監督・選手コメント

J1リーグ第19節 柏vs湘南 試合後監督・選手コメント

監督コメント

曺監督 総括
曺監督

お疲れ様でした。
前節台風の影響でホームの試合が中止になって、その上でこのレイソル戦に向かうにあたっては少し難しさもあったのですが、前節については延期になったのではなくて川崎さんに負けたつもりで、その悔しさを持って次の試合に入って行こうと話をして選手を送り出しました。
自分のチームを監督として話す難しさがありますが、今日は失敗が失敗にならないと言うか、少しの隙間があったらそこをみんなで埋めて大きな穴にしないとか、そういうことが攻撃でも守備でも良くできていたと思います。それが何に由来しているかというと、走らされる試合でなくて自分たちから走ろうとする、それは自分のために、仲間のために。そういったところが非常に研ぎ澄まされて見えて、安心してみることができました。もちろん相手にボールを持たれて苦しい時間もありましたけど、今日はチームとして勝ったというより、それぞれの個々のマッチアップに対して負けるなと話をしていた中で、その点でも良かったと思います。先制点の場面も(杉岡)大暉が小池(龍太)選手に仕掛けて良いボールをあげましたし、2点目もヤマ(山﨑凌吾)が仕掛けてPKをもらえた。非常に前方向への矢印のエネルギーがたくさんあったと思います。この暑さでこの気候で、途中から出た(小川)慶治朗も新戦力のヤマも、アクシデントで出場になった山根(視来)も野田(隆之介)も、また今日は(高山)薫や(表原)玄太、(松田)天馬やトミ(富居大樹)を使えませんでしたけれど、誰を使ってもそういうふうにできたなと思って、正直2枚目、3枚目のカードを切るのを非常に迷いました。表現しづらいですが良い悪いでなく、本当にすごくなってきたなと思います。
いつも言っていますがスタイルというものを自分たちで決めつけた瞬間にそれを防ごうとする相手、もの、条件が重なると、そのスタイルが出せずに負けてしまう、我々はかつてそういうチームでした。ただ監督を7年やるうちに僕も少しは小学生から中学生に上がるくらいのレベルで考えられるようになってきたのかなと思いますし、そのスタイルが出ないときにどう勝っていくかということを色んな試合、先日のワールドカップもそうですが、そこから感じていました。ボールを持っているチームがほとんど勝てていなかった中で、でもボールを持つことを放棄してはいけない、そういう微妙なニュアンスをどう選手に伝えていくかというところがいま勝利、勝点3を生み出していく中で大切になっていると思います。今日もおそらく4:6でレイソルさんにボールを持たれて非常に厳しい時間がありましたけれど、そんな中でもモダンなフットボールの傾向に選手が近づいて躍動できるようになったのは勝ったことよりも嬉しいですし、これをこの夏に続けていきたいと思います。
今日のMVPは石川俊輝にあげたのですが、出場機会のない中いつも残って練習をしていて、他人よりもたくさんシュート練習をしていて、悔しい気持ちがボールに乗っているのをずっと見ていました。そういう選手が結果を出してくれるというのは監督として非常に嬉しいですし、また出られなかった選手にも勇気を与えてくれたと思うので、最後に一言付け加えさせてもらいます。

曺監督 質疑応答

- 山﨑凌吾選手への評価は?

J2でやっている時から我々の獲得リストには、結構前から上がっている選手でした。彼は湘南というチームのことを徳島時代に岩尾(憲)やカジ(梶川裕嗣)から聞いていて、いい意味での先入観を持っていたので馴染むのが早いと思います。そういう中で周りもヤマの良さを生かそうとしながらプレーができる。これは慶治朗についても同じですけれど、彼にスピードがあることをわかっているからあの時間に入ったらみんなが裏のスペースにボールを送る。そういうことが戦術そのものを上回ってきたらチームは強くなると思っています。選手の信頼関係を高め合えるものでないと戦術は戦術として意味がないと思っているので、そういうところでヤマも良くやってくれたし、周りも良く生かしてくれたと思います。

加藤望 監督 総括

平日開催にも関わらずたくさんのサポーターの方に足を運んでいただいて、大きな声援をいただいたにも関わらず結果としてお返しできなくて本当に申し訳なく思っています。試合自体は失点の時間帯が良くなかったことがありますが、ただそれに崩れることなく選手たちはゴールに向かってプレーしてくれたことは良かった点だと思っています。最後決めきれないところの課題は残ったと思います。

加藤望 監督 質疑応答

- 決めきれないところはここ数試合の課題だと思うが、打つ手はあるか?

最後に決めるというところを、もうひとつ相手のDFラインを崩すというトライをしようと思ってトレーニングはしています。カットインしてから裏を取るだとか、そういう部分は少し出せたと思います。それは続けていかなければいけないと思いますし、あとはクロスの精度を上げていかなければいけない。それに対して飛び込んで行く人数、そして相手より先に触ること、タイミングも含めてもっともっと上げていきたいと思います。

- 過去数試合に比べると内容は良かったと思うが、いまの状況を抜け出す兆しは見えたか?

もちろん失点をしているのでディフェンス面でのトライもしていかなければいけないと思っています。もっと強固なディフェンスにしなければなりませんし、あとは先ほども言った得点をするところ。最後の崩しとそのもうひとつ前のビルドアップのスムーズさ、速さをより上げていって最後のところでもうひとつ余裕を持ってプレーできるようにしていきたいです。

- リーグ戦再開後手塚康平選手を初めて先発で起用したが狙いは?

ビルドアップのところが彼の特徴でありそれが狙いでした。そういう意味では康平はよくプレーしてくれたと思います。あとはもう少し長いボールの精度など、もっともっと彼の力はあると思っているので、より良さを出してくれると思っています。

選手コメント

FW 38山﨑 凌吾
山﨑 凌吾

早い時間に点が取れましたが、そこから前半はしんどい時間が続いて、ただ後半に良い入りができて苦しい中でもPKで2点目が取れて、内容どうこうよりもまずは勝てたことが良かったかなと思います。(1点目は)杉岡選手がシュートを打つと思ったので、そこから良いポジションを取って詰めることができました。この前の試合から自分も試合に出始めて、ピッチの中でやっぱりみんなよく走ると感じていますし、今日もハードワークができた上でチームとしてもそうですが個々でみんな負けていなかったと思うので、そこが今日勝てた要因だと思います。湘南は一体感があるチームだと思っていますし、出ているメンバーだけじゃなくてみんなが一生懸命練習していますし、誰が出ても一緒のスタイルでできると思います。次は首位の広島との対戦ですし、しっかり切り替えてチャレンジャー精神を持って勝点3を取りに行きたいです。

GK 1秋元 陽太
秋元 陽太

立ち上がりに先制点が取れて、その後ピンチもありましたけれど、最後まで集中力を切らさずに戦うことができた結果だと思います。柏さんは個々の能力が高いのでピンチは来ると思っていましたし、だからこそ良い準備をしていなければいけないと思っていました。それを90分間集中力を切らさずにできたことが自分のセーブにも繋がったと思います。夏場のきつい中でどれだけ勝点を取れるかが上に行けるかどうかの差になると思うので、この負けなしの状態はプラスに捉えたいです。ただ連戦が続きますし、しっかりとまた広島戦に向けて準備していきたいと思います。個人の戦う部分で負けないことと、そして最後は湘南らしい一体感がこの夏場は大事になると思います。

FW 50小川 慶治朗
小川 慶治朗

最後まで集中力を切らさず戦えたと思いますし、個人としても戦う姿を見せることができたと思うので、すごく気持ちの良い勝利です。チームは苦しい時間が続いていましたし、後半の最初から準備していました。あの時間になっての出場でしたけど、最後にピッチでみんなと勝利を分かち合えたのですごく良かったです。(出場するときは)運動量の部分とボールを持ったときの縦への仕掛けは曺さんから言われていました。
チームに合流してから激しい練習を日々していますし、勝負にこだわって練習しています。それに加えて湘南を支えてくれるみなさんがいれば負けないと思っていましたし、今日の結果は妥当だと思っています。
チームにだいぶフィットしてきていると思いますし、チームを助けるために来ているので、しっかりまた準備をしてこれから勝点を重ねていく手助けをしていきたいです。今日のようにピッチでみんなと喜びを分かち合いたいと思うので、一生懸命自分の特長のランを生かしていきたいと思います。

DF 36岡本 拓也
岡本 拓也

結果的に失点ゼロで抑えられて、2点も取れたので良い結果だと思います。前半少しDFラインのスライドがあまりうまくいかないことがあったのですが、それは後半うまく修正して戦えたのでそういう面は成長した部分だと思います。そこは良かった部分だと素直に感じています。次の相手は首位なので、アウェイですけれどしっかり戦って勝点3を持って帰れるようにしたいです。

MF 2菊地 俊介
菊地 俊介

暑くてタフなゲームでしたけれど、先週中止になっていたので、いい意味でフレッシュな状態で試合に臨めたと思いますし、この時期に連勝できたことはすごく大きいと思います。前半は少し相手のリズムになってしまいましたけれど、そこで先に点を取られなかった、前半失点しなかったというところが大きかったと思います。後半もしっかり前から行くことと、2点目を取りに行くということはみんなで共通意識を持って戦っていました。守備はもともとみんなで粘り強くやることを去年のJ2から積み上げて来ていますし、後ろの選手だけじゃなく前線の選手も含めて全員で、最後のところで身体を張ることができていると思います。今は失点していないことが1番ポイントだと思いますし、複数得点も取れているのでチームの流れは良いと思いますし、この流れでしっかり次も勝てるようにしたいです。

MF 7梅崎 司
梅崎 司

かなりきつい展開でした。必死で走って隙を作らない、自分のところから絶対にやらせない、そして味方を助ける、そういう思いで走っていました。早い段階で先制した後に押し込まれる時間が長かったのでそこは意識していましたけれど、すごくキツかったです。みんなよく耐えたと思いますし、本当に集中力を切らさずに、最後のところでやらせないということをできたことがひとつ成長だと思います。ただ後半でももっと前から行く姿勢を出していきたいし、神戸戦はそういうことができてラインが下がることなくコンパクトに保った状態で戦えていた。あとはすごくきついですけど守備で戻った後に前線でしっかり時間を作ってファールをもらうなり、ボールを運ぶなりというプレーをもっと個人的にはやっていかなければいけないと反省しています。
僕らは常にチャレンジャーですし、その精神を失ったらやっぱりどの相手でも勝てない。それは首位の広島でも変わらないことなので、自分たちのサッカーを出して勝負をしていきたいです。