているスタッフの方だったり、選手だったり皆さんに研修やお話をさせていただいて、チームで合意をいただいたところで実現できているという形になります。
代表の方が良いからといって取り組める事業ではなくて、やっぱりチーム全体で理解をしていただいてはじめて活動が実現していくという形にはなっているんですけども、他のチームがなぜできないかという話はちょっと置いておいて、そこのチーム内の合意と調整をベルマーレさんはスピード感をもって積極的にしていただいたというのがひとつ大きな理由かなと思っています。
–(北野代表へ)社長のみならず、選手、スタッフの理解が深いということですか?
そうですね。選手の方々も積極的に声をかけてくださったり、もちろん皆さん練習だったりプロの方々なのでご自身がやる役割だったり責任がある中でも、お子さんに声をかけてくださったり、皆さんそれぞれが行動に移していくという事が必要になってくるので、他のチームができていないというよりは、私たちがチーム側に、お子さんと事業にコミットできる体制と環境をお願いしており、それをチーム内でタイミングの調整や理解を得るのにはすごく時間が必要である、という方が正解なのかなと思っています。
–(北野代表へ)Jリーグの他のチームで同じような「TEAMMATES」活動をしているクラブがこの1年で増えたりしたか?
Jリーグで言うと、モンテディオ山形さんも現在受け入れてくれています。今年の12月まで一緒に活動することになっています。
コロナによって影響はあったんですけど、実はコロナの前にはJ3のチームだったりとか他のJリーグのチームからもお声がけいただいたというのはあります。
ただちょっとコロナによって、皆さん色々状況が変わってしまって一回お話しが止まってしまっているというのがあるんですけど、ベルマーレさんが活動を実施してくださったことで、他のチームにも知っていただく機会にもなって実際お声かけいただいたりとか、実現するのにどういうことが必要なのかというお話しをいただいています。
先ほど言ったその過程が、皆さんまだやっている最中にコロナになってしまったということで、実現ができていないというところになっています。
–(北野代表へ)今回、橋本琉くんに決まった経緯というのは、どういった繋がりからですか?
ベルマーレさんと一緒に募集をかけさせていただく際に私たちから募集をかけるのと、ベルマーレさんもリリースを出していただくんですけど基本先着順になっています。
先着いただいた方から実際にそもそも琉くんが活動して参加できる治療状況であるのかだったりとか、そのお子さん自身がここに参加して色々身体制限があったりすると、なかなか来ていただいても体験が多くできなかったり、お子さんにとっても結局良い体験には繋がらなかったりするので、そういった条件を確認して最終的に入団が決定する形になっています。
琉くんは、結構早くて募集かけてからすぐに応募いただいて、優先順位が高かったということで、そのまま入団という形になりました。