ボイス

【ボイス:2017年11月18日】ジネイ選手

常に仲間を思い、ともに勝利を目指したシーズン
ベルマーレで過ごす日々に新たな成長を実感

3節を残して昇格と優勝が決まった2017シーズン。
数字だけを見れば順当に決めたような印象だが、1戦1戦を振り返ればその戦いに余裕があったことはなかった。
そうした戦いのなかで際立ったのは、チームとしての一体感。
どの選手もチームの勝利を目指して自分とともに仲間を鼓舞して走り続けた。
それはともすれば特別扱いされがちな外国籍選手も変わることはない。
ベルマーレで2年目のシーズンを迎えたジネイ選手が仲間と過ごす日々に感じる成長を語る。

挑戦だった
ベルマーレへの移籍
 Jリーグにおいて外国籍選手はいわゆる助っ人、特に攻撃を担う選手はどこのチームにおいても特別な存在だ。しかしベルマーレにあっては、チームのなかでの扱いはどの選手とも変わることがない。チームのスタイルにしっかりと馴染み、前線に居るからこそ真っ先に守備のスイッチを入れに走るジネイ選手を見れば、それは一目瞭然だ。
 加入したのは2016年の夏。J1を戦うチームが難しい状況を迎えていた頃だった。

「自分にとって湘南に入るということは、すごいチャレンジでした。ひとつは湘南が難しい状況にあったなかで、自分が力を貸せるんじゃないかという点で。その一方で湘南のサッカースタイルというのがそれまで自分がやってきたものと全然違っていたという点で、です」

 2015シーズンから鹿島アントラーズに所属していたジネイ選手は、直接対戦したときに出場はなかったものの、ベルマーレの戦いぶりをその目で見て、自分が経験してきたサッカーとの違いを感じていた。正式に加入する前から練習に参加していたこともあり、ベルマーレのサッカーを理解し、実践できるという信頼はあったが、体現するにはやはり時間が必要だった。

「湘南というチームのスタイルに直接触れたのは練習に参加したときが初めてでしたが、以前に対戦していたので、どんどん前から走ってくる、独自のスタイルであることはわかっていました。わかってはいましたが、それでも難しかったです」

 ブラジルとスペインでサッカー選手としてのキャリアを積んできたジネイ選手にとってもベルマーレが実践しているサッカーは経験したことのないものだった。

「練習や試合中のインテンシティ、強度というものが鹿島やブラジルにいたときのチームと比べても全然違う。湘南は、常にインテンシティがすごく高くて攻撃的なチームなので、練習でも激しく行くところはすごく行くし、練習自体の強度もすごく高い。そういった部分は、慣れるのがなかなか難しかったです」

 ジネイ選手が何よりハードだと感じたのは、最前線からプレスをかけて連動していくことやトランジションの速さが問われるベルマーレのサッカーにおけるその前の段階、フィジカル面だったという。

「走るということがすごく大事。それは、常日頃の練習からかなり強度高くやらないと、急にできるものではない。例えば鹿島は、ボールをゆっくり回しながらチャンスが生まれたときに一気に速く行く。ここまで常に走ることは求められない。湘南でまず求められるのは、そういったところの激しさや常に走れる走力で、それができるから前からのプレスだったり、速い切り替えができるんだと思います」

 特に1トップ2シャドーの3人は攻守にわたってチームにスイッチを入れるタスクを担う。自分が走り出すことでチームの連動性を呼び覚ますのだ。これを90分間、体力を惜しまずやり続けることが要求される。まずは90分間走り切る走力があってこそのスタイルだとも言える。

「最初の頃は、90分間は本当に大変でした。今も疲れますけど、慣れたので90分間走れるようになりました(笑)」

 チームを一つにするためにそれぞれの選手が身につける走力。それは、曺監督がすべての選手に求めるベースだ。ジネイ選手は今、曺監督から日々送られるメッセージをしっかりと受け止め、そのスタイルの体現者となっている。

>最終節のタイムアップまで1戦1戦を大切にした戦いを