ボイス

【ボイス:2020年10月30日】石原直樹選手

拍手に感じる心強い存在感
勝利にこだわって感謝を伝えたい
 新型コロナウイルスの影響で、誰もが経験したことのないシーズンを送っている。リーグ戦は予定通り開幕したものの、感染拡大防止の観点から第2節から2カ月間ほど延期された。予想外の長さの中断期間を挟んだことで、再開後は2週間で3試合開催のタイトなスケジュールで試合が行われている。

「僕としては試合勘が残っているなかで試合ができるということはありがたいですけど、運動量を求められるポジションだったり、連戦をあまり経験したことのない選手にとっては自然とストレスとか、体への負荷はかかっていると思います」

 選手たちは、これまで経験したことがないストレスとも戦うこととなった。それに加えてスタジアムで開催される試合も、イレギュラー。再開後の2試合は無観客で行われた。

「僕は初めての体験で。やっぱりお客さんが入ることで観てくれる人を楽しませたいとか、モチベーションが上がっていくので、最初の頃は雰囲気から練習試合の延長みたいな感じはしましたね。1試合の重みがちょっと変わってしまうような。変わらないんですけど、そういう雰囲気にさせてしまうような感じはありました」

 無観客の試合を経験したあとは、上限5000人など入場人数に規制があっても、客席がサポーターで埋まるありがたみを強く感じている。

「客席にいる方のリアクションがリアルに届くので。声は制限されても拍手だったり、手拍子だったり、良いプレーをしたときには反応もありますし、気持ちは伝わりますよね。普段はホームとアウェイで思いっきり差があるけど、いまはちょっとやり慣れてる場所か、やり慣れてない場所かの違いになっている。できればやっぱりたくさん人が入って欲しいなと思います」

 改めて感じるのは、サッカーができる喜びと、互いに支えあっていることを実感したファン・サポーターの存在。

「やってる方が楽しくできれば、それが伝わると思うし、どんな状況でも勝った試合と負けた試合では、大きな差があると思うので、勝てるように。今はいろいろ思い通りにいかないことが多くなっているけど、当たり前のことをちょっとずつ取り戻せていることもあるので、僕たちはその感謝をしっかりピッチで表現して、プラス結果にこだわってやっていきたいなと思っています」

取材・文 小西尚美
協力 森朝美