ボイス

【ボイス:2019年3月1日】坂 圭祐選手

試合に出る喜びを今シーズンも!
成長を加速させることを誓う
「やっぱ、試合に出るって楽しいですね」 充実した昨シーズンを振り返って思うのは、プロとしての最大の喜びを知ったこと。また、サポーターから応援されることで、その喜びが倍増することも。

「大学は、サポーターが応援してくれるような環境ではなかったので、公式戦のデビュー戦からサポーターの応援してもらって、『これがプロなんだな』と感じましたね。ウォーミングアップのときにゴール裏にあいさつに行きますけど、そのときに何回か鳥肌が立ったときもありましたし。やっぱり力をもらってるなっていうのは、本当にあると思います」

応援の声に鳥肌が立つ体験をした最初の試合は、アウェイの浦和レッズ戦。

「アウェイ席、結構、場所を絞られていたんですけど、上の方まで湘南のサポーターがめちゃくちゃいて。あのとき、『すごいな』と思って、ブワーッと鳥肌が立ちました。埼玉は関東ですけど、やっぱり遠いと思うから『来てくれるんだ!』って思いました」

浦和戦で一角を占めたライトグリーンの塊に感激した坂選手の面白いところは、相手のサポーターからのプレッシャーを全く感じないところ。ぐるりと囲んだ浦和サポーターからの圧に対してはどこ吹く風だった。

「あのときは、うちがゴールキックを蹴るたびに浦和のサポーターがブーイングしてるな、ぐらいしか思ってかなった。相手チームのことは、気にしててもしょうがないですから」

この喜びを知ったからには、もう譲れない、というのもプロとしての思いだろう。今シーズンも新しい戦力も迎え、チームの体制は整った。ライバルとなるディフェンダー陣にも実力ある選手が加わっている。

「チームのメンバーもガラッと変わったわけではないけど、多少雰囲気は変わった。そのなかで出場し続けることが目標ですね。1年であったり、数年間、継続することであったり。中澤佑二さんは何年も連続でフル出場していたけど、それは監督が代わっても使われ続けているということ。本当にいい選手じゃなければできないことだと思うし、怪我をしないっていうのも大切。どちらをとっても出場し続けるというのは、簡単なことじゃないと思うので、そこを目指したいなと思います」

まずは今シーズンの初めの一歩となる開幕戦でスタメンフル出場を果たした。

「楽しみにしていたし、楽しかった試合でした。粘り強くやれたし、後半2点仕留められたのは良かった。去年だったら0-0で終わってもおかしくない感じだったので、そこは良かった部分かなと思う」

昨シーズンとの違いを実感できた試合となった。こうした違いを作り出すために、「Acceleration~加速~」をスローガンにした今シーズンは、昨シーズンとは練習の内容から変化がある。

「今年の練習、難しくて。結構、頭を使うような練習ばっかり。タッチ制限もダイレクトが多くて、僕は結構苦手なプレーなんで、チャレンジというか、克服していきたい部分でもありますね」

昨シーズンとは違うと感じる練習内容は、加速するために必要な違いをもたらしてくれるという実感がある。

「軸の軸は変わらないと思うんですけど、プラスαみたいな感じ。うまくいくと、『乗った』攻撃というか、できている場面もあるので。チームとしても『いいな』という場面が出てる時もある。曺さんも『マンネリじゃなくて新しいことをどんどんやっていく』というようなことを言っていたので。飽きないですし、自分もどんどんやっていこうという気持ちです」

また、チーム内での自分の役割も自覚する。

「ポジション的には、真ん中なのでもっともっとディフェンスリーダーになっていかなきゃいけない。というのもありつつ、若手といえば若手なので、もっと思い切ってやらなきゃいけない。ただ、チーム全体から見ると、年齢的にもちょうど真ん中くらいなので、上と下を繋げるとまではいえないけど、うまくコミュニケーションを取れるように。湘南は、年齢が上とか下とかで言いにくいとかそういうことはないけど、より良くなれるように、そういう存在になれたらいいかなと思います」

今シーズンは、ピッチ内外で自身の成長を加速させ、チームをさらなる高みへと引き上げる力となることを期す。シーズンの始まりから、アクセルは全開だ。

取材・文 小西尚美
協力 森朝美