馬入日記
【馬入日記:11月11日】「湘南らしく」山田直輝選手インタビュー
アウェイで行われたセレッソ大阪との一戦。
結果は0-1の敗戦となり、連敗を止めることはできませんでした。声援に応えることができず、悔しさが募ります。
しかし、選手たちがピッチで見せた戦いは、湘南の魂を感じるものでした。
積極的に前に出ていき、全員が連動して何度も追い、球際で戦い抜いた90分。湘南らしさを取り戻したとも言える試合でした。
だからこそ勝ちたかった、という想いは強くなるばかりですが、自信が蘇り次に繋がる試合だったことは間違いありません。
この試合、シャドーの位置でスタメン出場した山田選手に話を聞きました。
「湘南がJ1で勝点を取るためにやらなければいけない最低限のことはできたとは思います。その中で勝点0に終わったというのは自分たちの力のなさだと思う。でも、こういう試合を続けていくしか自分たちに道はないと思っているので、湘南らしく戦えたということはよかったと思います」
立ち上がりから積極的な姿勢で、前線からスイッチを入れていました。
「前線の3人は常にスイッチを入れろということは言われていました。90分持たせようと思っていたわけじゃないし、最初から全開でいけたことはよかったと思います。セレッソ戦はすごくやりやすくて、やっていて僕はすごく楽しかったし、みんなそういう気持ちでできていたんじゃないかと思います。それが、どんどん前に行く意欲に繋がっていたと思う。やっぱりやっていて楽しいと思えないとダメだなと思いました」
試合を観ている人からも「選手が活き活きとプレーしていた」「楽しそうだった」「見ていて楽しめた」という声を多く寄せていただいた試合でした。観ている人と選手の感覚は同じなのだと改めて感じる試合でもありました。
「僕らも、試合に出ないでベンチで見ている時、何もできなくて負けてしまう時って、選手が楽しそうじゃないし躍動感がないなと思う。やっぱり湘南は前からいくことによって楽しい気持ちだったり躍動感を出せるなと感じました」
ハーフタイム、浮嶋監督からは「相手に“まだ来るか、まだ来るか”と思わせるくらい積極的に」という指示がありましたが、まさに後半もその姿勢は衰えることがありませんでした。
「ずっと前からいっていたから相手は嫌がってるなと感じました。例えば中盤でフリーな選手を作られても、相手は“プレッシャーがきてる”と思って自分たちで勝手に後ろに下げてくれたりというシーンもあった。そういう見えない圧もかけられていと思います」
それだけに、後半開始早々の失点が悔やまれます。
「ゴール前に攻め込まれても必死に守るという湘南らしさも出せていたと思います。本当にあの失点のシーンだけというか…。昔から思ってますけど、89分よくても1分でやられるっていうのは湘南のよくないところ。90分しっかり守る、点を取り切るっていうことができなければ、やっぱり勝ち切れないと感じています」
それにしても、セレッソ戦のような試合は疲れ方も違うのでは?と聞くと…
「全然違いますね。セレッソ戦では、楽しさを感じられず自分たちの思い通りにいってない試合の前半分くらいの疲労感しかなかった。湘南らしさがなくてハマらない時ってびっくりするくらい疲れるんです。意欲があっても、行け行けって言われてもキツい。でも自分たちからスイッチを入れてやってる時って身体の疲労感も全然違います。“これが自分たちだ”っていうのを前面に押し出そうって試合前からみんなで話していたし、それを表現できたので。あとは結果を、なんとかしたいと思います」と。
そして自身の攻撃面を聞くと。
「同じスタメンで出たマリノスの時は、監督が代わって1試合目だったし守備のタスクが多い試合になるということは分かっていました。セレッソ戦は、前から行ってボールも前からとれていたので、もっと攻撃に絡みたかった。“もっと俺にパス出せよ”って思ってました(笑)。俺に出してくれればもっとやるのに!って思えた。でも攻撃が停滞していたわけじゃなくて流れていたので、自分もポジションを崩さないように、流れを崩さないようにと思ってやっていました」
「俺にパス出せよ」と思える時は心も体もいい状態の時。実際にチーム全体でも後ろ向きなバックパスなどはほとんどない印象でした。
「相手にプレッシャーをかけられて下げたボールでも、すぐに前やワイドの裏にいいボールを出せていたと思います。攻撃も相手が引いたからゆっくりするんじゃなくてそれでも前にいけてたから、ここ最近の中で一番よかったと思います」
鈴木冬一選手との関係性も見応えがありました。
「冬一とは何も喋らなくても分かるので。アイツは試合に出てることを楽しむからドリブルし出すと全然俺のこと見てくれない(笑)。でもそれはそれでいいんです、どんどん使ってくれれば」
残された試合は3試合。
試合後、選手たちは悔しさでいっぱいの表情ではありましたが、ようやく掴んだ自信や次へのエネルギーが身体中から発せられていることを感じられました。
「楽しんで、湘南らしくやるということ。僕らにはそれが一番勝点をとれる確率を高められる姿勢だと思う。それができていない試合は散々な結果になってるので、もうそれを出すだけだと思う。結果というのは、自分たちでどうにかしなければいけないけれど、勝負の世界なので、運もあると思う。でも1%でも運が自分たちに傾くように湘南らしく全力でやるだけだと思います」
再びインターバルがあり、次なる試合はアウェイでのFC東京戦。
2週間、1日1日を大切に準備を積み重ねていきます。
セレッソ大阪戦でも、力強い声援をありがとうございました。