馬入日記
【馬入日記:1月27日】貴重な経験を積み復帰。石原広教選手インタビュー
スペインキャンプに来て初めて、今日は1日オフになりました。
とはいえ、午前中の自主練習には半分くらいの選手がグラウンドに出てトレーニング!
午後は思い思いに過ごしたり、みんなでショッピングモールに行ってお買い物したりとリフレッシュして過ごしました。
さて、昨年アビスパ福岡へ期限付き移籍していた石原広教選手に話を聞きました。
小学生の時からベルマーレで育ち、プロ3年目の年に初めて湘南を出てプレーしました。
「すごく濃い一年だったと思います。行ってすぐは生活面でも慣れないことが多くて、環境の変化になかなか対応できませんでした。チームでも外国人監督は初めてだったし、それまでやっていたサッカーとは180度くらい違うサッカーだったので、最初は悩むことが多かったです。自分の良さであるオーバーラップを出すことは求められず、自分が起点になって試合を作るということを求められました。そこに慣れるまでにめちゃくちゃ時間がかかりました。開幕スタメンでは出られたんですけど、なかなかリーグ戦で自分の良さを出せませんでした」
試合には出場していましたが、思い悩む時期が続いていました。打開できたタイミングは意外な出来事でした。
「自分が出せるようになったのは、実はU-20ワールドカップの代表メンバーに外れてからなんです。逆に吹っ切れるような感覚でそこから調子が良くなりました。U-20のメンバーには、自分でも入れないなと思っていました。福岡で試合には出ていたけど手応えもなかったし、メンバーに入ってもチームにとって良くないんじゃないかと感じていた。5月のメンバー発表の直後のヴェルディ戦から伸び伸びプレーできました。悔しさもあったからがむしゃらにやれたということと、もう失うものもなかったし、変なプレッシャーもなかった。自分の中で、もうやるしかないと思えた。今まであまり言ってなかったですけどそれがきっかけでよくなったと思います」
その後、福岡で大いに存在感を発揮し、チームの中心として最後まで活躍を続けました。
「特徴として、走るとかハードワークするといった選手が多くはなかったから、チームにないプラスの動きができたかなとは思います。今まで一年間を通して試合に出たことがなかったので、シーズンを通して試合に出られたことは大きな自信に繋がりました。レギュラーで試合に出ることの責任感も学ぶことができた。出られない時期も味わってきたので、そういう気持ちも考えながらプレーしていたし、逆に出続ける選手の気持ちも分かりました。出続けると慣れみたいなものも生まれてしまって動けない試合が出てきてしまうこともある。でも、その慣れを作らないようにプレーするというところも今まで感じられなかったことなので、そこはいい経験をさせてもらったと思っています」
知っている人が全くいない中でスタートした一年、悩むことも多かったようですが「自分の成長を考えたら、知ってる人がいてその人を頼ってしまうよりよかったと思います」といま振り返ります。
そして、たくさんの貴重な経験を積み、今年湘南に帰ってきました。
「メンバーもかなり代わってますけど、やっぱり選手同士の仲がいいですし、チームの雰囲気はめちゃくちゃいいですね。若い選手が伸び伸びやれる環境があるなぁと感じています」
浮嶋監督はジュニアユース時代の中学3年時に指導を受けた監督です。
「敏さんは前の年までトップのコーチをされていて、僕らが中3になるタイミングでジュニアユースの監督になって指導してもらいました。昨年の移籍の時も敏さんが話を聞いてくれました。アカデミーの時と全然変わってないですね。外にはあまり出さないように見えるけど、内はめちゃくちゃ熱いっていうところとか、本当に変わってないです」
そして、実際にプレーして今年のチームに対しての印象は…
「今までに比べたら、技術の高い選手が増えた印象。今までカウンターが武器だったけど、これは曺さんも以前から言っていたことですけど、速い攻撃だけじゃなくて遅攻もできるようにならなければいけない、と。いま敏さんがやっている時間をかけてゴールに迫っていく攻撃というのは、キャンプ中にもすごくよくできているので、そこの武器がひとつ増えたのはいいことだと思います。今まで得点が少なかったと思いますが、相手に引かれた時に崩せるチャンスメイクというのができる選手が多い。そこからでも点が取れるというのはチームにとって戦いやすくなったんじゃないかと思います」と手応えを。
練習試合やミーティングも含め、細やかな確認を重ねています。
「試合をやっていても、距離感がいいのでやりやすいし、単調な攻撃が減ったかなと思います。今までは一発背後に蹴って…ということが多かったけど、ボール大事にしていくサッカーもやろうとしている。ただ湘南の根本である、前線からのプレスもしっかり今までどおりいけているし、失った後の切り替えも早くいけている。そこにプラスして今取り組んでいることがあると、より強いチームになれると思います。より頭は使うけど、簡単に崩せるところは簡単に崩せる。うまく周りと連携がとれていたら楽しいサッカーができると思っています」
個人としても強い覚悟をもって帰ってきました。改めて今シーズンに向けて。
「まず個人としては試合に出るということ。今までどおり1試合1試合、目の前の試合を大事にして。敏さんも言っていたことですけど、目の前の相手だけを見て、負けないように戦っていきたいと思います。サポーターの皆さんに、自分らしさは持ちつつも、やれることが増えたなとか成長して帰ってきたなと思ってもらえるように頑張りたいと思います」
もともと持っている湘南魂と福岡での貴重な経験で得られた力を融合させ、ピッチで躍動する石原選手に期待しましょう!
ところで、ニュースでもお知らせしましたが、この度、桐生第一高校から加入しました若月大和選手がスイス・スーパーリーグ(1部)のFCシオンへ期限付き移籍することとなりました。
U-17ワールドカップのオランダ戦での2ゴールをはじめ活躍したことで世界に注目された18歳。
昨年は桐生第一高校の活動と並行して、トルコキャンプの帯同から特別指定選手として練習参加をし、リーグ戦、ルヴァンカップでも試合出場を果たしました。
今季、ベルマーレでのプレーが見られないのは残念なことですが、若月選手自身の夢であった海外クラブでプレーできるチャンスを自ら掴みました。ぜひサポーターの皆さんには、ベルマーレの選手と同様の愛情をもって応援してください!
若月選手のコメントはこちらをご覧ください!
http://www.bellmare.co.jp/231307