馬入日記
【マラガ日記:1月30日】人数分の個性息づく
インテンシティの高いトレーニングやタフな練習試合のなかで、チームの目指すスタイルとともにそれぞれが特徴を傾ける。
今季新たに加わった才能も然りだ。たとえばこのスペインキャンプのスタートと前後して加入した韓国代表のイジョンヒョプは、巧みな動き出しや力強いヘディング、インパクトのあるシュートなど、ストライカーとしての高いポテンシャルを随所に散りばめている。「裏にも走れるし競り合いも強い。真面目で性格もすごくいいし、なんでも受け入れようという姿勢が強く感じられるので、ひととしても素晴らしい選手だと思う」そう秋野央樹も語ったものだ。
かつて湘南でプレーしたハングギョンは大学時代の1年先輩だという。今回の移籍に際し、話もしたそうだ。「グギョン先輩から電話をもらった。いい監督さんだと話していたし、ベルマーレのサポーターは熱いパッションがある。僕に合うチームではないかと言ってました」イは明かす。
実際、湘南のサッカーに共感を覚えているようだ。「練習からみんなが走るし、チーム全体にアクティビティ、モビリティがある」イは語り、自らの特徴をチームに重ね合わせる。
「僕自身、相手が簡単にパスできないように前で走って厳しく守備をしたいし、ボールをくれたら仲間とパスしてチャンスをつくりたい。僕と合うと思います」
初めて経験する海外のクラブでのプレーに当初は不安も覚えたという。だがキャンプに合流し、寝食をともにするなかで、そんな心配は仲間の優しさに払拭された。
スペインでの厳しいトレーニングも、「プレシーズンにきついのは当たり前。いまきつければシーズンでいいプレーができる」と受け止める。がんばります、と語る視線の先に高みを見据えている。
「J1残留はもとより、ACLに出場できるようにしたい。チームメイトも頑張っているし、この雰囲気ならできると思います」
イ然り、年齢や在籍年数の別なく、湘南スタイルのなかで人数分の個性が健やかに息づく。「ALIVE」はそんな彼らの総称とも言えよう。
TEXT:隈元大吾