今年4月27日、ベルマーレの父とも言える石井義信さんが永眠されました。
藤和不動産サッカー部として創部した当初よりクラブに関わり、選手としてコーチとして監督として、さらにフロントスタッフとして、フジタ時代も、ベルマーレ時代もクラブの発展のために力を尽くされた方です。
4月に発行した「50年史」を制作する際、まずは設立当初の歴史を学ぶ必要がありました。栃木県4部リーグ時代の記録に全く載っていない時期のこと、文章を読んでも分からないこと…山ほど出てくる疑問のたびに、石井さんに電話をしました。
その都度、石井さんは驚くほどの記憶力で当時のことを詳しく教えてくれました。
「黒木さんには絶対に話を聞いたほうがいいよ」と50年史の一番最初にインタビューでご登場いただいた、初代監督の黒木さんをご紹介いただいたのも石井さんでした。助言のお陰で黒木さんしか知ることのない発足時の秘話を聞くことができました。
そして、50年史に掲載されている新聞や雑誌のスクラップのほどんとは石井さんにお借りしたものなのです。当時の掲載紙が年代ごとに分けられきれいに保管されていました。
闘病されていることを知ったのは、石井さんご自身にインタビューをした時でした。
懐かしい「大神」のグラウンドで、「ベルマーレの50年を機に、どの時代のOBも今のベルマーレと繋がってほしい。50周年をいい機会にしてほしい」と言われました。
約半年と時間をかけて作った50年史が完成し、急いで本を石井さんに届けました。
ご本人とはお話ができなかったものの、奥様から「1ページ1ページ目を通して、懐かしいねと言いながらとても喜んでいました」と言っていただきました。
そのほんの数日後に息を引き取られました。
インタビューをしたとき、最後に「石井さんにとってベルマーレとは?」という質問の答えをスケッチブックに書いてください、とお願いすると迷いなくペンを走らせました。
「人生でありふるさと ベルマーレ!」
クラブを離れた後もずっと愛情を注いでくださいました。
先人の皆さんの努力に恥じぬクラブ運営をしていかなければなりません。
心からの感謝と尊敬の気持ちを込めて。