2019希望のボール＆ユニフォームプロジェクト活動報告 〜 インドネシア（スラウェシ島）の子どもたちへ 〜

湘南ベルマーレでは、2003年より被災地や戦争被害を受けた世界の子どもたちに向けて使わなくなったボールを送る“希望のボールプロジェクト”を実施してまいりました。皆様のご協力により2003年にナイジェリア、2005年、2006年にはイラク、インドネシア（アチェ）、西アフリカ（リベリア、シエラレオネ）、2009年にはベナン、カメルーン、ウルグアイ、東ティモール、2016年にはフィリピン（マニラ）、2018年にはパレスチナ（ガザ地区）の子ども達へボールを送りました。
そして、今年はインドネシア（スラウェシ島）の子どもたちへサポーターの皆様からご寄付いただいたボールとユニフォームを届けてきました！
とても素敵な笑顔がたくさん生まれたプロジェクトとなりましたので、ご報告いたします。

◆サポーターの皆様からのボールとユニフォームの寄付
8月17日（土）サガン鳥栖戦と9月1日（日）浦和レッズ戦の場外キングベルパークにて、ボールとユニフォームをお預かりするブースを出店いたしました。
多くのサポーターの皆様にご協力いただき、計120個のボールと380枚のユニフォームをご寄付いただきました。

◆インドネシア スラウェシ島の被災
スラウェシ島は、2018年9月28日マグニチュード7.5の地震により多大な被害を受けました。大規模な液状化現象や津波により死者は3,100名を超え、行方不明者は1年経った今でも数千名以上に及ぶといわれています。現在でも被災地の至るところに地震や津波、液状化現象の大きな爪痕が残っています。

・津波被害
当時、海岸沿いでミュージックフェスが行われていたこの場所では、多くの若者が集まりイベントを楽しんでいたそうです。
一度津波の警報が解除され、イベント会場に人々が戻った後、大きな津波が押し寄せてきて、多くの方が亡くなってしまいました。

・液状化現象の被害
スラウェシ島ドンガラ郡バラロア地区の液状化現象の様子です。
過去に例がない程の被害で、被災された方は「地面の中に町ごと吸い込まれた」「大きなミキサーの中にいるようだった」「家のお風呂とトイレが隣だったのに一瞬でお風呂が100m程先に離れていった」「コンクリート破片を掴んだら、ココナッツの木と同じ高さまで隆起した」等、簡単には想像できない内容の感想を述べられたとの事でした。この場所含め3箇所で大きな液状化被害がありいずれも海から離れた内陸で起こりました。水が豊かな地域であり、地面に水を多く含んでいることが原因ではないかと言われていますが、正確な原因は不明です。

◆仮設住宅
スラウェシ島ドンガラ郡シンドゥエ地区にある仮設住宅の様子です。ここには被災により家を無くした96世帯のご家族が住んでいます。
今回の希望のボール＆ユニプロジェクトはこの仮設住宅に住んでいる子どもたちを対象に実施いたしました。
※ボールとユニの一部は仮設住宅近くにある地域のサッカーチーム、ロンボク島で被災された方々へもお渡ししました。
この仮設住宅は、本プロジェクトへ多大なご協力をいただいておりますNPO法人ピースウィンズ・ジャパン様（以下PWJ様）と現地NGO団体のACT様が主体となって建設したものです。年中熱い気温が続くため、気温対策として床を上げて家の下に風を通す配慮もされています。

◆ボールとユニフォームの贈呈式
会場にはたくさんの拍手と笑顔で日本から来た湘南ベルマーレの訪問を歓迎してくださいました。

国民の多くがイスラム教であるインドネシアではお祈り行事は日常です。贈呈式冒頭にはステージ上でこの仮設住宅に住む少年が緊張した様子ながらも丁寧にお祈りをしていました。

仮設住宅に住む方々とその近隣住民の方々が多数集まってくださいました。

親善試合も行われ、現地サッカーチーム（緑）とベルマーレ＆ACTスタッフチーム（青）。白熱した試合展開になりました。結果は4対5でベルマーレ＆ACTスタッフチームの勝利！

（株）パイロットコーポレーション様からご提供いただいたボールペンも配布させていただきました。

◆子どもたちへのボールとユニフォーム寄贈、サッカークリニック開催
子どもたちにボールとユニフォームの寄贈を行いました。
子どもたちは大興奮。
取り合いにならないように列を整えたものの、興奮は収まらず皆、前に前に身を乗り出してボールとユニフォームとを受け取ってくれました。

サッカークリニックを開催しました。
男の子も女の子も終始笑顔でクリニックを目一杯楽しんでくれました。

被災し、辛い思いをしている状況で中には家族を亡くしてしまった子も多くいますが、今回のプロジェクトを通して素敵な笑顔で喜んでくれました。
この度、ボールとユニフォームをご寄付いただいたサポーターの皆様、ご協力・ご協賛をいただきました皆様、この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
皆様からお預かりしたあたたかい想いをボールとユニフォームと共に届けて参りました。

最後に、当日の子どもたちの様子とキラキラした笑顔の写真をご覧ください。