馬入日記
【マラガ日記:1月23日】スペインキャンプ始動。「きついなかでも楽しそうに」
チーム始動からはや1週間以上が経過し、チームは昨年同様スペイン・マラガの地でキャンプをスタートさせました。日本から遠く離れた欧州の西の果てでたくましく日々を送るチームの姿を、おなじみ隈元大吾さんによるレポートでお届けします。
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スペインの冬の日射しは暖かい。およそ24時間の移動を経て、1月23日、湘南はスペインでのトレーニングを開始した。午前は入念なストレッチやジョグに始まり、パス&コントロールやミニゴールを使ったコンビネーションなどで、長旅で疲労した体を起こした。
今キャンプのビジョンについて、曺貴裁監督は言う。
「スケジュールに則ることがいいわけではなく、選手の状態を見ながら一日一日考えようと思っている。最も体験できないのは、この時期に暖かいことと、練習試合の相手が日本のチームではないということ。これは選手たちにとって得難い経験になると思う」
午後はボールを使ったトレーニングのあと、チーム全体を2組に分け、筋トレとゲーム形式をそれぞれ交互に行なった。ゲームではパスを浮かさないことやアングルをつくること、攻守の切り替えなどの意識が徹底された。回数を重ねるたび、攻守の精度は増していく。
その後3チームに分かれ、総当たりでミニゲームを戦った。梅崎司が別メニューで調整しているほかは、おおむね順調にトレーニングを行なっている。
「きついなかでも楽しそうにやってくれている」積極的にボールに係わる選手たちの姿に、曺監督は目を細めた。
「まだ試合にコンディションを持っていく時期ではないし、意識や判断やプレーの質を伴ったなかで肉体的な負荷をかけていかなければいけないと思っている。キャンプでいちばん大事なのは、選手同士の信頼関係を高めること。誰がどういうプレーをし、どういう声掛けをするかなど、湘南の感じをみんなで分かり合えたらすごくいいチームになる」
さらに指揮官は、こんなふうに続ける。
「開幕にスタートダッシュをかけたいと選手に言った。そのためには攻撃的な選択肢を増やせるようにしなければいけないという話をしている。サッカーのうえではそういうことだし、全体としては選手同士の信頼関係を育むことが大事だと思う」
暖かい日射しにシンクロするようにトレーニングは熱を帯びていく。穏やかな気候に包まれるなか、得難い12日間がスタートした。
TEXT:隈元大吾