馬入日記
【マラガ日記:1月28日】「ALIVE」
午後にトレーニングマッチを控えた1月28日、試合に出場しないトレーニング組は朝からタフに追い込んだ。チューブを用いた練習やパス&コントロールのほか、スモールサイドの3対3ではハイインテンシティのなかでシュートの意識を追求した。ミキッチも杉岡大暉も、アンドレバイアも齊藤未月もともにシャトルランで競い合う。言わずもがな年齢の別はなく、フィールドに負けじとGKも負荷の高いメニューに取り組んでいる。
午後は強風舞うなかジブラルタル1部のリンカーンレッドインプスFCと対戦した。藤田征也の好クロスから端戸仁が鮮やかに先制ゴールを挙げるも、間もなく相手もサイドを突破し同点に追いつく。以降スコアは動かず、ゲームは1-1で決着した。
この一戦然り、また先日のSCフライブルクU-23戦とオールボー戦然り、ボールへのプレッシャーやラインコントロールなど、チームのコンセプトの共有はスムーズに進められている印象だ。事実、曺貴裁監督も、「今年やりたいことのベースは基本的に見せられたと思っている」と語る。
「体的に負荷をかけたなかでの試合なので、一瞬のキレや動きの連続性には当然この時期特有の重さはあるけど、戦術的なもの、やらなければいけないことに関しては例年より深まっている印象もある。なにより新加入の選手が早く馴染んでいる印象があるので、おおむね順調に来ていると思います」
指揮官はさらに、帰国以降のイメージについても触れつつ言葉を重ねた。
「まだ最後崩し切るところのパスなどがずれることが多いので、もちろん疲れはあると思いますが、そこはチームとしての課題だと思います。日本に帰ってから開幕までに3週間ほどあるので、そのなかで大事なことをやっていかなければいけない。ただ、相手がボールを持っているときも自分たちがボールを持っているときも、『ALIVE』してやっていこうという意識は選手たちにすごく出てきたと思うので、ポジティブに捉えています」
チームとしてのベースづくりのスピード感は、スタイルを育み7年目を迎える指揮官とクラブのこれまでの歩みの賜物だろう。マラガのピッチに選手たちの意欲が息づいている。
TEXT:隈元大吾