「ベルマーレでもカラーゴールネットを作ろうと思ってるんだ」

サポーター仲間から、そんな話が出たのは、他のクラブでもカラーゴールネットが見られるようになった2009年のシーズン中だったと思います。

その後、昇格が決まってJ1へと心を躍らせる中、カラーゴールネットを寄贈するという話は着実に進んでいきました。

カラーゴールネットは他のチームへも納品した実績のあるスポーツ用品メーカーから購入することになりました。
しかしながら個人への販売はしていないということで、平塚の「にしきスポーツ」さんを通して購入し、翌年の3月末に納品されました。

ゴールネットと言っても、スタジアムによって大きさが異なるため、納品までには実際の平塚競技場のゴールのサイズに合うように総合公園の方と何度も打ち合わせを行いました。

そしてその後、Jリーグから使用許可を得た上で、2010年5月5日の第10節ヴィッセル神戸戦が、そのカラーゴールネットのデビュー戦となりました。

当日は総合公園のご好意で真新しいゴールネットを背に記念撮影し、試合前には贈呈式を行っていただきましたが、
その試合で初めてシュートを決めたのは、残念ながら対戦相手の都倉選手でした。
そして、ベルマーレの初ゴールは同じ試合での山口貴弘選手（現・U-15EASTコーチ）でした。

ちなみにゴールネットはサポーターから寄贈することとしたため、個人名が特定できるように募金ではなく、ボランティアを中心とした仲間で出し合いました。

今でもカラーゴールネットはベルマーレが主管の公式戦でのみ使用していただいており、今回この話を書くにあたり総合公園の方に「大事に使っています」と伺いました。

カラーゴールネットの寄贈を主導してくれた、今は亡き彼女もこの話を聞いたら喜んでくれただろうと思いますし、あのカラーゴールネットには彼女がベルマーレへ注いでくれた思いが詰まっていることを多くの方に知っていただければ嬉しいです。