馬入日記
【馬入日記:9月9日】迷わず歩みを進める毎日。岡本拓也選手インタビュー
激闘の浦和戦が終わり、次節の大分戦まで2週間のインターバル。
3日間のオフが明けた後は、もちろん毎日厳しいトレーニングを積んでいます。土曜日にはジュビロ磐田と45分×3本のトレーニングマッチも行いました。
今日は岡本拓也選手に話を聞きました。
5月17日の第12節浦和戦でウォーミングアップ中に違和感があり離脱をしてから、思いのほか長い期間、ピッチに戻ることができませんでした。
待望の復帰を果たしたのは、8月3日の第21節鹿島戦でした。
2カ月半ほど離れる間に、チームの5連敗などもありました。
「ケガをしている時は、もどかしくて…。ただ、とにかく自分のできることを1日1日積み重ねていくことに集中しました。実は復帰をしてからのほうがしんどかったかなと思います。やっぱり体力的にもきついし動けないんです。心と体が一致しない感じが3週間くらいあったかなと思います」
それでも、鹿島戦での途中出場でピッチを駆け抜け勝利に貢献。その後、24節の仙台戦ではスタメン出場と共に、大野選手の出場停止を受けてキャプテンマークを巻きました。
高橋健二コーチは「拓也は声を出せるのでリーダーシップをとってしっかりチームをまとめてほしいと思ってキャプテンを任せた」と試合後に話していました。
「キャプテンについては、特に気負うこともなかったです。それ以前に久々のスタメンだったので、純粋に90分走り切れるかとか、そっちに緊張していました(笑)。ただ、走ることや身体を張るところは自分のストロングだし、このチームが大切にしているところなので、そういう姿は率先して見せていけたらと思っていました」
そして、続くホームでは岡本選手の古巣である浦和との対戦でした。
結果は1-1の引き分けでしたが、1試合を通して随所に湘南らしさを感じる試合でした。
「レッズと対戦するのは2016年の湘南にきた最初の年以来だったんですけど、あの時は正直勝てる気がしないと感じた記憶がありますけど、今回、相手の試合日程などの状況はあったけど、すごく成長しているなという実感が持てたし、純粋に試合を楽しむことができました」
その“成長”について具体的に聞くと…
「幅が広がってるなというか、選手それぞれが考えてプレーできる、相手の状況とか味方の状況を考えながらプレーできるようになってきてると思います。今までは、言われたことをやるということが多かったけど、それだけじゃなくなっているのは、ケガから復帰して特に感じました。復帰してからのほうがプレーしやすいという感覚がありますね」と岡本選手。
そして特に感じるのは「若い選手の勢い」ということ。
「すごい勢いがあるから、それを僕たちがどう支えてあげられるかが大事だし、彼らの成長が、うちが後半戦よくなっていくうえで大事なポイントになっていると思います。金子とか天馬(松田選手)とか、最初は全然ダメだったけど(笑)、後半戦になってめちゃくちゃよくなってる。天馬は去年は僕の前でシャドーをやることが多かったんですけど、全然動き方とかできていなくていつも僕に怒られてましたけど(笑)、最近はほとんど言う場面がないくらい完璧です。伸び伸びプレーできるように、ウメさん(梅崎選手)はじめ上の選手がやってくれてるのも大きいと思います。僕もみんなの良さを引き出せるようなプレーができればと思います」
鳥栖、仙台、浦和といい戦いができている手応えがありながら、勝ち切ることができていないのが悔しいところです。勝ち切るためには、と考えるとどういうところでしょうか。
「ここ数試合、安い失点をしてしまっているなと感じます。一人ひとりがやるべきことをしっかりやらないとああいう安い失点に繋がってしまう。そこはもう一度改めたい。サッカーは攻撃だけじゃないし、うちはしっかりした守備からいいリズムをつくるチームだと思うから、そこを見つめ直したいです」
それには、昨年からの成長とも言える状況があります。
「去年までは、勝つパターンとしては先制点を取って逃げ切るということが多かった。ある意味、守りの時間に入って逃げ切る戦い方しかできなかった。そうなると意外に守りやすい。守ることだけ考えればいいので。いまは攻撃にも出れているので、そっちに意識もいくからゴール前の意識が少し少なくなっている部分はあると思います」と。
2週間のインターバルは大切な時間になっています。「手応えがあるだけに勝ちたい」という気持ちは誰もが強く抱いているところ。
「他のチームであれば、こういう2週間空く時は緩んでしまったりするかもしれないけど、うちの場合はみんなで練習にしっかり取り組む。もし緩んでいる選手がいたら、他の選手がしっかり正してあげられるのがうちのチームの強み。いい意味の緊張感を持続したまま、次の試合に向かっていけたらと思います」
チームには、積み重ねてきたものがあるという自信もあります。迷わずに歩みを進める毎日。
次の大分戦に向けた1週間、また全員で積み重ねていきます。