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【俺たち放送部:8月20日】決意(「24時間ベルマーレ」プレビュー)

24h_bellmare「バカな企画を思いついたものだと、我ながら思います」三村ロンドは思わず苦笑いした。だが自嘲する言葉とは裏腹に、胸の内に秘める並々ならぬ決意が溢れている。
スタジアムナビゲーターとしてスタンドを盛り上げ、子どもたちに優しく注ぐいつも温和なその眼差しが笑ってはいないから。

ロンドは今節、「24時間ベルマーレ『愛はベルマーレを救う』」と銘打ち、24時間をかけて自転車で浦和戦が行なわれる平塚競技場を目指す。試合前日の夜にスタートし、翌朝7時頃に新橋駅前のSL広場、14時半頃に藤沢橋(遊行寺前)、16時頃に平塚の紅谷町まちかど広場と各所を経て、キックオフ2時間前の17時頃に平塚競技場北門に到着する予定だ。旧東海道を基本ルートとし、走行距離は100km超に及ぶ。

「この企画を進めるほどに、サポーターのベルマーレ愛をあらためて実感した」と語る。事実、Ustreamによる生中継や伴走など、放送部の面々やクラブボランティアのひとたちの協力がなければ頓挫していたかもしれない。トライアスロンチームの中島靖弘ヘッドコーチも、伴走の自転車を快く提供してくれた。もちろんロンド自身もこの日のために自転車を購入し、またジムに通いパーソナルトレーナーを付け、食事制限とともに肉体改造にも取り組んだ。

「ゴール裏で応援するときもつねに感じていることだけれど、みんな大好きなベルマーレのために、どんな結果にも席を立たずに必死に応援している。その姿を見て、僕自身が感激してしまう。だからこそ、この素晴らしいサポーターの気持ちを選手やスタッフに届けたい、そしてクラブとサポーターがひとつになって苦しい現状を乗り越えたいと思った。バカかもしれないけれど、そのためにはこれがいま僕にできる精一杯の企画なんです」

自らオリジナルTシャツを用意した「一筆入魂」は、ロンドの思いの結晶となる。自転車で立ち寄るポイントで、ベルマーレに対する思いの丈をサポーターにしたためてほしい。そしてタスキを繋ぐように、つぎのランナーに託すように、サポーターの気持ちをクラブに届けたい。そう願っている。

「平塚競技場を目指します。でもそこはゴールではないんです」ロンドは言う。

「あくまで中継地点です。クラブとサポーターがともに浦和戦を闘い、勝利のダンスを踊って24時間を締めくくりたい。そして、素晴らしい結果でシーズン終了を迎えたい」

「最後まで全力で走り切ります」そう言い残し、ロンドはスタートラインに向かった。溢れる決意は自然と、ベルマーレの掲げる姿勢に重なっていた。

【隈元大吾】