ボイス

【ボイス:2017年11月18日】ジネイ選手

チームとして選手として
勝利のために成長したい
 現在チームのトップスコアラー。なおかつチームは優勝を決めた。ところがリーグの得点ランキングではジネイ選手は16位となっている。それは、得点を挙げているのがジネイ選手など前線の選手のみならず、最終ラインまで含めた様々なポジションの選手ということの現れだ。

「湘南のスタイルとして前に前に行くプレーが多いので、いろんなポジションの選手がシュートを打つチャンスがあるんだと思います。前へパスを出して、開いたところに入ってきてミドルシュートを打ったりだとか。遠目のシュートが打ちやすいからだと思う」

 ベルマーレの攻撃の形として様々なポジションの選手がシュートの機会を得られるが、ジネイ選手は、前線でそのお膳立てをするプレーも多い。

「それこそ監督が求めることなので、常日頃から練習をしています。練習でやっているからこそ試合で出していかなければいけない」

 フォワードの選手というと、ゴール前でエゴイスティックになりがちなポジションでもある。チームの形を理解しつつも、自分でシュートを打つことを優先してしまうことがあっても責められない。しかしジネイ選手の判断はいつでも冷静で、強引に自分を押し通すようなプレーを見せることはない。

「自分にボールが来たときに、そのまま持ってシュートを打った方がいいのか、それとも味方にパスをした方がいいのか、入ってくるボールによってどういうふうにしようというのは一瞬の判断でしかないし、その一瞬にきちんと判断できるかが大切だと思っています。それは、相手のコーナーキックなどセットプレーの守備のときもそうです。守備に戻ったときに何をするという判断も大事。守備でも攻撃でもそういった判断を90分間常にきちんとする、というのが大事だと思っています」

 その一瞬の判断をより良いものにするのがチームメイトの存在。ジネイ選手は、チームの勝利を思ってその判断を下す。

「サッカーは個人スポーツではないので、チームのことを考えてやらなければいけないし、勝利もチームで勝ち取るものだと思う。ですから常に仲間のことを考えて、一緒に勝利に向かうというのが大事だと思う」

 今シーズンは、アンドレ バイア選手の4得点を筆頭に、島村毅選手や岡本拓也選手、杉岡大暉選手といったディフェンスラインに入ることの多い選手の得点も目立つ。

「みんなが得点を取ってくれるのは、嬉しいです」

 逆にプレッシャーには感じないのかとも疑問が湧くが、チームの勝利が第一と考えているジネイ選手にそんなネガティブな思いはない。

「プレッシャーを感じたら本当に点にこだわらないといけないですよね(笑)。でも、ゴールを取ることだけを考えているとチームは勝つことができません。そう考えると、チームのために何が必要で、自分は何ができるのかを考えてそれぞれがやらなければならない。そういう考えを常に持っていなければならないと思う。
 やはりチームとして戦っているので、攻撃の流れの中でどこのポジションの選手でも点が取れるのはすごくいいことだと思うし、もっともっとそういうチームにならないといけない思います」

 ベルマーレのサッカーを理解して最前線を走り回るジネイ選手。チームとしての成長を引っ張りながら、在籍2シーズン目を締めくくる。



取材・文 小西尚美
協力 森朝美