監督・選手コメント

JリーグYBCルヴァンカップPO第2戦 仙台vs湘南 試合後監督・選手コメント

監督コメント

曺監督 総括
曺監督

お疲れ様でした。
今日は敗戦しましたけれど、1st Legという前提条件があった中で次のステージに進出したこと、クラブとしてもルヴァンカップでノックアウトステージに進出するのは初めてですし、選手がこの難しい状況の中、試合内容としてはほぼ一方的で今日の試合に限って言えば我々は100%敗者ですけれど、総合的に考えた時に神様から少しプレゼントをもらえたのかなという試合になったと思います。
仙台さんが3トップで来ることも攻撃的な選手を入れてくることもある程度予想はしていましたが、1st Legとは違う戦いの中で相当押し込まれました。その中で前半は特に競り合いのところでボールをロストしてしまって相手にボールが渡る展開が多くそれで失点を2点くらってしまいました。こういうステージに僕も含めてほとんどの選手が立ったことがないなかで、素直に仙台さんの気迫や勝ちたいという気持ちがシンプルに我々を上回ったなと思いますし、改めてホーム&アウェイという前提条件は非常にやっていて難しいなと感じました。ただ1点を取った後、奥埜(博亮)選手にスーパーシュートを決められましたけれど、もう後ろで割り切ってブロックを作って守るというふうにして、相当ピンチもありましたけれど、秋元(陽太)はじめ後ろの選手が最後のところで身体を寄せて守るということを試合の中で自主的に判断してプレーしてくれたので、最後の10分くらいは大丈夫だなという気持ちでいました。
次のステージへの進出が叶わなかった後でも仙台のサポーターさんが本当に美しいというか、綺麗な拍手をしているのを見て本当に良いスタジアムだなと思いましたし、ここのスタジアムの雰囲気が間違いなく今日の仙台さんの力になったんだろうと想像しています。ここで勝点を取るというのは埼スタやアイスタと同様に非常に厳しい戦いだなということを感じましたし、その思いを忘れずに、2ndステージで仙台さんと対戦するときはもう少し抵抗できるように準備していきたいと思います。
中断前最後の5試合で、今日は負けましたけれど良い形で終われたというのは、今日ここに来ていない選手も含めてみんなの努力だと思いますし、敬意を表したいと思います。まだまだ課題は試合ごとにある中で、今日のような粘り強さをJ1のステージで出せたというのは長年やってきたことの積み上げを神様に評価してもらえたのかなと思います。明日からしばらく休みにしますけれど、7月11日に天皇杯で長崎さんと試合をするときにはさらにパワーアップした湘南を見せるために、みんなで努力していきたいと思います。

曺監督 質疑応答

- 前半2点リードされる展開だったがハーフタイムにどんな声をかけたか?また前半アクシデントで交代を1枚切る必要があったが影響はあったか?

ハーフタイムには「ここからが後半じゃなく、新しい試合をやるつもりで」と話しました。先制点を取れば有利になるという意識で、前半のことは忘れて入っていこうと。2点取られるとまずいということでなく、1点取れば我々に関して優位な状況になる訳なので。彼らがボールを動かして来ることはわかっていたので、我々のカウンターというナイフは常に持っていようと話しました。野田(隆之介)が良いシュートを打ちましたが、本数としては全体でも5本か6本程度だったと思います。それでもあの得点で持ち直したかなと思います。
前半で(大野)和成が怪我をするということは想像はしていませんでしたけれど、今日チームのMVPはアンドレバイアだと思っていて、アンドレは天皇杯もルヴァンカップでも、自分が出ていない時に非常に紳士な姿勢でチームのために振舞ってくれていることはわかっていました。今日は彼が最後で身体を張って全部跳ね返していたと思いますが、良い部分を出しながら和成のカバーをしてくれたと思います。ああいった経験のある選手がこういう舞台で力を出してくれることは監督としても嬉しい気持ちです。

- イエローカードが前半から3、4枚出され、球際厳しく行きにくくなったように感じたがどうか?

試合前からああいったプレーに対してはカードを出すよと言われていましたし、レフェリング自体におかしいと感じるところはありませんでした。逆にカードをもらうというより競り合った時に倒れるシーンが多いので、それを持ちこたえてタフにやらなければいけないなとシンプルに感じました。ファールかもしれないけれどファールじゃないということをアピールして立ってプレーすることは、日本全体のことだとも思いますけれど、うちのチームもリュウ(野田隆之介)も(梅崎)司もまだまだ多いので、そういうところは課題だなと思います。カードは確かにもらってしまっていたので、またもらうようなことがあったらこうしよう、という案はありました。ただ選手を早めに替えることはできなかったので、そこは選手の意識に懸けようと思っていました。

渡邉晋監督 総括

お疲れ様でした。
まずはルヴァンカップのプレーオフのゲームに関して言うと、年間シートを買ってくださった方もこの試合は自分でチケットを手にしようとしないと足を運ぶことができない状況にもかかわらず、1万人を越すサポーターが集まってくれました。ドラマを起こして見せようというところにおそらく共感して集まってくださった1万人だったのかなと思います。本当に彼らの素晴らしい声援と後押しがあったからこそ今日のようなゲームができたんじゃないかと思います。本当に感謝しています、ありがとうございました。
感想は、悔しいです。やっぱりあれだけのことをやってくれた素晴らしい選手たちなので、なんとか次のステージに進ませてやりたかったですが、それが叶わずにただただ悔しいです。今日の90分に関していえば完勝と言っても良いですが、やはり2試合でどういうスコアになるかがこのルヴァンでのレギュレーションですから、そういう意味で考えると我々がアウェイゴールを取れなかった、また平塚の地でアディショナルタイムに3失点目を喫してしまった、あるいは今日のゲームでいえばアウェイゴールを与えてしまった、またその後に攻勢に出たところで仕留めきれなかった、そういうものが結果として重くのしかかったのかなと思います。
ただ、いまロッカーで悔し涙を流している選手もいましたし、それを忘れずにエネルギーに変えて、今日我々が90分の中でやれたことを自信にして次に進めれば、残りの後半戦でもっともっと素晴らしいベガルタ仙台というチームを披露できるのではないかと僕自身は思っているので、しばらくはロシアに目を注いで少し休んで、後半戦に向けて英気を養いたいと思います。

渡邉晋監督 質疑応答

- --第1戦とはシステムを変えて臨んだがその狙いは?

1st Legを何度も見直した中で相手の最終ラインの背後は意外と取りやすい、実際に1st Legではそこでのランニングを見逃しているのにこちらが手間をかけすぎたということがあったので、であれば完全にミラーゲームにして湘南さんのDFが食いついたところを裏返して背中を取ろうというゲームプランの方が、点を取ることに関しては良いだろうという狙いがありました。ただ3-5-2だ3-4-3だとありますが、ここまでチームとしてそもそもの戦術的なことへの理解だとか、実際のプレーというのが深まってくれば、それは相手を見てやれることだと思います。あまり僕の中でシステムの縛りというのはなくて、そもそもの我々のプレーモデルというのを理解させるために3-4-3で始めて、それが深まれば3-5-2にもできるし、さらにそれが深まればまた変化を加えて3-4-3にもできる、そういうことをこの短い準備期間の中でやってきました。成長の証だと思いますし、いろんな狙いがあってシステムは変えましたけれど、そんなにこだわる必要はないかなと思っています。

- 監督の理想とするサッカーが見られたと思うが、リーグ戦でも期待できるか?

理想を言えば相手陣でプレーし続けたい。でも今日のゲームで言えば0-3の状況を我々がどうひっくり返してドラマを起こすか、それが大前提としてあるので、こういうシチュエーションになることは想像しやすいと思います。そして実際に我々が仕掛けていった先に理想形に近いものを披露することができた。ではそれをリーグ戦やこの先の天皇杯でやったときにどうなるかというのは冷静に考えないといけないと思います。リスク管理のところは思い切ってやって良いよと選手には伝えていて、実際にそういう形で攻撃に厚みをもたらすことができた。それで相手が下がってくれればなお良いことですけれど、やっぱりそうはさせないというところがノーマルな戦いになればあるので、その理想は追い求めつつ、今日のゲームをゆっくり僕自身振り返って、通常のゲームでもどれくらいこれがやれるのかを整理してトライしていきたいと思います。

- 3バックの両サイドが攻撃参加することが多く見られたが、それは後半戦でも増やしていきたいところか?

リーグの鹿島のゲームが終わった後からそういう仕込みはトレーニングの中でしていました。実際にそういうような働きかけを選手にもしていましたし、それがちょっとずつ形になってきたかなというのは湘南との1st Leg、あるいは先日の群馬戦、そして今日という結果になったと思います。先ほどの話と重なりますが、0-3をひっくり返そうと思えばそういう仕掛けも必要ですし、いつもよりは意欲的に出ていったところもあると思いますが、0-3でなくても3バックの一角がああやって上がって行くというのはどこかのタイミングで僕自身がやりたいと思っていました。僕の今季のプランではこのW杯の中断期間でやろうかなと思っていたのですが、プレーオフだったり天皇杯だったりという試合を3つ獲得することができたので、そこで試すためにも鹿島の後から仕込んで今日もやりました。タイミングや、本当はもっと裏を取れるのに取れなかったという点が今日のゲームでもあったので、そこを中断期間で整理すればもっと面白いものを見せられるんじゃないかと思っています。

- プレーオフを通じてチームとして得られたものはあるか?

この悔しさが我々を成長させてくれる、そう確信しています。本当にロッカーでみんなが悔しい顔をしていて、ともすれば今までの仙台だと「プレーオフまで来たから良いじゃないか」とか、あるいは「1st Legで0-3だったらしんどいんじゃないか」とかを思う人間が出てきかねなかったと思います。まずは僕自身がそれを払拭したかったし、プレーオフまで来たことが満足じゃないぞと、0-3だってひっくり返せるんだぞとゆうものをこの2nd Legで見せたかった。実際にそれをやれると僕自身も思っていましたし、誰一人最後の最後まで諦めていなかったと思います。それが何よりも我々にとって大きな財産になるんじゃないかと思います。もちろんここで目標を断たれてものすごく悔しいですが、良いことばかりではないですから、人生は。ここからどうやって立ち直れるかが男の見せ所だと思うので、多分これは我々にとってものすごく大きな財産で、とてつもないエネルギーとなって我々を成長させてくれると信じています。

選手コメント

FW 15野田 隆之介
野田 隆之介

自分のプレーとしてほとんどボールを収めることができていなかったので、点が取れたことは最低限の仕事だったかなと思います。代わった選手も含め、ベンチのみんなもスタッフも、みんなが頑張ってくれた試合だと思います。(得点シーンは)ファーサイドに2人いるのは見えたんですけれど、自分で行ってやろうと思いました。最初ファーに打とうと思ったんですが相手が足を出して来たので、股を狙って打ったら、ゴールはほとんど見えていなかったんですけど、うまく入ってくれました。
今日は体力的にもきつかったですけれど、自分以上にみんなもきつかったと思います。自分は守備であまり貢献できなかったですけれど、後半の最後の方は自分のところにボールが入ったら絶対に奪われないようにということは意識していました。
試合前からこういう展開はあり得ることだと曺さんも言っていましたし、それをみんな共通で意識できていたので試合中にまずいなという感じはなかったです。

MF 2菊地 俊介
菊地 俊介

トーナメントなので次のステージに進むということは大事なことですし、今日に関しては難しいゲームでしたけれど、1st Legをしっかり戦った結果でこういう結果を得られたので、次のラウンドに進めることは嬉しいです。
相手が前から得点を取りに来るということはわかっていましたし、それを受けないように自分たちも前から行こうとしていましたが、仙台は結構ロングボールが多くてDFラインもあまり上げきれず、プレッシャーに行くのか行かないのか少し曖昧な部分も出てきてしまいました。2ndボールの球際のところでも後手を踏む場面が多かったのでそこは課題だなと思います。
これから中断に入りますけれど、攻撃の部分でたくさん課題があると思いますし、カウンターでシュートまで持っていくプレーなどはもっと増やしていかなければならないと思います。またみんなで取り組んでいきたいと思います。

DF 36岡本 拓也
岡本 拓也

1st Legが全てだったと思います。こういうホーム&アウェイで2試合戦うというのが初めてだったので、少し今日の試合に関してはゲームの進め方が難しかったなと感じています。
ボールを奪った後にまた奪われてという、長い距離を走らなければいけない展開が多くて、ちょっと体力的にしんどい試合でした。自分も足を攣ってしまったところは反省しなければならないですし、もっと走れるようにして、試合に向けて1週間の持っていき方というのを見直さなければなと思います。セカンドボールを拾われることが多くて、あそこで負けてしまうとうちの展開にはやっぱり持っていけないなと感じさせられました。ただ最後まで粘り強く(秋元)陽太くん中心にバイア、圭祐、山根と後ろがすごく踏ん張ってくれたので、本当に今日はDF陣に感謝かなと思います。後ろでコンパクトな状況を作ってやろうという話は試合途中から話していた中で、梅さんが抜け出してリュウさんが点を取ってくれて、あの1点は本当に大きかったと思います。
ここで一回ゆっくり休んで、改めてコンディションを上げていって、ここから後半に向けてチームとしても個人としても伸びていけるように、成長できるように積み重ねていきたいと思います。

MF 10秋野 央樹
秋野 央樹

相手は3点を追いかける展開で割り切ったサッカーをしてきたなか、それに対して受け身になってしまったところがあったと思います。前半0-2からもしもう1点取られていたらやられていたかもしれませんし、結果0-2で抑えられたところと後半1点取れたことがこのゲームを決めたところだったと思います。最初に1点取れれば良かったですけれど、3-0になる前に1点取れたことが大きかったと思います。
相手のホームで、相手のやり方がはっきりしていたなかで、自分たちも受け身になるつもりはなかったですけれど、結果的にそうなってしまったので、そこからは相手をリスペクトして戦わなければいけないなと思っていました。全ては1st Legで3点取れたことだと思いますし、あそこで2点で終わっていたらどうなっていたかわからないですし、2戦合計という考えもありますけれど、どれだけ第1戦で優位に進めることができるかが大事だなと改めて感じました。
個人的にはなかなか2ndボールが拾えなくて苦しい時間が続きましたけれど、守備での最後のところ、クロスに対して身体を張ってクリアをしたり、そういうところで少しはチームに貢献できたとは思います。ただ流れが悪いときに自分がもっと簡単にボールを受けてさばいて、リズムを作らなければいけないなと感じています。落ち着けるのもそうですし、スピードを上げるのもそうですし、自分がボールに触ってリズムを作れるようにしたいなと思います。
まずはリフレッシュをちゃんとして、また後半戦で良い入りができるようにトレーニングからしっかりやっていきたいと思います。

MF 7梅崎 司
梅崎 司

相当苦しかったです。相当きつかったですし、終始相手のリズムでプレーされた感覚があります。わかってはいましたけれど、自分たちのサッカーもやっぱりやらなければ勝てない。それを出していかなければいけないということは試合前からみんなで話していましたけれど、どこか1st Legでの点差というのが意識の中に潜在的にあったんだと思います。こういう形になるのは仕方ない面もあると思いますけれど、その中でみんな身体を張り続けたからこそ前半2点でしのぐことができて、その後1点取ることができた。価値あるアウェイゴールでしたし、本当にみんなに感謝しかないです。試合自体は負けましたけれど、大事なのは2試合の合計ですし、勝ち進めたことが全てだと思います。良いゲームをしても勝ち進めなければ意味がないですし、新たなステージでチャレンジできることに対する喜びは今は大きいです。