J1リーグ第34節 名古屋vs湘南 試合後監督・選手コメント
監督コメント
曺監督 総括
お疲れ様でした。
選手は本当にミッションを達成したと思います。今年、僕は残留という言葉をあまり使ってきませんでしたが、選手自身が「来年のJ1の切符を取るために」と今年開幕して、その中で連敗したこともありましたし、今日のようにPKを2つ取られて負けたこともありました。ただ今日の試合は本当にスリリングで、前半はほぼパーフェクトな試合だったんじゃないかと思います。そこから後半は名古屋さん魂が我々のフットボールを壊しにきて、そこで少し運がないPKもありましたが、2-2にされたあと、あの時間帯から途中で入った大橋(佑紀)や(齊藤)未月とか、最後の(高山)薫とか、交代で入った選手が前に勢いを与えてくれたと思います。若いからとかベテランだからとかそういうくくりではなくて、あの展開をああいうふうに持って行けたというのはここ数年、湘南がJ1やJ2で戦ってきた結果の一つの証だったと思います。
「スタイルがあるよね」とか「湘南は若い選手が元気で良いね、湘南だと選手が伸びるよね」という声は、今の僕たちには褒め言葉に映らないというか、そのあとに「やっぱり落ちるよね」とか「負けるよね」と続くことをなんとか払拭したいと思って選手たちとこれまでやってきました。そのミッションをしっかり達成してくれて、非常にたくましい選手たちだと思いますし、来年また選手が出入りしたりいろんなことがあると思いますけれど、自分たちがルヴァンで優勝した、そしてこのJ1に残れたということを本当に次のステップにしてかなければならないと思いますし、まだまだチームとしても足りないところがたくさんあると思っています。
八宏さん(風間八宏監督)とは川崎フロンターレ時代から練習試合や試合を通して、僕が指導者になったくらいの頃からいろんな話をしていただいてきました。2-2で試合が終わった時に「川崎がもしからしたら取るかもしれないですね」と言った時に笑みを浮かべられて。試合後は名古屋のサポーターさんにもたくさん声援をいただきましたし、お互いに熱闘がこういう形で、お互いに幸せな1日になったというのはやっぱりサッカーの神様がいるのかなと思いましたし、湘南のサポーターの皆さん、スポンサーの皆さん、会社のスタッフ、育成のスタッフ・選手たちと同じように名古屋に関わる方にもおめでというと言いたいです。監督としてやれたことはあまりないと思いますけれど、代表してその言葉を締めくくりに、会見を終わりたいと思います。
曺監督 質疑応答
- 今季は負けないチームに変化してきたと思うがどう感じているか?
今年はシュートを打たれた数はリーグでも1番か2番に多いのですけれど、枠に打たれた割合は34%くらいで実はリーグで1番少ない。崩されても最後のところで身体を張って枠に打たせないというところは、もちろんそこまでで止められれば良いんですけれど、最後をしっかりやらないと天国と地獄の差が出ると選手にはずっと言ってきたので、彼らはそれを実践してくれたと思います。それは今日だけやったのではなくて、普段の練習やミーティングから自分たちと向き合って一歩、1cmを大事にしてきたからそういうふうに見えるのだと思います。今日試合に出ていない選手も含めてそこに向き合ってやってきたからそういうようなプレーがたくさん出たんだと思います。そういう意味では後ろの選手、ボランチの選手、前線で出たヤマ(山﨑凌吾)やシュン(菊地俊介)やツカサ(梅崎司)、彼らにしても今日の試合でたくさんシュートブロックをして勝ったというよりは、あのくらいはやらないと試合では勝ちきれないというのが自然と選手に浸透していったんじゃないかなと思います。ただ課題はたくさんあります。その課題は克服していかないともっと強いチームにはなっていけないと感じています。
- 前半リードして後半難しい展開になったが、もう少しこうしなければ、という反省はどこにあるか?
2-0になった後に3点目を取るチャンスがあったと思いますが、その3点目を取れていれば試合は終わっていたと思います。ただあそこで焦ってそれが取れないというのが今のうちの力です。ただし3点目が取れるほど今日の試合が楽に終わるとは思っていなかったので2-1、2-2にされるということはある程度想定内ではありました。今日は勝点1が勝点3の意味を持つ試合だったので、リードしている展開の時はハーフタイムに「0-0の気持ちで後半戦おう」とよく言うものですが、今日は「2-0だ、2-0から後半を始めるんだ」と話をしました。変に慌てる必要もないし、1点返されても落ち着いていれば良いと言う話をしたんですけれど、相手がシステムを変えてきた脇のスペースにボールを奪ってから運んで行ければ良かったのですけれど、ミスパスやロストすることが多くて名古屋さんを勢いに乗せてしまったところがありました。ただ90分のデザインで言えばそう言う時間帯もあるものなので、もっと監督が良ければ3-0、4-0になっていたんじゃないかなと思います。
- 今季の戦いで来季に繋がるものはどういうところにあるか?
ピッチに立つ選手の基準は間違いなくここ数年で上がってきていると思います。ただうまいとか、ただ速いとかシュートを決めると言うことだけではピッチに立てない。それはその基準があるから、その基準に追いつき、追い越せをするから選手全体のレベルが上がってきていると言うこと。どのチームもこれで終わりだとは思っていないと思いますが、我々はずっと長い間J1で戦ってきたチームではないので、今年のこのギリギリの経験は必ず次に生かされると思いますし、またカップ戦を優勝できたというのは自信にして良いものだと思うので、それも含めてまた湘南の歴史を刻む2018シーズンだったんじゃないかと思います。
- 2シーズン前も最終節で名古屋と対戦だったが、当時と印象はどう変わったか?
選手もたくさん変わられていますし、ただ本当に名古屋という大都市の中でこれだけ多くのサポーターの方が豊田スタジアムや瑞穂スタジアムに駆けつけて、本当に圧力のあるスタジアムだなと思いました。その中で2年前は我々はすでに降格が決まっていて遮二無二やった結果勝たせてもらえましたけれど、今日みたいな状況で名古屋さんと戦えたということは湘南にとっても非常に財産になる経験だったと思います。逆に名古屋の選手も経験のある選手、代表に入ったことのある選手がたくさんいる中で、クリーンファイトされていたと思うので、そこも試合を面白くしたと思います。お互いにというと偉そうな言い方になってしまいますが、また切磋琢磨してやっていきたいと思います。
- 監督として今季、どんな1年だったか?
100人いると99人が「そんなの無理だろう」と言うことを選手たちに掲げたいと思ってやってきました。「夢」とか「自分が目指す像」とか、そういうものに対して僕が「このへんで良いよ」とは全然言ってきていなくて、ただそれが選手にとって良いことなのかと言うのはずっとこれまで考えてきました。でも1番苦しい時に僕が「もうこの辺で良いよ」と言うことはそれこそが選手への裏切りになると思っていたので、負けようが勝とうが、言うことは変えてこなかったと思います。プロになって「俺はこのあたりの選手で、お金もこの程度までしかもらえない、代表にも入れないけど長くプレーしよう」とかではなくて、夢とか自分がこうなりたいという思いを失わせたくないというのは今年1年強く思っていました。ただそれが正解だったか、「お前そんな夢みたいなこと言っていて現実はどうするんだ」と言われればその通りなので、合っていたかはいまだにわかりませんが、僕の中では1人でもそういうふうに夢を持つ選手を増やす選手を増やしたいなと思ってやっていました。
風間八宏監督 総括
前半立ち上がりから良い形で入れたと思いますが、少しのミスでビハインドとなってしまいました。ハームタイムに選手たちが落ち着いたところからしっかり自分たちで得点しようと、3点目が入っていれば本当に良かったですけれどしっかり2点を追いついてくれた、それからここまで自分たちのテンポで試合ができたというのはこの1年間で力がついてきたひとつの証明だと思います。この選手たちはまだまだ上手くなると思いますし、もっともっと強い、面白いチームになるんじゃないかということを感じさせてくれる試合になりました。
風間八宏監督 質疑応答
- 0-2から追う展開になったが、ハーフタイムどのような指示を送ったか?
本当に少しの緩みというか、そこで前半は失点してしまった。ただここ最近ずっと言っているのは90分の戦いだと。例えば前半を0-1で折り返してきても関係ない、後半で勝つだけだと。また今日もそうでしたが2点差というスコアは君たちの力であれば十分追いつける点差だと。そして直輝がすごく良かったので彼を入れて、システムを変えて、彼が一番得意とするポジションに置いて点を取りに行こうと話をしました。すごく押し込むことができたのでそこはすごく力がついたんじゃないかと思います。
- PKを取るまでの過程が良かったと思うが、どう評価するか?
やはり自信、それがこのサッカーには必要なものだと思います。「このサッカー」というのは形の話ではなくて、自分たちでしっかりボールを持ってそれを相手に見せながら相手を破っていくといこと。ハーフタイムに選手に「お前たちの特徴はなんなんだ」と問いかけたらみんな「ボールを持って前に進んでいくことだ」と選手は答えていましたし、それをその通りやってくれたと思います。そういった自信が持てたと思います。また見えるものが多くなってきたとも思います。PK以外のところでも玉田(圭司)が崩したシーンもありましたし、随所に良いところが出たんじゃないかと思います。
- 今日は他会場の結果も左右したと思うが、その情報は選手に伝えていたか?
全く伝えていないです。2-2になった時に少し気にする選手はいましたけれど、とにかく取りに行けと。試合の最初から勝つんだということです。それが1番確実なことで確率の高いことで、そこに対してみんなガタガタすることはありませんでした。ただその時まだ他会場も同点だったので、どうなるかなとは思っていました。最後追いついたことで神様がご褒美をくれたのかなと思います。
- 来季に向けて、どういうチームにしたいか?
まだ何も考えていないですし、チームというのは毎回毎回生まれ変わっていくものだと思っています。自分自身もまだこれからチームと話をしてどういうふうにしていくかということを考えていかなければと思っています。
選手コメント
GK 1秋元 陽太
前半2点取れて良かったですし、後半PKを取られて失点してしまったことは課題ですけれど、自力で残留できたことはチームとしても個人としても大きかったので、本当に残留できて良かったです。こういう状況でも楽しんでやろうということは話していました。(2点返されてからは)ここであと1点崩れてはいけないと思って、後ろからしっかり支えようと考えていました。ジョー選手が起点になってすごく強かったですけど、そこで自分が前に出る、出ないという部分は意識していました。ルヴァンカップで優勝しましたけれど、こうして残留争いをしたことも選手として良い経験になりましたし、その上でチームをJ1に残せたということも個人的には良かったですし、来年またJ1でできることが嬉しいです。名古屋までたくさんのサポーターがきてくれて応援してくださって本当にありがたかったですし、最終節まで残留争いがもつれてしまったことは反省していますけれど、みんなの声援でこういう結果を残せたと思うので、来季も頑張るのでまたご声援よろしくお願いします。
MF 2菊地 俊介
すごい厳しいシーズンでしたけど、まずはJ1に残れたのでホッとしています。前節ホームで勝って、このアウェイに乗り込めたので、前節同様湘南らしくアグレッシブに戦おうと思って試合に入りました。(先制点は)なかなかチームとして攻撃の形が作れないない中で僕としても最初のシュートだったので、まずは枠に飛ばすことを考えていました。結果的に良いところに飛んでくれて良かったです。追いつかれてからももちろん勝ちに行ってはいましたが、最低引き分けでも残留できるという状況だったので、最後の5分くらいは時間を見ながら試合を進めるということが大事だったので、そこはチームとしても統一感を持ってやれたと思います。個人的には怪我で離脱する期間もありましたけど、J1で7点取れて、チームも残留できました。2年前は大きな怪我もあってチームも降格してしまったので、そういう意味では充実したシーズンだったと思います。今日は湘南からも多くのサポーターが来てくれましたし、皆さんの声援を背負って戦うことができて、こうして残留もできて本当に嬉しいです。
MF 7梅崎 司
本当にホッとしています、良かったです。
いつもと変わらず、アグレッシブに戦わないと僕らはうまく機能しないと思っていましたし、どっしり構えるというチームではないので、立ち上がりからそういう部分は、前半特に随所に見せられたかなと思います。(PKは)ルヴァンで外してから練習でも少し自信を失くしていましたけれど、終盤に入ってきて自分がチームを救うんだという思いもすごくありましたし、僕のパスで山根がPKを取ってくれたので、これは絶対に自分が残留に導くんだという気持ちで蹴らせてもらって決めることができました。2点返される前に僕がチームの3点目を取るチャンスがありましたし、2点差は危険な点差だということはみんな認識していた中で3点目を奪えればまた違って展開になったと思いますけれど、やっぱり名古屋もタレントが揃っていて力のあるチームですし、よく同点で耐え凌いだかなという印象です。もちろん勝ちきるのがベストですけれど、プレッシャーがかかる中で自分たちがやるべきことをやり遂げたのが残留を勝ち取れた要因だと思います。
まだまだもっと成長したいですしチームを勝たせられる選手になりたいですし、今日も課題がたくさん出たので、その一つひとつとしっかり見つめあってよりレベルの高い選手になってより貢献できるように、選手としても一人の人間としても成長していきたいです。苦しかったですけどサポーターの後押しがいつも僕らの支えになっていましたし、今日もアウェイの満員の中で僕らの背中を押してくれました。こうして残留を掴んで喜び合えることが嬉しいですし、この1年間に感謝したいです。
DF 29杉岡 大暉
試合に出られない選手だったりクラブに関わる人にはみんな残留したいという思いがあったし、残留してこそルヴァンも優勝の価値も上がると思っていたで、何が何でも残留しようという思いで試合に臨みました。(試合後は涙していたが)自分自身PKを与えてしまって厳しい状況にしてしまったので、チームメイトに感謝というか、今日は何もできていなかったので、本当に助けられたと思っています。これだけギリギリの戦いというはそう経験するものでもないと思いますし、今年は本当にいろんなことを経験させてもらいました。またこの経験を生かして、来年もしっかり頑張りたいと思います。ルヴァンカップや大事な試合でいつも多くのサポーターが駆けつけてくれて背中を押してくれていたので、残留できて本当に良かったです。来季も一つでも多く勝ちたいので、また一緒に戦ってもらえればと思います。
DF 13山根 視来
他の会場のいろんな状況もありましたけれど、まずは勝点3を目指して戦っていました。結果的に引き分けになりましたけれど残留できたことが今日は全てだと思います。PK2本というアクシデントで追いつかれてしまいましたけれど、あそこでもう1点を失わずにみんなで声を掛け合って、今日がどういう試合なのかということをみんなで確認しあって試合ができたので、3失点目を食らわなかったということをポジティブに捉えたいと思います。同点になってからは試合が長く感じましたしプレッシャーも感じましたけれど、それでもここを乗り切って来年もJ1で試合ができればもっと成長できると感じていたので、すごく良い経験になったと思います。個人的にはCBになって2シーズン目でしたけれど、J1のクオリティの高い選手とやる試合はすごく楽しかったですし、ルヴァンで優勝して、アウォーズに出るチームが降格をしてはいけない、という思いがありましたし、なんとか胸を張って出たいという思いがあったので...本当に激動の1年だったと思います。
湘南の残留を信じて今日も多くのサポーターが名古屋まで来てくれたと思いますし、映像で見ていた方も僕たちが来季もJ1でプレーする姿を見たいと思って応援してくださっていたと思います。ルヴァンを優勝してJ2に落ちいていたら不甲斐ないですし、それはサポーターの皆さんも同じだったと思うので何としてもみんなのために今できうる最高の順位で終わることは考えていました。残留とルヴァン優勝というのはすごく良い結果だったんじゃないかと思います。
J1リーグ第34節 名古屋vs湘南 試合後監督・選手コメント
監督コメント
曺監督 総括
お疲れ様でした。
選手は本当にミッションを達成したと思います。今年、僕は残留という言葉をあまり使ってきませんでしたが、選手自身が「来年のJ1の切符を取るために」と今年開幕して、その中で連敗したこともありましたし、今日のようにPKを2つ取られて負けたこともありました。ただ今日の試合は本当にスリリングで、前半はほぼパーフェクトな試合だったんじゃないかと思います。そこから後半は名古屋さん魂が我々のフットボールを壊しにきて、そこで少し運がないPKもありましたが、2-2にされたあと、あの時間帯から途中で入った大橋(佑紀)や(齊藤)未月とか、最後の(高山)薫とか、交代で入った選手が前に勢いを与えてくれたと思います。若いからとかベテランだからとかそういうくくりではなくて、あの展開をああいうふうに持って行けたというのはここ数年、湘南がJ1やJ2で戦ってきた結果の一つの証だったと思います。
「スタイルがあるよね」とか「湘南は若い選手が元気で良いね、湘南だと選手が伸びるよね」という声は、今の僕たちには褒め言葉に映らないというか、そのあとに「やっぱり落ちるよね」とか「負けるよね」と続くことをなんとか払拭したいと思って選手たちとこれまでやってきました。そのミッションをしっかり達成してくれて、非常にたくましい選手たちだと思いますし、来年また選手が出入りしたりいろんなことがあると思いますけれど、自分たちがルヴァンで優勝した、そしてこのJ1に残れたということを本当に次のステップにしてかなければならないと思いますし、まだまだチームとしても足りないところがたくさんあると思っています。
八宏さん(風間八宏監督)とは川崎フロンターレ時代から練習試合や試合を通して、僕が指導者になったくらいの頃からいろんな話をしていただいてきました。2-2で試合が終わった時に「川崎がもしからしたら取るかもしれないですね」と言った時に笑みを浮かべられて。試合後は名古屋のサポーターさんにもたくさん声援をいただきましたし、お互いに熱闘がこういう形で、お互いに幸せな1日になったというのはやっぱりサッカーの神様がいるのかなと思いましたし、湘南のサポーターの皆さん、スポンサーの皆さん、会社のスタッフ、育成のスタッフ・選手たちと同じように名古屋に関わる方にもおめでというと言いたいです。監督としてやれたことはあまりないと思いますけれど、代表してその言葉を締めくくりに、会見を終わりたいと思います。
曺監督 質疑応答
- 今季は負けないチームに変化してきたと思うがどう感じているか?
今年はシュートを打たれた数はリーグでも1番か2番に多いのですけれど、枠に打たれた割合は34%くらいで実はリーグで1番少ない。崩されても最後のところで身体を張って枠に打たせないというところは、もちろんそこまでで止められれば良いんですけれど、最後をしっかりやらないと天国と地獄の差が出ると選手にはずっと言ってきたので、彼らはそれを実践してくれたと思います。それは今日だけやったのではなくて、普段の練習やミーティングから自分たちと向き合って一歩、1cmを大事にしてきたからそういうふうに見えるのだと思います。今日試合に出ていない選手も含めてそこに向き合ってやってきたからそういうようなプレーがたくさん出たんだと思います。そういう意味では後ろの選手、ボランチの選手、前線で出たヤマ(山﨑凌吾)やシュン(菊地俊介)やツカサ(梅崎司)、彼らにしても今日の試合でたくさんシュートブロックをして勝ったというよりは、あのくらいはやらないと試合では勝ちきれないというのが自然と選手に浸透していったんじゃないかなと思います。ただ課題はたくさんあります。その課題は克服していかないともっと強いチームにはなっていけないと感じています。
- 前半リードして後半難しい展開になったが、もう少しこうしなければ、という反省はどこにあるか?
2-0になった後に3点目を取るチャンスがあったと思いますが、その3点目を取れていれば試合は終わっていたと思います。ただあそこで焦ってそれが取れないというのが今のうちの力です。ただし3点目が取れるほど今日の試合が楽に終わるとは思っていなかったので2-1、2-2にされるということはある程度想定内ではありました。今日は勝点1が勝点3の意味を持つ試合だったので、リードしている展開の時はハーフタイムに「0-0の気持ちで後半戦おう」とよく言うものですが、今日は「2-0だ、2-0から後半を始めるんだ」と話をしました。変に慌てる必要もないし、1点返されても落ち着いていれば良いと言う話をしたんですけれど、相手がシステムを変えてきた脇のスペースにボールを奪ってから運んで行ければ良かったのですけれど、ミスパスやロストすることが多くて名古屋さんを勢いに乗せてしまったところがありました。ただ90分のデザインで言えばそう言う時間帯もあるものなので、もっと監督が良ければ3-0、4-0になっていたんじゃないかなと思います。
- 今季の戦いで来季に繋がるものはどういうところにあるか?
ピッチに立つ選手の基準は間違いなくここ数年で上がってきていると思います。ただうまいとか、ただ速いとかシュートを決めると言うことだけではピッチに立てない。それはその基準があるから、その基準に追いつき、追い越せをするから選手全体のレベルが上がってきていると言うこと。どのチームもこれで終わりだとは思っていないと思いますが、我々はずっと長い間J1で戦ってきたチームではないので、今年のこのギリギリの経験は必ず次に生かされると思いますし、またカップ戦を優勝できたというのは自信にして良いものだと思うので、それも含めてまた湘南の歴史を刻む2018シーズンだったんじゃないかと思います。
- 2シーズン前も最終節で名古屋と対戦だったが、当時と印象はどう変わったか?
選手もたくさん変わられていますし、ただ本当に名古屋という大都市の中でこれだけ多くのサポーターの方が豊田スタジアムや瑞穂スタジアムに駆けつけて、本当に圧力のあるスタジアムだなと思いました。その中で2年前は我々はすでに降格が決まっていて遮二無二やった結果勝たせてもらえましたけれど、今日みたいな状況で名古屋さんと戦えたということは湘南にとっても非常に財産になる経験だったと思います。逆に名古屋の選手も経験のある選手、代表に入ったことのある選手がたくさんいる中で、クリーンファイトされていたと思うので、そこも試合を面白くしたと思います。お互いにというと偉そうな言い方になってしまいますが、また切磋琢磨してやっていきたいと思います。
- 監督として今季、どんな1年だったか?
100人いると99人が「そんなの無理だろう」と言うことを選手たちに掲げたいと思ってやってきました。「夢」とか「自分が目指す像」とか、そういうものに対して僕が「このへんで良いよ」とは全然言ってきていなくて、ただそれが選手にとって良いことなのかと言うのはずっとこれまで考えてきました。でも1番苦しい時に僕が「もうこの辺で良いよ」と言うことはそれこそが選手への裏切りになると思っていたので、負けようが勝とうが、言うことは変えてこなかったと思います。プロになって「俺はこのあたりの選手で、お金もこの程度までしかもらえない、代表にも入れないけど長くプレーしよう」とかではなくて、夢とか自分がこうなりたいという思いを失わせたくないというのは今年1年強く思っていました。ただそれが正解だったか、「お前そんな夢みたいなこと言っていて現実はどうするんだ」と言われればその通りなので、合っていたかはいまだにわかりませんが、僕の中では1人でもそういうふうに夢を持つ選手を増やす選手を増やしたいなと思ってやっていました。
風間八宏監督 総括
前半立ち上がりから良い形で入れたと思いますが、少しのミスでビハインドとなってしまいました。ハームタイムに選手たちが落ち着いたところからしっかり自分たちで得点しようと、3点目が入っていれば本当に良かったですけれどしっかり2点を追いついてくれた、それからここまで自分たちのテンポで試合ができたというのはこの1年間で力がついてきたひとつの証明だと思います。この選手たちはまだまだ上手くなると思いますし、もっともっと強い、面白いチームになるんじゃないかということを感じさせてくれる試合になりました。
風間八宏監督 質疑応答
- 0-2から追う展開になったが、ハーフタイムどのような指示を送ったか?
本当に少しの緩みというか、そこで前半は失点してしまった。ただここ最近ずっと言っているのは90分の戦いだと。例えば前半を0-1で折り返してきても関係ない、後半で勝つだけだと。また今日もそうでしたが2点差というスコアは君たちの力であれば十分追いつける点差だと。そして直輝がすごく良かったので彼を入れて、システムを変えて、彼が一番得意とするポジションに置いて点を取りに行こうと話をしました。すごく押し込むことができたのでそこはすごく力がついたんじゃないかと思います。
- PKを取るまでの過程が良かったと思うが、どう評価するか?
やはり自信、それがこのサッカーには必要なものだと思います。「このサッカー」というのは形の話ではなくて、自分たちでしっかりボールを持ってそれを相手に見せながら相手を破っていくといこと。ハーフタイムに選手に「お前たちの特徴はなんなんだ」と問いかけたらみんな「ボールを持って前に進んでいくことだ」と選手は答えていましたし、それをその通りやってくれたと思います。そういった自信が持てたと思います。また見えるものが多くなってきたとも思います。PK以外のところでも玉田(圭司)が崩したシーンもありましたし、随所に良いところが出たんじゃないかと思います。
- 今日は他会場の結果も左右したと思うが、その情報は選手に伝えていたか?
全く伝えていないです。2-2になった時に少し気にする選手はいましたけれど、とにかく取りに行けと。試合の最初から勝つんだということです。それが1番確実なことで確率の高いことで、そこに対してみんなガタガタすることはありませんでした。ただその時まだ他会場も同点だったので、どうなるかなとは思っていました。最後追いついたことで神様がご褒美をくれたのかなと思います。
- 来季に向けて、どういうチームにしたいか?
まだ何も考えていないですし、チームというのは毎回毎回生まれ変わっていくものだと思っています。自分自身もまだこれからチームと話をしてどういうふうにしていくかということを考えていかなければと思っています。
選手コメント
GK 1秋元 陽太
前半2点取れて良かったですし、後半PKを取られて失点してしまったことは課題ですけれど、自力で残留できたことはチームとしても個人としても大きかったので、本当に残留できて良かったです。こういう状況でも楽しんでやろうということは話していました。(2点返されてからは)ここであと1点崩れてはいけないと思って、後ろからしっかり支えようと考えていました。ジョー選手が起点になってすごく強かったですけど、そこで自分が前に出る、出ないという部分は意識していました。ルヴァンカップで優勝しましたけれど、こうして残留争いをしたことも選手として良い経験になりましたし、その上でチームをJ1に残せたということも個人的には良かったですし、来年またJ1でできることが嬉しいです。名古屋までたくさんのサポーターがきてくれて応援してくださって本当にありがたかったですし、最終節まで残留争いがもつれてしまったことは反省していますけれど、みんなの声援でこういう結果を残せたと思うので、来季も頑張るのでまたご声援よろしくお願いします。
MF 2菊地 俊介
すごい厳しいシーズンでしたけど、まずはJ1に残れたのでホッとしています。前節ホームで勝って、このアウェイに乗り込めたので、前節同様湘南らしくアグレッシブに戦おうと思って試合に入りました。(先制点は)なかなかチームとして攻撃の形が作れないない中で僕としても最初のシュートだったので、まずは枠に飛ばすことを考えていました。結果的に良いところに飛んでくれて良かったです。追いつかれてからももちろん勝ちに行ってはいましたが、最低引き分けでも残留できるという状況だったので、最後の5分くらいは時間を見ながら試合を進めるということが大事だったので、そこはチームとしても統一感を持ってやれたと思います。個人的には怪我で離脱する期間もありましたけど、J1で7点取れて、チームも残留できました。2年前は大きな怪我もあってチームも降格してしまったので、そういう意味では充実したシーズンだったと思います。今日は湘南からも多くのサポーターが来てくれましたし、皆さんの声援を背負って戦うことができて、こうして残留もできて本当に嬉しいです。
MF 7梅崎 司
本当にホッとしています、良かったです。
いつもと変わらず、アグレッシブに戦わないと僕らはうまく機能しないと思っていましたし、どっしり構えるというチームではないので、立ち上がりからそういう部分は、前半特に随所に見せられたかなと思います。(PKは)ルヴァンで外してから練習でも少し自信を失くしていましたけれど、終盤に入ってきて自分がチームを救うんだという思いもすごくありましたし、僕のパスで山根がPKを取ってくれたので、これは絶対に自分が残留に導くんだという気持ちで蹴らせてもらって決めることができました。2点返される前に僕がチームの3点目を取るチャンスがありましたし、2点差は危険な点差だということはみんな認識していた中で3点目を奪えればまた違って展開になったと思いますけれど、やっぱり名古屋もタレントが揃っていて力のあるチームですし、よく同点で耐え凌いだかなという印象です。もちろん勝ちきるのがベストですけれど、プレッシャーがかかる中で自分たちがやるべきことをやり遂げたのが残留を勝ち取れた要因だと思います。
まだまだもっと成長したいですしチームを勝たせられる選手になりたいですし、今日も課題がたくさん出たので、その一つひとつとしっかり見つめあってよりレベルの高い選手になってより貢献できるように、選手としても一人の人間としても成長していきたいです。苦しかったですけどサポーターの後押しがいつも僕らの支えになっていましたし、今日もアウェイの満員の中で僕らの背中を押してくれました。こうして残留を掴んで喜び合えることが嬉しいですし、この1年間に感謝したいです。
DF 29杉岡 大暉
試合に出られない選手だったりクラブに関わる人にはみんな残留したいという思いがあったし、残留してこそルヴァンも優勝の価値も上がると思っていたで、何が何でも残留しようという思いで試合に臨みました。(試合後は涙していたが)自分自身PKを与えてしまって厳しい状況にしてしまったので、チームメイトに感謝というか、今日は何もできていなかったので、本当に助けられたと思っています。これだけギリギリの戦いというはそう経験するものでもないと思いますし、今年は本当にいろんなことを経験させてもらいました。またこの経験を生かして、来年もしっかり頑張りたいと思います。ルヴァンカップや大事な試合でいつも多くのサポーターが駆けつけてくれて背中を押してくれていたので、残留できて本当に良かったです。来季も一つでも多く勝ちたいので、また一緒に戦ってもらえればと思います。
DF 13山根 視来
他の会場のいろんな状況もありましたけれど、まずは勝点3を目指して戦っていました。結果的に引き分けになりましたけれど残留できたことが今日は全てだと思います。PK2本というアクシデントで追いつかれてしまいましたけれど、あそこでもう1点を失わずにみんなで声を掛け合って、今日がどういう試合なのかということをみんなで確認しあって試合ができたので、3失点目を食らわなかったということをポジティブに捉えたいと思います。同点になってからは試合が長く感じましたしプレッシャーも感じましたけれど、それでもここを乗り切って来年もJ1で試合ができればもっと成長できると感じていたので、すごく良い経験になったと思います。個人的にはCBになって2シーズン目でしたけれど、J1のクオリティの高い選手とやる試合はすごく楽しかったですし、ルヴァンで優勝して、アウォーズに出るチームが降格をしてはいけない、という思いがありましたし、なんとか胸を張って出たいという思いがあったので...本当に激動の1年だったと思います。
湘南の残留を信じて今日も多くのサポーターが名古屋まで来てくれたと思いますし、映像で見ていた方も僕たちが来季もJ1でプレーする姿を見たいと思って応援してくださっていたと思います。ルヴァンを優勝してJ2に落ちいていたら不甲斐ないですし、それはサポーターの皆さんも同じだったと思うので何としてもみんなのために今できうる最高の順位で終わることは考えていました。残留とルヴァン優勝というのはすごく良い結果だったんじゃないかと思います。