J1リーグ第24節 湘南vsFC東京 試合後監督・選手コメント
監督コメント
曺監督 総括
お疲れ様でした。
夏休み最後にBMWスタジアムでのナイターゲームということで、本当にたくさんのお客さんに来ていただき、それから子どもたちの声援もたくさん聞こえていました。その中で、最近勝てていなかったので、何とか勝点3を届けられるように選手と一緒に準備をして今日に臨みました。勝点3が取れず残念な気持ちではありますが、ただ総合的にはポジティブな1だったかなというふうに思います。
ここでやったマリノス戦や神戸戦の方がチャンスは作れていましたし、その2試合は皆さんが見ても、感じる選手たちも、非常にいい戦い方で、我々がゲームを握った印象の中での0-1、0-2という試合でした。一方今日は前半、決定的なピンチが2本、3本あって、それを(秋元)陽太が止めて、逆の形で流れをつかんだような試合になりました。間違いなく2年前、3年前だったらあそこでやられて2点目、3点目を取られて終わっていますし、後半になって少し盛り返してチャンスを作れるようになったというのは、神戸さんとマリノスさんに負けた経験が活かされていると思います。交代で入った選手も後半の方が安定してできたかなと思いますが、それも前半があってのことだと思います。
我々は水をやってすくすくと種から育ってヒマワリになっているわけではないですが、右に行ったり左に行ったり、くねくねしながら、ときにはもつれて伸びないときもありますけれども、どんな形でも前に、上にと進んでいけるチームだなと思いました。ロッカーで「今日は勝点1でよかったね」と思っている選手は誰もいないような感じでしたし、この勝点1を次の長崎戦にしっかりつなげていきたいです。次は(石川)俊輝が累積で出られないですけども、また違う選手がピッチに立って躍動してもらいたいです。このチームを好きだという気持ちでやるプレーを選択してもらいたいし、犠牲的精神という意味でなく、自分の所属するチームを好きになる、愛していくことが選手にとって見えない力を生み出すと思っていますし、そういったものが、また違う選手がプレーしたときに宿ってくれることを祈っています。
手放しで称賛できる試合ではなかったですけれども、FC東京さんも力がありますし、非常に高い技術と個性豊かな選手たち、ミスが少ないまとまったチームに対して少しは抵抗できたかなという気持ちでいます。早くリカバーして次の試合に臨みたいと思います。
曺監督 質疑応答
- 先日の天皇杯川崎F戦に出場した選手先発に多くいた。良いイメージがあったからか?
天皇杯ももちろん勝つためにやっていましたし、残念ながら後半に逆転されましたけれど、あの試合が良かったからではなくてその前からずっとテンション高く我々のチームのためやってくれていた選手たちなので、そういう選手をポジティブに使っていきたいなと思っていました。逆に身体的、精神的に少し疲労が見える選手は少しベンチに置いたり外したりしました。ローテーションという言葉は嫌いで、順番にポジションを与えているわけではなくて、熟れ頃の選手を使っていかないと、冷蔵庫に入りすぎたりんごも美味しくないですし、そういうところは見極めているつもりです。
- 後半から3バックにした点はもともと試合前からのプランだったのか?
そうしようと思っていました。東京さんにはいつも我々のやり方を分析されて、前半のうちや後半の立ち上がりに点を取られてそのまま引かれる、というような展開で負けることが多かったので、少しこちらから何か仕掛けていかないと彼らに掌の中で動かされているだけだなと思っていました。前半少しリスクがありましたけど0点で抑えて、時にシュートチャンスもありましたし、そういう意味ではプランの中での試合だったかなと思います。
特に後半(アンドレ)バイアが入ってくれて、真ん中のパワーも増えましたし、その点で相手の選手の足もだんだん止まり始めてたので、交代選手を使うのが非常に難しい展開でした今日は。
- 相手への対策を講じた形だと思うが、良さを出すために仕掛けたところはあるか?
システムをどのような形にしても、東京さんはパス3本以内にゴールまで来る、ゆっくり攻めない早い攻めというのが十八番のチーム。そこで我々が同じシステムで臨んだ場合に突かれるポイントは分かっていました。今日はリンス選手が左に入って、東選手とオリベイラ選手が真ん中にいましたが、そういう意図があったものだと思いますし、そこに対してはうまくスペースをコントロールしながらやろうと考えていました。ただそうして失点するとゲームプランが壊れて采配ミスになりますし、そうなるかどうかは紙一重だなと。結果的には采配ミスとも言えるし当たったとも言えるものだったと思います。
(仕掛けた部分としては)後ろを最初から3人置かずに、センターバックを2枚にしてサイドの選手は攻撃に行こうというところ。我々は3枚だと1枚が出て1枚が下がるとなるところを、今日は少し固定的にして守る選手と攻める選手を分けたということです。ボールの前に7人置いて、ボールより後ろは3人という形でやろうと思いましたが、真ん中の(齊藤)未月と(松田)天馬の距離が近すぎてぶつかってしまうようなことを起こしてばかりだったので、あの辺がまだ少し慣れていなかったと思いますが、狙いはそういうところにありました。
- オリベイラ、永井謙佑のような強力な「個」のある選手に対しどう対処していくか?
いろんなやり方があると思いますが、どの戦術を取ってもたぶん100%GOOD、はないと思います。東京さんとやるときは相手の後ろの選手のボールを動かす力、スキル、個人の判断が非常に高いので、下がって相手のスペースを潰してこっちがカウンターを狙うというのが本流の戦い方だと思っています。ただそれを我々に当てはめてみたときに、我々が奪って裏返しに行く場面が皆無に等しければ、おそらく前の選手のパワーと彼らの後ろの選手の力量、それからサイドの選手のクロスの質といったところは向こうに一日の長があるので、やはり僕としては下がりたくなかった。でも下がりたくなくても下がらざるをえない場面がたぶん前半くるだろうなと、そういう意味ではゲームプランの中にありました。そこで我々が勝点3取るとしたら、意図的に下がるのではなく前に行きながら0–0の時間を長くして、相手の量が止まった時にこっちの量をかけて、質を量で上回る、それしかないと思っていました。だから交代の残り2枚を結構遅い時間に切らざるをえなかったのは、あのメンバーで点を取れそうだなという空気が最後まであって、非常に動きにくかった。本来ならもう少し早く切るんですけれど、そういう意味でも今日出た先発の選手がいろんな顔を見せながら、きちっとしたゲームをやってくれたなというふうに思います。
ドイツで先日バイエルンとやったホッフェンハイムは1–1から最後2点取られていましたけれど、定石的に何をやっても最後は個で破られてバイエルンが勝つ。でもそこを最後まで抵抗してバイエルンの足を止めて、逆に2点目、3点目を取ることがサッカーの醍醐味だと思いますし、そのためには相手を疲弊させないといけないと思っていました。疲労したのかどうかは相手の選手に聞いてみないとわからないですけれど、でも後半は相手も少し動きが止まったかなという印象はありました。
- そうして守備で奮闘した選手達がチャンスで前に出ていく姿勢はやはりマネジメントの妙か?
選手の中では引いて最後に足を出して凌いでいるというか、実際には取りに行って入れ替わられてるんです、ほとんど。ただだからこそ相手もスピード上げないとシュートまでいけないですし、このやり合いの中で防げていると相手のスピードが落ちてきた時に我々がチャンスになる。仮に彼らがスピード上げずにずっとシュートを打ってたら守備になった時の力が残っていますから、当然そこで蓋をされてまた取られてしまうという形になる。だから僕は今のフットボールは、早い展開じゃないともう無理だと思っています。それは上に、世界に行くためということも含めてですけれど、ゆっくりしたところをできるだけ排除して、全てのことをスピーディーにしていく。気持ちの部分も頭の部分でもそういったフットボールをしたいなと思っているし、それに合う選手がうちにはいるんじゃないかなと思っています。そこのチームの最大値を引き出すためにこういう形、やり方を自分なりにやっている、そういう感じです。
長谷川健太 監督 総括
中断明けから苦しい試合が続きましたけれど、中2日、中3日のこの1週間は天皇杯も含めて、連戦の中選手たちも出せるものをすべて出してくれました。勝点3は取れなかったですけれど、今のうちにとっては大きな勝点1が取れたと思っています。
もちろん今日のゲームも決定機の数で言えば、たぶんうちの方が多かったとは思いますが、お互いに今日は負けられないという気持ちもあったと思いますし、ただ最後まで攻める姿勢は崩したくなかったので、そういう意味ではしっかりと後ろの選手は集中力を切らさずに対応してくれたんじゃないかなと思います。
けが人等々、来週くらいに戻ってこれそうな選手も何人かいるので、今日は体を休ませて、チームは残り10試合を立て直して戦っていきたいと思っています。
長谷川健太 監督 質疑応答
- 「最後まで攻める」の意味するところは?
終盤になってなかなか勝点3が難しいという中でも、やはり連敗中に1を拾うのではなくて、3を目指しながらもしっかりと1を取るというところです。後ろでだいぶ疲弊している選手はいましたけど、前で圧力をかけて、最後まで相手のゴールに迫る姿勢を選手達は出してくれたので、それが1につながったんじゃないかなと思っています。
もちろん、通常の精神状態というか、肉体状態も含めてやれればもっともっとアグレッシブなサッカーはやれたと思いますが、今はこういう状況ですし、その中で選手たちはどうしても連敗中だと失点をしたくないとか、そういう少しネガティブな方向に行きがちです。そこで今日は原点にしっかり帰って、東京の前半戦の良い形がどういう形で始まったのかという話をしました。球際で戦ってアグレッシブに戦って、ただやはり悪くないのだけれどシュートブロックに対しての甘さが今までの数試合はあったと思うので、そこをもう1歩、もう半歩しっかりと寄せるということをやっていこうと。攻撃に関してもこのチームは点が取れない中でスタートして、例えばシュートのセカンドボールを拾って押し込むような形で点を取ったりだとか、みんなで相手のゴールを奪うという姿勢が序盤戦はあったのですが、形にこだわって、綺麗に取ろうとするようになって、泥臭く積み重ねた得点がなんとなく失われつつあった。前線の選手ももう一度そういうところからスタートして得点取れるようになってきたので、そこを思い出して、一人じゃなくてみんなで押し込むというようなところまで今日は突き詰めてやっていこうと。相手の湘南はそういうところを愚直にやってくるチームですし、そういうところでしっかりと負けないという意味では、今日我々がまた原点に戻れる試合でもあったと思います。
その中で立ち上がりこそ少し硬さでなかなかコンビネーションが出なかったですけれど、飲水タイム以降良い崩しから決定機が何回か作れるようになりました。天皇杯やコンサドーレとの試合では選手たちも点が欲しいがゆえに単発の攻撃が目立ったので、崩すときは相手を動かして、しっかりと揺さぶって、ということをやっていこうという話をしていた中、そういう形が後半何回か見ることができたので、あとはこの勝点1を3に変えていけるようにまた1週間しっかりと準備していきたいなと思っています。
- 今日の試合では泥臭く決めるという姿勢は出たか?
例えば前半の(東)慶悟がなんとか押し込んでとか、リンスのシーンからはそういう気持ちは伝わってきましたし、もちろんそこで決めきれなかったですけど、そこを突き詰めて今はやっていくしかないです。得点は急にアベレージが上がっていきません。そしてああいう場面で決め切れるかどうかという部分と、後ろの選手も焦れずに我慢できるかどうかというところがなかなかこの連戦中はできなかったので、そういう意味では今日はチームとして、点こそ取れなかったですけれど仕掛け続けてチャンスを作り続けたという点では、前回の札幌戦の後半に比べたらよっぽど進歩したと思います。しっかりと続けていけるようにしていきたいなと思います。
選手コメント
GK 1秋元 陽太
選手誰一人満足していませんし、この勝点1をしっかり次に繋げていかなければいけないので、また次も大事な試合になります。試合後もみんなでそういう話をしました。今日はDFライン中心にしっかり身体を張れたことは良かったと思います。これをしっかりと続けていきたいと思います。僕一人がシュートを止めていれば良いというものではないですし、チームが勝てなかったことに僕も矢印を向けています。(古巣との対戦だったが)1年だけでしたけれど本当にお世話になったチームですし、あの1年の経験がいま本当に生きているので、本当に感謝したいです。
次に向けて、まずは身体をしっかりリフレッシュして、体調崩さず全員で戦っていきたいと思います。
DF 36岡本 拓也
(サイドチェンジを受ける場面がが多かったが)いつもみんなに要求していますし、今日は特にけっこう来ていました。受けた後に少し色々考えすぎてしまったところがあるので、もう少し思い切りよくやれば良かったなと思います。いつもより自分の中で選択肢が多い状況が多く、そこで選びきれなかったという感じです。少し持たされた感もありましたし、そこでもう一工夫味方を使うだとか、アイディアを出していけるようになればと思います。(クロスに対して中で入る選手が少なかった?)欲を言えばもう少し入ってくればというのはありますが、早い展開の中だと入りきれないこともあるので、自分のクオリティをもっとあげていけるようにしたいです。
MF 18松田 天馬
前半の立ち上がりはバランスを考えすぎて良い場面を作れなかったですが、徐々に感覚をつかむことができて、それは中で話し合って修正ができたからだと思います。ただもう少し前でチャンスを作りたかったです。前半はビルドアップ、ゲームを作ることを意識してプレーしていました。そこからもう少し前に出て、攻撃の起点になるプレーがしたかったです。
(得点チャンスもあったが)あの一本を決めるか決めないかで勝点1か3かが変わってしまいますし、ここ最近決定的なところを決められていないので、決めなければと思っています。ただヤマくん(山﨑凌吾)や(梅崎)司さんとは目を合わせて近いところでプレーできているので、感覚としては悪くないと思います。ただもう少しクロスへの入り方とか、その精度とパワーを上げていきたいです。あとはクロスの精度と中の入りが合ってくれば得点に繋がるかなと思います。本当にそこは練習していくことに尽きると思います。
FW 38山﨑 凌吾
連敗していましたし、今日はホームだったので勝ちを目指して戦ったゲームでした。後ろは陽太さん中心にすごく身体を張ってくれた中で、前もチャンスがなかったわけではなかったですし、これだけ守ってもらっていたので得点をとってチームとして勝ちたかったです。個人的には孤立してしまう場面が多くて、もう少し前で起点になるプレーなどで違いを見せたかった。切り替えて次に向かっていきたです。この勝点1を無駄にしないように、次は長崎相手に勝点3を取れるようにしたいです。
MF 16齊藤 未月
いつもと違う形で試合に望みましたけれど、守備のところでは東(慶悟)選手のところで起点を作られないように意識しました。そこから前の2人に任せるようなボールが入ることが多かったですが、そこに対しては悪くない対応はできていたと思います。ただ奪った後のボールや相手がミスした後のボールを自分達がしっかり握って前につけていくという自分達の良さは出せなかったですし、少し守備に意識がいき過ぎてしまって攻撃のところが今までより出せなかったかなと思います。
DF 28石原 広教
リーグ戦では久々に試合に出て、気持ちとしては本当に「やってやろう」という想いでした。チームとしても負けが続いている中でしたし、その中で使ってもらったのでやらなければいけないなと、そういう意味でも強く思いました。個人的には球際や走るというところで、いつも通りのプレーができたと思います。チャンスを多く作られましたが押し込まれたときに跳ね返して、チームとして身体を張って失点しなかったことは良かったと思います。負けが続いてしまっていましたし、本当に勝ちたかったです。ただあれだけチャンスを作られた中での勝点1ではあるので、大きなポイントではあると思いますし、ポジティブに捉えたいと思います。ただホームで勝てなかったとこはやっぱり悔しいです。
J1リーグ第24節 湘南vsFC東京 試合後監督・選手コメント
監督コメント
曺監督 総括
お疲れ様でした。
夏休み最後にBMWスタジアムでのナイターゲームということで、本当にたくさんのお客さんに来ていただき、それから子どもたちの声援もたくさん聞こえていました。その中で、最近勝てていなかったので、何とか勝点3を届けられるように選手と一緒に準備をして今日に臨みました。勝点3が取れず残念な気持ちではありますが、ただ総合的にはポジティブな1だったかなというふうに思います。
ここでやったマリノス戦や神戸戦の方がチャンスは作れていましたし、その2試合は皆さんが見ても、感じる選手たちも、非常にいい戦い方で、我々がゲームを握った印象の中での0-1、0-2という試合でした。一方今日は前半、決定的なピンチが2本、3本あって、それを(秋元)陽太が止めて、逆の形で流れをつかんだような試合になりました。間違いなく2年前、3年前だったらあそこでやられて2点目、3点目を取られて終わっていますし、後半になって少し盛り返してチャンスを作れるようになったというのは、神戸さんとマリノスさんに負けた経験が活かされていると思います。交代で入った選手も後半の方が安定してできたかなと思いますが、それも前半があってのことだと思います。
我々は水をやってすくすくと種から育ってヒマワリになっているわけではないですが、右に行ったり左に行ったり、くねくねしながら、ときにはもつれて伸びないときもありますけれども、どんな形でも前に、上にと進んでいけるチームだなと思いました。ロッカーで「今日は勝点1でよかったね」と思っている選手は誰もいないような感じでしたし、この勝点1を次の長崎戦にしっかりつなげていきたいです。次は(石川)俊輝が累積で出られないですけども、また違う選手がピッチに立って躍動してもらいたいです。このチームを好きだという気持ちでやるプレーを選択してもらいたいし、犠牲的精神という意味でなく、自分の所属するチームを好きになる、愛していくことが選手にとって見えない力を生み出すと思っていますし、そういったものが、また違う選手がプレーしたときに宿ってくれることを祈っています。
手放しで称賛できる試合ではなかったですけれども、FC東京さんも力がありますし、非常に高い技術と個性豊かな選手たち、ミスが少ないまとまったチームに対して少しは抵抗できたかなという気持ちでいます。早くリカバーして次の試合に臨みたいと思います。
曺監督 質疑応答
- 先日の天皇杯川崎F戦に出場した選手先発に多くいた。良いイメージがあったからか?
天皇杯ももちろん勝つためにやっていましたし、残念ながら後半に逆転されましたけれど、あの試合が良かったからではなくてその前からずっとテンション高く我々のチームのためやってくれていた選手たちなので、そういう選手をポジティブに使っていきたいなと思っていました。逆に身体的、精神的に少し疲労が見える選手は少しベンチに置いたり外したりしました。ローテーションという言葉は嫌いで、順番にポジションを与えているわけではなくて、熟れ頃の選手を使っていかないと、冷蔵庫に入りすぎたりんごも美味しくないですし、そういうところは見極めているつもりです。
- 後半から3バックにした点はもともと試合前からのプランだったのか?
そうしようと思っていました。東京さんにはいつも我々のやり方を分析されて、前半のうちや後半の立ち上がりに点を取られてそのまま引かれる、というような展開で負けることが多かったので、少しこちらから何か仕掛けていかないと彼らに掌の中で動かされているだけだなと思っていました。前半少しリスクがありましたけど0点で抑えて、時にシュートチャンスもありましたし、そういう意味ではプランの中での試合だったかなと思います。
特に後半(アンドレ)バイアが入ってくれて、真ん中のパワーも増えましたし、その点で相手の選手の足もだんだん止まり始めてたので、交代選手を使うのが非常に難しい展開でした今日は。
- 相手への対策を講じた形だと思うが、良さを出すために仕掛けたところはあるか?
システムをどのような形にしても、東京さんはパス3本以内にゴールまで来る、ゆっくり攻めない早い攻めというのが十八番のチーム。そこで我々が同じシステムで臨んだ場合に突かれるポイントは分かっていました。今日はリンス選手が左に入って、東選手とオリベイラ選手が真ん中にいましたが、そういう意図があったものだと思いますし、そこに対してはうまくスペースをコントロールしながらやろうと考えていました。ただそうして失点するとゲームプランが壊れて采配ミスになりますし、そうなるかどうかは紙一重だなと。結果的には采配ミスとも言えるし当たったとも言えるものだったと思います。
(仕掛けた部分としては)後ろを最初から3人置かずに、センターバックを2枚にしてサイドの選手は攻撃に行こうというところ。我々は3枚だと1枚が出て1枚が下がるとなるところを、今日は少し固定的にして守る選手と攻める選手を分けたということです。ボールの前に7人置いて、ボールより後ろは3人という形でやろうと思いましたが、真ん中の(齊藤)未月と(松田)天馬の距離が近すぎてぶつかってしまうようなことを起こしてばかりだったので、あの辺がまだ少し慣れていなかったと思いますが、狙いはそういうところにありました。
- オリベイラ、永井謙佑のような強力な「個」のある選手に対しどう対処していくか?
いろんなやり方があると思いますが、どの戦術を取ってもたぶん100%GOOD、はないと思います。東京さんとやるときは相手の後ろの選手のボールを動かす力、スキル、個人の判断が非常に高いので、下がって相手のスペースを潰してこっちがカウンターを狙うというのが本流の戦い方だと思っています。ただそれを我々に当てはめてみたときに、我々が奪って裏返しに行く場面が皆無に等しければ、おそらく前の選手のパワーと彼らの後ろの選手の力量、それからサイドの選手のクロスの質といったところは向こうに一日の長があるので、やはり僕としては下がりたくなかった。でも下がりたくなくても下がらざるをえない場面がたぶん前半くるだろうなと、そういう意味ではゲームプランの中にありました。そこで我々が勝点3取るとしたら、意図的に下がるのではなく前に行きながら0–0の時間を長くして、相手の量が止まった時にこっちの量をかけて、質を量で上回る、それしかないと思っていました。だから交代の残り2枚を結構遅い時間に切らざるをえなかったのは、あのメンバーで点を取れそうだなという空気が最後まであって、非常に動きにくかった。本来ならもう少し早く切るんですけれど、そういう意味でも今日出た先発の選手がいろんな顔を見せながら、きちっとしたゲームをやってくれたなというふうに思います。
ドイツで先日バイエルンとやったホッフェンハイムは1–1から最後2点取られていましたけれど、定石的に何をやっても最後は個で破られてバイエルンが勝つ。でもそこを最後まで抵抗してバイエルンの足を止めて、逆に2点目、3点目を取ることがサッカーの醍醐味だと思いますし、そのためには相手を疲弊させないといけないと思っていました。疲労したのかどうかは相手の選手に聞いてみないとわからないですけれど、でも後半は相手も少し動きが止まったかなという印象はありました。
- そうして守備で奮闘した選手達がチャンスで前に出ていく姿勢はやはりマネジメントの妙か?
選手の中では引いて最後に足を出して凌いでいるというか、実際には取りに行って入れ替わられてるんです、ほとんど。ただだからこそ相手もスピード上げないとシュートまでいけないですし、このやり合いの中で防げていると相手のスピードが落ちてきた時に我々がチャンスになる。仮に彼らがスピード上げずにずっとシュートを打ってたら守備になった時の力が残っていますから、当然そこで蓋をされてまた取られてしまうという形になる。だから僕は今のフットボールは、早い展開じゃないともう無理だと思っています。それは上に、世界に行くためということも含めてですけれど、ゆっくりしたところをできるだけ排除して、全てのことをスピーディーにしていく。気持ちの部分も頭の部分でもそういったフットボールをしたいなと思っているし、それに合う選手がうちにはいるんじゃないかなと思っています。そこのチームの最大値を引き出すためにこういう形、やり方を自分なりにやっている、そういう感じです。
長谷川健太 監督 総括
中断明けから苦しい試合が続きましたけれど、中2日、中3日のこの1週間は天皇杯も含めて、連戦の中選手たちも出せるものをすべて出してくれました。勝点3は取れなかったですけれど、今のうちにとっては大きな勝点1が取れたと思っています。
もちろん今日のゲームも決定機の数で言えば、たぶんうちの方が多かったとは思いますが、お互いに今日は負けられないという気持ちもあったと思いますし、ただ最後まで攻める姿勢は崩したくなかったので、そういう意味ではしっかりと後ろの選手は集中力を切らさずに対応してくれたんじゃないかなと思います。
けが人等々、来週くらいに戻ってこれそうな選手も何人かいるので、今日は体を休ませて、チームは残り10試合を立て直して戦っていきたいと思っています。
長谷川健太 監督 質疑応答
- 「最後まで攻める」の意味するところは?
終盤になってなかなか勝点3が難しいという中でも、やはり連敗中に1を拾うのではなくて、3を目指しながらもしっかりと1を取るというところです。後ろでだいぶ疲弊している選手はいましたけど、前で圧力をかけて、最後まで相手のゴールに迫る姿勢を選手達は出してくれたので、それが1につながったんじゃないかなと思っています。
もちろん、通常の精神状態というか、肉体状態も含めてやれればもっともっとアグレッシブなサッカーはやれたと思いますが、今はこういう状況ですし、その中で選手たちはどうしても連敗中だと失点をしたくないとか、そういう少しネガティブな方向に行きがちです。そこで今日は原点にしっかり帰って、東京の前半戦の良い形がどういう形で始まったのかという話をしました。球際で戦ってアグレッシブに戦って、ただやはり悪くないのだけれどシュートブロックに対しての甘さが今までの数試合はあったと思うので、そこをもう1歩、もう半歩しっかりと寄せるということをやっていこうと。攻撃に関してもこのチームは点が取れない中でスタートして、例えばシュートのセカンドボールを拾って押し込むような形で点を取ったりだとか、みんなで相手のゴールを奪うという姿勢が序盤戦はあったのですが、形にこだわって、綺麗に取ろうとするようになって、泥臭く積み重ねた得点がなんとなく失われつつあった。前線の選手ももう一度そういうところからスタートして得点取れるようになってきたので、そこを思い出して、一人じゃなくてみんなで押し込むというようなところまで今日は突き詰めてやっていこうと。相手の湘南はそういうところを愚直にやってくるチームですし、そういうところでしっかりと負けないという意味では、今日我々がまた原点に戻れる試合でもあったと思います。
その中で立ち上がりこそ少し硬さでなかなかコンビネーションが出なかったですけれど、飲水タイム以降良い崩しから決定機が何回か作れるようになりました。天皇杯やコンサドーレとの試合では選手たちも点が欲しいがゆえに単発の攻撃が目立ったので、崩すときは相手を動かして、しっかりと揺さぶって、ということをやっていこうという話をしていた中、そういう形が後半何回か見ることができたので、あとはこの勝点1を3に変えていけるようにまた1週間しっかりと準備していきたいなと思っています。
- 今日の試合では泥臭く決めるという姿勢は出たか?
例えば前半の(東)慶悟がなんとか押し込んでとか、リンスのシーンからはそういう気持ちは伝わってきましたし、もちろんそこで決めきれなかったですけど、そこを突き詰めて今はやっていくしかないです。得点は急にアベレージが上がっていきません。そしてああいう場面で決め切れるかどうかという部分と、後ろの選手も焦れずに我慢できるかどうかというところがなかなかこの連戦中はできなかったので、そういう意味では今日はチームとして、点こそ取れなかったですけれど仕掛け続けてチャンスを作り続けたという点では、前回の札幌戦の後半に比べたらよっぽど進歩したと思います。しっかりと続けていけるようにしていきたいなと思います。
選手コメント
GK 1秋元 陽太
選手誰一人満足していませんし、この勝点1をしっかり次に繋げていかなければいけないので、また次も大事な試合になります。試合後もみんなでそういう話をしました。今日はDFライン中心にしっかり身体を張れたことは良かったと思います。これをしっかりと続けていきたいと思います。僕一人がシュートを止めていれば良いというものではないですし、チームが勝てなかったことに僕も矢印を向けています。(古巣との対戦だったが)1年だけでしたけれど本当にお世話になったチームですし、あの1年の経験がいま本当に生きているので、本当に感謝したいです。
次に向けて、まずは身体をしっかりリフレッシュして、体調崩さず全員で戦っていきたいと思います。
DF 36岡本 拓也
(サイドチェンジを受ける場面がが多かったが)いつもみんなに要求していますし、今日は特にけっこう来ていました。受けた後に少し色々考えすぎてしまったところがあるので、もう少し思い切りよくやれば良かったなと思います。いつもより自分の中で選択肢が多い状況が多く、そこで選びきれなかったという感じです。少し持たされた感もありましたし、そこでもう一工夫味方を使うだとか、アイディアを出していけるようになればと思います。(クロスに対して中で入る選手が少なかった?)欲を言えばもう少し入ってくればというのはありますが、早い展開の中だと入りきれないこともあるので、自分のクオリティをもっとあげていけるようにしたいです。
MF 18松田 天馬
前半の立ち上がりはバランスを考えすぎて良い場面を作れなかったですが、徐々に感覚をつかむことができて、それは中で話し合って修正ができたからだと思います。ただもう少し前でチャンスを作りたかったです。前半はビルドアップ、ゲームを作ることを意識してプレーしていました。そこからもう少し前に出て、攻撃の起点になるプレーがしたかったです。
(得点チャンスもあったが)あの一本を決めるか決めないかで勝点1か3かが変わってしまいますし、ここ最近決定的なところを決められていないので、決めなければと思っています。ただヤマくん(山﨑凌吾)や(梅崎)司さんとは目を合わせて近いところでプレーできているので、感覚としては悪くないと思います。ただもう少しクロスへの入り方とか、その精度とパワーを上げていきたいです。あとはクロスの精度と中の入りが合ってくれば得点に繋がるかなと思います。本当にそこは練習していくことに尽きると思います。
FW 38山﨑 凌吾
連敗していましたし、今日はホームだったので勝ちを目指して戦ったゲームでした。後ろは陽太さん中心にすごく身体を張ってくれた中で、前もチャンスがなかったわけではなかったですし、これだけ守ってもらっていたので得点をとってチームとして勝ちたかったです。個人的には孤立してしまう場面が多くて、もう少し前で起点になるプレーなどで違いを見せたかった。切り替えて次に向かっていきたです。この勝点1を無駄にしないように、次は長崎相手に勝点3を取れるようにしたいです。
MF 16齊藤 未月
いつもと違う形で試合に望みましたけれど、守備のところでは東(慶悟)選手のところで起点を作られないように意識しました。そこから前の2人に任せるようなボールが入ることが多かったですが、そこに対しては悪くない対応はできていたと思います。ただ奪った後のボールや相手がミスした後のボールを自分達がしっかり握って前につけていくという自分達の良さは出せなかったですし、少し守備に意識がいき過ぎてしまって攻撃のところが今までより出せなかったかなと思います。
DF 28石原 広教
リーグ戦では久々に試合に出て、気持ちとしては本当に「やってやろう」という想いでした。チームとしても負けが続いている中でしたし、その中で使ってもらったのでやらなければいけないなと、そういう意味でも強く思いました。個人的には球際や走るというところで、いつも通りのプレーができたと思います。チャンスを多く作られましたが押し込まれたときに跳ね返して、チームとして身体を張って失点しなかったことは良かったと思います。負けが続いてしまっていましたし、本当に勝ちたかったです。ただあれだけチャンスを作られた中での勝点1ではあるので、大きなポイントではあると思いますし、ポジティブに捉えたいと思います。ただホームで勝てなかったとこはやっぱり悔しいです。